東京都第12区

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日本の旗東京都第12区
行政区域 北区板橋区北部
(2024年1月1日現在)
比例区 東京ブロック
設置年 1994年
2017年2022年区割変更)
選出議員 岡本三成
有権者数 37万9189人
1.672 倍(一票の格差鳥取1区との比較)
総務省・2023年9月1日)
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東京都第12区(とうきょうとだい12く)は、日本衆議院議員総選挙における選挙区1994年平成6年)の公職選挙法改正で設置。

区域[編集]

現在の区域[編集]

2022年令和4年公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2][3]11区から板橋区の一部は移入したが、豊島区の部分が10区に、足立区の部分が29区へ移行された。

2017年から2022年までの区域[編集]

2017年平成29年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[4][5]。2017年の区割り変更では、板橋区の一部が11区から、豊島区の一部が10区から本区へ移行され、足立区の一部が13区へ移行された。

2017年以前の区域[編集]

2002年平成14年)公職選挙法改正から2017年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[8]

1994年平成6年)公職選挙法改正から2002年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[9]

  • 北区
  • 足立区
    • 入谷町、入谷1〜9丁目、扇1〜3丁目、興野1・2丁目、小台1・2丁目、加賀1・2丁目、加賀皿沼町、北鹿浜町、江北1〜7丁目、皿沼1〜3丁目、鹿浜1〜8丁目、新田1〜3丁目、椿1・2丁目、舎人町、舎人1〜6丁目、西新井栄町3丁目、西新井本町1〜5丁目、堀之内1・2丁目、宮城1・2丁目、本木北町、本木西町、本木東町、本木南町、本木1・2丁目、谷在家2・3丁目

歴史[編集]

中選挙区時代は、北区・足立区は別の選挙区であった。1996年の設置以来、自由民主党が2度、公明党が5度、民主党が1度議席を獲得、八代英太(自民党)・青木愛(民主党)とタレント議員を2名輩出しているのも特徴である。

1996年の総選挙は八代と、新進党から立候補した沢たまきによるタレント議員同士の争いとなった。この選挙では八代が僅差で当選した。1999年の連立与党組み替え(公明党が連立与党に加わった)を経て、八代は続く2000年総選挙でも再選された。

公明党は、この2000年選挙から連立を組む自民党との選挙協力を全小選挙区において行った。ほとんどの小選挙区は自民党公認候補を公明党が推薦するが、公明党に小選挙区当選者を割り振るため、公明党公認候補が出馬し自民党は候補を出さず公明候補を党をあげて推薦する自公協力区を、大都市圏(東京と関西)にてごく限られた数だけ設定する手法を取った。その結果、関西では公明党公認候補が全選挙区で当選したが、東京ではこの手法は成功しなかった。

東京での自公協力の失敗の原因を、「党員も含めた自民党支持層の非協力」にあるとみた公明党は、東京小選挙区での公明公認候補を1選挙区だけに絞り、絶対に落選させてはならない議員を候補として送りこむという戦術を取った。公明党は、次期党首と目されていた太田昭宏を候補とし、自公協力区として自民党が選んだのがこの東京12区であった。

自民の現職(八代)との調整上、常に同区を公明党に明け渡すのでなくコスタリカ方式によって、自民八代と公明太田が小選挙区と比例区に順繰りに立候補するという合意が自公両党間でなされた。当区が選ばれた理由には、八代は山梨県出身の落下傘候補であること、地元区議や都議との関係も薄い他党からの移籍者であることなど、党内および選挙区内での基盤が弱かったことがあげられる。この合意がなされた2003年総選挙は、前回当選の八代は比例代表にまわり、小選挙区は太田が立候補、当選した。

しかし、その後の郵政民営化法案採決で八代は党議に反して民営化反対票を投じたため、2005年総選挙では、八代は党公認を得られず無所属での立候補となり、コスタリカ方式は崩れた。そこで、この選挙でも引き続き太田が自公を代表する候補として臨み、再選された。

