杉村三郎シリーズ

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杉村三郎シリーズ』(すぎむらさぶろうシリーズ)は、宮部みゆき推理小説のシリーズ。

概要

日本屈指の大グループ企業・今多コンツェルン会長の娘婿となり、同コンツェルングループ広報室に所属する杉村三郎を主人公としたシリーズで、その彼が素人探偵然としたスタンスで図らずも関わることになった事件の全容を掴んでいく様を描く。

三郎の立ち位置は探偵役と同時に、事件全体を見届ける傍観者としての役割が強く、三郎の眼を通じて事件の裏に潜む悪意が顕れていくのが特徴である。また著者自身がシリーズを『昭和名曲歌謡シリーズ』と呼称しているように、「車屋さん」(歌:美空ひばり)や「丘を越えて」(歌:藤山一郎)や「テネシーワルツ」(歌:江利チエミ)と1作品毎に昭和の楽曲やその歌詞が用いられており、劇中のテーマとなったり、人物描写の要素として用いられている[注 1]。また、シリーズはマイクル・Z・リューインの「アルバート・サムスンシリーズ」からイメージされている[注 2]

2015年6月現在までに長編『誰か Somebody』『名もなき毒』『ペテロの葬列』の3作が刊行されている。他に、短編「負の方程式」(文庫版『ソロモンの偽証』第6巻所収)と中編『彼方の楽園』(月刊誌『オール讀物』〈文藝春秋〉2015年6月号[1]、8月号[2])がある。連載中のものに連作短編『聖域』(月刊誌『STORY BOX』〈小学館〉2014年12月号より連載開始[3][4])がある。

また、映像化作品としては、小泉孝太郎が杉村三郎を演じた連続テレビドラマが2作品作られている(『名もなき毒』〈2013年/『誰か Somebody』と『名もなき毒』の映像化〉、『ペテロの葬列』〈2014年〉)。

