渡邉千真

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渡邉 千真
名前
愛称 カズマ[1]
カタカナ ワタナベ カズマ
ラテン文字 WATANABE Kazuma
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1986-08-10) 1986年8月10日(37歳)
出身地 長崎県
身長 182cm
体重 77kg
選手情報
在籍チーム 日本の旗 ヴィッセル神戸
ポジション FW
背番号 19
利き足 右足[2]
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2009-2011 横浜F・マリノス 88 (28)
2012-2014 FC東京 86 (26)
2015- ヴィッセル神戸 28 (10)
代表歴2
2004  日本 U-19
2007  日本 U-22
2010 日本の旗 日本 1 (0)
1. 国内リーグ戦に限る。2015年11月22日現在。
2. 2011年12月29日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

渡邉 千真(わたなべ かずま、1986年8月10日 - )は、長崎県南高来郡国見町[2](現・雲仙市)出身のプロサッカー選手。Jリーグ・ヴィッセル神戸所属。ポジションはフォワード(FW)。元日本代表。

兄の渡邉大剛[3]、弟の渡邉三城[3]もサッカー選手。

来歴

プロ入り前

7歳[1](小学校2年生[3])の時に兄・大剛の影響で[4][5]サッカーを始め、2002年国見高校に進学する。同校サッカー部では1学年上の平山相太兵藤慎剛らと共に攻撃をリード[6]。2003年度のインターハイでは得点王に輝いた。さらに同年度の全国高校サッカー選手権を制覇[7]。当時は主に攻撃的MFを務めていたが、平山らが部を引退した3年時からはFWでプレー[8]2004年度の高校サッカー選手権にはキャプテンとして出場し[3]、厳しいマークに晒される中でも正確なプレーで[9]ベスト4入り[7]

3年時の秋には、翌年開催されるワールドユースオランダ大会の予選を兼ねたAFCユース選手権2004のU-19日本代表として、高校サッカー部から唯一招集され、平山とポジションを争った[10]。準決勝・対韓国戦で1得点を挙げたが、ワールドユースメンバー選出は叶わなかった。

2005年早稲田大学に進学。蹴球部に入ると、1年時から出場を重ね、2年時からはレギュラーに定着し[11]、2006年、2007年と2年連続で関東大学サッカーリーグ得点王を獲得。関東大学リーグ戦では当時のリーグ記録となる通算62試合で37得点を挙げた[12]。大学サッカー界では「天才」「怪物」とも称され[4][5]、4年時には複数のJリーグクラブによる争奪戦となった[13][14][15]

横浜F・マリノス

木村浩吉監督の「ポジションを空けて待っている」という口説き文句もあり、卒業後は横浜F・マリノスへ入団[16]。兵藤とは高校・大学に続きプロでもチームメイトとなった。

2009年、新人ながら背番号「9」を与えられ[7][注 1]開幕戦でスタメン起用されると前半3分に初得点を決める[注 2]。4月14日にはこの年のJリーグ新人選手の中では最速で[20]プロA契約を締結した[21]。チームの得点源として[22]活躍し、城彰二以来、史上2人目となる新人でのリーグ戦二桁得点を達成。またJ1第32節神戸戦でシーズン13点目を挙げ[23]、城が記録した新人最多得点記録を更新した[24]

同年12月21日アジアカップ最終予選を戦うA代表に初招集され、翌年1月6日イエメン戦で先発出場し、国際Aマッチ初出場を記録[25]平山相太の得点をアシストし[26]ハットトリックをお膳立てした。

2010年に横浜FMの監督に就任した木村和司からは、攻守の切り替えや味方へのパスの要求を課題に挙げられ[27][28]、出場機会が徐々に減少。2010年にはチーム内での最多得点を挙げたものの[29]、目標としていた2年連続での二桁得点[30]には届かなかった。2011年のJ1第2節川崎戦では鬱憤を振り払う逆転ゴールを決め、ユニフォームを脱いで喜び警告を受けている[27]

同年末には、神戸[31]浦和[32]FC東京[2]など複数クラブから獲得の打診を受け、横浜FMとの契約更新を固辞[31]

