機動戦士ガンダム THE ORIGIN
機動戦士ガンダム THE ORIGIN | |
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漫画 | |
原作・原案など | 矢立肇・富野由悠季(原案) |
作画 | 安彦良和 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | ガンダムエース |
発表号 | 創刊号 - 2011年8月号 |
発表期間 | 2001年6月 - 2011年6月 |
巻数 | 全24巻(通常版) 全12巻(愛蔵版) |
その他 | メカニックデザイン:大河原邦男 |
OVA | |
原作 | 安彦良和 |
監督 | 安彦良和(総監督) 今西隆志 |
脚本 | 隅沢克之 |
キャラクターデザイン | 安彦良和、ことぶきつかさ 西村博之 |
メカニックデザイン | 大河原邦男(オリジナル) カトキハジメ、山根公利 明貴美加、阿久津潤一 |
アニメーション制作 | サンライズ |
製作 | サンライズ |
発表期間 | 2015年4月24日 - |
話数 | 全4話予定 |
その他 | イベント上映作品 |
テンプレート - ノート | |
ポータル | 漫画、アニメ |
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)は、安彦良和の漫画。原案は矢立肇・富野由悠季、メカニックデザインは大河原邦男。アニメ『機動戦士ガンダム』をベースにしたコミカライズ作品ではあるが、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジが施されている。ガンダムシリーズ専門漫画雑誌『ガンダムエース』創刊号(2001年6月発売)より2011年8月号(2011年6月発売)にかけて連載された。2014年からはウェブコミックComic Walkerにてフルカラー版が順次無料掲載されている。
最終回掲載号においてアニメ化が発表され、2015年よりエピソードを分けて制作・公開されている。詳しくは後述。
概要
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』においてアニメーション(作画)ディレクター、キャラクターデザイナー、メカニカルデザインのクリーンナップなどを務めた安彦良和による、同作のコミカライズ作品である。
TVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされたルナツー攻防戦やセント・アンジェのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども多くが生かされ登場している。一方で、現在の視点からすると不自然であったり、現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。
執筆の経緯
本作は当初、サンライズによって日本国外へ『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであるうえ、安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムという物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院することとなり、手持ちぶさたに「ガンダム」の物語のネームを切り始めたところ、一気にガルマ・ザビ戦死のくだりまで描き進められたこと、さらに富野由悠季からも「自分も楽しみにしているから好きにアレンジして欲しい」と言われたことで、本作の執筆を決めたとのことである[要出典]。
ガンダム35周年の間、安彦にとってはガンダムの存在が「鬱陶しい尻尾」と評するほど今作の漫画でリライト化はやっと「ガンダムの安彦」が薄れていった後だったので、正直迷惑だった上に最初は固辞するほどであった[1]。
作成するきっかけは、「シャアの事を殆ど理解していなかった」事である[1]。その原因はファーストガンダムの欠点[要出典]でもある「シャアに対する誤解[2]」。シャアの生い立ちが描かれていない事である[2]。シャアはザビ家への復讐に、全てをかけた可哀想なキャラクターで、知力、身体能力が超人的に高いがゆえに、世界を破滅にしかねないネガティブヒーローであるが、それが一般に受け止められていると語っている[2]。しかしながら、自身は「ネガティブキャラとして愛している」事を述べている[2]。
TVアニメ「機動戦士ガンダム」は永井一郎のナレーションで始まるが、それまで描かれていなかった、一年戦争の疑問を逆算し答えを出して、以下のように構想している[2]。そのため、ファーストガンダムはグラウンドデザインが良くできていて、綺麗にピースをはまっていくので、ジグソーパズルの様な楽しさであったと語っている[2]。設定を改変するにも、変に深読みせずに、それを遠慮なくできるのは当時を知っている、自分だけであり、連載を終えて今回の仕事が宝物の1つになったと語っている[1]。更に今作品は「ファーストガンダムの成り立ちの話である」事を断言している[2]。
また、漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』を手がけた貞本義行との対談で、「キャラクターデザイナーという作品へ強い影響力を持つ人間が漫画版を書いても構わないんだ」と気付かされたと語っており、執筆のきっかけの1つになったことを明かしている[3]。
講談社への企画持ち込みから紆余曲折を経て、掲載は角川書店にて行われることとなり、当初は一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなお、アムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは、既存の漫画雑誌には連載できないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌『ガンダムエース』が創刊された。当初は季刊であったが、その後にペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された[要出典]。また、当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。
連載開始時のキャッチコピーは「誰もが待っていた。これが本当のガンダムだ」である。
あらすじ
この節の加筆が望まれています。 |
人類は、宇宙世紀(以下、U.C.と記す)0001より、増えすぎた人口をスペースコロニーへと移住させることで地球の人口過密状態とエネルギー問題を解決し始めていた。コロニーへと移住した人々は「棄民」と揶揄された一方、コロニーへと移住することなく地球に「残り、住み続けること」は、その行為自体が特権(エリート)的行為とされた。前者をスペースノイド、後者をアースノイドと呼ぶようになった。それぞれのコロニーは自治政府が統治する形態をとりつつも、そこで生産される農産物などの資源は地球連邦への貢納を義務づけられ、地球連邦を脅かすような大規模な軍隊も持つことが許されず、各コロニーには連邦軍が駐留する形をとっていた。
そのなかでも、特に地球からの独立の気運が高いコロニー、サイド3:ムンゾ自治共和国の最高責任者ジオン・ズム・ダイクン議長と彼を支持する有力者達は、地球連邦国家からの独立を、主に共和制議会制度を利用し目指してきた。しかしその独立運動の象徴たるダイクンが、議会での対連邦重要演説中に急死してしまう (U.C.0068)。求心力を失った政治混乱の中、彼と共に独立運動を支えてきたデギン・ソド・ザビ一派とジンバ・ラル一派の政争が始まり、ムンゾ自治共和国防衛隊(後のジオン公国軍の母体とされている)や私兵集団である保安隊という暴力装置を一族で押さえていたザビ派が泥沼の政争を制する。その結果、デギンが共和国議長となり、更には自ら一族がジオン独立運動の正当な後継者であることを示すため、ジオン共和国を名乗り、彼の長男であるギレン・ザビ国民運動部長主導による対連邦戦争遂行体制の整備が進められていく。
こうした世相の中、ジオン・ズム・ダイクンの遺児であり、本作の準主人公ともいえるキャスバル・レム・ダイクンとアルテイシア・ソム・ダイクンの兄妹が、ザビ家の権力争い、更には前述した政争に乗じてザビ家内の自らの主導権を固めんと暗躍するザビ家の長女キシリア・ザビ親衛隊隊長によって翻弄されながら、懸命に生き延びていく。更にはキャスバルが、対地球連邦独立のためにジオン共和国内に設立されたスペースノイド合同宇宙軍士官養成学校に身分を偽ってシャア・アズナブルとして入隊し、「ザビ家への復讐」を胸に、軍人としてしたたかに成長していく。