主な登場人物

杉村 三郎すぎむら さぶろう
初登場時35歳。今多コンツェルングループ広報室編集者兼記者。初登場から7年前は子供向け書籍専門の出版社「あおぞら書房」で編集者をしていたが、菜穂子との結婚の条件として「あおぞら書房」を退社し、グループ広報室に勤めることになった。菜穂子との結婚に関しては自身の家族の説得に難航した経緯があり、今では家族とは形式上の絶縁状態である。
温和な性格で、菜穂子や娘の桃子のことを大切に想う良き家庭人。何らかの問題を抱え困った人物に対してはどこまでも親身になるところがあり、その性分により事件の裏まで踏み込んでしまう。今多家の人間になってからは、あまりに違いすぎる境遇や価値観に戸惑い、自らを平凡視することもあり、また今現在の幸せに対して言い知れぬ不安や怖れを抱いている。菜穂子と結婚しても今多コンツェルンに関する実権を持たされてはいない。本人には全く野心がないこともあってか、義父の嘉親と彼の二人の息子一家とは良好な関係を築いている。対称的に今多家の親戚筋からはいつになっても認められることなく、「どこの馬の骨とも分からん男」として扱われ、挨拶さえしてもらえない。結婚から何年たっても義父に対しては気後れしてしまい、彼の前では妻の菜穂子の名前を呼び捨てすることができないでいる。
今多 嘉親いまだ よしちか
初登場時79歳。財界の要人の一人として名を連ねる今多コンツェルン会長、三郎の岳父。5歳年上の正妻は菜穂子を引き取る2年前に他界した。長男・泰孝は社長、次男・孝之は専務取締役として様々な傘下企業の役職を兼務しながら、今多コンツェルンの要職に就いている。小柄で華奢な体躯に日本人離れした鉤鼻、切れ上がった目じりと険しい目つきの容姿で、若い頃は「猛禽」と渾名されていた。
杉村 菜穂子すぎむら なほこ
初登場時29歳。三郎の妻で嘉親の娘。嘉親とその愛人だったギャラリー経営者の絵描きの女性の間に産まれ、嘉親の認知も受けていたが、15歳の頃に母を亡くしてから今多家に引き取られた。母親からの遺伝か、心臓が生まれつき人より大きいため、普通の風邪での高熱でも命取りとなる病弱体質で、休学続きで小学校を7年通い、大学も中退してしまったという。嘉親にはいたく可愛がられており、今多コンツェルンに対する実権を持たされていない代わりに、莫大な財力で世間の煩わしさから離れ、平穏に過ごせる環境で育てられた。そうした経緯から温室育ちのお嬢様として育てられ、性格は純粋で天然な一面を持つ。今多コンツェルンに関する実権を全く持たないことを条件に父から莫大な株式を生前贈与されている。三郎曰く「笑うと24歳、化粧をすると31歳、素顔だと20歳に見え、どんな時でも美人」。映画館内で遭遇した痴漢から救ってもらったことがきっかけで出逢った三郎との交際を実らせ結婚した。
杉村 桃子すぎむら ももこ
初登場時4歳。三郎と菜穂子の娘。病弱な菜穂子がかかりつけの医師に一人だけと許可を貰った末に産まれたため、杉村家にとってかけがえのないということもあって大事にされている。
園田 瑛子そのだ えいこ
今多コンツェルングループ広報室編集長。大学卒業後から今多コンツェルンに入社し、幾多の部署で事務職を務め、関連・傘下企業への出向経験を重ねてきた28年目のベテラン。憎まれ口で思ったことをはっきりと言うさばけた性格。基本的に大まかだが、机の上の整理整頓には行き届いていない大雑把なところもある。
遠山とおやま
会長の第一秘書。淡々とした事務的な態度と語り口の女性で、三郎は心中で“氷の女王”の異名で呼んでいる。
杉村家
三郎の母は「口に蝮の毒がある」と評されるほどの毒舌家。女性の家族の財力に依るような三郎の結婚には反対し、結婚後は三郎を死んだ者だと思うと嘯いているが、稀に連絡を取ったり夏の季節には梨を送ったりしている。父親もまた、当時は三郎の結婚には反対しており、現在は稀に三郎の自宅に電話をかけることがあるようだが、三郎からの電話には出ないため、まともに会話をしていない。ドラマ版では母親に正子まさこ、父親に真一しんいちの名前が付けられている。
三郎の兄・一男かずおは、故郷の町役場に勤務しながら小さな果樹園を経営、所帯を持ち2人の子供をもうけており、父母と同居している。三郎の姉・喜代子きよこは杉村兄弟の母校の小学校で教師をしており、同じく兄弟の中学校の教頭を務める男性と結婚し、窪田姓を名乗っている。ドラマ版では名前は麻子あさことなっている。兄や姉は父母と違い、必ず三郎の会社か携帯に連絡を寄越している。

劇中設定

今多コンツェルン
嘉親が会長として統治している大グループ企業。父親から継いだ関東圏の運送会社を嘉親が一代で発展させ、今では運送会社時代から続く物流業を要に、幾多の会社を吸収し傘下に収めている。東京メトロ銀座線新橋駅から徒歩2分の場所にある地上22階立ての本社ビル(3分の1は店子が入っている)と、本社ビルの裏側にかつて嘉親が一部を私邸として使った別館と呼ばれる建物があり、別館には2階に出版社「東晋社」を含む3つの傘下企業と3階のグループ広報室以外にも、1階に喫茶店「睡蓮」とフラワーショップ「アビシオン」が構えられている。
グループ広報室
今多コンツェルン別館内にある、三郎が勤務する会長室直属の部署。今多コンツェルンの事業拡大に伴い、従業員相互のコミュニケーション不足を懸念した嘉親の意向によって、10年前(『誰か―』時点)に発足した。今多コンツェルン全社員に配布する、奇しくも三郎の以前の勤務先と同じ名前の社内報「あおぞら」を発行しており、『「あおぞら」編集部』とも呼称される。開設の経緯から「会長のゲシュタポ」というデマが根付いてしまっている。
社員6名の小規模な部署ながらも異動による人の出入りが激しく、開設からは編集長の園田しか広報室に留まっていない。女性のアルバイトもまた、大学生の椎名(通称:シーナ)が学業の都合で辞めたことで後任に原田いずみを採用したが、彼女は度重なるトラブルを起こし解雇。その後、ひょんなことから三郎と知り合った女子大生の五味淵まゆみが新たに雇われることとなった(『名もなき毒』)。
ドラマ版では椎名はボストンへの留学を理由に退職したものの、留学金を騙し取られたため、まゆみと共に雇われている。
その後も人員を入れ替え、社員・準社員4名に男性アルバイト1名と更に規模を縮小しながら存続しているが、うち一人は本社財務部でお荷物社員となってしまっていた井手正男であり、まったく戦力になっていない(『ペテロの葬列』)。

