染髪
染髪(せんぱつ)は、頭髪を染色すること。ヘアカラーリング、もしくは単にカラーリングともいう。
種類
染髪には、一般的なカラーリングの他、ヘアマニキュアやブリーチなど様々な種類がある。詳細はヘアカラーリング剤を参照。
色合い
基本となる色をここでは紹介する。
各色名については各メーカーのヘアカラー剤を参照のこと。
色の明るさ
髪の色の明るさはレベルと呼ばれ、明るさによって1レベルから18レベルくらいまでのレベルがある。数字が大きいほど明るく、小さいほど暗くなる。一般的な日本人の地毛は、だいたい5~6レベル程度の明るさである。
- ハイライト
- ローライト
- ハイライトとは反対に、もともとの髪の色よりも暗めの色を筋状に入れて染髪すること。立体感を出したり、髪全体の印象を落ち着かせて見せる効果がある。
黒染め
黒染めとは髪を黒くあるいは自然な髪色に染めることのここでの言い方。一般的には『シェード』や『グレイカラー』と称する。かつては白髪を染める目的がほとんどであったが、1990年代中盤以降は、染髪によって茶髪や金髪に染める人が増えるとともに、それらを黒髪に戻すための目的も増えている。
- 白髪を隠すための黒染め
平安時代末期の武将である斎藤実盛も、最期くらい若々しく戦いたいと言う思いから墨汁で髪を染めたと記述されており、白髪を隠す目的で黒に染める行為は、かつてから行われてきた。
- 就職活動のための黒染め
日本において、1990年代中盤のアムラーブームなどとともに、ファッション目的で髪を茶髪や金髪にしたりする行為が一般化した。特に大学や専門学校などにおいては、髪の色に関する校則を設けていないところがほとんどで、多くの学生が髪を染めている。
しかし、ほとんどの企業が面接試験において髪の色を採用の判断基準の項目に入れているため、明るい色に染めた多くの学生は、就職活動を始める大学3年生や専門学校2年生になった時、髪の色を黒に戻す。また、アルバイトの面接試験などでも髪の色が判断基準の項目に入れている場合もある。とは言え、1回染めると黒く戻しても染めた痕が残ることもあるため、本来は茶髪や金髪に染めないのが一番と言える。髪の色の種類が多い欧米では、入社試験を髪の色で判断する企業は少ない。
- ファッションによる黒染め
茶髪などの明るい髪色にしていたものの、それに飽きたなどの理由で再び髪を自然な黒に染め戻す人も少なくない。また、元々が黒髪やそれに近い人でも、さらに濃い黒い色(ブルーブラック)にするために黒染めする人もいる。
- 学校の頭髪チェックによる黒染め
中学生や高校生の中には、校則違反になる心配のない夏休み、冬休み、春休みの短期間だけファッション目的で髪の色を変える人がいる。しかし、中学校や高校においては、休み明けの学期始めなどに頭髪チェックを行うため、これに引っかからないよう休みの終わりやチェックの前日(抜き打ちは除く)に髪を自然な黒に戻す人がいる。これに引っかかった生徒は学校で黒染めされることもある。
また、生まれつき髪の色が黒くない人が、頭髪チェックで「髪が黒くない」とみなされ、不当な理由で学校から黒染めされる事例もあり、それによって生徒が接触性皮膚炎になったという問題も起きている。[1] [2]
日本での流行
- 1970年代の流行:若者の一部を中心としたファッドに過ぎない。不良や水商売と見られる傾向。
- 1990年代の流行:渋谷系の若者が発信源。1995年前後にブリーチやヘアカラーリングを採用していた革新的先駆者、その後おしゃれ志向の若者が茶髪化し(早期採用者)、2000年頃までには若者世代以外もカラーリングが定着。茶髪は勿論、金髪も普通になる(追従者)[3]。
関連項目
- 「濡れ羽色」、「烏羽色」とも。日本において最も理想的な黒髪の色とされる。
脚注
- ^ 兵庫県川西市立多田中学校・学校の黒染め措置により接触性皮膚炎となった問題
- ^ 宮城県立蔵王高校・黒染め強制問題
- ^ 『社会学』栗田宣義p158-159