デギン共和国議長の戦争回避策への思いとは裏腹に、ギレン主導で地球連邦との開戦準備を進めるジオン共和国は、連邦軍との戦力差を埋めるために独自の戦略を打ち立てていく。軍産複合体の象徴、巨大軍需産業資本ジオニック社と提携し、社の技術顧問であったT.Y.ミノフスキー博士の助言のもと、モビルワーカーとその完成形としてのモビルスーツの開発に成功する。軍事大国化していくジオンへの危機感を持ったミノフスキーは、ジオンと袂を分かち連邦へ亡命することを決意するが、この際に行われた史上初のモビルスーツ戦である月面スミス海の戦闘において、ジオン側のモビルスーツが連邦側のモビルスーツ部隊を壊滅に追い込み、亡命劇は失敗に終わる。この惨敗は、連邦側が提携していた軍需産業資本アナハイム・エレクトロニクス社の当のRX計画担当技術社員テム・レイに衝撃を与え、軍首脳部を説得し、本作の主役機となるガンダムを開発させる契機となった。
U.C.0079、デギン議長は公国制を敷き、ジオン公国を名乗ることで旧ムンゾ共和国におけるザビ家の事実上の世襲権を獲得する。
長兄ギレンは総帥職に就くことで新生ジオン公国の全権を握り、地球連邦への宣戦を布告、手始めに、反ジオンのスペースコロニー共和国群の制圧に取り掛かる。
まず、抵抗するサイド2:ハッテ自治共和国の首都島市民を毒ガスにより無差別に虐殺、その後多くの市民の死体を乗せたコロニー自体を連邦側の軍機関の中枢ジャブローに向けて落下させる(ブリティッシュ作戦)ものの、3つの塊へと分裂したコロニーは当初の目標を外れて地球の主要都市などに激突し、結果として地球総人口の約半数を葬り去る。この人類史上未曾有の殺戮行為を正当化する演説におけるギレンは、地球連邦に裁きの鉄槌を下すことを思索していた故ジオン・ダイクン議長が乗り移ったかのようであった。
次なる標的とされたサイド5:ルウム自治共和国近郊での艦隊決戦(ルウム戦役)において、ドズル・ザビ中将の指揮する主力艦隊は、おとりの艦隊を犠牲にした戦略とモビルスーツを巧みに利用した戦術により大勝し、連邦軍総司令官を捕虜とすることに成功する。
前述のコロニー落としの惨劇による異常なまでの戦争被害と、ルウムでの敗北にもかかわらず、デギン公王から和平への期待を託されて連邦側に戻された敗将レビルは戦争の継続を主張する大演説を行い、連邦とジオンの両国は戦時協定(南極条約)を結んだ上での星間戦争 (star wars) の継続を選択する。
南極条約締結後、制宙権を握ったジオン公国側はキシリア少将揮下のマ・クベ中将を司令官とする地球侵攻部隊を降下させ、地球攻略戦を開始する。しかし戦線の急速な拡大に、国力に劣るジオン公国軍は地球圏での情勢に即応した対応が取れないまま、戦争は膠着状態へと陥る。このような戦局の中、モビルスーツの戦術上の重要性に関心を持たざるを得なくなった連邦軍側は、モビルスーツ開発計画を本格化するため、軍首脳に接触していたテム・レイを責任者とする極秘の計画を発動させる。そしてその連邦側の動きを察知したドズル・ザビは、ジオン公国軍きってのエースパイロットに成長していたシャア・アズナブルに対し計画探索を命じる。シャアが地球圏からサイド7へと向かう一隻の「民生輸送船」を追う場面から、物語はアニメ『機動戦士ガンダム』で語られた世界へとつながっていく。
ファーストガンダムとの差異
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
ここでは本作の原作となるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』(通称・ファーストガンダム)との差異を記載する。
設定の変更
地球連邦軍側のモビルスーツ (MS) については大きな設定の見直しが行われ、ガンタンクが10年以上前に量産化された大型主力戦車であり、ガンキャノンはザクIに対抗して開発・実戦投入された地球連邦軍初の量産型MSとされた。デザインはこの設定を前提に、原作のメカデザイナーであった大河原により見直され、安彦に提供されている。アニメ版において、地球連邦軍では当初宇宙戦艦ホワイトベースに搭載された3機の試作機しかMSが存在せず、それらばかりが活躍している[要出典]という点は不自然であるとしばしば指摘[要出典]されていたが、安彦もインタビューで同様の認識を示して[要出典]変更したものである。量産機であるため、物語の主な舞台となるホワイトベースにも、ガンタンクとガンキャノンは物語開始時点において複数が稼動可能な状態で搭載されている。
ジオン軍側でも開戦以前のMSの登場や、アニメ版では量産が間に合わなかったとされていたゲルググのソロモン防衛戦への投入など、いくつかの変更点が見られる。アニメ版ではほとんどが試作機とされていたモビルアーマー (MA) の多くが実戦投入されていることも特徴である[注 1]。
物語の発端となるジオン・ズム・ダイクンの死もザビ家による暗殺という陰謀的な趣よりも、混沌とした情勢の中での不慮の死といった面が強調され、小説版に活字でのみ存在していたキャラであるサスロ・ザビの暗殺やドズルの暗殺未遂も発生することで争乱期の危うい状況下で、老獪なデギン、手腕に長けたギレン、人望に厚いドズル、策謀家のキシリアという多彩な人材を抱えていたザビ家が『結果的に台頭した』という設定になっている。また、物語の黒幕はギレンではなくキシリアに変更されている。
デザイン
主役機ガンダムや、ジオン軍側のMSについても安彦の考え[注 2]を元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている。これらの大河原によるメカニックデザインは、あくまでも作画のための資料として描かれたものであり、安彦は必ずしもそのまま使っていない。また、年代的に近い作品である『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』や『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場したメカニックデザインも随所に取り入れている[4]。
物語の変更
- ホワイトベース
- ホワイトベースの乗組員は、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版ではブライト・ノア以外の士官が全滅しているという険しい状況であったが、本作では中尉以下の士官が相当数生存し、ホワイトベースにもまだ余力があるという設定である。また、ホワイトベースの進路も北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然[5][6]なので、北米大陸沿いにジャブローに入ってから他を目指すよう変更されている。ジャブローで大改装された後、ホワイトベースはベルファストでのミハル・ラトキエのエピソードを経て、オデッサ・ディに参戦した後、再び宇宙に上がっている。
- 階級・地位
- 登場人物の階級・地位も見直され、テレビ版では士官候補生、劇場版では少尉だったブライトが中尉となった他、ルナツー司令ワッケインが少佐から少将に、マ・クベが中央アジア・ヨーロッパ方面司令官・大佐からジオン軍地球侵攻軍総司令・中将に、といったように相当の階級に設定されている。地球方面軍司令官だったガルマ・ザビは大佐のままであるが、マ・クベの部下で北米方面の司令官という扱いになっている(アニメ版のニューヤークではなく、ロサンゼルス駐留)。また、アニメ版では軍人だった主人公アムロ・レイの父テム・レイやミライの父シュウ・ヤシマも、民間企業の人間に変更されている[注 3]。
- アムロの知識
- アムロがガンダムの存在を知ったのは、アニメでは流れ弾で戦死した連邦軍将校が運んでいた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあったテムのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出した資料を読み、事前にある程度の情報を知っていたという流れにすることで、話の流れに無理が無い[7]ように変更されている。
- 終盤でのセイラ
- 特に終盤のア・バオア・クー攻防戦では、セイラ・マスがジオン・ダイクンの遺児アルテイシアであることを明かしてジオン軍内部における反乱を誘引させたり、傲慢で独善的な理想のために他人の犠牲を省みない兄シャアに対する憎悪の感情がより強調されている。
- キシリアの暗躍
- テレビシリーズでは少なかったキリシアの登場シーンが大幅に追加され、ガンダムという作品の幕引きから逆算して描かれている[8]。
- その他
- 地球連邦軍基地・ジャブローの位置は、アニメ版で設定されたアマゾン川下流域は地盤が軟弱であるため、そこに地下基地を作るのには無理があると判断し、シェルターを兼ねられるような固い岩盤で構成されるギアナ高地の地下に再設定されている。アマゾン川流域は、ジャブロー侵入を目論むシャアが遡行する場として描かれる。
- テレビ版ではオデッサ陥落後にマ・クベが宇宙へ脱出しているが、本作では地上に残り自決する。その戦闘の際、連邦軍もオデッサ戦にジム系をはじめ多数のMSを投入していた。また、ギレンがキシリア管轄外の諜報機関を密かに用いてシャアの正体を見抜いていたことや、機会を見て部下にする考えがあったなどと変更している。
