福岡県

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ふくおかけん, ふくをかけん ウィキデータを編集
福岡県
福岡県の旗
福岡県旗
日本の旗 日本
地方 九州地方
団体コード 40000-9
ISO 3166-2:JP JP-40
面積 4,987.66km2
(境界未定部分あり)
総人口 5,099,148[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 1,022人/km2
隣接都道府県 佐賀県熊本県大分県山口県
県の木 ツツジ
県の花 ウメ
県の鳥 ウグイス
県の歌 福岡県民の歌「希望の光
福岡県庁
知事 服部誠太郎
法人番号 6000020400009 ウィキデータを編集
所在地 812-8577
福岡県福岡市博多区東公園7番7号
北緯33度36分22.4秒 東経130度25分5.1秒 / 北緯33.606222度 東経130.418083度 / 33.606222; 130.418083 (福岡県)座標: 北緯33度36分22.4秒 東経130度25分5.1秒 / 北緯33.606222度 東経130.418083度 / 33.606222; 130.418083 (福岡県)
福岡県庁
外部リンク 福岡県
福岡県の位置

福岡県行政区画図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

特記事項 県内総生産:174,447億円(2000年、全国第9位)
ウィキポータル 日本の都道府県/福岡県
ウィキプロジェクト

福岡県(ふくおかけん)は、日本九州地方北部にある県庁所在地福岡市

地理・地域

九州本島の北部に位置し、九州地方の県では最も人口が多く、県庁所在地の福岡市は九州地方で最大の人口を擁する都市である。福岡市と北九州市の2つの政令指定都市を抱え、いわゆる三大都市圏以外では人口密度が1,000人/km²を超える唯一の県である。

北部は日本海響灘玄界灘)、東部は瀬戸内海周防灘)、筑後地方有明海に面している。県の中心部を筑紫山地が連なっており、筑後川矢部川遠賀川流域、宗像地域、京築地域では平野が広がっており水田地帯が多い。

玄界灘の壱岐や対馬をはさんで大韓民国があり、同国南部の主要都市である釜山までは福岡市から直線距離で200km程度[1] である。また、中国の上海市までは同様に850km程度といずれも東京より近い。これらの事例のように、近隣諸国の主要都市がおおむね1,000km圏内に存在するため、博多港、福岡空港、北九州港、北九州空港などから韓国や中国、台湾などのほか東南アジアの主要都市への航路が多く設定され、これらの地域からの観光客が増加傾向にある。

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

福岡県の東西南北それぞれの端と、都道府県界の未確定部分に仮の境界線を入れて求めた重心は以下の位置である[2][3]。北端は沖ノ島の割鼻、南端は三池港KMアルミニウムの工場、東端は国道10号国道212号の交差点の南東付近、西端は烏帽子島。また統計局の平成22年国勢調査によると、人口重心は飯塚市‎の内住にある[4]

重心
北緯33度31分33秒 東経130度39分57秒 / 北緯33.52583度 東経130.66583度 / 33.52583; 130.66583 (福岡県重心)
北端
北緯34度15分00秒 東経130度06分43秒 / 北緯34.25000度 東経130.11194度 / 34.25000; 130.11194 (福岡県最北端)
人口重心
北緯33度35分51.5秒 東経130度34分32.4秒 / 北緯33.597639度 東経130.575667度 / 33.597639; 130.575667 (福岡県人口重心)
西端
北緯33度41分23秒 東経129度58分54秒 / 北緯33.68972度 東経129.98167度 / 33.68972; 129.98167 (福岡県最西端)
福岡県庁舎所在地
北緯33度36分23秒 東経130度25分05秒 / 北緯33.60639度 東経130.41806度 / 33.60639; 130.41806 (福岡県庁)
東端
北緯33度33分29秒 東経131度11分25秒 / 北緯33.55806度 東経131.19028度 / 33.55806; 131.19028 (福岡県最東端)

南端
北緯33度00分02秒 東経130度23分48秒 / 北緯33.00056度 東経130.39667度 / 33.00056; 130.39667 (福岡県最南端)
離島部を除く最北端は北緯33度57分(北九州市門司区太刀浦海岸)

隣接都道府県

陸地で隣接
海域を挟んで隣接

地形

自然公園

国立公園
瀬戸内海国立公園
国定公園
玄海国定公園耶馬日田英彦山国定公園北九州国定公園
県立自然公園
太宰府県立自然公園、筑豊県立自然公園、筑後川県立自然公園、矢部川県立自然公園、脊振雷山県立自然公園
九州自然歩道