FC東京

2012年、FC東京へ完全移籍[33][34]。ポジション争いは厳しくJ1での出場機会は限定されたが[35]、自身初参加となったAFCチャンピオンズリーグではFWルーカスに代わって1トップでの先発出場を続け[36]、自らの得点でグループリーグ突破に貢献した[35][37]。苦手としてきたポストプレーに取り組みながらも[38]J1第12節鳥栖戦にて自身初となるJ1でのハットトリックを達成した[36][39]

2013年は、新加入の李忠成らとの熾烈なポジション争いを制して[40]開幕からレギュラーを確保。前線からの守備[40]ポストプレーを向上させた[41]ことに加え、ポジショニングを高め[40]得点を量産。プレーの幅を広げて[42]ルーキーイヤー以来4年ぶりとなる2桁得点を記録し、J1第19節大分戦でリーグ戦自己最高となる14得点目を挙げた。しかしシーズン半ば以降は、スペースメイクに優れ、渡邉と好連携を築いていた東慶悟[43]トップ下からサイドハーフへとポジションを移したことも重なって、14試合2得点と不振を見せていた。

2014年はチームの2トップと[44]3トップの併用に伴いウイングにも配され、サイドから得点を狙った[45]。不振の続く中で[46]武藤嘉紀の台頭もあり[47]、第20節鳥栖戦で約1年ぶりの[48]リーグ戦ゴールを記録したものの、同年は出場・得点共にFC東京加入以来最小の数字を残してしまった。

ヴィッセル神戸

FC東京との契約を残すも[49]、2015年1月にヴィッセル神戸へ完全移籍[50][51]。1stステージはマルキーニョスとの併用でセンターフォワード中心に配されたものの、中々得点を挙げる事が出来ず不調に終わった[52]、2ndステージにレアンドロが加入して以降はポジションを1列下げての起用が続いたが[53]、10月には2nd第15節山形戦のハットトリック[54][55]を含め公式戦5試合で6得点[56]とチームにフィットし、自身3度目のリーグ戦二桁得点を記録。チームをJ1残留争いから救った[57][54]。同年のヤマザキナビスコカップでは、出場8試合で今大会最多となる7得点を挙げる活躍でチームを過去最高成績のベスト4にまで押し上げた。

2016年はネルシーニョ監督から、チーム内での振る舞い、リーダーシップ、人間性などを評価され、自身初の主将に任命された[58]

所属クラブ

ユース経歴
プロ経歴

個人成績

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2002 国見高 24 - - - 3 0 3 0
2003 7 - - - 2 3 2 3
2009 横浜FM 9 J1 34 13 8 4 3 4 45 21
2010 24 8 6 1 2 0 32 9
2011 30 7 5 2 5 1 40 10
2012 FC東京 11 27 6 3 2 1 0 32 8
2013 9 33 17 4 1 5 1 42 19
2014 26 3 4 0 3 1 33 4
2015 神戸 19 28 10 8 7 4 3 40 20
2016
通算 日本 J1 202 64 38 17 23 10 263 91
日本 - - 5 3 5 3
総通算 202 64 38 17 28 13 268 94

その他の公式戦

国際大会個人成績
年度 クラブ 背番号 出場 得点
AFCACL
2012 FC東京 11 7 3
通算 AFC 7 3
ハットトリック

代表歴

出場大会など

試合数

  • 国際Aマッチ 1試合 0得点 (2010)


