深堀骨

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(ふかぼり ほね、1966年 -)は、日本小説家

略歴[編集]

森下一仁の「空想小説ワークショップ」、都筑道夫の「創作講座」を受講していた。その後創元推理倶楽部分科会に参加。SRの会会員である。

1992年に『蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼』で第三回ハヤカワ・ミステリ・コンテスト佳作に入選。2003年には『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』でバカミス大賞を受賞した。

作風[編集]

古今東西の映画・テレビドラマ・CM作品が深堀に大きな影響を与えており、特に時代劇を彼は好む。エッセイ「俺はつけ鼻に弱い」(『SFマガジン』2003年10月号所収)において、作風に影響を与えた映像作品の紹介がなされている。また夏目漱石の『吾輩は猫である』に影響を受けたことを、インタビュー「不二家のネクターって、時々無性に飲みたくなるじゃん?」で語っている[1]

夢野久作の影響を、本人は否定している[1]

著作リスト[編集]

書籍[編集]

  • 『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』(2003年8月、早川書房)
    • 【地場産業】
    • 【交通手段】
      • 『蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼』ミステリマガジン 1992年11月号
    • 【裏社会】
      • 『隠密行動』SFマガジン 2002年5月号
    • 【植生】
      • 『若松岩松教授のかくも驚くべき冒険』ミステリマガジン 1993年11月号
    • 【隠れた名店】
      • 『飛び小母さん』SFマガジン 2001年7月号
    • 【環境衛生】
      • 『愛の陥穽』SFマガジン 2000年4月号、5月号
    • 【風俗、若しくは芸能、若しくは別の何か】
    • 【歴史】
      • 『闇鍋奉行』(書き下ろし)
    • 『後書き、のようなもの~いい木を見る』
  • 『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』(2023年2月、左右社

雑誌掲載作品など[編集]

  • 時雨蛤日記(ミステリマガジン 1993年2月号)
  • 岩松岩松教授の倫敦消息(ミステリマガジン 1995年2月号)
  • 歌丸大将軍の砲兵隊 又は「なぎら健壱の『世界平和』」(SFマガジン2003年1月号)
  • さいざんす(SFマガジン2003年3月号)
  • 夫と妻の小粋な会話(SFマガジン2003年10月号)
  • シンクロナイズド坂(SFマガジン2005年5月号)
  • <乳首の長い女ブーム>に異議あり(SFマガジン2005年11月号)
  • 白熊座の女は真夏の夜にここぞとばかり舌を鳴らす(文藝ネット 自由図書館)
  • 日本怪談全集(SFマガジン2010年10月号)
  • 卵の私(SFマガジン2011年10月号)
  • 逆毛のトメ (『群像』第69巻第2号、2014年2月 → 『変愛小説集 日本作家編』岸本佐知子編、講談社、2014年9月)
  • 廿日鼢と人間(SFマガジン2014年3月号)
  • 鈴木電機店繁盛記 (『群像』第69巻第10号、2014年10月)
  • 匍匐前進 (『群像』第69巻第10号、2014年10月)
  • ミユキと俺とルドルフと (『トラベシア』Vol.1、2016年8月)
  • セントミアリーメイドの永遠の処女 (『トラベシア』Vol.2、2017年6月)
  • 臍の緒 (『トラベシア』Vol.3、2018年5月)
  • 人喰い☆頭の体操 (『惑星と口笛ブックス』、2018年8月)
  • 獅子河馬部考(素骨) (『トラベシア』Vol.4、2019年6月)

アンソロジー収録作品[編集]

  • 「人食い身の上相談」 (『ヒドゥン・オーサーズ Hidden Authors』西崎憲 編、惑星と口笛ブックス(電子出版)、2017年5月)

エッセイ[編集]

  • 俺はつけ鼻に弱い(SFマガジン2003年10月号)
  • 限りなく泥に近いドロドロ、されど植木等・「横溝正史の鬼火・仮面の男と湖泥の女」(「横溝正史研究 2」、2010年8月、戎光祥出版

解説[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]