書誌情報

誰か Somebody
単行本:2003年11月13日、実業之日本社ISBN 978-4408534497
ノベルス:2005年8月20日、光文社ISBN 978-4334076177
文庫:2007年12月10日、文春文庫ISBN 978-4167549060
名もなき毒
単行本:2006年8月25日、幻冬舎ISBN 978-4344012141
ノベルス:2009年5月21日、光文社ISBN 978-4334076832
文庫:2011年12月10日、文春文庫ISBN 978-4167549091
ペテロの葬列
単行本:2013年12月20日、集英社ISBN 978-4087715323
文庫:2016年4月8日、文春文庫、上巻 ISBN 978-4167905842 / 下巻 ISBN 978-4167905859
ソロモンの偽証 第III部 法廷 下巻
文庫:2014年10月28日、新潮社ISBN 978-4101369402
文庫版「ソロモンの偽証」の最終巻にのみ、杉村三郎を主人公とする「負の方程式」が収録されている[5][6]

テレビドラマ

名もなき毒

名もなき毒
ジャンル テレビドラマ
原作 宮部みゆき
脚本 神山由美子
演出 塚原あゆ子
金子文紀
山本剛義
竹村謙太郎
出演者 小泉孝太郎
深田恭子(第1話 - 第5話)
真矢みき(第6話 - 第11話)
国仲涼子
平幹二朗
製作
プロデューサー 橋本孝(チーフ)
鈴木早苗
橘康仁
制作 TBS
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2013年7月8日 - 9月16日
放送時間月曜日20:00 - 20:54
放送枠月曜ミステリーシアター
放送分54分
回数11
公式サイト
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名もなき毒』(なもなきどく)のタイトルでテレビドラマ化。2013年7月8日から9月16日まで月曜20:00 - 20:54にTBS系「月曜ミステリーシアター」枠で放送された。小泉孝太郎はドラマ化にあたって宮部みゆきによって指名され、主演に起用された[7]。小泉は『コールセンターの恋人』(2009年)以来4年ぶりの連続ドラマ主演であり、TBSの連続ドラマ初主演となる[7]

シリーズ1作目『誰か Somebody』と2作目『名もなき毒』を原作に、前半の第1話から第5話で『誰か―』を、後半の第6話から第11話で『名もなき毒』の物語を展開する2部構成となっており、ヒロイン役も前半は深田恭子、後半は真矢みきへとリレー形式で変更される[注 3]。(場面の入れ替えはあるものの)内容は原作に沿ったものとなっているが、グループ広報室のメンバーに関して、ドラマのみ登場の同僚編集者・手島雄一郎てしまゆういちろうと『名もなき毒』が初出の若手社員の加西や副編集長の谷垣が初登場時点で三郎が配属される前から在籍しているという差異があり、原作では『誰か―』のみに登場するアルバイトの椎名が後半以降も登場する。また原作では二つの事件の間は一年ぐらいあるがドラマでは誰かの終盤で名もなき毒の事件が発生している。劇中ではタイトル画面を含め「毒」が落ち染み渡る描写が取り入れられている[注 4][注 5]

