水指

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今村六郎作の三川内焼の水指(ウォルターズ美術館所蔵)
色絵牡丹文水指(仁清重要文化財, 東京国立博物館
銹絵山水図水指(仁清), 東京国立博物館蔵

水指(みずさし)は、茶道具の1つである。「水差」という別表記があるほか、「水器」とも呼ばれる[1]

概要

茶道の点前で、茶釜に水を足したり、茶碗茶筅を洗う水を蓄えておくための器である[2][3]陶磁器製(焼物)のものが多いが、そのほかにも曲物塗物など木工品や金物などもある。焼物の水指では、蓋が一緒に(同じ焼物で)作られているものを共蓋と呼び、別に塗物で作られているものは塗蓋と呼んでいる。

皆具として扱う場合、多くは杓立建水蓋置などとセットになっている。独立した茶道具として扱う場合、風炉と並べて客付に置く、点前畳の中央に置く、棚に入れる、長板に置くなどして扱う[4]

多くは円筒形だが、用途によって形状に差異が生じる[5]。材質も用途によって分かれるが、大きく金属・陶磁器・木に大別される[6][7]。近年はほとんどが陶磁器製になっている[8]

オランダで造られた、デルフト窯製のオランダ水指と呼ばれるものもあり、江戸時代に輸入された。西洋薬種を入れた容器などを転用したものと思われる[9]。オランダ水指は表面に唐草模様が描かれており、煙草の葉を彷彿とさせることから、「煙草の葉水指」という呼称もある[10]。また、縄文土器を転用した水指が存在する[11]

脚注

  1. ^ 図説 茶道具事典 443頁
  2. ^ 図説 茶道具事典 443頁
  3. ^ 茶道具の基礎知識・165頁
  4. ^ 茶道具の基礎知識・165頁
  5. ^ 茶道具の基礎知識・165頁
  6. ^ 図説 茶道具事典 443頁
  7. ^ 茶道具の基礎知識・166-186頁
  8. ^ 図説 茶道具事典 443頁
  9. ^ 和蘭色絵莫葉水指
  10. ^ 図説 茶道具事典 443頁
  11. ^ Jōmon pot

参考文献

関連項目