エピソードの追加
ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。特に文字設定のみであったジオン共和国と地球連邦政府の対立から一年戦争開戦までの流れを、初めて一貫して描いている。
ジオン・ズム・ダイクンの遺児キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)兄妹とランバ・ラル親子との関わり、ザビ家がダイクン家に代わりサイド3の実権を掌握する過程、公国制を布いたジオンと地球連邦間の確執から来る緊張感、キャスバルが公国軍のエース「シャア・アズナブル」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦からルウム戦役に至る一年戦争前半期などのエピソードが描かれる。「開戦編」「ルウム編」は安彦の当初の構想にはなく、編集部から勧められる形で執筆することになった[9]。
その他
- 第1話のアムロ
- 作者は連載直前のインタビューで、「アニメ第一話のように、偶然コックピットが開いてアムロが乗り込んで、というのはおかしい。今度の連載ではそこも上手く演出する」と語っていた。このシーンは基本的にはアニメ版と同様の描写であるが、事前に得ていた情報により足にあるスイッチで自力でハッチを開け、乗り込むように変更されている。
- コアファイター
- さらに同インタビューにて、「コア・ファイターは玩具化のための設定。リアリティがないから使わない」と語り、当初コア・ファイターはガンダムに内蔵されていなかったが、ジャブローでガンダムを大改造する際にアニメよりも脱出ポッドシステムとしての色彩をより強めたものとして内蔵されている[注 4]。
- 作画のアレンジ
- 本編の作画に関しては、キャラクターは全員わずかだがアニメ版からアレンジされている。ランバ・ラルや黒い三連星などは等身が上がり、シャリア・ブルのように年齢も風貌も一新された者や、モスク・ハン博士のようにキャラクターデザインそのものが変更された者もいる。モビルスーツは戦車などの延長線上として、全体的に低重心気味に太めでがっしりとした体形で描かれている。
- キャラクターの年齢
- 正規軍人はアニメ版よりも全体的に年齢が引き上げられた。例としてブライトは25歳、シャアは23歳(士官学校時は22歳)と設定されている。ギレン、キシリア、ドズルに関しては10歳ほど年齢が引き上げられた[10]。
再構築されたメインキャラクター&メカニック
地球連邦軍
モビルスーツ
- RX-78-01/02 コードネーム「ガンダム」
- 地球連邦軍の試作MSの1号機および2号機。このうち2号機が一年戦争の展開を大きく左右していくことになる、本作の主役機となる。ビームライフルに加え右肩にバルカン砲、左肩にミサイル発射口2門を装備。更に左肩にショルダーキャノンを換装できる。サイド7では2号機に先行して開発された1号機も試験運用されていて、2号機との違いは機体色と頭部のツインカメラアイがジムのようなゴーグルアイであること[注 5]。連載当初は玩具的であるとの理由からコアブロックシステムが排除されていたが、ジャブロー編においてコアブロックシステム(コア・ポッド)が追加装備される描写がある[注 6]。
- RX-77-01/02 「ガンキャノン」
- 連邦軍初の中距離支援用量産MS。本作ではホワイトベース隊やその他の部隊にかなりの数が配備されている。ジオン公国のザクIに対抗して開発されたもので、開発者はテム・レイ。開戦前の初期型 (01) は左肩にキャノン砲1門、右肩にバルカン砲を搭載し、マニピュレーターは3本指だった。開戦時 (02) にはキャノン砲は両肩に装備されたが、マニピュレーターの変更はオデッサ編以後となっている。01は開戦前の「スミス海の虐殺」事件で対MS戦闘能力がない[注 7]ことを露呈し、02も敵味方から「旧式」と酷評されるほど低性能。
- RX-75 「ガンタンク」
- 連邦軍の主力戦闘車両として、連邦軍基地などに配備されている長距離支援用兵器。頭部デザインの変更のほか、下半身部にハッチと前副砲が設けられている。基本設計が旧式のため、その機動性能は最新機種と比べるべくもないが主砲の低反動キャノン砲はMSを一撃で撃破する威力を誇る。
- RGM-79 「ジム」
- 連邦軍の量産MS。TVアニメ版とは異なり、ビームサーベルが右側に装備されており、コアブロックシステムを搭載している。ビームスプレーガンは、地上用と宇宙用とで形状が変更されているが詳細は不明。また、本作版ガンダム専用ビームライフルやバックキャノンを装備する機体も登場。シールドには従来の十字マークやロレーヌ十字のような装飾を施されたもの、曲面主体のシンプルなものなど派生型が登場した。ジャブロー戦においてアムロ・レイが搭乗し、反応の遅さなど不満を感じつつもシャアの搭乗するズゴックを撃退する。また、ジオン側には量産されたガンダムと誤認されたようで、恐れをなしたザクやアッガイを集団で追い詰め撃破しており、やられ役の印象が強かったアニメ版と違い一定の戦果を挙げている。モビルスーツ戦が主体となってからは、増加装甲タイプ(キャノンタイプ、白兵戦用タイプなどがある)が開発され、ホワイトベースに配備されるなど連邦戦力の核となった。
艦艇
- 「ホワイトベース」(艦名)
- ペガサス級1番艦。本作の主要舞台となる艦艇。建造当初は対ジオン戦時協定を意図して、建前上、民生用補給艦として運用されていた。その為、本艦運用部隊は連邦軍の兵站要員達であり、艦の責任者パオロ大佐も、召集された予備役軍人という設定である。更に補給艦であることを徹底する為に2連装大口径メガ粒子砲は左右のドーム型の格納シェルターに隠れるよう装着されていた。が、実際はスペース・コロニー、サイド7にて実用テスト中の新型MS「RX-78」プロトタイプ2機をジャブローに回送後、強襲揚陸艦に改装を前提とした汎用宇宙戦艦。艦の全長は250m前後という設定。ジャブローでの改装後、実弾主砲2門・後部ビーム砲2門(格納可能)及び、改装前に弱点であったと描かれている、対空防御機能を飛躍的に向上させた。全体的なデザインはTVアニメ版等より流線体形を帯び、重厚感ある船体デザインとなっている。また、主翼と尾翼、艦橋は可動式で環境に合わせて主翼と尾翼は折りたたむ、艦橋は艦内部へ引っ込めることが出来る。第一艦橋側面に連邦軍のエンブレムが描かれている場面もある。なお、本艦はペガサス級の1番艦でありネームシップである。改装前が「ホワイトベース」であり、改装後は「ペガサス」と呼称するのが正しいと思われるが、実際には改装後も「ホワイトベース」と呼ばれている。2番艦以降多数の同型艦が増産されたとの設定で、オデッサ作戦時やソロモン戦時において数隻が参加しているのが確認できる。またホワイトベースでは左右の格納庫、主船体、左右エンジンと大きく5つのブロックに分かれているのをフラットな船底の一体構造とした「改ペガサス級」ともいうべきタイプがア・バオア・クー戦に多数投入されている。
- マゼラン級(一年戦争開戦以前に主に登場しているタイプ)
- 大型宇宙戦艦。本作において、一年戦争前のタイプと一年戦争開戦後に登場するタイプの2つのタイプのマゼラン級が存在することが明らかとなった。ただ前期タイプ及び後期タイプとも、艦橋及び艦首、艦全体のフォルムは安彦独特のデザインとなっている。前期タイプの特徴として、艦橋部の形状は4層から5層となっており、艦橋後部には大型対空機銃1基または2基を備え付けてある。メガ粒子砲も艦首の4門と船体中央の砲ではサイズが大きく異なる。艦後方部に副砲2門が描かれている艦もある。
ジオン公国軍
人物
- デギン・ソド・ザビ
- 声 - 浦山迅
- ジオン独立運動の創始者ジオン・ダイクンを影で支えてきたとされるムンゾ自治共和国内の実力者の一人。同共和国の最高学府「Munzo University」の学部長であったとされ、最高知識人の一人でもあった一方、老獪な政治家で、自らの政治権力基盤を確実なものとするために、議会・軍の要職を自らの血縁のみで固める手法をとっている。一貫した非戦主義者であり、連邦政府と事を構える意志はダイクンの生前から無かった。しかし、連邦との直接対決を望むギレンとそれに煽られた世論に逆らえず、開戦を承認。しかし、ギレンの行った同じスペースノイドへの虐殺やブリティッシュ作戦で人類の半数を死に至らしめたことに苦悩し後悔する事となる。ルウム戦役ではガルマと共にグレート・デギンで観戦し、ドズルの戦いを見守った。捕虜となっていたレビルと密かに会見し、和平への道を模索しようとするも、結果的に戦争継続を目論むキシリアらの思惑と連邦内でジオンと通じる戦争継続派エルランの策謀でレビルが奪還される。その後のテレビ演説で「ジオンに兵無し」と戦争継続を訴えたことを「裏切り」と感じて激怒。ガルマを地球方面軍司令として送り出す際には「恩知らずどもを黙らせてやれ」と焚きつけている。だが、溺愛していたガルマの戦死に動揺。講和の道を模索するため様々な手段で働きかけようとするが、自らを傀儡として野心を満たそうと目論むギレンとの対立に繋がっていく。一年戦争が終盤にさしかかり、ドズルまでもがソロモンで戦死したことに激怒。ギレンを「ヒトラーの尻尾」と揶揄し、密会したキシリアにギレン暗殺を密かに命じる。だが、ギレンを除く意志はあるものの、戦争継続自体は「是」とするキシリアの裏切りに遭い、座乗艦グレート・デギンの航行情報をギレン側にリークされる。レビルとの和平交渉に赴くが、自軍のソーラ・レイにより抹殺される最期をとげる。
