株式新聞

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株式新聞
THE KABUSHIKI SHIMBUN
種類 オンライン新聞

事業者 (株式会社株式新聞社→)
(モーニングスター株式会社→)
(イー・アドバイザー株式会社→)
ウエルスアドバイザー株式会社
本社 (東京都中央区日本橋兜町→)
(東京都江東区辰巳1-4-11→)
(東京都中央区築地6-16-1→)
東京都港区六本木1-6-1
代表者 朝倉智也代表取締役社長
創刊 1949年昭和24年)8月15日
廃刊 2021年令和3年)3月31日
(以後は電子媒体に移行)
言語 日本語
価格 月極 (Web版)4,400円
SBIグローバルアセットマネジメントの株主は優待制度により無料(1年ごとに更新)
発行数 【電子版有料会員】1,790人[1]
ウェブサイト https://kabushiki.jp/
ウエルスアドバイザー株式会社
Wealth Advisor Co., Ltd.
本社所在地 日本の旗 日本
106-0032
東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー15F
事業内容 金融情報サービスの提供
設立 1998年3月27日
業種 情報・通信業
資本金 3,000万円
従業員数 66名(2019年9月30日現在)
決算期 3月
主要株主 SBIグローバルアセットマネジメント (100.0%)
外部リンク https://kabushiki.jp/
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株式新聞(かぶしきしんぶん、英語: The Kabushiki Shimbun)は、1949年創刊の証券専門紙。紙版を休刊するまで、証券専門紙中トップのシェア[2]を持っていた。略称は「株新」(かぶしん)。運営はSBIグローバルアセットマネジメント傘下のウエルスアドバイザー株式会社。

なお、月刊『投資手帖』を発行する日本株式新聞社との関係は一切ない。

概要[編集]

1949年(昭和24年)3月24日に設立された旧株式新聞社によって、同年8月15日に創刊された。主な読者は個人投資家など一般人で、証券業界金融商品取引業界相手の業界紙というよりも専門紙に位置付けされる。

紙面での発行を行なっていた時期は、朝日新聞の販売網などを通じ、朝刊として日本全国に宅配されていたが、早刷り版が株式市場終了後に夕刊としてキヨスクなどで販売されていた。駅売りの認知度が一般的に高いため、夕刊紙として分類されることもあった。東京都内の駅売りでは、夕刊フジ日刊ゲンダイ東京スポーツに次いで夕刊専業紙4位の売り上げを誇っていた[2]。また、1980年代までは月刊の縮刷版も発行していた。

かつては東京証券取引所がある東京都中央区日本橋兜町に本社・編集局を構えていたが、1992年(平成4年)、東京都江東区辰巳営団地下鉄(現・東京メトロ有楽町線辰巳駅近くに自社ビルを建設した。しかし、1990年代末に山一證券が廃業した頃から証券専門紙の市場縮退が進み、2000年(平成12年)、同業他紙の日刊投資新聞が廃刊。その一方で株式新聞は長年のライバル関係にある日本証券新聞を追い抜き、証券専門紙でトップシェアの地位を確立、他の同業紙だった株式市場新聞證券新報証券日刊を軒並み休廃刊に追い込んだ。ところが、株式新聞自体もインターネットの普及による紙面販売部数の落ち込みによる苦戦は否めず、同年、本社を毎日新聞の子会社東日印刷に売却した。

2005年4月にSBIホールディングス系のモーニングスター (現:SBIグローバルアセットマネジメント)を引受先とする第三者割当増資を実施して同社の持分法適用関連会社となった[3]2007年4月、モーニングスターを引受先とする第三者割当増資を実施して同社の連結子会社となった[4]

2008年(平成20年)4月1日、モーニングスターは旧株式新聞社を吸収合併した[5]。旧株式新聞社が運営していたWebサイトは2008年10月3日付でモーニングスターのサイトに一旦は統合され、同年11月4日付紙面から、題字デザインを伝統の「緑」からモーニングスターのコーポレートカラーに合わせて「」に刷新した[6]