第1話では、TBSに限り、直前の19:55 - 20:00[8]に予告番組『もうすぐ名もなき毒』が放送された。

詳細な人物説明・あらすじは『誰か Somebody』『名もなき毒』を参照。

キャスト

  • 杉村 三郎(今多コンツェルングループ広報室編集者・嘉親の娘婿) - 小泉孝太郎
  • 杉村 菜穂子(三郎の妻・嘉親の娘) - 国仲涼子
  • 椎名 遥(グループ広報室編集アシスタント) - 岡本玲
  • 手島 雄一郎(グループ広報室編集者) - ムロツヨシ
  • 加西 新(グループ広報室編集者) - 森崎ウィン
  • 谷垣 太一(グループ広報室副編集長) - 山崎大輔
  • 園田 瑛子(グループ広報室編集長) - 室井滋
  • 水田(喫茶「睡蓮」マスター) - 本田博太郎
  • 杉村 桃子(三郎と菜穂子の娘) - 矢崎由紗
  • 杉村 正子(三郎の母親) - 木野花
  • 遠山 美緒子(会長の第1秘書) - 佐藤直子
  • 今多 嘉親(今多コンツェルン会長) - 平幹二朗
誰か Somebody(第1話 - 第5話)
  • 梶田 聡美(信夫・弥生の長女) - 深田恭子(幼少期:平澤宏々路[9]
  • 梶田 梨子(信夫・弥生の次女) - 南沢奈央
  • 浜田 利和(聡美の婚約者) - 高橋光臣
  • 梶田 弥生[10](信夫の妻) - 相築あきこ
  • 野瀬 祐子[注 6](トモノ玩具元事務員) - 伊藤かずえ
  • 卯月 勝利(城東中央警察署刑事) - 菅原大吉
  • 梶田 信夫(今多嘉親の専属運転手・自転車ひき逃げ事件被害者) - 平田満
  • 杉村 一郎(三郎の兄) - 犬飼若博(第1話)
  • 杉村 麻子(三郎の姉) - 村岡希美(第1話)
  • 杉村 真一(三郎の父親) - 野添義弘(第1・3・最終話)
  • 木内(「遊楽会館」スタッフ) - 長野里美(第1話)
  • 田辺(三郎夫妻に派遣された家政婦) - 三谷悦代(第1・3話)
  • 友野 栄次郎(梶田信夫の全職場「トモノ玩具」元社長) - 織本順吉(第2話)
  • 友野 文子(栄次郎の義娘) - 池谷のぶえ(第2話)
  • 久保(マンション「グレスデンハイツ石川」管理人) - 小宮孝泰(第3話)
  • 工藤(「グレスデンハイツ石川」管理組合理事長) - 日野陽仁(第3話 - 第4話)
  • お婆さん(エプロンさんの母) - 久松夕子(第2話 - 第3話)
  • エプロンさん - 弘中麻紀(第3話)
  • 関口(トモノ玩具元事務職の責任者) - 柳家小さん(第4話)
名もなき毒(第6話 - 第11話)
  • 古屋 暁子(明俊の娘) - 真矢みき
  • 古屋 美知香(暁子の娘・明俊の孫) - 杉咲花
  • 原田 いずみ(グループ広報室編集アシスタント) - 江口のりこ(第5話 - 最終話)
  • 秋山 省吾(フリージャーナリスト) - 平山浩行
  • 五味淵 まゆみ(秋山の従妹・グループ広報室編集アシスタント) - 中西美帆(第8話 - 最終話)
  • 古屋 明俊(連続無差別毒殺事件4人目の被害者) - 森次晃嗣(第5話 - 最終話)
  • 奈良 和子(明俊の恋人) - 烏丸せつこ
  • 萩原 弘(コンビニ「ララ・パセリ」店長) - 斎藤歩
  • 外立 研治(「ララ・パセリ」店員) - 君嶋麻耶(少年期:城戸恵斗[11]
  • 萩原社長(弘の父親・萩原運送社長) - でんでん(第8話 - 最終話)
  • 芦田(警視庁刑事) - 大高洋夫
  • 森川(警視庁刑事) - 井坂俊哉
  • 近藤(所轄刑事) - 松本岳
  • 北見 一郎(探偵・元警察官) - 大杉漣
  • 沼田(いずみの前職場だった編集プロダクション「ハードアクト」社長) - 新井康弘(第6話)
  • 黒井 寛治(今多物流次長) - 矢柴俊博(第6話)
  • 原田 克也(いずみの父親・道友エンジニアリング札幌支社長) - 前田吟(第9話)
  • 橋本(遠山の部下) - 平沼紀久(第9話)
  • 松井(刑事) - 近江谷太朗(第9話)
  • 外立 幸恵(研治の祖母) - 星野晶子(第10・最終話)