- ギレン・ザビ
- 声 - 銀河万丈
- デギン・ソド・ザビの嫡男。 ダイクン党の運動部長から後にジオン公国総帥となる。明晰な頭脳を持ち、人命を全く省みない。TV版では鉄面皮で感情を表には出さないが、本作では怒ったり苛立つとこめかみに青筋を立てるほど感情豊かに描かれている。政治手腕に卓越し、共和制下のジオンにあっても議会工作に秀で「ダーク・コロニー」でのMS開発や艦艇建造の予算を捻出するなど戦争準備には積極的に取り組む。平時はガーデニングを趣味とする。OVA版では囲碁のシミュレーションゲームに興じているシーンに変更されているが、これはOVA化にあたってコミックを見直した安彦が、庭木の剪定などつまらないと考えて変更された部分である。独裁者までのぼり詰める過程において、プライベートでも何か戦略的トレーニングになるものをしているとしてチェスや将棋より深いものとして採用している[11]。
- 父デギンをして「ダイクンの怨念が乗り移ったようだ」と言わしめるほど、「自己崇拝」や「選民思想」といったダイクンの精神を継承して「ジオン公国」を作り上げ、連邦とアースノイドを殲滅しようと目論む人物として描かれている。キシリアによる暗殺後にセイラたちダイクン派の蜂起と共に、ギレン派が反キシリア(反グラナダ)に回ったことが内部の混乱を加速させ、事実上の敗戦に繋がった。独立戦争を増えすぎた人口問題を抱える地球圏の抜本的な問題解決のための手段と割り切っており、自分たちの主張に従わなければ同じスペースノイドであっても容赦なく虐殺し、巧みな論理で正当化する。ただ、自らの手を汚すことはあまりせず、情報操作とアジテーションで人を操って目的を成し遂げようとする。弟・サスロの能力を高く評価しており、彼の暗殺には父デギン同様に衝撃を受けていた。ドズルについては軍事面の優秀さは高く評価しており、ドズルがソロモンで戦死したことを惜しみはしたものの、「短慮にはやった」と冷たく突き放したことでデギンを激怒させた。
- サスロ・ザビ
- 声 - 藤真秀
- デギン・ソド・ザビの次男。ジオン党国民運動部部長。ダイクンの葬儀からの帰路に暗殺される。キシリアによる謀殺説もあるが定かではない[12]。TVアニメ版の構想を記した、通称「トミノメモ」や小説版に名前のみだが登場しており、本作オリジナルのキャラクターではない。政治に長けた手腕を持つなどの設定はそのまま使われている。
- ドズル・ザビ
- 声 - 三宅健太
- キシリア・ザビとともに大きく年齢設定が変えられた。ムンゾ自治共和国時代、首都島防衛隊司令少佐。ダイクン議長死亡時28歳前後。のちジオン士官養成学校校長時には大佐。一年戦争開戦時は中将で、年齢は38歳前後。本作では、キシリアよりも「年齢的に上」であると明確に描かれている。アニメ版と比べ、校長としての訓示やルウム戦役での指揮ぶりなど、優れた指揮官、武人としての側面が強調されている。情け深い面も多く描かれ、宇宙に散った敵に対し哀悼の意を示して黙祷を指示したり、我が子のために戦う意志を新たにするなど、ザビ家の中では非常に感情豊かな人物となっており、ザビ家内の権力争いを嘆くなど家族愛はザビ家では誰よりも強い。また、ランバ・ラルやシャア、黒い三連星を使い、モビルスーツ開発の指揮を執ったのもドズルである。最期は、孤立無援となった宇宙要塞ソロモンと運命を共にするのは原作と同様であるが、その事態を招いたのが連邦軍との対決よりも政治的保身を優先したギレンとキシリアの政治的策動の結果であると断言している。そのため、「あの政治かぶれどもがジオンを滅ぼす」と手厳しく非難している。
- キシリア・ザビ
- 声 - 渡辺明乃
- ドズル・ザビとともに年齢設定が大きく変えられた一人であり、ジオン公国軍を動かしたキーパーソン的役割を担って、読者の目にわかりやすいように描かれている。本編の黒幕であり、様々な陰謀に関わっている。
- 一年戦争開戦前の初登場時、ムンゾ自治共和国内の準軍事組織である保安隊の長とされた。そののちジオン共和国発足後、国軍の一部隊である親衛隊の隊長となり、この時諜報機関の長も兼務したと描かれている。一年戦争時ジオン軍少将はアニメ版と同じであり、マ・クベとの関係も上官と部下ではなく、階級は上であるマ・クベに対して丁寧な形で地球方面の指揮を要請する立場になっている。その一方、階級を越えた権力を持つことが描写されている。
- ダイクンの遺児キャスバルの器量を計るために接触。ただの子供ではないと見抜き、危険視する。シャアのガルマ謀殺はすぐに察知し、彼の素性もキャスバルだと見抜いたうえで部下として使う。
- ザビ家の権力を率先して固めるために働いた一方で、政治的な策略に走りすぎる傾向があり、結果的にザビ家の運命をも狂わせてしまう。
- ガルマ・ザビ
- 声 - 柿原徹也
- 気性が他の兄弟たちに比べて優しく、ザビ家勃興の混迷期を幼少で過ごした事情もあって気骨には欠けている。ただ、そうした己の弱さを自覚し克服しようとする克己心もあり、並々ならぬ努力家。負けず嫌いであり、士官学校でライバルとみなしたシャアを認め、なにかと張り合おうとするが、ことごとく一枚上を行かれる。連邦政府の怠慢により隕石の衝突で人命と生産区画に深刻な被害が出た際、シャアの扇動により決起部隊の中心となる。シャアの徹底した作戦計画により連邦駐屯軍の施設を武装占拠する「暁の蜂起」を起こす。このことで一躍ジオン国民のヒーローとして祭り上げられる。シャアがドズルに抜擢され、月面でガンキャノン部隊を殲滅して破格の昇進を遂げたことに嫉妬する。だが、お手盛り昇進は望まず、参謀部への人事を拒絶。その後のルウム戦役における地上戦で活躍を認められ、地球方面軍司令として昇進する。WB隊が占領地に舞い込み戦いを繰り広げるが、アムロにより攻撃部隊は壊滅。ドップで出撃していたガルマは挑みかかるが翼を切り落とされ、シャアの細工で遭難しかけるが、どうにか帰還する。WB隊との「ミード湖」の駆け引きではマチルダの介入で苦杯を舐めさせられる。ロスでWBを追い求めるが、結果的にそれを利用されてシャアに謀殺される。
モビルスーツ(ジオン)
- ザク以前のMS成立には、テレビ版大河原稿を含めて数多の描写が成されてきたが、安彦、大河原の両氏が「モビルスーツとは何か」といった話にまで踏み込んで考察し、新たに大河原によってMS-01(MW-01) - 04が刷新された。これらは本作オリジナルの設定ではなく、OVAで映像化される前から正式にサンライズのオフィシャル設定となった[13]。
- ザク
- ザクマシンガンはドラムマガジンから給弾ベルト式に変更(ただし、オデッサ編からはドラムマガジン式も登場)。右胸にガトリング砲1門、左腕に機関銃を2門装備。全体的にがっちりした体型になっている。ブレードアンテナはシャア専用機独自のものだったが、オデッサ編以降は通常機にも見られる。
- グフ
- ヒートロッド、ヒートサーベル(ラル機のみは実体剣ではない)、5連装バルカン砲はアニメ本作と同じだが、ヒートロッドは先端が割れて標的をつかんで電撃を流すことが出来る。オデッサの戦いでジオン軍が敗北した際、ブレードアンテナを装備していないグフの一隊が登場、マ・クベのギャンとともにヒートサーベルのみ装備の「抜刀隊」となって連邦軍へ吶喊した。
モビルアーマー
- ビグ・ザム
- 超巨大MA。アニメ版等より大きめに描かれている。強力な磁気フィールドにより、複数のマゼラン級戦艦の主砲「一斉射」にも耐えうる能力を有する。フル稼働状態では30分程度しか稼働出来ない機体での特攻描写を、安彦はスピーディーな場面展開で表現している。
艦艇(ジオン)
- ムサイ級
- 宇宙軽巡洋艦。全長234mで、コミック版では連邦のサラミス級と共に唯一全長が明記された艦艇。その前身は宇宙輸送艦。モビルスーツを搭載させることができる艦が前提ということで、輸送艦の改装により誕生した経緯をもつ。ドズル中将座乗「ワルキューレ」、シャア少佐(一年戦争開戦時)座乗の「ファルメル」など、司令官に合わせて艦橋等を通常タイプに比べて大幅に改装された艦が存在すると描かれている。MS格納庫は艦橋下から艦本体へと変更されている。
- ザンジバル級
- TVアニメ版の機動巡洋艦から汎用戦闘艦へと艦種名が変更された。標準装備として実弾主砲2門の他メガ粒子砲があるが、オデッサ駐留のマ・クベ中将に回送された1番艦にメガ粒子砲は未装備で、代わりに強力投光機となっていた。他に地球駐留軍巡検中におけるキシリア少将座乗の2番艦がある。
- ドロス級宇宙空母
- 巨大移動宇宙要塞。艦艇後部に6連あるドックは、1穴につきザンジバル級艦艇1隻はゆうに格納でき、同要塞下部の発着口はムサイ級軽巡が通れる大きさとして描かれている。