政権交代の2009年総選挙では、前回まで立候補していた藤田幸久参議院茨城県選挙区に鞍替えし当選したため民主空白区となっていたが、参議院比例区から青木が鞍替えで立候補し当選した。太田は比例代表への重複立候補をしていなかったため議席を失った。

2012年総選挙では太田が青木を大差で破り返り咲いたが、選挙前に民主を離党し日本未来の党に参加していた青木も重複立候補していた比例東京ブロックで復活当選した。この選挙後の第2次安倍内閣で太田は国土交通大臣に就任し、以後公明党議員が国交相を務めている。

2014年総選挙では前回立候補した太田、青木、日本共産党池内沙織のほか、元航空幕僚長田母神俊雄次世代の党公認で立候補。この選挙では2万票以上得票数を減らしたものの太田が再選した。池内は安倍政権への全面対決を掲げてやや得票数を伸ばし、共産党が獲得議席数を増やした比例東京ブロックで重複立候補しており、復活当選した。生活の党に参加した青木は得票数を減らし、生活の党は比例東京ブロックで議席を獲得できず比例復活もならず議席を失った。田母神は公明党並びに太田への批判を展開し、公明党に批判的な保守層への浸透を図ったが最下位で落選し、次世代の党は比例東京ブロックで議席を獲得できず比例復活もならなかった。

2019年5月、公明党は次期衆院選に立候補せず政界を引退する太田に代えて比例北関東ブロック選出の岡本三成を擁立することを決定した[10]。また2020年2月日本維新の会は新人の阿部司を擁立することを決定した[11]。2021年の衆院選では野党統一候補となった池内との三つ巴の争いを制した岡本が初当選し、阿部は比例復活となった。

選出議員[編集]

選挙名 当選者 党派
第41回衆議院議員総選挙 1996年 八代英太 自由民主党
第42回衆議院議員総選挙 2000年
第43回衆議院議員総選挙 2003年 太田昭宏 公明党
第44回衆議院議員総選挙 2005年
第45回衆議院議員総選挙 2009年 青木愛 民主党
第46回衆議院議員総選挙 2012年 太田昭宏 公明党
第47回衆議院議員総選挙 2014年
第48回衆議院議員総選挙 2017年
第49回衆議院議員総選挙 2021年 岡本三成

選挙結果[編集]

第49回衆議院議員総選挙2021年(令和3年)10月31日 東京都第12区

時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:46万2732人 最終投票率:57.45%(前回比:増加4.98%) (全国投票率:55.93%(増加2.25%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
岡本三成56公明党101,020票
39.88%
――自由民主党推薦
比当阿部司39日本維新の会80,323票
31.71%
79.51%
池内沙織39日本共産党71,948票
28.41%
71.22%れいわ新選組社会民主党東京都連合推薦
第48回衆議院議員総選挙2017年(平成29年)10月22日 東京都第12区

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:46万263人 最終投票率:52.47%(前回比:減少3.35%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
太田昭宏72公明党112,597票
51.64%
――自由民主党推薦
池内沙織35日本共産党83,544票
38.32%
74.20%立憲民主党自由党、社会民主党、新社会党推薦
中村勝66議員報酬ゼロを実現する会21,892票
10.04%
19.44%
第47回衆議院議員総選挙2014年(平成26年)12月14日 東京都第12区

時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:39万8205人 最終投票率:56.04%(前回比:減少6.94%) (全国投票率:52.66%(減少6.66%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
太田昭宏69公明党88,499票
41.64%
――自由民主党推薦
比当池内沙織32日本共産党44,721票
21.04%
50.53%
青木愛49生活の党40,067票
18.85%
45.27%
田母神俊雄66次世代の党39,233票
18.46%
44.33%
第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日 東京都第12区