スタッフ

  • 原作 - 宮部みゆき『誰か Somebody』『名もなき毒』(文春文庫)
  • 脚本 - 神山由美子
  • 音楽 - 横山克
  • 演出 - 塚原あゆ子金子文紀、山本剛義、竹村謙太郎
  • 音楽コーディネーター - 溝口大悟、池田修平
  • 演出補 - 村尾嘉昭、西野成亮、松丸博隆、大宮いろは
  • タイトルCG - 岸本威
  • CG - 田中浩征、井田久美子、中村淳
  • スタントコーディネーター・擬闘 - 高槻祐士、カラサワイサオ
  • 法律監修 - 関秀忠
  • 医療監修 - 横井宏和
  • 映像提供 - ブレーントラスト
  • 企画協力 - 河野治彦
  • 制作 - 那須田淳
  • チーフプロデューサー - 橋本孝
  • プロデューサー - 鈴木早苗、橘康仁
  • プロデューサー補 - 吉村剛弘、相羽めぐみ
  • 制作協力 - ドリマックス
  • 製作著作 - TBS

主題歌

  • 近藤晃央「あい」(アリオラジャパン
    • 近藤にとって初めての連続ドラマタイアップとなった。近藤はドラマの台本から浮かんだ想いからメッセージを込めて本楽曲を制作したという趣旨のコメントを残している。また2013年7月2日に行われた制作発表にて本楽曲を披露した[12]

引用作品

第1・5話
第2話
  • 絵本協力 - 作:本間正樹 / 絵:みやもとただお『こぎつねキッコ』 / 工藤ノリコ『ピヨピヨハッピーバースデー』

放送日程

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率[13]
第1話 7月08日 28年の闇―姉妹の秘密と父の死の謎 塚原あゆ子 13.1%
第2話 7月15日 蘇る28年前の記憶―誘拐犯の正体 10.5%
第3話 7月22日 姉の毒、妹の毒―姿を現した誘拐犯と第二の犠牲者 金子文紀 10.1%
第4話 7月29日 父と母が犯罪者…犯人からの謎の脅迫電話 山本剛義 11.6%
第5話 8月05日 第一部 最終話 毒にまみれた衝撃の結末
新たな連続毒殺事件が始まる―
竹村謙太郎 08.2%
第6話 8月12日 謎の無差別連続毒殺事件と恐怖のストーカー 金子文紀 07.7%
第7話 8月19日 遺産を巡る二人の女‥犯人は娘か愛人か? 迫りくるストーカー 竹村謙太郎
第8話 8月26日 毒をもられた…第5の事件発生!
衝撃の被害者は? 絞られた3人の容疑者―
金子文紀 07.6%
第9話 9月02日 父の告白、ストーカー女の衝撃の過去!
明かされる愛人の正体と悲劇の結末
塚原あゆ子 08.3%
第10話 9月09日 最終章〜真犯人が衝撃の告白!
ストーカーの毒牙が杉村家に襲いかかる!
竹村謙太郎 08.4%
最終話 9月16日 ストーカーから家族を守れ!杉村の逆襲が今、始まる! 金子文紀 08.7%
平均視聴率 9.3%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

ペテロの葬列

ペテロの葬列
ジャンル テレビドラマ
原作 宮部みゆき
脚本 神山由美子
演出 金子文紀
岡本伸吾
竹村謙太郎
山﨑統司
出演者 小泉孝太郎
長谷川京子
国仲涼子
ムロツヨシ
高橋一生
製作
プロデューサー 鈴木早苗
橘康仁
制作 TBS
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2014年7月7日 - 9月15日
放送時間月曜20:00 - 20:54
放送枠月曜ミステリーシアター
放送分54分
回数11
公式サイト

特記事項:
初回は19:00 - 20:49に放送(2時間SP)。
最終回は『アジア大会2014韓国仁川』中継の関係で130分繰り下げ(22:10 - 23:04)。
テンプレートを表示