- グワジン級
- 「グレート・デギン」の異名を持つデギン公王専用の超大型宇宙戦艦。火力は連邦軍の戦艦マゼラン級を凌ぐ。艦上部の大型メガ粒子砲は8門と変更された。
- チベ級
- ジオン軍上級士官の中でも少将級が乗艦することが多いとされる戦闘艦。TVアニメ版の重巡洋艦から宇宙戦艦へと呼び名が変更された。ムサイ級を上回る火力を持たされて一年戦争時に新造された艦である。火力・推力は連邦軍のペガサス級を凌ぐ。要塞ソロモンに配備されていた艦としては、コンスコン少将座乗艦及び「戦艦グワラン」があげられる。
本作オリジナルキャラクター
この節の加筆が望まれています。 |
地球連邦軍
- ヴェルツ大尉
- ガンダム01号機のテストパイロット。サイド7に侵入したザク分隊を発見、応戦する。ビームライフルの一撃でザク一機を狙撃・撃破し、残る二機に挟撃され苦戦しつつもさらに一機を至近距離からのビームライフルにより撃破する。が、その際起きたザクの核融合炉の爆発に巻き込まれ、ガンダムもろともコロニー外に放り出され、そのまま消息不明となる。なお残る一機のザクもこの爆発に巻き込まれ大破している。
- ウィリー・ケンプ中尉
- ガンダム02号機(アムロの乗機)の正規のテストパイロット。自機に向かう途中でザクの攻撃により死亡。彼の戦闘描写は無かった。
- ラウル中尉
- ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。ランバ・ラル部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
- 女性士官
- ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。名前・階級は不明。眼鏡をかけている。捕虜コズンに接触したセイラをスパイの嫌疑で激しく追及したが、直後にランバ・ラル部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
- ワッツ少尉
- ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。まだ若く気弱な性格。ランバ・ラル隊による襲撃で負傷し、中南米リマ基地において離艦する。
- ベンジャミン・アダムス曹長
- ホワイト・ベース機関長。職人肌の中年男性。
- キム伍長
- ホワイト・ベース隊のガンタンクパイロット。ガルマ隊との交戦中に戦死。
- ニカウ、ヤン
- 共にホワイト・ベース隊のガンタンククルー。ニカウがパイロットでヤンはガンナー。ランバ・ラル隊との交戦で戦死。
- ダニエル・シェーンベルグ兵長
- ホワイト・ベース隊のガンキャノンパイロット。愛称はダニー。戦死したリュウ・ホセイに代わりガンタンクのパイロットを務め、後に曹長に昇進。ガンキャノンでテキサスコロニーに侵攻中、シャリア・ブルに乗機を撃破され、戦死する。
- 連載当初はまだ名前が決められていなかったため、読者公募で決められた。
- マグダレナ・ロッシ少尉
- ホワイト・ベース隊の技術担当仕官でオムル達の上官。
- エトゥル・ベオルバッチェ曹長
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。トルコ出身。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、オデッサ戦にて戦死。
- ミカエル・ロドリゴ軍曹
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。愛称はドン・ミッチ。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、ジブラルタルでの掃討戦で、シャアのザクと交戦し戦死。
- ウォン・チャン伍長
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、マッドアングラー隊に対しコアファイターで出撃するも、撃墜され戦死。
- リツマ曹長
- ホワイト・ベースの乗員で眼鏡の女性下士官。通信要員であるフラウ・ボゥの交代も行なう。
- イ・ウンジュ少尉
- ホワイト・ベース隊の増加装甲型ジム・パイロット。
- タカアキ・ヤジマ少尉
- ホワイト・ベース隊の増加装甲型ジム・パイロット。「THE ORIGIN出演権プレゼント」当選の一般読者がモデル。
- 連邦保安局主任捜査官
- 『公式ガイドブック2』書き下ろしエピソード『〜誕生〜』[注 8]。に登場。潜伏するダイクンを捜すべく、デギンが学部長を務めるムンゾ大学にやってきた捜査官で、ダイクンが時計塔に居ることに感づいた瞬間、デギンにより射殺される。
ジオン公国軍
- アッシュ軍曹
- サイド7に侵入したザク分隊の長。分隊を率いて偵察行動中にガンダム01号機と遭遇、果敢に挑むもビームライフルの直撃により爆死。
- ガルシア・ロメオ少将
- ジャブロー攻撃軍司令官。プライドが高くマ・クベを激しくライバル視しているが、実力はいまひとつ。司令部に私用のバーを作ったり女性を連れ込んだりと軍を私物化している面もある。
- シャアのもたらした情報に基づき大部隊を率いてジャブローを強襲、自ら移動砲台アッザムに搭乗しジャブローに攻め込むが、連邦側の陽動に引っかかり工事区画に誘い込まれ、罠の落盤によりアッザム共々あえない最期を遂げた。レビルには「定見の無い男」と酷評された。
- 「ガンダムエース」の元編集長古林英明がモデル。その憎めないキャラクターから読者の人気は高く、2004年8月28日にバンダイミュージアムでガルシア追悼式が行われている。
- 後に公式ガイドブックでトニーたけざきにより「死後の世界」の彼が描かれたが、ここは天国なのかと思っていたところ、額に風穴が開いているギレン、デュラハンのように首を抱えているキシリアの二人から、今度は直接にこき使われる羽目になる。
- ムラタ
- ジオン士官学校の生徒。シャアと同室だったがガルマに追い出される。武装蜂起事件の際にはシャアにフットボールのヘッドギアをプレゼントするが、跳弾により戦死する。
- ズビッチ
- マッドアングラー隊の量産型ズゴックのパイロット。ウォン伍長のコアファイターに右腕を破壊され、その後カイ・ミハルのガンペリーの対潜ミサイルで撃沈され戦死した。
- ネクラソフ少尉
- オデッサ作戦においてマ・クベの命によりレビル乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機のパイロット。
- オチョア曹長
- レビル乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機の爆撃手。小心者で対空砲火に堪えられず、予定タイミングより早く核ミサイルを発射してしまう。
- ベルクマン少佐
- 変名を用いてキシリアがグラナダに向かった際、偽りの夫として同行した部下。グラナダの市長と面会した際にジオン側の機密を漏洩し、不興を買ったキシリアに粛清される。
- ドノバン・マトグロス大尉
- 声 - 小形満
- ア・バオア・クー司令部付警護中隊長。要塞に侵入、虜囚の身となったセイラをアルテイシア本人と確認し、ただちに臣下の礼をとりその名の下で戦うことを誓うが、ア・バオア・クーの中央制御室に仕掛けられた爆弾からセイラを庇って戦死する。かつてランバ・ラルの部下であった。漫画原作版『シャア・セイラ編』には姿を見せないが、アニメ版『THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』に少尉時代の幾らか若い姿の彼が登場している。
- ウィリー・マッチョ中尉
- ア・バオア・クー第三独立守備隊第二中隊指揮官。捕虜セイラを尋問、恫喝するが、その正体を知るや混乱してドノバン大尉の指示を仰ぐ。その後ドノバンの反乱部隊に合流するもあえなく隊長を失う。外伝『アルテイシア 0083』ではポロ競技選手チーム関係者に変装のうえ、地球で孤児救援に従事するセイラに何とか接見を成功。かつての上官の遺志を継ぎ、その名を冠した「ドノバン小隊」隊長として帰軍を懇願する。
民間人
- アストライア・トア・ダイクン
- 声 - 恒松あゆみ
- ジオン・ズム・ダイクンの妻でキャスバル・アルテイシア兄妹の生母。元はサイド3のナイトクラブ「エデン」の歌姫だったが、当時一介の政治活動家だったダイクンと出会い恋仲になる。同じ店に勤めていたクラウレ・ハモンやクランプとも旧知の仲。ダイクン暗殺後はローゼルシアによって幽閉状態に置かれ、地球へ逃れた子供達のことを案じていたが、親子は再会することなく心労の為に半ば衰弱死するような形で病死し、このことがシャアのザビ家に対する憎悪を増幅させることになる。
- アニメ版製作当時の富野喜幸による構想を記載した通称「トミノメモ」に「トア」の名前で登場(その後に出版された小説版にも登場)していたが、本作で初めてフルネームを名づけられ、姿も描かれた。
- ローゼルシア・ダイクン
- 声 - 一城みゆ希