気候

一部を除いて、全般には太平洋気候区に属し、温暖である。

福岡地方、北九州地方の対馬海峡沿岸部・関門海峡沿岸部(福岡市北九州市宗像市糸島市など)
この地域は冬季の日照時間が短くその点では日本海側気候に近い[5] が、各季の降水量分布は明確に太平洋側気候であり、日本海側気候とは特に冬季の雨日数と降雪量の点で決定的に異なっている。
冬日になることは少なく気温自体は低くないが、北西の季節風が吹きつけ日照時間が少ないので体感的には本州同様に寒く感じられる。強風・風雪・波浪注意報が発令されることも多く、強い冬型の時には暴風雪・波浪警報が発令される場合もある。北西季節風の風上が対馬海峡であり吹走距離が短く雪雲が発達しにくいため平野部で積雪することは少ないが、脊振山地周辺などでは雪が積もりやすく、60cm~100cm程度積雪することもある。
梅雨明け後は最高気温が30°C以上の真夏日となることが多く、毎年数日はフェーン現象の影響で35°C以上の猛暑日になる。福岡市の平年値(1981年 - 2010年の30年平均)は、夏日132.4日、真夏日57.1日、猛暑日5.5日、熱帯夜33.2日、冬日4.3日、真冬日0.0日。福岡市ではほとんど冬日にはならず、熱帯夜が非常に多いなどヒートアイランドの影響が大きくなっている。
北九州地方の瀬戸内海周防灘)沿岸部(行橋市豊前市など)
この地域は瀬戸内海式気候に属するが、中国地方の瀬戸内海沿岸に比べると、年中少雨などの瀬戸内海式気候の特徴は薄く、年降水量は福岡地方、北九州地方と同程度である。冬は山地を超える過程で雲が発達するため比較的積雪しやすい。また関門海峡周辺ではが発生しやすい。
筑豊地方と、筑後地方の内陸部(久留米市飯塚市直方市田川市嘉麻市朝倉市八女市など)
内陸のため、寒暖の変動がやや大きい。降水量は1800~2400mm前後(最も多いのは英彦山・釈迦岳周辺)と多雨で梅雨に一年の3分の1以上が集中し、梅雨前線が活発化する梅雨末期には豪雨に見舞われることもある(平成24年7月九州北部豪雨では矢部川流域を中心に大きな被害を受けた)。夏は気温が上がり易く、猛暑日も福岡地方、北九州地方より多い。冬は冬日が比較的多く、山地を超える過程で雲が発達するため県内の平地ではこの地域が最も積雪しやすい。標高1,000m級の山が連なる筑紫山地英彦山周辺では60~100cm程度積雪することもある。
筑後地方の有明海沿岸部(大牟田市柳川市大川市など)
有明海は内海であるが、降水量分布は夏期集中型で太平洋側気候を示す。年間を通して比較的温暖であるが、冬期は冬日が多くなる。年間降水量は福岡地方や北九州地方よりやや多いが、梅雨に一年の3分の1以上が集中しており、冬期の降水量は県内の他の地域に比べて少なく、降雪することはあっても積雪することはほとんどない。
福岡県各地の平年値(統計期間:1981年 - 2010年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
対馬海峡沿岸部 瀬戸内海沿岸部 内陸部 有明海沿岸部
福岡 太宰府 糸島市
前原
宗像 北九州市
八幡
行橋 飯塚 添田 朝倉 八女市
黒木
久留米 大牟田
平均
気温
(°C)
最暖月 28.1
(8月)
27.2
(8月)
27.1
(8月)
26.7
(8月)
27.4
(8月)
26.9
(8月)
27.1
(8月)
26.3
(8月)
27.1
(8月)
26.4
(8月)
27.7
(8月)
27.5
(8月)
最寒月 6.6
(1月)
5.2
(1月)
5.9
(1月)
5.5
(1月)
5.8
(1月)
4.9
(1月)
5.0
(1月)
4.5
(1月)
4.5
(1月)
3.9
(1月)
5.2
(1月)
5.4
(1月)
降水量
(mm)
最多月 277.9
(7月)
333.7
(7月)
285.2
(7月)
277.1
(7月)
299.9
(7月)
322.4
(7月)
331.3
(7月)
334.3
(7月)
354.1
(7月)
397.5
(6月)
340.4
(6月)
374.4
(6月)
最少月 59.8
(12月)
56.6
(12月)
67.6
(12月)
67.0
(12月)
68.0
(12月)
54.5
(12月)
60.3
(12月)
64.0
(12月)
54.4
(12月)
53.4
(12月)
48.1
(12月)
47.7
(12月)