ペテロの葬列』(ペテロのそうれつ)[14](ペテロのそうれつ)のタイトルでテレビドラマ化。2014年7月7日から9月15日まで毎週月曜日20:00 - 20:54[注 7]に、TBS系の「月曜ミステリーシアター」枠で放送された。ドラマのタイトルにちなみ、ポスタービジュアルは出演者全員が喪服姿である。グループ広報室のメンバーに関して、原作にはない同僚編集者・手島雄一郎(てしまゆういちろう)と原作『誰か―』のみに登場するアルバイトの椎名遥(しいなはるか)が前作のドラマ『名もなき毒』に引き続き出演する。また、間野京子の編集部への配属開始時期が原作では本編開始以前からであったが、ドラマでは本編途中に変更されている。間野京子の立ち位置も原作とドラマでは大きく異なる[15][16]。また、ドラマでは原作にも登場する『聖ペテロの否認』以外にも数々の絵画が登場する[17]。杉村菜穂子・桃子を演じる国仲涼子と小林星蘭は、『激流〜私を憶えていますか?〜』でも親子役を演じた。

詳細な人物説明・あらすじは『ペテロの葬列』を参照。

キャスト(ペテロの葬列)

主要人物
  • 杉村 三郎(社内報「あおぞら」編集部副編集長・嘉親の娘婿) - 小泉孝太郎
  • 間野 京子(元エステティシャン・後にグループ広報室に配属) - 長谷川京子[15]
  • 杉村 菜穂子(三郎の妻・嘉親の娘) - 国仲涼子
社内報「あおぞら」編集部
  • 園田 瑛子(編集長) - 室井滋
  • 手島 雄一郎(編集部員) - ムロツヨシ
  • 椎名 遥(アルバイト編集部員) - 岡本玲
  • 井手 正男(編集部員・元今多コンツェルン財務部) - 千葉哲也
  • 野本 敦弘(アルバイト編集部員) - 犬飼貴丈
今多コンツェルン関係者
  • 今多 嘉親(会長) - 平幹二朗
  • 森 信宏(元常務取締役財務担当) - 柴俊夫
  • 橋本 真佐彦(広報部会長秘書室付) - 高橋一生[注 8]
  • 今多 小夜子(菜穂子の義姉・社長夫人) - 安蘭けい
  • 高野 千夏(会長秘書室秘書) - 映美くらら
  • 水田 大造(喫茶「睡蓮」マスター) - 本田博太郎
  • 杉村 桃子(三郎と菜穂子の娘) - 小林星蘭[注 9]
バスジャック関係者
  • 佐藤 一郎 / 暮木 一光 / 羽田 光昭(バスジャック犯) - 長塚京三(10歳:黒田博之 / 32歳:眞田規史)
  • 田中 雄一郎(人質・金属加工工場経営者) - 峰竜太
  • 迫田 とよ子(人質・老婦人) - 島かおり
  • 柴野 和子(人質・「シーライン・エクスプレス」バス運転手) - 青山倫子
  • 坂本 啓(人質・大学中退の青年) - 細田善彦
  • 前野 メイ(人質・パティシエ志望の少女) - 清水富美加
  • 山藤 誠(千葉県警察特務課交渉人) - 金山一彦
  • 今内 大輔(山藤の部下) - 西村元貴
  • 早川 多恵(羽田の幼馴染) - 冨士眞奈美(10歳:高橋茉綾 / 少女期:脇坂優美奈 / 32歳:上田愛美
その他
ゲスト

