盤古

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ささら (会話 | 投稿記録) による 2012年5月27日 (日) 04:34個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (image)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

盤古(三才図会

盤古(ばんこ)は中国神話で、宇宙開闢の創世神とされる。道教が発展してくると、盤古の名前は「元始天王」や「盤古真人」とも称されるようになった。

概要

盤古についての記述が初めて現れる書物は、代(3世紀)に成立した神話集『三五歴紀』である。そこでは、天地ができる以前の、卵の中身のように混沌とした状態から盤古が出現したと記されている。また、(4世紀後半)のとき書かれた『述異記』によると、天地が形作られたあと盤古は亡くなり、その死体から万物が生成されたと伝えられている。例えば盤古の息からが、左目からは太陽が、右目からはが、頭と体からは中国の神聖な山である五岳泰山など)がうまれたという具合である(こうした神話の類似から、『リグ・ヴェーダ』の原始巨人プルシャが伝播したものだ、という学説もある)。

盤古は天地創造の神であるから、時系列で考えれば人類創造の神(または偉大な人物)である伏羲女媧よりも前に存在したことになる。しかし盤古の存在が考え出されたのは、(すくなくとも文献による考察によれば)『史記』(前漢代)や『風俗通義』(後漢代)に記述がある伏羲氏・女媧氏などの三皇五帝が考え出された時期よりもかなり後代ということになる。

なお、超大陸パンゲアは、中国語では、「盤古大陸」と呼称する。これは、パンゲア(Pangea)の音訳でもあり、かつ、「盤古」の発音及びの意味を考慮した意訳でもある。

関連項目