時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日
当日有権者数:39万4907人 最終投票率:62.98%(前回比:減少6.08%) (全国投票率:59.32%(減少9.96%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
太田昭宏67公明党114,052票
51.43%
――自由民主党推薦
比当青木愛47日本未来の党56,432票
25.45%
49.48%新党大地推薦
池内沙織30日本共産党41,934票
18.91%
36.77%
服部聖巳34幸福実現党9,359票
4.22%
8.21%
第45回衆議院議員総選挙2009年(平成21年)8月30日 東京都第12区

時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日
当日有権者数:39万3158人 最終投票率:69.06%(前回比:増加1.26%) (全国投票率:69.28%(増加1.77%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
青木愛44民主党118,753票
45.20%
――
太田昭宏63公明党108,679票
41.37%
91.52%
池内沙織26日本共産党31,475票
11.98%
26.50%
与国秀行33幸福実現党3,813票
1.45%
3.21%
第44回衆議院議員総選挙2005年(平成17年)9月11日 東京都第12区

時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日 最終投票率:67.80% (全国投票率:67.51%(増加7.65%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
太田昭宏59公明党109,636票
43.18%
――
藤田幸久55民主党73,943票
29.12%
67.44%
八代英太68無所属44,279票
17.44%
40.39%×
野々山研42日本共産党26,068票
10.27%
23.78%
第43回衆議院議員総選挙2003年(平成15年)11月9日 東京都第12区

時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 (全国投票率:59.86%(減少2.63%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
太田昭宏58公明党98,700票
44.05%
――
比当藤田幸久53民主党95,110票
42.45%
96.36%
山岸光夫52日本共産党30,251票
13.50%
30.65%
  • 太田は第41回、第42回は比例単独で当選(第41回は新進党)。
第42回衆議院議員総選挙2000年(平成12年)6月25日 東京都第12区

時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 (全国投票率:62.49%(増加2.84%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
八代英太63自由民主党90,208票
40.73%
――
藤田幸久50民主党64,913票
29.31%
71.96%
山岸光夫49日本共産党45,482票
20.53%
50.42%
栗本慎一郎58自由連合20,902票
9.44%
23.17%
  • 藤田は第41回では比例単独で当選。
第41回衆議院議員総選挙1996年(平成8年)10月20日 東京都第12区

時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 (全国投票率:59.65%(減少8.11%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
八代英太59自由民主党61,461票
28.41%
――
沢たまき59新進党60,289票
27.87%
98.09%
飯田幸平69日本共産党45,858票
21.20%
74.61%
和田宗春52民主党38,785票
17.93%
63.11%
安田権寧41無所属5,501票
2.54%
8.95%×
富山栄子48新社会党4,456票
2.06%
7.25%

脚注・出典[編集]

  1. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月22日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
  2. ^ 東京都”. 総務省. 2023年1月9日閲覧。
  3. ^ 区割り変更地図_東京都板橋区”. 総務省. 2023年1月9日閲覧。
  4. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第193回国会 制定法律の一覧 >衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 法律第五十八号(平二九・六・一六)”. 衆議院 (2017年6月16日). 2021年10月1日閲覧。地名は2017年(平成29年)当時のものである。
  5. ^ 東京都”. 総務省. 2021年10月1日閲覧。
  6. ^ 豊島区区民事務所設置条例”. www1.g-reiki.net (平成11-10-15). 2021年10月1日閲覧。
  7. ^ 町丁別 投票区域一覧”. 足立区. 2021年10月1日閲覧。
  8. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第154回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第九十五号(平一四・七・三一)”. 衆議院 (2002年7月31日). 2021年10月1日閲覧。地名は2002年(平成14年)当時のものである。
  9. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月1日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
  10. ^ “公明・太田前代表、小選挙区で出馬せず 次期衆院選”. 日本経済新聞. (2019年5月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45156720T20C19A5PP8000/ 2022年1月4日閲覧。 
  11. ^ https://www.asahi.com/sp/articles/ASP897KW8P7DUTFK00M.html

関連項目[編集]