臨済録
臨済録(臨濟錄、りんざいろく)は、中国唐代の禅僧で臨済宗開祖の臨済義玄の言行をまとめた語録。一巻(編によっては二巻)。詳しくは『鎮州臨済慧照禅師語録』。四家語録の1つ。
概要
臨済の弟子の三聖慧然によってまず編纂された。その後も円覚宗演によって増補され、宣和2年(1120年)に印刷された。その後、広く流布し、「語録の王」と呼ばれている。
北宋の馬防による序文の「序」、弟子たちとの問答集の「上堂語」、弟子への講義録の「示衆」、他の禅僧との問答集の「勘弁」、伝記の「行録」、「眞定十方臨濟慧照玄公大宗師道行碑」「臨濟正宗碑銘」の碑文2つの「塔記」から構成される。
エディション
- 『続古尊宿語要』本
- 『古尊宿語録』本
- 「五山版」
- 「古活字版」
- 『大正新脩大蔵経』巻48
- 『臨済録』(朝比奈宗源訳注、岩波文庫、1935年、タチバナ教養文庫、2000年・一穂社、2004年)
- 『臨済録』(柳田聖山訳、其中堂、1961年→中公クラシックス、2004年)
- 『臨済録』(古田紹欽訳註、角川文庫、1962年)
- 『仏典講座 30』(大蔵出版、1972年)
- 『禅の語録 10』(筑摩書房、1972年)
- 『世界の名著 18』版(中公バックス、1978年)
- 『臨済録』(入矢義高訳注、岩波文庫、1989年→ワイド版岩波文庫、1991年)
- 『臨済録』(山田無文著、禅文化研究所、2001年)
関連書籍
- 『臨済録講話』(釈宗活著、光融館、1924年)
- 『臨済録 - 聖典講話』(間宮英宗著、新興出版社、1935年)
- 『臨済及臨済録の研究』(陸川堆雲著、喜久屋書店、1949年)
- 『臨済録提唱』(足利紫山著、大法輪閣、1954年)
- 『臨済録の思想』(古田紹欽著、春秋社、1956年)
- 『提唱臨済録』上下(平田精耕著、柏樹社、1984年)
- 『臨済録物語』(中村文峰著、大蔵出版、1992年)
- 『臨済録一字索引』(ウルス・アップ編、花園大学国際禅学研究所、1993年)
- 『臨済録 - 禅の神髄』(里道徳雄著、NHKライブラリー、1995年)
- 『臨済録講話』(大森曹玄著、春秋社、1980年、→新装版、2005年)
- 『臨済録をめぐる断章 - 自己確立の方法』(西村惠信著、禅文化研究所、2006年)
- 『臨済録 - 禅の語録のことばと思想』(小川隆著、岩波書店、2008年)
- 『生きてるだけでいいんだよ -『臨済録』自由訳による-』(町田宗鳳著、創美社、2009年)
- 『『臨済録』を読む』(有馬頼底著、講談社現代新書、2015年)