- ダイクンの正妻でありパトロン[14]。ダイクンの古くからの同志であり、彼を愛していたが子供を授からなかったことから、彼の子を産んだ故に妻となったアストライアを激しく妬み憎んでいた。資産家でダイクン邸は元々彼女のものであり、ダイクンの死後アストライアを離れの塔に幽閉した。心臓の持病を抱えており、アストライア幽閉から間もなく発作で死亡。ローゼルシアが死んでもアストライアは解放されることはなかった。
- テアボロ・マス
- 声 - 巻島康一
- キャスバル・アルテイシア兄妹の養父でアナハイム社を商売敵とする実業家。ヤシマカンパニーCEOのシュウ・ヤシマとも個人的な親交がある。旧知のジンバ・ラルのために地球に逃れてきた彼と兄妹を引き取る[注 9]。当初あまり乗り気ではなかったが、妻に先立たれて商売一筋に生きていた彼は、エドワウ・セイラの2人を実子同然に可愛がるようになり、2人を無理矢理担ぎ出してザビ家に反抗しようとするジンバに対して強く非難するほどになる。兄妹を監視していたザビ家によりジンバが暗殺された際、自身も重傷を負ってしまい子供達を守れない己の無力さを嘆くが、友人シュウ・ヤシマの薦めで、ザビ家に恭順の意志を示すため、サイド3に近く監視の目が届きやすい「テキサス・コロニー」へ移住する。しかし、ルウム戦役時の暴動の中、病状が悪化し息を引き取る。セイラはテアボロを父として強く慕っており、彼の死後感謝の言葉を述べている。
- シュウ・ヤシマ
- 声 - 牛山茂
- ミライ・ヤシマの父親でヤシマグループの長。テアボロの友人で、彼らの移住先として紹介したテキサス・コロニーの所有者でもある。それまで軍需産業を請け負っていたヤシマカンパニーを民生企業へ転換させ、その第一号としてサイド7の建造を進めていた。これにより同社にいたテム・レイは社を離れ、アナハイムに転職している(友人であるゴップ曰く「根が良い奴だから仏心を起こした」との事)。物語序盤のザクのサイド7攻撃により死亡。
- シャア・アズナブル
- 声 - 関俊彦
- アニメ版ではキャスバルの変名のひとつであり、この名前のほうが知られているが、本作においてはキャスバルとは別人としてのシャアが登場する。富野喜幸著の小説版では、上記「マス家」とともに「アズナブル家」とだけ名前が出ていた。
- テキサス・コロニー管理者であるロジェ・アズナブルとミシェル・アズナブルの息子。エドワウ(キャスバル)と瞳の色を除いて瓜二つの容姿を持つが性格はやや軽薄。
- ルウムの寄宿学校に通っていたが、ジオンのプロパガンダに影響されて連邦とアースノイドを激しく憎悪し、スペースノイドの選民思想に取りつかれていた。ジオン士官学校を受験、合格する。しかし入学のためジオンに向かう途中、キャスバルの策略により彼とすり替わる形でテキサスコロニーを出る事になる。結果、彼の身代わりで「エドワウ・マス(キャスバル)」としてキシリア機関に謀殺され、一方のキャスバルは「シャア・アズナブル」になりすまして無事ジオンに到着し、士官学校へ入学する。
- なお、シャアとすり替わって以降のキャスバルは、瞳の色の違いについてどう弁明したかは直接の記述は無いが、瞳の異常によりサングラスをつけているとの本人の弁がある(のちに級友からのプレゼントのマスクを着用)。
- ロジェ・アズナブル
- 声 - 宗矢樹頼
- シャア・アズナブルの父親でテキサス・コロニー管理者。心優しい温厚な人物であるが、ザビ家のプロパガンダに煽られてジオン士官学校に進学しようとした息子にはかなり批判的で連邦との全面戦争を望むような発言に対して大声で叱り飛ばしている。テキサス・コロニーでエドワウとセイラの正体を知る数少ない人物で二人の境遇を気の毒と思いながらも二人の将来のため、テアボロと共に尽力する。ルウム戦役時に妻ミシェル(声 - 進藤尚美)と共にジオンに移住しようとするが、乗船したジオン行き宇宙船がルウム首都バンチ「ミランダ」の宇宙港で、シャア(キャスバル)の駆るザクに沈められて妻共々死亡。出発の直前にセイラにはこれまでの生活の感謝と戦後息子を連れて共に再会する事を約束していたが、叶わなかった。
- 妻共々、最後までシャアとキャスバルが入れ替わっている事に気付く事は無かった。しかし、軍人としてシャア(キャスバル)が高い評価を受けている事に関してはやや困惑気味であり、「自分達の子供とは思えない」とセイラに発言している。
- ユウキ
- サイド2の首都バンチ「アイランド・イフッシュ」に住む少年。日系の血が流れており、地球・日本への留学を控えていた。ブリティッシュ作戦時に自警団の一員として警備に就いていたが、ジオン軍の注入した毒ガスにより恋人のファン・リーと共に死亡。イフッシュは地球へのコロニー落としに使用された。
- ヤノマニ族
- ジャブローに古くから住んでいる原住民で、長老以外は現代語を話すことすらできない。自分達の住む土地に広大な基地を造った連邦軍を憎んでおり、連邦軍を追い出すというシャアの言葉に乗り、秘密の通路を教える。
- ちなみに、アマゾンにはヤノマミ族という一文字違いの部族が実際に居住している。
- ルシファ
- セイラの幼少時の飼い猫で、知らない人に触られるとひっかく癖があり、保護に向ったランバ・ラルの顔をひっかきまわした。テキサスコロニーまでセイラと行動を共にしたが、アストライアの死後、後を追うように死ぬ(死因は不明)。なおルシファを埋葬した日はシャアとセイラの別れの日でもあった。
- レディ・バーリー
- 外伝『アルテイシア 0083』に登場する英国貴族の血を継ぐ老婦人。「アストライア財団」のセイラによる孤児救援に協力し、仕事場と人員を提供するとともに、ジオンの過激分子や対する治安当局からその才覚で彼女を護る役目も果たしている。カリスマ性もあり、ジオンの過激派をも瞬く間に敬服させた女傑。
特別編
連載とは別に、『公式ガイドブック』描き下ろしや、本編完結後の新作描き下ろしなどで短編が発表されている。特別番外編以外の作品は愛蔵版に収録され、2015年2月にカドカワコミックス・エースで第24巻・特別編としてまとめられた[注 10] 。
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN特別番外編
- 『2002年12月増刊 ガンダムエーススペシャル』に掲載、『機動戦士ガンダム THE ANTHOLOGY VOL.1』に収録。
- その前夜
- 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』に掲載、愛蔵版『VII ルウム編』に収録。
- 「始動編」前夜の平穏なサイド7住民の日常生活とホワイトベースを追跡してきたシャアらの緊迫感を描く。
- キャスバル 0057[注 11]
- 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』に掲載、愛蔵版『XII めぐりあい宇宙編』に収録。
- キャスバルが誕生する直前の連邦から追われるジオン・ダイクン、ダイクンを匿う大学学長のデギン、銃を手に革命運動に身を費やすギレンやサスロを描く。
- アルテイシア 0083
- 『ガンダムエース2012年1月号』[注 12]と『ガンダムエース2012年3月号』に掲載、愛蔵版『XII めぐりあい宇宙編』に収録。
- ジオン残党がセイラを担ぎ上げようとしていることを察したミライから頼まれたカイは、ジャーナリストを騙って隠遁するセイラに会いに行く。
- アムロ 0082
- 愛蔵版『XII めぐりあい宇宙編』収録用の描き下ろし[注 13]。
- カツ、レツ、キッカを引き取り、フラウに求婚することを決めたハヤトは、アムロ、フラウを伴って日本の出雲大社や鳥取砂丘を旅する。そこへマ・クベの弔い合戦を目論むウラガン中隊(カンパニー)がアムロに襲いかかるも、アムロを監視している連邦軍にことごとく返り討ちにされてしまう。
単行本
通常版
- 第1巻 始動編 ISBN 978-4-04-713453-9(2002年6月1日発行)
- 第2巻 激闘編 ISBN 978-4-04-713503-1(2002年7月26日発行)
- 第3巻 ガルマ編・前 ISBN 978-4-04-713518-5(2002年11月26日発行)
- 特装版[注 14] ISBN 978-4-04-713519-2(2002年11月19日発行)
- 第4巻 ガルマ編・後 ISBN 978-4-04-713545-1(2003年3月20日発行)
- 第5巻 ランバ・ラル編・前 ISBN 978-4-04-713557-4(2003年7月25日発行)
- テレカ付限定版 ISBN 978-4-04-713557-4(2003年7月20日発行)
- 第6巻 ランバ・ラル編・後 ISBN 978-4-04-713611-3(2004年3月26日発行)
- 第7巻 ジャブロー編・前 ISBN 978-4-04-713647-2(2004年7月26日発行)
- 第8巻 ジャブロー編・後 ISBN 978-4-04-713680-9(2004年11月26日発行)
- 第9巻 シャア・セイラ編・前 ISBN 978-4-04-713714-1(2005年4月26日発行)
