汐見橋駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
汐見橋駅*
壁面アートが描かれた駅舎(2021年3月)
しおみばし
SHIOMIBASHI
(0.9 km) 芦原町 NK06-4
地図
所在地 大阪市浪速区桜川三丁目8-74
北緯34度40分5.66秒 東経135度29分10.2秒 / 北緯34.6682389度 東経135.486167度 / 34.6682389; 135.486167 (汐見橋駅*)座標: 北緯34度40分5.66秒 東経135度29分10.2秒 / 北緯34.6682389度 東経135.486167度 / 34.6682389; 135.486167 (汐見橋駅*)
駅番号 NK 06-5
所属事業者 南海電気鉄道
所属路線 高野線(汐見橋線)
キロ程 0.0 km(汐見橋起点)
電報略号 シオ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗降人員
-統計年次-
646人/日
-2019年-
開業年月日 1900年明治33年)9月3日
乗換 桜川駅千日前線阪神なんば線
備考 * 1901年に道頓堀駅から改称
テンプレートを表示

汐見橋駅(しおみばしえき)は、大阪府大阪市浪速区桜川三丁目にある、南海電気鉄道高野線(汐見橋線)の駅番号NK06-5。南海電鉄では最も北に位置する駅である。

歴史[編集]

1935年頃の駅舎と貨物ホーム
「南海鉄道発達史」(1938年)より

駅構造[編集]

頭端式(島式)1面2線のホームを持つ地上駅である。ホームは2番線まであるが、大半の列車は1番線を使用する。かつては貨物専用ヤードも併設していた。

高野線の正式な起点であり、1985年に大阪市の都市立体交差事業が行われる以前は、岸ノ里駅(現・岸里玉出駅)以南と直通していたため、当駅から高野線本線との一部区間運転列車が存在していたが、立体交差事業の実施後は線路が分断されたため直接高野線本線に乗り入れることが不可能となり、当駅からは岸里玉出駅までの区間列車のみが運転されることとなった。

駅舎はホームの北端に接している。自動改札機はあるが、自動精算機はないため、精算が必要な時は駅員に申し出なければならない。コンコース中央に出札口が残されているが、現在は封鎖されている。駅名標も駅番号をシールで追記したのみで旧来の手書きで書かれたスタイルが長い間残されていたが、2016年7月現在は駅番号入り(次駅の芦原町駅の番号も表記)で中国語・韓国語併記の現行デザインに更新されている(ラインカラーは高野線の緑色)。

駅舎内の改札上部の壁にはかつて昭和30年代当時の「南海沿線観光案内図」が掲示されていたが、劣化が進み一部剥落するなどしたため(下の写真参照)、南海電鉄は2016年3月1日に案内図を撤去し[3]、同年10月29日に開催された「南海電車まつり」にて、小分けにされ販売された[4]。その後の2021年5月28日、撤去された観光案内図をモチーフにした新たな観光案内図が設置された[5][6]

2020年9月24日から駅舎外観に「1900年代頃の賑わいあふれる汐見橋駅」というテーマで壁面アートが制作され、10月4日に完成した[2]

トイレは改札内にある。長らく男女共用の和式便器が設置されていたが、2021年4月にリニューアルされ男女別・洋式便座となった[6]

1993年平成5年)4月18日から1995年(平成7年)8月24日までは、岸里玉出駅の高野線側の高架化工事により、レールがどの路線とも接続していなかった。そのため、この間は2番線に検修設備を置き、暫定的な車庫として使用していた。

新大阪駅JR難波駅・南海新今宮駅を結ぶ路線として計画中(2019年9月現在)のなにわ筋線は、当初の構想では南海については新今宮駅ではなく当駅に接続するとされていた[7]。それによると、汐見橋線の木津川駅 - 当駅間が地下化され、当駅の北方で東に曲がってなにわ筋の地下へ至ることになっていた。新今宮接続との決定がなされたことにより、当駅のみならず汐見橋線自体の存続が危ぶまれている状況である。2019年8月13日付『日本経済新聞』には、「今のところ汐見橋線の廃止の計画はない」という南海側のコメントが寄せられており、沿線活性化の試みも始められている[8]

