熊田誠

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熊田 誠(くまだ まこと、1920年1月17日 - 2007年6月28日)は、日本化学者。専門は、有機ケイ素化学有機金属化学有機合成化学など。京都大学名誉教授。1993年勲三等旭日中綬章受章。1994年恩賜賞日本学士院賞受賞。2007年正四位福井県小浜市出身。

有機金属化学、特に有機ケイ素化学、遷移金属触媒反応の分野において先駆的な研究をしこの分野の発展に指導的役割を果たした。また多くの門下生を輩出した。

来歴[編集]

学歴[編集]

職歴[編集]

学外における役職[編集]

業績[編集]

専門は有機ケイ素化学有機合成化学有機金属化学を中心とする有機化学

特に有機ケイ素化合物その他有機金属を用いる有機合成構造有機化学で先駆的研究成果を多数。現在、シリコーン接着剤化粧品などの原材料として幅広く使われる有機ケイ素化合物の新しい合成法や物性の研究開発を行った。1994年優れた業績を挙げたとして、恩賜賞日本学士院賞を受賞した。1972年には炭素同士の新しい結合生成反応「熊田・玉尾カップリング」を発見し、ニッケルパラジウムなどを触媒としたクロスカップリング反応開発の基礎を築いた。

特記事項[編集]

  • 講義の板書や講義資料を非常に几帳面な字で書く癖があった。
  • 小田良平京都大学名誉教授の門下生である。
  • ノーベル賞選考委員のヤン・ベックバル(ストックホルム大学教授)は、2010年ノーベル化学賞発表後のインタビューで、「(熊田教授が生きていたら、クロスカップリング開発の功績で)受賞はあり得た」と述べている。

門下生[編集]

脚注[編集]