- 第10巻 シャア・セイラ編・後 ISBN 978-4-04-713746-2(2005年8月26日発行)
- 第11巻 開戦編・前 ISBN 978-4-04-713771-4(2005年12月26日発行)
- 第12巻 開戦編・後 ISBN 978-4-04-713805-6(2006年4月26日発行)
- 第13巻 ルウム編・前 ISBN 978-4-04-713850-6(2006年7月26日発行)
- 第14巻 ルウム編・後 ISBN 978-4-04-713883-4(2006年12月26日発行)
- 第15巻 オデッサ編・前 ISBN 978-4-04-713920-6(2007年5月26日発行)
- 第16巻 オデッサ編・後 ISBN 978-4-04-713987-9(2007年11月26日発行)
- 第17巻 ララァ編・前 ISBN 978-4-04-715075-1(2008年6月26日発行)
- 第18巻 ララァ編・後 ISBN 978-4-04-715145-1(2008年12月26日発行)
- 第19巻 ソロモン編・前 ISBN 978-4-04-715260-1(2009年6月26日発行)
- 第20巻 ソロモン編・後 ISBN 978-4-04-715285-4(2010年1月26日発行)
- 第21巻 ひかる宇宙編・前 ISBN 978-4-04-715482-7(2010年7月26日発行)
- 第22巻 ひかる宇宙編・後 ISBN 978-4-04-715601-2(2011年2月26日発行)
- 第23巻 めぐりあい宇宙編 ISBN 978-4-04-715770-5(2011年11月26日発行)
- 第24巻 特別編 ISBN 978-4-04-102794-3(2015年2月26日発行)
愛蔵版
通常版の2巻分を1巻にまとめ、連載時のカラーページをカラーのまま収録。ただし、通常版第2巻収録の「激闘編」1-4は、「始動編」5-8と章名が変更になっている。また短編のうち「その前夜」が「ルウム編」に、「キャスバル 0057」「アルテイシア 0083」「アムロ 0082」の3作が「めぐりあい宇宙編」に収録されている。
各巻の巻末にはアニメーターや漫画家などによるエッセイ・イラスト・漫画などが寄稿されている。
- I 始動編 - ISBN 978-4-04-853809-1 寄稿・庵野秀明(2005年5月26日発行)
- II ガルマ編 - ISBN 978-4-04-853963-0 寄稿・CLAMP(2006年6月26日発行)
- III ランバ・ラル編 - ISBN 978-4-04-854094-0 寄稿・木尾士目(2007年5月26日発行)
- IV ジャブロー編 - ISBN 978-4-04-854195-4 寄稿・柴田ヨクサル(2008年6月26日発行)
- V シャア・セイラ編 - ISBN 978-4-04-854339-2 寄稿・久米田康治(2009年6月26日発行)
- VI 開戦編 - ISBN 978-4-04-854502-0 寄稿・土田晃之(2010年7月26日発行)
- VII ルウム編 - ISBN 978-4-04-854598-3 寄稿・永野護(2011年2月26日発行)
- VIII オデッサ編 - ISBN 978-4-04-854672-0 寄稿・幸村誠(2011年8月26日発行)
- IX ララァ編 - ISBN 978-4-04-120040-7 寄稿・新海誠(2012年2月25日発行)
- X ソロモン編 - ISBN 978-4-04-120275-3 寄稿・藤田和日郎(2012年6月26日発行)
- XI ひかる宇宙編 - ISBN 978-4-04-120394-1 寄稿・円城塔(2012年9月26日発行)
- XII めぐりあい宇宙編 - ISBN 978-4-04-101757-9 寄稿・内田樹(2014年8月26日発行)
公式ガイドブック
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック - ISBN 978-4-04-713644-1(2004年8月26日発行)
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2 - ISBN 978-4-04-715366-0(2010年1月26日発行)
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 3 - ISBN 978-4-04-715600-5(2011年11月26日発行)
アニメ
原作中のシャアとセイラの少年少女時代から1年戦争開戦までを描いた、通称「過去編」(コミックス9~12巻)を全4話構成で描く予定[15][注 15]。
最終回掲載号においてアニメ化が発表となったが、公開時期やメディアについての詳細は不明であった。2014年3月20日に開催された『機動戦士ガンダム35周年プロジェクト』に関する発表において概要が明らかとなった[16]。
原作者である安彦が約25年ぶりにアニメ制作に総監督として関わる。今作において安彦から、スタッフのおかげで「満足」いった仕事が出来たと語っている[17]。これまでの作品は「満足」できた作品ではなかったので、これが要因でアニメ業界から去ったと述べていた[17]。
MSや戦艦などのメカニックや背景には、3DCGが多用されている。今作は「新しいガンダム」と称され、フジテレビの『めざましテレビ』では監督の安彦にインタビューを敢行した[18]。
また声優はアムロ、シャア、ギレン以外はすべて「機動戦士ガンダム」とは異なる配役である。
各話概要
I 青い瞳のキャスバル
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン ワン あおいひとみのキャスバル)は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ版の第1話。2015年2月28日より2週間限定のイベント上映[19]、および有料配信され、2015年4月24日にBDとDVDが発売された[20]。
II 哀しみのアルテイシア
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン ツー かなしみのアルテイシア)は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ版の第2話。2015年10月31日より2週間限定のイベント上映、および有料配信され、2015年11月26日にBDとDVDが発売【収録時間】 75分予定(本編60分予定+特典15分予定)。
III 暁の蜂起
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン スリー あかつきのほうき)は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ版の第3話。2016年5月21日より2週間限定のイベント上映、および有料配信予定。
キャスト
- キャスバル・レム・ダイクン - 田中真弓
- エドワウ・マス / シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン) - 池田秀一
- アルテイシア・ソム・ダイクン / セイラ・マス - 潘めぐみ
- デギン・ソド・ザビ - 浦山迅
- ギレン・ザビ - 銀河万丈
- サスロ・ザビ - 藤真秀
- ドズル・ザビ - 三宅健太
- キシリア・ザビ - 渡辺明乃
- ガルマ・ザビ - 柿原徹也
- リノ・フェルナンデス - 前野智昭
- ジオン・ズム・ダイクン - 津田英三
- アストライア・トア・ダイクン - 恒松あゆみ
- ローゼルシア・ダイクン - 一城みゆ希
- ランバ・ラル - 喜山茂雄
- クラウレ・ハモン - 沢城みゆき
- ジンバ・ラル - 茶風林
- クランプ - 近藤浩徳
- タチ・オハラ - 北沢力
- ドノバン・マトグロス - 小形満
- ガイア - 一条和矢
- オルテガ - 松田健一郎
- マッシュ - 土屋トシヒデ
- スレンダー - 川原慶久
- デニム - 大畑伸太郎
- テアボロ・マス - 巻島康一
- ミライ・ヤシマ - 藤村歩
- シュウ・ヤシマ - 牛山茂
- トレノフ・Y・ミノフスキー - 坂東尚樹
- ゼナ・ミア - 茅野愛衣
- アムロ・レイ - 古谷徹
- テム・レイ - 坂口候一
- ハロ - 新井里美
- シャア・アズナブル(本物) - 関俊彦
- ロジェ・アズナブル - 宗矢樹頼
- ミシェル・アズナブル - 進藤尚美
- ナレーション - 大塚明夫
スタッフ
- 原作 - 矢立肇・富野由悠季「機動戦士ガンダム」
- 漫画原作・総監督 - 安彦良和(KADOKAWA「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」)