のりば[編集]

のりば 路線 行先[9] 備考
1・2 高野線(汐見橋線) 岸里玉出方面 通常は1番のりばから発車

夜間滞泊は行われていない。

利用状況[編集]

2019年(令和元年)次の1日平均乗降人員646人(乗車人員:329人、降車人員:317人)である。汐見橋線の駅(岸里玉出駅含む)としては6駅中3位である。

大都市の駅としては極めて少ないが、2009年(平成21年)3月20日の阪神なんば線の開業後、桜川駅と隣接する当駅の利用客数が24%も増加しており[10]、現在は汐見橋線と阪神なんば線との乗り換え客の利用が中心となっている。

近年の1日利用状況推移は下記の通り。

年次 1日平均
乗降人員
1日平均
乗車人員
出典
1985年(昭和60年) 1,071
1990年(平成02年) 789 362 [11]
1991年(平成03年) 750 344 [12]
1992年(平成04年) 662 299 [13]
1993年(平成05年) 659 301 [14]
1994年(平成06年) 639 289 [15]
1995年(平成07年) 623 284 [16]
1996年(平成08年) 644 302 [17]
1997年(平成09年) 642 315 [18]
1998年(平成10年) 596 290 [19]
1999年(平成11年) 568 287 [20]
2000年(平成12年) 520 266 [21]
2001年(平成13年) 474 242 [22]
2002年(平成14年) 458 240 [23]
2003年(平成15年) 419 219 [24]
2004年(平成16年) 381 199 [25]
2005年(平成17年) 359 188 [26]
2006年(平成18年) 330 175 [27]
2007年(平成19年) 347 182 [28]
2008年(平成20年) 364 196 [29]
2009年(平成21年) 420 232 [30]
2010年(平成22年) 444 245 [31]
2011年(平成23年) 471 259 [32]
2012年(平成24年) 495 271 [33]
2013年(平成25年) 514 282 [34]
2014年(平成26年) 539 287 [35]
2015年(平成27年) 576 312 [36]
2016年(平成28年) 575 305 [37]
2017年(平成29年) 602 310 [38]
2018年(平成30年) 621 318 [39]
2019年(令和元年) 646 329 [40]

駅周辺[編集]

駅前の汐見橋交差点で新なにわ筋千日前通が交差している。

  • 阪神電気鉄道阪神なんば線 桜川駅(阪神線)
    • 駅の東隣に1番出入口があり、エスカレーターエレベーターが設置された。また汐見橋交差点四方にも出入口がある。地下鉄桜川駅へは阪神なんば線の駅通路を通っていくことができる。これによって両駅相互間の行き来に伴っていた新なにわ筋を横断するわずらわしさはようやく解消された。なお、以前汐見橋交差点に設置されていた横断歩道橋は阪神なんば線の建設工事開始時に撤去されている。ちなみに、阪神の駅は計画段階での仮称が「汐見橋」だった。2022年6月現在、連絡運輸は行われていない。
  • Osaka Metro千日前線 桜川駅(千日前線)
    • 駅を出て右方向(東方)へ100メートルほど進んだ、桜川交差点が駅の出入り口だが、阪神線桜川駅からの地下連絡通路でも移動が可能である。2022年6月現在、ICカード(ICOCAPiTaPa)による連絡定期券の接続駅[41]の取扱と、連絡運輸は行われていない。

バス路線[編集]

最寄停留所は幸町三丁目および地下鉄桜川となる。以下の路線が乗り入れ、大阪シティバスにより運行されている。

幸町三丁目
地下鉄桜川

隣の駅[編集]

南海電気鉄道
高野線(汐見橋線)
汐見橋駅 (NK06-5) - 芦原町駅 (NK06-4)
  • 括弧内は駅番号を示す。

脚注[編集]