地域区分と市町村

福岡県による 地域区分 では、以下の4つの地域に大きく分けられ、さらに15の圏域に区分されている。ただし、これは地域区分であり、都市圏による区分とは異なる。

また、県内には28市・12郡・30町・2村がある。市町村数60は全都道府県中北海道長野県埼玉県に次いで第4位[6]((2010年(平成22年)2月1日現在)であり、同第29位の面積に比して多いといえる。ただし、平成の大合併によって、2003年(平成15年)3月31日の時点では97あった市町村数が38%減少しており、特に筑後地域では、2005年(平成17年)2月4日までの26市町村から12市町までに減少している。なお、「町」の読みは、遠賀町のみ「ちょう」、他はすべて「まち」。「村」の読みはすべて「むら」。

2010年(平成22年)と2015年(平成27年)の両国勢調査を比較すると、県全体としては30,903人の人口増となっているが、福岡市やその周辺の市町で人口が増加傾向にあるのに対し、それ以外の地域は概ね人口が減少傾向にある。

その他の区分

  • 郵便番号の先頭2桁の数字は、概ね福岡地域が「81」、北九州地域が「80」、筑後地域が「83」、筑豊および京築地域が「82」、築上郡東部が「87」(大分県に使われている番号)、県側の定義と一致しない地域も多い。
  • 市外局番は概ね福岡地域が「092」(但し、旧宗像郡の地域は「0940」)、北九州市周辺地域が「093」、京築北部地域が「0930」、豊前市および築上郡東部が「0979」(大分県中津市と同じ番号)、それ以外の地域(筑後・筑豊地区)が「094X」。これも県側の定義と一致しない地域も多い。
  • 気象情報上の区分では「福岡」・「北九州」・「筑後」・「筑豊」の4地区で分けられる。ただし、朝倉市・朝倉郡は「筑後」に含まれる。二次細分区域では「北九州」は「北九州遠賀」・「京築」に2分割され、「筑後」は「筑後北部」・「筑後南部」に2分割されるため区分は6地区になる。
  • 自動車のナンバープレートに表示される陸運支局・陸運事務所名は「福岡」・「北九州」・「久留米」・「筑豊」の4種類。このうち「久留米」には、筑後地域のほか朝倉市・朝倉郡も含まれる。

すでに消滅した市町村

歴史

地名の由来

地名「福岡」は、かつて筑前国域を治めていた黒田氏の発祥の地である備前福岡岡山県瀬戸内市)に因むと言われている。

古代

漢倭奴国王印

福岡県は中国大陸朝鮮半島に近いという地理的条件の影響を受け、古代より多くの交易または侵略の歴史に富んでいる。

弥生時代稲作が日本で最初に伝来した地といわれている。『魏志倭人伝』によれば現在の福岡市西区・糸島市の辺りに伊都国が存在し、現在の福岡市博多区の辺りに奴国が存在したと伝えられている。奴国については、江戸時代に志賀島の農民により金印が発見され、実在が確認されている。また同書に書かれている中国の皇帝から「親魏倭王」の金印を授かった女王卑弥呼が統治した邪馬台国も福岡県など北部九州に存在したとする説が唱えられているが、これについては近畿地方にあったとする説と真っ向から対立しており、いわゆる「邪馬台国論争」となっており現在も解明されていない(両説に含まれない他地域にあったとする研究者も少なからず存在する)。

天智朝の初め頃(660年代の初め)に、白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)に敗れ、新羅の連合軍が来襲するやも知れないとして九州の防備を固めるためや管轄のために大宰府が置かれた。大伴旅人山上憶良菅原道真が有名である。

日本の文献に記述される時代になると、筑紫国豊国があったようである。7世紀末に筑紫国は筑前国と筑後国に、豊国は豊前国豊後国に分割された。現在の福岡県の県域は律令制における筑前国·筑後国の全域と、豊前国の一部である。