2013年(平成25年)6月3日付で株式新聞の有料電子版を展開していく関係で『株式新聞Web』が復活した。日刊紙だが、発行は土日・祝日を除く平日のみである(東京株式市場が開いている日のみ発行のため)。

その後東京都中央区築地のオフィスビルを経て、2018年(平成30年)現在は東京・六本木の泉ガーデンタワーにあるSBIホールディングスの本社と同所に移転した。

2020年12月24日、2021年4月よりデジタル版へ完全移行すると発表。2021年3月をもって紙媒体を休刊した[7]。2021年4月、モーニングスターは吸収分割により株式新聞事業をイー・アドバイザーに承継させた[8]。2023年3月30日、イー・アドバイザーがウエルスアドバイザーに吸収合併されたことにより運営もウエルスアドバイザーが担うことになった[9]

問題となった報道[編集]

2000年(平成12年)5月、第85代内閣総理大臣森喜朗ビル・クリントン(第42代アメリカ合衆国大統領)との会談の場において、出鱈目な英語の挨拶を行ったという報道が、7月末開催の九州・沖縄サミット開催に併せ、本紙2000年7月14日付に掲載された。この記事に講談社写真週刊誌フライデー』(7月21日発売号)、文藝春秋週刊誌週刊文春』(8月5日発売号)等が追随した[10]。なお、週刊朝日はこの話に当初から懐疑的であり、経緯について検証記事を載せている[11]。事実は毎日新聞論説委員高畑昭男による創作であり[12]、森はこのデマを批判している[13]

脚注[編集]

  1. ^ 2021年3月期 通期決算の概況 (PDF) モーニングスター株式会社 2021年4月23日 2021年5月1日閲覧
  2. ^ a b モーニングスター - 株式新聞とは
  3. ^ 株式新聞社の株式取得に関する基本合意について』(プレスリリース)SBIホールディングス、2005年4月12日https://www.sbigroup.co.jp/news/2005/0412_1551.html2022年10月6日閲覧 
  4. ^ 株式新聞社の株式の追加取得ならびに子会社化に関するお知らせ』(プレスリリース)SBIホールディングス、2007年4月16日https://www.sbigroup.co.jp/news/2007/0416_1085.html2022年10月6日閲覧 
  5. ^ 子会社との合併に関するお知らせ』(プレスリリース)SBIホールディングス、2008年2月25日https://www.sbigroup.co.jp/news/2008/0225_979.html2022年10月6日閲覧 
  6. ^ 「総合金融情報サイト」の提供開始と日刊「株式新聞」の刷新について』(プレスリリース)SBIホールディングス、2008年10月15日https://www.sbigroup.co.jp/news/2008/1015_2073.html2022年10月6日閲覧 
  7. ^ “株式新聞、紙媒体を休刊へ デジタルに完全移行=モーニングスター”. ロイター. (2021年12月24日). https://jp.reuters.com/article/newspaper-dital-stocks-idJPKBN28Y0ML 2022年10月6日閲覧。 
  8. ^ 官報 2021年2月24日
  9. ^ 子会社への会社分割、子会社同士の合併、子会社の商号変更および持株会社体制への移行に関するお知らせ』(プレスリリース)SBIホールディングス、2023年1月27日https://www.sbigroup.co.jp/news/2023/0127_13560.html2023年6月3日閲覧 
  10. ^ 「蔵出し特集 嘘みたいな本当の話 サミットで首脳夫人にも嫌われた森喜朗首相の英会話」『週刊文春』2000年8月5日
  11. ^ 中村真理子「森首相、クリントン大統領に「フー・アー・ユー」失言の真偽」『週刊朝日』2000年8月11日
  12. ^ 「ブッシュ再選と今後の日米関係」『第141回琉球フォーラム』琉球新報社 2004年8月11日
    この講演にて高畑は創作である旨を認めた。
  13. ^ 「マスコミとの387日戦争」『新潮45』2001年6月

関連項目[編集]

外部リンク[編集]