日本代表国際Aマッチ
出場得点
2010 1 0
通算 1 0

タイトル

国見高校
早稲田大学
個人

脚注

注釈
  1. ^ 新人に9番を与えるのは固定背番号制になってからは横浜FM史上初[17]
  2. ^ 試合開始時間が早かったこともあって[18]、同年のJリーグにおいても最初の得点となった。日本人の新人がリーグ第1号ゴールを決めたのは1994年の城彰二に次ぐ史上2人目[19]。また、兄の大剛も同年の開幕戦で得点を挙げている。
  3. ^ 翌2010年からは同賞の対象年齢が引き下げられたため、渡邉が大卒選手としては最後の新人王である。
出典
  1. ^ a b c d 選手名鑑 - ウェイバックマシン(2011年10月20日アーカイブ分) 横浜F・マリノス
  2. ^ a b c FC東京が渡辺千真獲り 平山と国見コンビ復活だ スポーツニッポン (2011年11月29日)
  3. ^ a b c d 金の卵を探せ 第5回 渡辺千真[国見3年] 日刊スポーツ
  4. ^ a b c 2年連続得点王の天才ストライカー 横浜F・マリノス入団内定 早稲田ウィークリー (2008年10月9日)
  5. ^ a b c 2年連続得点王の天才ストライカー 横浜F・マリノス入団内定 ヨミウリ・オンライン (2008年10月9日)
  6. ^ 2004年の「夏休み」に輝いた原石たち (1/2) スポーツナビ (2004年08月27日)
  7. ^ a b c 09年J1ニューフェイスの決意(第1回、横浜FM・渡邉千真) ゲキサカ (2009年1月17日)
  8. ^ Vol.7 ワセダの頼れる得点源・渡邉千真 - ウェイバックマシン(2010年3月8日アーカイブ分) wasedasports.com (2007年7月21日)
  9. ^ 『高校サッカー 伝説の名勝負&プレイヤー列伝』カンゼン、2005年、174頁。 
  10. ^ AFCユース選手権 ベトナム戦前日 大熊清監督コメント スポーツナビ (2004年9月29日)
  11. ^ 渡邉のF・マリノス入りが決定! - ウェイバックマシン(2013年4月6日アーカイブ分) wasedasports.com (2008年8月26日)
  12. ^ 通算得点ランキング (2005年-2008年) 関東大学サッカー連盟 (2012年11月25日)
  13. ^ (渡邉千真) 大学ナンバー1FW渡邉争奪戦が熾烈に - ウェイバックマシン(2013年12月2日アーカイブ分) ゲキサカ (2008年8月13日)
  14. ^ 京都が元U19FWの渡辺弟獲りへ - ウェイバックマシン(2008年6月23日アーカイブ分) 日刊スポーツ (2008年2月3日)
  15. ^ “釜本2世”早大FW渡辺、横浜M入り! - ウェイバックマシン(2008年9月5日アーカイブ分) スポーツ報知 (2008年8月23日)
  16. ^ 2009年度、新加入選手決定のお知らせ - ウェイバックマシン(2009年3月21日アーカイブ分) 横浜F・マリノス (2008年8月24日)
  17. ^ 横浜ルーキー渡辺に重圧エースの「9」 日刊スポーツ (2009年1月18日)
  18. ^ 2009Jリーグ ディビジョン1 第1節 Jリーグ
  19. ^ 横浜渡辺が城以来新人シーズン1号 / J1 日刊スポーツ (2009年3月8日)
  20. ^ 横浜FW渡辺がルーキー一番乗りでA契約 日刊スポーツ (2009年4月14日)
  21. ^ 渡邉千真選手 A契約締結のお知らせ - ウェイバックマシン(2009年4月16日アーカイブ分) 横浜F・マリノス (2009年4月14日)
  22. ^ 選手出場記録 1/2 Jリーグ (2009年12月5日)
  23. ^ 選手出場記録 2/2 Jリーグ (2009年12月5日)
  24. ^ 渡邉がJ1のルーキー最多得点記録を更新 Jリーグ (2009年11月21日)
  25. ^ MATCH SUMMARY (PDF) samuraiblue.jp
  26. ^ 千真アシストも「平山先輩に持っていかれた」 スポーツニッポン (2010年1月7日)
  27. ^ a b 警告覚悟のパフォーマンス、千真がモヤモヤ振り払う2戦連発弾 ゲキサカ (2011年7月3日)
  28. ^ 横浜FW渡辺がハット、先発復帰アピール 日刊スポーツ (2010年8月31日)
  29. ^ 選手出場記録 1/2 Jリーグ (2010年12月4日)
  30. ^ 【横浜】千真「2ケタ得点で終わりたい」 日刊スポーツ (2010年12月2日)