中世

近世

近・現代

予定

  • 2016年(平成28年)
    • 4月24日 - 東九州自動車道の福岡県区間が全線開通し、北九州市から宮崎市までの区間が東九州道で直結。これにより、北九州市 - 大分市の所要時間は約1時間45分となり、北九州市 - 宮崎市の所要時間は約4時間20分となる。国道10号等の一般道のみを利用した場合だと、北九州市 - 大分市は約3時間20分、北九州市 - 宮崎市は約8時間45分を要していたため、道路交通による東九州主要都市への所要時間が大幅に短縮される[14]

人口

年齢構成

  • 平均年齢:42.9歳 (男41.1歳 女44.5歳 参考 - 国平均 43.9歳 男42.4歳 女45.3歳)
  • 高齢者率:19.8% (国平均 - 21%) 年少者率:13.9% (国平均 - 13.6%)
福岡県市町村人口増減率分布図(2005年度と2010年度国勢調査から算出)

福岡県の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

政治・行政

知事

議会

組織

財政

平成24年度

  • 財政力指数 0.57(都道府県平均 0.46)
    • Bグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)16自治体中9位
  • 標準財政規模 9285億4576万円
  • 経常収支比率 95.0%(都道府県平均 94.6%)
  • 将来負担比率 257.3%(都道府県平均 210.5%)
  • 実質公債費比率 15.0%(都道府県平均 13.7%)
  • 人口100,000人当たり職員数 980.98人(都道府県平均 1,110.90人)
  • ラスパイレス指数 110.2(都道府県平均 107.4)

地方債残高

  • 普通会計分の地方債現在高 3兆4755億800万円
  • 上記以外の特別会計分の地方債(企業債)現在高 1062億1200万円 

平成23年度

  • 財政力指数 0.58(都道府県平均 0.47)
    • Bグループ(財政力指数0.5以上、1.0未満)16自治体中9位

国政

裁判所

高等裁判所
地方裁判所・家庭裁判所
簡易裁判所

検察庁

高等検察庁
地方検察庁
  • 福岡地方検察庁
    • 飯塚支部
    • 直方支部
    • 久留米支部
    • 柳川支部
    • 大牟田支部
    • 八女支部
    • 小倉支部
    • 行橋支部
    • 田川支部

検察審査会

  • 福岡第一
  • 福岡第二
  • 飯塚
  • 久留米
  • 柳川
  • 小倉

自衛隊

陸上自衛隊

防衛大臣直轄機関

航空自衛隊

経済・産業

広域圏別総生産

産業別総生産(広域圏別)

福岡県企画・地域振興部調査統計(2005年(平成17年)度)[15] による。

  • 第1次産業
    1. 久留米(361億円)
    2. 福岡(289億円)
    3. 八女・筑後(247億円)
    4. 有明(231億円)
    5. 甘木・朝倉(134億円)
    6. 京築(85億円)
    7. 北九州(76億円)
    8. 直方・鞍手(31億円)
    9. 飯塚(49億円)
    10. 田川(40億円)
  • 第2次産業
    1. 福岡(12,631億円)
    2. 北九州(9,947億円)
    3. 京築(5,140億円)
    4. 久留米(2,333億円)
    5. 甘木・朝倉(1,572億円)
    6. 有明(1,506億円)
    7. 八女・筑後(1,196億円)
    8. 直方・鞍手(1,444億円)
    9. 飯塚(1,090億円)
    10. 田川(536億円)
  • 第3次産業
    1. 福岡(81,825億円)
    2. 北九州(31,402億円)
    3. 久留米(11,597億円)
    4. 有明(5,219億円)
    5. 飯塚(4,141億円)
    6. 京築(4,040億円)
    7. 八女・筑後(2,858億円)
    8. 田川(2,592億円)
    9. 直方・鞍手(2,323億円)
    10. 甘木・朝倉(1,898億円)

証券取引所

日本銀行

福岡県に本店がある金融機関

経済団体

産業

第1次産業

農業

農業産出額では全国16位と、いわゆる農業県ではないが、種苗・苗木等の産出額が日本一であるほか、「博多とよのか」や「あまおう」ブランドに代表される、産出額全国2位の、同じく全国2位の小麦、同じく3位のなどが主要産品である。また、「ひのひかり」「夢つくし」「つくしろまん」などの県産も生産されている。「博多万能ねぎ」と呼ばれる小ねぎも県の特産品として全国的なブランドになっている。

水産業

北に玄界灘響灘、東に周防灘、南西に有明海があり、玄界灘・響灘では、イカヒラメフグなど、周防灘ではカレイ、ヒラメ、クルマエビ、ワタリガニやカキなどの貝類、有明海では海苔養殖が主力で、その他有明海特有の魚介類なども水揚げされている。

