猫と庄造と二人のをんな

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猫と庄造と二人のをんな』(ねことしょうぞうとふたりのおんな)は、谷崎潤一郎長編小説1936年に雑誌『改造』に発表された。

あらすじ

庄造の前の妻品子は現在の妻福子に対し、雌のリリーを譲って欲しいという手紙を出した。福子は夫の庄造に「譲ってあげなさい」と言うが、彼にはそういう意志は無い。福子は自分以上にリリーが夫に大事にされている状況に耐えられなかったのだ。夫婦喧嘩の末に庄造は猫を品子に譲る事に同意する。

リリーは以前にも他人に譲られた事があったが、その時も自らの意志でリリーは庄造のもとに戻って来たので、彼は今回もそうなるだろうと期待したのだ。リリーが品子の所に移って、庄造は雌猫を思い出しては懐かしんだ。リリーは品子になつかず、彼女の思った通りに動いてくれない。猫の面倒を診る事がこんなに大変だとは彼女にしてみれば予想外だった。結局三人とも生活を雌猫によって振り回されていたのだった。

登場人物

リリー
庄造が溺愛している雌猫。
庄造
荒物屋。仕事に対するやる気が無い。
福子
庄造の妻。二人は従兄弟同士に当たる。夫を雌猫のリリーに奪われているという理由でリリーに嫉妬している。
品子
庄造の前の妻。姑のおりんによって追い出された。
おりん
庄造の母親。彼を自分の意のままに操っている。品子とは仲が悪かった。

映画化

1956年公開。製作は東京映画、配給は東宝。キネマ旬報ベストテン第4位。

かつて会員制ビデオ販売機構キネマ倶楽部から「日本映画傑作全集」としてVHSが発売されていた。

スタッフ
キャスト

出版

外部リンク

  • 御所坊 「猫と庄造と二人のをんな」に登場する有馬温泉の旅館