武大偉

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武大偉
プロフィール
出生: 1946年12月??
出身地: 中華人民共和国の旗 中国黒龍江省
職業: 政治家・外交官
各種表記
繁体字 武大偉
簡体字 武大伟
拼音 Wu Dawei
和名表記: ぶ だいい
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武大偉(ぶ だいい、1946年12月 - )は中華人民共和国外交官政治家。朝鮮半島問題特別代表。外交部副部長(元外務次官)。黒龍江省出身。日本語に堪能で、記者の質問に日本語で回答することもある。

略歴

  • 1973年 - 駐日中国大使館に勤務
  • 1979年 - 外交部に戻り、アジア局員、三等書記官
  • 1980年 - 国務院弁公庁副処長
  • 1985年 - 1989年 - 駐日中国大使館勤務となり、二等書記官、一等書記官となる
  • 1989年 - 1992年 - 外交部アジア局第一秘書、処長、参事官
  • 1992年 - 1994年 - 外交部アジア局副局長
  • 1994年 - 1998年 - 駐日中国大使館参事官、公使
  • 1998年 - 2001年韓国駐在中国大使
  • 2001年 - 2004年 - 駐日中国大使
  • 2004年 - 2010年 - 外務部副部長(アジア外交と条約関係を担当)
  • 2010年2月 - 朝鮮半島問題特別代表[1]

評価

ウィキリークス流出した外交文書に、キャサリン・スティーブンズ[2]駐韓米大使が本国アメリカに発信した公電の内容として、『赤裸々な武大偉評』[3]があったことが報道された。複数の関係者の話として、武は『英語もできず「横柄」』[4]であり、交渉相手として最悪であると韓国側は不満を漏らしており、『北朝鮮や非核化について何も知らず』[3]、暗に武をさして『北朝鮮が『最も無能な中国外交官』と評している人物』[3]ということである。また『紅衛兵出身のマルキシスト(マルクス主義者)]』[5]千英宇チョン・ヨンウ[6]が武を蔑んだ[5]という記述もあった。これらは『生の外交官の言葉として聞くとやはり興味深い』[3]ニューズウィーク日本語版編集部[7]は書いている。

朝鮮半島問題

北朝鮮の真意は6カ国協議の無力化で、無能な武大偉を推すことでその目的を達しようとしているのではないかとの憶測もある[3]

武大偉は2010年1月に外務部副部長を退任したが、すぐに朝鮮半島問題特別代表に就任[1]して、6カ国協議の議長は留任した。それは北朝鮮のロビー活動によるものであった[3]という。同年2月24日スティーヴン・ボズワース[8]米国政府北朝鮮政策特別代表と会談して協議再開を約したが3月26日、北朝鮮によって天安沈没事件が起こされた。高まる国際社会の圧力を武大偉ら中国外交が回避して『朝鮮半島の安定と平和が重要だ』[9]と積極的に6カ国協議での平和の実現を目指して、『北朝鮮側が政治対話に戻ることを期待している』[10]8月31日に新提案を出したものの、北朝鮮の反発で予備交渉は失敗に終わり、9月1日ジェイムズ・スタインバーグと協議した後、『協議は、とても多くの困難に直面している』[11]と手詰まり状態に陥ったことを認めるに至った。その後、11月23日北朝鮮によって延坪島砲撃事件が引き起こされた。11月30日に武大偉と協議した後、斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は、『北朝鮮に言える立場にあるのは中国しかいない。こんなこと(挑発行為)をやっていたら対話どころではない』[12]と語った。延坪島砲撃事件の後、再び武は6カ国協議の再開を訴えたが、韓米の対応が今度は硬化して冷淡になった。武は「極めて遺憾」と異例の北朝鮮批判を行った[13]ものの、急遽、韓国へ来た時の行動が韓国世論に無礼なものと受け止められ[14]北京での緊急協議の提案も、李明博大統領に一蹴された[15]

家族構成

家族は、夫人と一女。

脚注・出典

  1. ^ a b 《武大伟任中国政府朝鲜半岛事务特别代表》”. 新华网. 2010年2月18日閲覧。
  2. ^ Kathleen Stephens
  3. ^ a b c d e f 長岡義博 (2010年12月1日). “「韓国による半島統一」を望む中国”. ニューズウィーク. 2010年12月12日閲覧。
  4. ^ 【米公電流出】英語もできず「横柄」韓国高官が中国の武氏を酷評”. MSN産経ニュース (2010年12月2日). 2010年12月12日閲覧。
  5. ^ a b 千英宇氏「中国は北朝鮮を知らない」…ウィキリークス文書”. 中央日報 (2010年12月2日). 2010年12月17日閲覧。
  6. ^ 青瓦台チョンワデ 外交安保首席。発言当時は外交通商部第2次官
  7. ^ 「From the Newsroom」の長岡義博の記事
  8. ^ Stephen W. Bosworth
  9. ^ 中国の武大偉特別代表 韓国外相らと会談”. MSN産経ニュース (2010年5月25日). 2010年12月12日閲覧。
  10. ^ 武大偉特別代表、6カ国協議で「新提案」の考え示す 日本側は再開に慎重”. MSN産経ニュース (2010年8月31日). 2010年12月12日閲覧。
  11. ^ 6カ国協議再開に向け努力 米中が一致”. MSN産経ニュース (2010年9月2日). 2010年12月12日閲覧。
  12. ^ 犬飼直幸 (2010年12月7日). “日米韓外相会談:北朝鮮非難声明 中露との連携に腐心 北朝鮮包囲網狙い”. 毎日新聞社. 2010年12月12日閲覧。
  13. ^ 峯村健司 (2010年11月24日). “中国高官「きわめて残念」 北朝鮮砲撃に批判にじませる”. asahi.com. 2010年12月17日閲覧。
  14. ^ 北朝鮮砲撃:中国高官の「無礼な来韓」”. 朝鮮日報 (2010年11月30日). 2010年12月17日閲覧。
  15. ^ 中国が突然6カ国協議を提案…李大統領は一蹴”. 中央日報 (2010-11-31). 2010年12月12日閲覧。
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