林業

2003年(平成15年)度現在、223,222haの森林面積があり、その58%が人工林、天然林は20.3%である。(出典:福岡県林政課「森林・林業白書」)

第2次産業

鉱業

筑豊地区に筑豊炭田が、粕屋地区糟屋炭田が、大牟田地区三池炭田があり、明治から昭和高度成長期の頃までこれらの炭田地域に炭鉱が数多く存在し、多くの石炭が採掘され活況を呈した。しかし、1960年代に国内の主要エネルギーが石炭から石油へと転換すると炭鉱の閉山が相次ぎ、1970年代までに筑豊炭田と糟屋炭田の炭鉱はすべて閉山し、最後に残った三井三池炭鉱も1997年(平成9年)に閉山して福岡県内から炭鉱が消滅した。

筑豊東部の田川市船尾地区や香春町香春岳などで石灰石が採掘されている。

工業

工業都市北九州市では、官営製鐵所(現・新日鐵住金八幡製鐵所)を中心に鉄鋼業・製造業が盛んになり、出光商会(現・出光興産)、戸畑鋳物(現・日立金属日産自動車の源流企業)や浅野小倉製鋼(現・新日鐵住金八幡製鐵所小倉地区)など多くの企業や工場が集積し北九州工業地帯と呼ばれるまでに発展した。その後、エネルギー資源の転換や、東アジアの素材産業への台頭により、産業構造の転換が求められてきている。現在でも北九州市にはTOTO安川電機などの大手製造メーカーの本社がある。

ブリヂストンの創業地である久留米市ゴム製品の製造が盛んで、他にもムーンスターアサヒコーポレーションと、ゴム加工品メーカーの工場が多く所在している。

かつて三池炭鉱で産出される石炭を背景に石炭化学工業が栄えた大牟田市には、三井化学を中心とした三井グループをはじめ、関東化学などの化学工業を中心とした工場があるほか、最近では環境リサイクル産業関連の工場が進出している。

筑豊地域では炭鉱が閉山したのち、工業団地を造成し工場の誘致を進めており、トヨタ自動車九州(宮若市)や麻生グループ(本社:飯塚市)の拠点がある。

福岡県では、愛知県に次ぐ自動車製造拠点にする構想を推進しており、現在日産自動車の子会社である日産自動車九州日産車体九州と、トヨタ自動車の子会社であるトヨタ自動車九州の3社が車両製造工場を操業している。2005年(平成17年)には苅田町にトヨタ自動車九州のエンジン工場が操業を開始し、2008年(平成20年)には北九州市にトヨタ自動車九州の部品工場が操業開始したほか、久留米市にもダイハツ工業の子会社であるダイハツ九州のエンジン工場が進出した。

また、九州はシリコンアイランドと呼ばれるように多くの半導体製造工場があるが、行橋市や宮若市にもローム福岡や東芝LSIの工場がある。

建設業

中央資本の大手ゼネコンが主流だが、九電工(本社:福岡市)など、売上高2,000億円を超える企業もある。

その他、数多くの中小建設業者がおり、県内総生産では、約1兆円の規模である。

第3次産業

福岡県内における第3次産業が全産業に占めるシェアは80%と極めて高い。

商業

福岡県における商業は福岡市を中心に、九州沖縄全域に発展しており、九州・沖縄において福岡県の占める割合は、事業所数33.2%、従業者数37.9%、年間商品販売額51.9%であり、特に卸売業の年間商品販売額においては、約6割のシェアを占めている。小売業では福岡・天神など九州最大の商業集積地を有しており、近年の商業施設の充実や高速道路網の整備等もあって、福岡都市圏の消費マーケットは九州・山口全体を商圏とする規模にまで拡大している。また、都市部郊外にはショッピングセンターも増え、都心部との競争も激しくなっている。九州地域における福岡県の販売額は大きい。

