肺年齢

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肺年齢(はいねんれい)とは肺年齢普及推進事務局が推進する、の機能の老化を、一般市民にもわかりやすく年齢におきかえて表示したもの。日本呼吸器学会の登録商標である[1]

概要

直感的で一般市民に受け入れやすい指標であり、喫煙による呼吸器への害の認識を高める目的で普及が進められている。具体的には、呼吸機能検査で測定した一秒量(FEV1)に基づいて、次の計算式で求める。

  • 日本人の肺年齢の計算式 (18歳から95歳)
    • 男性: 肺年齢 = ( 0.036 x 身長(cm) - 1.178 - FEV1 (L)) / 0.028
    • 女性: 肺年齢 = ( 0.022 x 身長(cm) - 0.005 - FEV1 (L)) / 0.022

20歳前後をピークに加齢とともに低下し加齢による老化だけでなく、喫煙や運動不足と言った生活習慣や肥満により肺年齢の老化はより進行する[2]。肺年齢の高齢化を放置して喫煙を続ければ、さらに肺の加齢が進行し(すなわち一秒量の低下がさらに起こって)慢性閉塞性肺疾患(COPD)が顕在化する割合が高くなると共に肺がんの可能性も高まる。呼吸機能検査で肺年齢を患者側に伝えることが禁煙の成功率を高めることが報告されており、禁煙の動機付けに有効であると考えられている[1]

老化の要因

非喫煙者においても加齢と共に徐々に呼吸機能の低下が進んでいくが、最も顕著な生活習慣は喫煙である。人間ドックを受診データの解析から非喫煙者における肺年齢を悪化させる要因は、20歳時点と比較した体重増加と運動不足で、「男性では週に1時間以上の汗をかくような運動をしていない」「女性では1日1時間以上の歩行を行っていない」が有意な要因とされる[2]。しかし、エタノール摂取量との関連性は高くないと考えられる[2]

脚注

出典

外部リンク