  31. ^ a b 横浜FW渡辺千真が来季J1の東京へ移籍 日刊スポーツ (2011年12月31日)
  32. ^ 浦和、横浜M・渡辺千に正式オファー デイリースポーツ (2011年12月14日)
  33. ^ 渡邉千真選手 FC東京へ完全移籍のお知らせ 横浜F・マリノス (2012年1月6日)
  34. ^ 渡邉千真選手 完全移籍加入決定のお知らせ FC東京 (2012年1月6日)
  35. ^ a b FC東京4発で決勝T進出! 渡辺2発 デイリースポーツ (2012年5月3日)
  36. ^ a b ハットトリックのF東京・渡邉「今日は持っていた」 ゲキサカ (2012年5月20日)
  37. ^ 千真2発! FC東京 ACL1次リーグ突破決定 スポーツニッポン (2012年5月3日)
  38. ^ FC東京・渡邉「やるしかない」、危機感を糧に得点狙う (cache) スポーツナビ 2012.07.28
  39. ^ a b 2012Jリーグディビジョン1 第12節 渡邉 千真 選手(F東京)ハットトリック達成 Jリーグ (2012年5月20日)
  40. ^ a b c ポポ監督も絶賛のFW渡邉「試合に出る喜び、幸せを感じている」 ゲキサカ (2013年4月28日)
  41. ^ [特別対談]長谷川アーリアジャスール×渡邉千真「真の強さを手に入れろ!」 サッカーキング (2013年5月7日)
  42. ^ 好調を維持するFC東京の渡邉千真「満足したらそこで終わり。もっと上を目指す」 サッカーキング (2013年9月18日)
  43. ^ 五輪で10番を背負った男が変身中! FC東京をリードする東慶悟の存在感。 Number (2013年3月22日)
  44. ^ FC東京 多摩川クラシコを前に。「2トップにしてノビノビした」(渡邉千真) blogola (2014年3月21日)
  45. ^ 渡辺千真が初のシュート特訓 東京中日スポーツ (2014年2月16日)
  46. ^ 千真どん欲 今季初ゴール決める 東京中日スポーツ (2014年5月24日)
  47. ^ 千真 2戦連続ゴール狙う ストライカー復調だ 東京中日スポーツ (2014年10月24日)
  48. ^ 鳥栖は監督交代後2連敗で首位陥落…F東京はクラブタイ記録の5戦連続無失点 ゲキサカ (2014年8月16日)
  49. ^ 東京FW渡辺千真に神戸獲得オファー 日刊スポーツ (2014年12月19日)
  50. ^ 渡邉千真選手 ヴィッセル神戸へ完全移籍のお知らせ FC東京 (2015年1月7日)
  51. ^ FC東京よりFW渡邉千真選手 完全移籍加入決定のお知らせ ヴィッセル神戸 (2015年1月7日)
  52. ^ 神戸渡辺千真、移籍後初弾「いいボールくれた」 日刊スポーツ (2015年3月15日)
  53. ^ 神戸 宿敵打倒へ渡辺トップ下、森岡ボランチ濃厚 スポーツニッポン (2015年7月25日)
  54. ^ a b 【神戸】渡辺、ハット! 連敗5で止めて残留決めた スポーツ報知 (2015年10月24日)
  55. ^ a b 2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第15節 渡邉千真 選手(神戸)ハットトリック達成 Jリーグ (2015年10月24日)
  56. ^ 【2015総括】神戸編 大きな失望感は期待値の高さから。大量失点も多かった守備面のテコ入れは急務だ! サッカーダイジェスト (2015年11月26日)
  57. ^ サッカーダイジェスト 2015Jリーグ総集編 (No.1347)』日本スポーツ企画出版社、2015年、53頁。 
  58. ^ ヴィッセル神戸 ニュース/レポート:2016シーズン新主将決定のお知らせ ヴィッセル神戸 (2016年2月5日)
  59. ^ 第89回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦【33】公式記録 (PDF) 日本サッカー協会 (2009年10月11日)
  60. ^ ユニバーシアード冬季競技大会(2007 バンコク)日本代表選手団 入賞者一覧 日本オリンピック委員会
  61. ^ AFCがW杯予選予備登録メンバーリストを公表、宮市や中澤、闘莉王の名も ゲキサカ (2011年9月3日)

関連項目

外部リンク


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