金融業

福岡銀行西日本シティ銀行 など福岡市に本店を置く地銀があり、ともに、九州全域に支店網がある。福岡銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ(本社:福岡市)に属しており、同グループの主要子会社は、他に、熊本銀行(旧:熊本ファミリー銀行)、親和銀行 がある。また、同グループは総資産で横浜銀行を抜き、地銀トップである。西日本シティ銀行 は、福岡銀行とほぼ同等の規模を保っており、子会社に長崎銀行福岡地所九州カード、九州リース がある。また、2011年(平成23年)10月3日には九州内にある山口銀行の支店網を引き継ぐ形で、新しく北九州銀行(本店:北九州市)が山口フィナンシャルグループによって設立された。その他、福岡中央銀行 (本店:福岡市)、筑邦銀行(本店:久留米市)があり、信用金庫などは地域単位で存在する。中央銀行である日本銀行福岡支店は九州・沖縄8県の取りまとめも行っており、定期的に「九州短観」を発表している。

不動産業

キャナルシティ博多や、マリノアシティ福岡リバーウォーク北九州などの複合商業施設を手がける九州最大の(デベロッパー)である福岡地所(本社:福岡市)などの不動産会社が知られる。また、東京大阪など県外に本社がある業者も支社を多く置いており、オフィスや住宅の開発などを積極的に展開している。

サービス業

情報通信業では、ITソフトウェア関連のサービス業が伸びており、その多くが福岡市内に集積している。また最近では、自動車産業の北部九州への進出とは別に、ソフトウェアや設計を専門とする系列企業の福岡市への進出が進んでいる。すでに、トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツの各関連企業の進出が決定しているが、福岡市への開設の理由として、情報網や交通網の充実に加え、九州大学など県内の工学系学生の大半が同市に集中していて、優秀な人材に恵まれていることが挙げられる。

現在、福岡県内では将来に向けて学術研究機能・産業機能の高度化を積極的に取り組んでおり、北九州学術研究都市や九州学術研究都市構想計画などがある。また、産官学連携による財団法人北九州産業学術推進機構や九州大学学術研究都市推進機構を設立し、北九州市若松区ひびきのや福岡市西区の伊都キャンパスを中心に、「知的クラスター」造りの構想があり、新産業の展開を目指している。

県内に拠点事業所のある主要企業

県内に本社を置く企業
北九州市門司区・若松区
北九州市小倉北区
北九州市小倉南区
福岡市南区
その他の市町
県内に拠点を置く企業(上記を除く)
福岡地域
筑後地域
北九州地域
筑豊地域

県内を発祥の一つとする企業

生活・交通

警察

福岡県警察

海上保安庁

第七管区海上保安本部(北九州市門司区)

交通

空港

福岡空港は日本西部地域の拠点と位置づけられているが、需要が逼迫しているため、今後のあり方について検討が進められている。その避難先としても期待される北九州空港は国内でも数少ない24時間常時運用空港。いずれも国直営の第二種空港として指定されている重要な空港である。

鉄道

旅客輸送を行っている鉄道を記す。中心となる駅はJRは博多駅で、私鉄は西鉄福岡(天神)駅となる。駅一覧は各路線の項目を参照。

道路

道の駅

航路

重要港湾
旅客航路網

離島航路、同一市町村内の航路

  • 姪浜 - 能古島(福岡市港湾局)
  • 姪浜 - 小呂島(福岡市港湾局)
  • 博多 - 玄界島(福岡市港湾局)
  • 博多 - 海の中道 - 西戸崎 - 志賀島(福岡市港湾局)
  • 岐志 - 姫島(糸島市地域振興課)
  • 新宮 - 相島(新宮町産業課)
  • 神湊 - 地島(宗像市渡船課)
  • 神湊 - 大島(宗像市渡船課)
  • 若松 - 戸畑(北九州市渡船事業所) - 若戸渡船
  • 小倉 - 馬島 - 藍島(北九州市渡船事業所)
  • ももち - 海の中道(安田産業汽船

福岡県外への航路(長距離フェリー以外)

長距離フェリー

国際航路(韓国釜山広域市への航路)

バス

一般路線バスについて主要な会社を以下に記載する。運行市町村は各社の項目を参照。

また、上記以外のものは下のリンクを参照。

県内バス輸送人員(年間)
  • 2012年 2億8061万3000人

東京、神奈川、大阪に次ぐ多くの利用がある。 [16]