  1. ^ a b 『南海七十年のあゆみ』(1957年)年表
  2. ^ a b “汐見橋駅舎に壁面アート”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 4. (2020年10月13日) 
  3. ^ 南海電鉄、伝説の観光案内図を廃棄…幻の鉄道路線図も描かれていたのに”. 産経WEST (2016年3月23日). 2016年3月23日閲覧。
  4. ^ 【南海電鉄】伝説の観光案内図廃棄逃れるも、バラバラに切り売りされる - BuzzFeedNews(2016年11月05日)2020年7月25日閲覧。
  5. ^ 歴史ある汐見橋の観光案内図を再現~2021年5月28日、新観光案内図をお披露目~ - 南海電気鉄道、2021年5月26日閲覧。
  6. ^ a b “大阪 隠れた名物の観光案内図が復活 南海汐見橋駅”. 朝日新聞. (2021年5月29日). https://www.asahi.com/articles/ASP5X7KPJP5XPTIL01F.html 2021年7月6日閲覧。 
  7. ^ 「南海高野線の汐見橋-木津川間を地下化 なにわ筋線竣工時に」『朝日新聞』大阪朝刊3頁、1990年8月17日付
  8. ^ 都会に思わぬローカル線 大阪・南海汐見橋線の歴史 とことん調査隊 関西タイムライン 2019/8/13 7:01 - 『日本経済新聞』 金岡弘記
  9. ^ 汐見橋駅 立体構内図”. 南海電気鉄道. 2023年6月11日閲覧。
  10. ^ 大阪難波駅3割増 球場の集客も好調 阪神なんば線1カ月 効果着々 産経新聞、2009年5月2日
  11. ^ 大阪府統計年鑑(平成3年) (PDF)
  12. ^ 大阪府統計年鑑(平成4年) (PDF)
  13. ^ 大阪府統計年鑑(平成5年) (PDF)
  14. ^ 大阪府統計年鑑(平成6年) (PDF)
  15. ^ 大阪府統計年鑑(平成7年) (PDF)
  16. ^ 大阪府統計年鑑(平成8年) (PDF)
  17. ^ 大阪府統計年鑑(平成9年) (PDF)
  18. ^ 大阪府統計年鑑(平成10年) (PDF)
  19. ^ 大阪府統計年鑑(平成11年) (PDF)
  20. ^ 大阪府統計年鑑(平成12年) (PDF)
  21. ^ 大阪府統計年鑑(平成13年) (PDF)
  22. ^ 大阪府統計年鑑(平成14年) (PDF)
  23. ^ 大阪府統計年鑑(平成15年) (PDF)
  24. ^ 大阪府統計年鑑(平成16年) (PDF)
  25. ^ 大阪府統計年鑑(平成17年) (PDF)
  26. ^ 大阪府統計年鑑(平成18年) (PDF)
  27. ^ 大阪府統計年鑑(平成19年) (PDF)
  28. ^ 大阪府統計年鑑(平成20年) (PDF)
  29. ^ 大阪府統計年鑑(平成21年) (PDF)
  30. ^ 大阪府統計年鑑(平成22年) (PDF)
  31. ^ 大阪府統計年鑑(平成23年) (PDF)
  32. ^ 大阪府統計年鑑(平成24年) (PDF)
  33. ^ 大阪府統計年鑑(平成25年) (PDF)
  34. ^ 大阪府統計年鑑(平成26年) (PDF)
  35. ^ 大阪府統計年鑑(平成27年) (PDF)
  36. ^ 大阪府統計年鑑(平成28年) (PDF)
  37. ^ 大阪府統計年鑑(平成29年) (PDF)
  38. ^ 大阪府統計年鑑(平成30年) (PDF)
  39. ^ 大阪府統計年鑑(令和元年) (PDF)
  40. ^ 大阪府統計年鑑(令和2年) (PDF)
  41. ^ [1]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]