- 監督 - 今西隆志
- アニメーションキャラクターデザイン - 安彦良和、ことぶきつかさ
- オリジナルメカニカルデザイン - 大河原邦男
- メカニカルデザイン - カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ
- 脚本 - 隅沢克之
- 総作画監督 - 西村博之
- メカ総作画監督 - 鈴木卓也
- アバンアニメーション 絵コンテ/演出(I) - 板野一郎
- 美術監督 - 池田繁美、丸山由紀子
- 美術設定 - 池田繁美、大久保修一
- 色彩設計 - 安部なぎさ
- 撮影監督 - 葛山剛士
- 編集 - 吉武将人
- 音響監督 - 藤野貞義
- 音楽 - 服部隆之
- 企画・製作 - サンライズ
主題歌
- 主題歌
- 挿入歌
-
- 「By Your Side」(II)
- 作曲・編曲 - 服部隆之 / 作詞・歌 - 澤田かおり
- 挿入曲
- 『機動戦士ガンダム』BGMより。
各話リスト
巻数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 公開日[注 16] | 発売日[注 17] |
---|---|---|---|---|---|---|
I | 青い瞳のキャスバル | 安彦良和 今西隆志 |
江上潔 | 高須美野子 伊藤裕次 |
2015年 2月28日 |
2015年 4月24日 |
II | 哀しみのアルテイシア | 原田奈奈 | 茂木信二郎、伊藤裕次 中村勝利、ことぶきつかさ |
2015年 10月31日 |
2015年 11月26日 | |
III | 暁の蜂起 | 2016年 5月21日 |
2016年 |
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観の中でのMSの発展・設定についての考証企画。いわば『THE ORIGIN』版のモビルスーツバリエーション(MSV)。略称は『MSD』。ガンプラでの展開も行なわれる。メカニカルデザインはカトキハジメ、コンセプトアドバイザーは今西隆志。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』OVA版公式サイトと月刊ガンダムエース誌上にて2015年から連載。
一年戦争(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』本編で描かれた連邦とジオンの戦争)終結後の宇宙世紀0082年に、ジオニック社を吸収合併したアナハイム社が戦時中の開発資料や関係者の証言からこれまで未確認だったモビルスーツを公表したという設定。
- YMS-07A-0 プロトタイプグフ 機動実証機
- YMS-07B-0 プロトタイプグフ 戦術実証機
- YMS-08B ドム 試作実験機
脚注
注釈
- ^ 地上の移動要塞としてアッザム、ソロモン防衛戦で拠点防衛用に配備されていたザクレロなど。
- ^ 例えばザクについては「兵器なのだから、マシンガンの弾薬を使い尽くした後、近接戦用のヒートホーク以外の武装が徒手徒拳しかないということはないだろう」という趣旨の発言をしている。
- ^ テムの勤務先としてアナハイム社も登場している。
- ^ 本作ではジャブロー以前にコア・ファイターが汎用戦闘機として登場しており、それとの差別化のため、この内蔵機は「コア・ポッド」と呼ばれている。
- ^ 実際にはプロトタイプガンダム (RX-78-1) にあたる機体である。これは、安彦が執筆当初プロトタイプガンダムの存在を知らずに新たに1号機を登場させたため。「公式ガイドブック」でも、プロトタイプガンダムの存在を知らなかったことを仄めかしている。
- ^ 当初はコアファイターの代替として操縦席部分のみが射出される脱出装置を使用する予定であり、大河原によるデザイン画が描かれている。
- ^ テム・レイはザクIを対戦車戦を想定されたバトル・タンク、キャノンを対歩兵戦闘車に例えて説明している。
- ^ 単行本掲載時に『キャスバル 0057』に改題。
- ^ この時、キャスバルとアルテイシアは名前がエドワウとセイラに変わる。
- ^ 特別番外編は未収録。
- ^ 発表時のタイトルは『〜誕生〜』。
- ^ 同日発売の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック3』にも掲載。
- ^ KADOKAWAのWebコミックサービス『ComicWalker』と『ガンダムエース2014年5月号』、『ガンダムエース2014年8月号』に先行掲載。
- ^ 別冊設定資料集が付属。
- ^ 『青い瞳のキャスバル』では開戦後のルウム戦役の一場面がプロローグとして例外的に描かれた。
- ^ 劇場でのイベント上映初日。
- ^ Blu-ray / DVDの発売日。
出典
- ^ a b c 徳間書店、『ENTAME』2015年 04月号P42 - 43「機動戦士ガンダム THE ORIGIN シャア・アスナブルがキャスバルだった頃 安彦良和『ジ・オリジン』かく語りき」より。
- ^ a b c d e f g 東京ニュース通信社『スカパー!TVガイド プレミアム』P24「ガンダムの起源をめぐる旅 シャアは世界を破滅しかねないネガティブヒーロー! 安彦良一」
- ^ 『安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争』(角川書店)[要ページ番号]
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』107ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』157ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』59ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』174ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』14ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』12ページ。
- ^ 月刊ガンダムエース 2010年12月号特別付録No.100 0号。
- ^ “機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト”. 機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト. 2015年5月14日閲覧。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』90ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』16ページ。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』77ページ。
- ^ “SPECIAL|機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト 関係者リレーインタビュー 第1回”. 株式会社創通、株式会社サンライズ. 2015年11月2日閲覧。
- ^ “『機動戦士ガンダム35周年プロジェクト』として『THE ORIGIN』、『Gのレコンギスタ』など、続々始動!”. ファミ通.com. 2014年3月20日閲覧。
- ^ a b 月刊ガンダムエース 2015年5月号P22 - 23「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 安彦良和 池田秀一×田中真弓 藩めぐみ」より。
- ^ めざましテレビ|2014/11/21(金)放送 | TVでた蔵
- ^ “機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト”. 機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト. 2014年11月21日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト”. 機動戦士ガンダム THE ORIGIN公式webサイト. 2015年2月28日閲覧。
参考文献
- 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 978-4-04-713644-1
- 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2」, 2010 ISBN 978-4-04-715366-0
- 角川書店「安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争」, 2005 ISBN 978-4-04-853866-4