医療・福祉

災害拠点病院
保育所

教育

大学

国立
公立
私立

短期大学

私立

高等専門学校

国立

高等学校・中学校・小学校・幼稚園

以下の一覧記事を参照。

社会教育施設

マスメディア

通信社

共同・時事、ともに福岡市に支社を構え県内各地に支局などがある。

日刊新聞

ブロック紙
全国紙
地域紙

朝日・毎日は福岡都市圏周辺地域の販路拡大・取材拠点拡充などのため「福岡本部」も併設されている(朝日新聞は編集・製作などはここで行っているため、福岡市が実質的な本社化されている)。読売も元は北九州市にあったが、同様の理由でこちらは社屋を福岡市に移転し、北九州には総本部が設置された。西日本新聞は北九州都市圏での取材および営業機能強化などのため北九州支社を北九州本社に組織変更した。

産経新聞は西部本部(旧・九州・山口本部)(2009年(平成21年)4月発足。九州総局を兼務)が福岡市にある。2009年(平成21年)9月30日付までは締め切り時間の都合上、夕方18時締め切りの大阪本社発行の第6版を配送していたため大半の記事内容が1日遅れとなっていた。また、当時は販売店を持たないため、駅売りやコンビニエンスストア等での販売などはされておらず、西日本新聞(北九州地区を除く)と毎日新聞(北九州地区のみ)の販売店が委託販売だけをしていた。その後2009年平成21年10月1日付の紙面から毎日新聞西部本社の佐賀県鳥栖市の毎日新聞九州センター鳥栖印刷工場で産経新聞九州・山口特別版(紙面は東京本社版ベース)の委託印刷が行われ、駅・コンビニ売りの販売も始めた。

スポーツ紙

サンケイスポーツについては、産経新聞九州・山口特別版を創刊させた2009年(平成21年)10月1日以後も同本部自社による発行や現地印刷はしていないが、天神駅博多駅小倉駅ではお昼頃から大阪本社発行版が売られている(中央競馬のみ西日本スポーツと提携して同じ内容を掲載していたが、2013年(平成25年)4月より中日スポーツと提携して同じ内容を掲載する事となった。)。また、夕刊紙夕刊フジも同様で大阪本社発行の早版=A版が午後4時頃から博多駅・天神駅・小倉駅など一部ターミナルの即売として発売されている。またSANKEI EXPRESSフジサンケイ ビジネスアイについては九州では宅配・即売とも発売されていない。

九州スポーツは東京スポーツ系列であるが、夕刊紙としてではなく、朝刊紙として販売している。

日刊スポーツ西部本社は、読売西部本社に続いて、2007年(平成19年)に本社を北九州市から福岡市の朝日新聞福岡本部が入居するビルに移した。またスポーツニッポン西部本社も2010年(平成22年)に長らく本社を置いていた北九州市から福岡市の毎日新聞福岡本部が入居するビルに全面移転している。

またデイリースポーツも九州地区の発行拠点がないので、新聞販売店などでの宅配扱いは行われないが、近畿地方地域向けの新聞が福岡市北九州市など一部ターミナルの即売として発売されている。

テレビ局

※NHK・TNC以外の民放局は佐賀県、TNCは山口県およびTVQは佐賀県と山口県も取材対象地域としている他、佐賀県内と山口県西部でも直接受信やCATV経由で視聴可能

ラジオ局

※コミュニティー局以外は佐賀県でも昼夜通して聴取可能

ケーブルテレビ局

文化・スポーツ

方言

福岡県では地域によって使われる方言は様々である。

食文化

伝統工芸

経済産業大臣指定伝統的工芸品
伝統工芸品
  • 博多織(福岡市)
  • 博多人形(福岡市)
  • 博多鋏(福岡市)
  • 博多曲物(福岡市)
  • 博多張子(福岡市)
  • 博多独楽(福岡市)
  • 筑前博多矢(福岡市)
  • 筑前包丁(福岡市)
  • 博多ちゃんぽん(福岡市)

スポーツ

プロスポーツ/全国リーグ参加チーム

定期開催されるスポーツイベント

過去の実績

公営競技

福岡県は、公営競技4種である競馬競輪競艇オートレースの全ての競技場が揃っている珍しい県でもある(ほかに4種揃っているのは埼玉県のみ)。

競艇選手養成所

観光

有形文化財建造物

名所等

博物館・美術館等

テーマパーク・動植物園等

名勝・旧跡

名勝
国の特別史跡
その他

社寺

神社
寺院
教会

温泉

祭事・催事

福岡県を舞台とした作品

福岡県出身の人物

脚注

関連項目

外部リンク

行政
観光
先代
福岡藩
秋月県
小倉県
三潴県の一部(筑後国
行政区の変遷
1871年 -
次代
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大分県
豊前国宇佐郡下毛郡