森村グループ
森村グループ(もりむらグループ)とは、戦前の森村財閥の流れを汲む企業グループ。
概要
中核企業はノリタケカンパニーリミテド。株式の持ち合いはほとんどなく、森村銀行を吸収した三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)との関係が深い。
「世界最大のセラミックス企業グループ」であり、東京証券取引所一部上場企業の中で陶磁器売上高上位5社のうち1、3~5位を森村グループのTOTO、日本特殊陶業、日本ガイシ、ノリタケカンパニーリミテドの順に占める(2位のINAXも、かつては森村グループに属していた。グループ離脱の経緯は後述)。また「一業一社」という理念の下で独立を進めた経緯から各企業が得意分野を持ち、それぞれが衛生陶器、スパークプラグ、がいし、洋食器の各分野で売上が国内トップである。
グループ企業は「森村十社会」という集まりを形成しており、毎年春と秋に各社の常務以上の定例会が開かれてきた[1]。この中には現在は存在しない会社もあるが、今も一部ではこの呼び名が使われている。これはTOTO、ノリタケカンパニーリミテド、日本ガイシ、日本特殊陶業、INAX、共立マテリアルの上場企業6社と、森村商事、大倉陶園、ノリタケ(2000年に吸収され、現在はノリタケテーブルウェア)、日東石膏(1985年にノリタケカンパニーリミテドが吸収)の4社、計10社で構成されていた。
森村グループを実質的に統括しているのは、森村一族が経営権を掌握している森村商事であり、森村商事の社外取締役に、TOTO、日本特殊陶業、日本碍子、ノリタケカンパニーリミテドのそれぞれ会長が就任している。
グループ企業
- ノリタケカンパニーリミテド - 高級陶磁器・砥石メーカー、森村グループの中核企業
- ノリタケテーブルウェア - 陶磁器・食器の販売会社(旧株式会社ノリタケ)
- ノリタケジプサム - 石膏メーカー(旧日東石膏の流れを汲む)
- TOTO - 衛生陶器・温水洗浄便座等の製造・販売
- 日本ガイシ - がいし・セラミックスの製造・販売
- 日本特殊陶業 - スパークプラグ、半導体パッケージ、産業関連部品、医療関連機器の製造・販売
- 大倉陶園 - 高級陶磁器(主に食器)の生産
- 共立マテリアル - セラミックス原料の製造・販売
- 森村商事 - 窯業・耐火物原料、航空機材、機械プラント、食品、生活用品等の輸出入及び国内販売(かつての森村財閥の中核企業)
その他、これらの企業の子会社など
合併再編により消滅した企業
- ノリタケ(2000年にノリタケリビングに吸収され、現在はノリタケテーブルウェア)
- 日東石膏(1985年にノリタケカンパニーリミテドにより吸収された。2001年に再分社され、現在はノリタケジプサムとなっている)
過去に所属していた企業
脚注
- ^ 朝日新聞1997年6月19日付朝刊、P.13 など
関連項目
参考文献
- 週刊東洋経済・臨時増刊『日本経済をリードする最強の名古屋』 2004.5.21号、東洋経済新報社
- 十名直喜、「セラミックス王国・森村グループと「名古屋的経営」--名古屋圏の産業・経営にみる森村イズムの今日的意義」名古屋学院大学論集 vol.41, P.61-84 (2005.1)
- “中日新聞 「中部財界ものがたり 時流の先へ」 陶磁器を世界へ”. 2013年9月15日閲覧。