松川 (富山市)

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松川

松川
松川
水系 一級水系 神通川
種別 一級河川
延長 2.4 km
平均流量 65 m³/s
流域面積 8.39 km²
水源 四ツ谷川、冷川、佐野川(常願寺川水系)
水源の標高 -- m
河口・合流先 いたち川
流域 富山県富山市
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松川(松川遊覧船前)
松川遊覧船乗場

松川(まつかわ)は、富山県富山市を流れる河川である。

地理[編集]

富山市を流れる四ツ谷川冷川が富山市西田地方付近で合流して松川となり、富山市磯部町で佐野川を合流し北西へ流れる。神通川に並走しながら東に向きを変え、 富山県警察本部・富山県庁舎富山県庁)・富山県民会館富山市役所の南側を流れ、富山市桜橋通りと富山市今木町の境界でいたち川合流する。

松川はかつて神通川の本流が富山市中心部を蛇行して流れていた跡であることが知られている。そのため現在でも神通川からの水が流れていると思われがちだが実際には異なっており、支流の四ツ谷川、冷川、佐野川はいずれも常願寺川水系である。[1]

神通川に接近する付近には松川放水門が設けられ、松川の水を神通川に排出している。放水門の南側には松川舟通し水門が設けられて小型の舟が神通川と松川を行き来できる設備となっている。

歴史[編集]

かつて神通川は富山城下やその後の富山市中心部を蛇行して流れており、たびたび氾濫して被害が甚大であった。明治時代にようやく神通川の改修が行われ本流は富山市の西部を直線的に流れるように流れが変えられた[2]。その後、富山市の都市計画により元の本流(神通廃川地)は埋立てられて平地ができ、そこに現在の県庁や市庁舎などが建設された。[3]その結果、川幅は狭まって現在の松川となった。改修後に周辺の松並木にちなんで「松川」と呼んだのが松川の始まりである。現在は、に代わってが植えられている。周辺には桜橋通り・桜町・新桜町・桜木町のように「桜」のついた町名が多い。

江戸時代には神通川に舟橋と呼ばれる船を何艘も横に繋いでその上に板を渡した橋が掛けられていたため、松川沿いには現在も同名の橋が掛かり町名としても残っている。

観光・周辺施設[編集]

松川遊覧船

文芸作品[編集]

宮本輝の小説螢川の舞台となっている。1987年に映画化。

脚注[編集]

  1. ^ 『月刊グッドラックとやま 2009年5月号』P.26
  2. ^ 県は1901年(明治34年)1月より馳越線(「はせこしせん」直線排水路)工事を開始、1903年(明治36年)5月に完成。大正時代に入ると川の流れは大部分が馳越線に流れ、旧川には右岸側にわずかに流れが残るだけとなり、1921年(大正10年に)旧川を閉め切り、これにより広大な廃川地となった。
  3. ^ 埋め立てには富山市の都市計画の一環として1930年から建設が始まった富岩運河の掘削から出た大量の土砂が使われ、一石二鳥の計画であった。