永福寺跡
永福寺跡(ようふくじあと)は、神奈川県鎌倉市二階堂にある史跡。永福寺は鎌倉時代初期、源頼朝が中尊寺の二階大堂、大長寿院を模して建立した寺院で、鶴岡八幡宮、勝長寿院とならんで当時の鎌倉の三大寺社の一つであった。二階建てであった事から二階堂とも称された。現在、永福寺跡周辺が「二階堂」と呼ばれているのも、この建物が由来となっている。昭和58年(1983年)から開始された調査で翼廊跡などが確認された。寺跡は国の史跡に指定されている。
源頼朝は文治5年(1185年)9月の奥州合戦を契機に、源義経・藤原泰衡をはじめとする数万の怨霊をしずめ、冥福を祈るための寺院の建立を発願。その年の12月には永福寺の建立に着手した。建立には畠山重忠ら関東の御家人の助力があった事が『吾妻鏡』に記載されている。建久3年(1192年)11月25日に本堂が完成し、落慶供養が行われた。