複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。

第1話
  • 森 弥生(森の妻・認知症患者) - 山口果林(第4・8・最終話)
  • 谷垣 太一(元社内報「あおぞら」編集部副編集長・定年退職) - 山崎大輔
  • 加西 新(元社内報「あおぞら」編集部部員・外資系企業に転職) - 森崎ウィン
  • 遠山 美緒子(今多コンツェルン会長秘書室室長・会長第1秘書) - 佐藤直子(第6・8話)
  • 山本(森家の家政婦) - 兎本有紀(第4話)
  • 佐々木(会長秘書室社長秘書) - 桃香
  • 柴野 佳美(柴野の娘) - 篠川桃音(第6話)
第3話
  • 老婦人(ハリマヤ酒店社長) - 中尾ミエ(特別出演)(第9話)
  • 範田 亜子(菜穂子のママ友) - 堂珍敦子
  • 田中 雄介(田中の息子) - 町田啓太(第7話)
  • 田中 葵(田中の妻) - 千葉雅子
  • 酒店の主人(老婦人の夫・ハリマヤ酒店専務) - 久保酎吉
  • 小羽 雅次朗(日商フロンティア協会代表) - 仲雅美(第5・7・9話)
第5話
  • 北見 一郎(探偵・故人) - 大杉漣
  • 北見 容子(北見の妻) - かとうかず子(第6話)
  • 猿田 茂(古猿庵商事社長) - 桜木健一
  • 北見 司(北見の息子) - 松本岳(第6話)
  • 間野 広太(間野の息子) - 庵原匠悟(第6話 - 第8話・最終話)
第6話
  • 迫田 美和子(とよ子の娘) - 安藤玉恵(第7話)
第7話
  • 岩田 真治(今多コンツェルン労連労務対策委員) - 大西武志
  • 鎌田 耕次郎(今多コンツェルン人事部人事管理課) - 海斗
第8話
  • 早川 良夫(早川の息子) - 下嶋兄[18](第10話)
  • 佐竹 未紀(クラステ海風施設長) - 曽川留三子
第9話
  • 松岡 浩平(柴野の同僚運転手) - 須間一也(第10話)
  • 高東 憲子(日商フロンティア上級会員) - 三谷侑未
  • 羽田 大吉(羽田の父・火災事故で他界) - 池田稔
  • 羽田 よし子(羽田の母・火災事故で他界) - 大澤桂子
  • 羽田 光延(羽田の兄・火災事故で他界) - 杉浦諒祐
第10話

スタッフ(ペテロの葬列)

  • 原作 - 宮部みゆき『ペテロの葬列』(集英社)
  • 脚本 - 神山由美子
  • 音楽 - 横山克
  • 演出 - 金子文紀、岡本伸吾、竹村謙太郎、山﨑統司
  • 演出補 - 山﨑統司、阿南昭宏
  • タイトルCG - 岸本威
  • イラスト協力 - 杉田比呂美
  • ガンエフェクト - 早川光
  • 警察監修 - 古谷謙一
  • 法律監修 - 志甫治宣
  • エステ監修 - 藤井峰子
  • エステ指導 - 日暮香奈子
  • 企画協力 - 中田一正、河野治彦
  • 編成 - 橋本孝、永山由紀子
  • 制作 - 十二竜也、那須田淳
  • プロデューサー - 鈴木早苗、橘康仁
  • プロデューサー補 - 吉村剛弘
  • 制作協力 - ドリマックス
  • 製作著作 - TBS

主題歌(ペテロの葬列)

  • 近藤晃央「心情呼吸」(アリオラジャパン)
    • 『名もなき毒』から引き続き、近藤が主題歌を担当[19]

引用作品(ペテロの葬列)

作品名横の表記は登場した回。

第1話
第2話
第4話
第6話
  • 絵本協力 - 「よるのきかんしゃ、ゆめのきかんしゃ」(ひさかたチャイルド)
第9話
  • 文庫協力 - 『青い鳥』(新潮文庫)(第10話 - 最終話)

放送日程(ペテロの葬列)

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率[24]
第1話 7月07日 悪が生まれた瞬間 それは30年の時を経て 日本中を巻き込む巨大犯罪となった 金子文紀 9.1%
第2話 7月14日 バスジャックの謎- 共犯者の影…死者から届く慰謝料 岡本伸吾 8.8%
第3話 7月21日 大金が人質たちの人生を狂わせる- 探偵杉村三郎始動! 三悪人の正体とは? 6.3%
第4話 7月28日 30年前の真実 悪の歴史 動き出した後継者争い- 竹村謙太郎 7.0%
第5話 8月04日 秘密の告白- 新たな殺人 悪が家族に伝染する 金子文紀 7.8%
第6話 8月11日 母の愛と罪- 新たな殺人の真犯人! バスジャック犯と人質の接点が明らかに! 山﨑統司 6.2%
第7話 8月18日 バスジャック犯の本当の目的 -妻と夫の不協和音 竹村謙太郎 7.2%
第8話 8月25日 衝撃の一夜! 妻は- 夫の決断 全ての謎を知る意外な共犯者! 金子文紀 7.0%
第9話 9月01日 第2のバスジャック事件発生! 人質はあの人- 犯人は誰か!? 山﨑統司 7.1%
第10話 9月08日 最終回直前! 真性の嘘つき- 魔性の女の正体! 最後の秘密! 竹村謙太郎 7.1%
最終話 9月15日 最後に罪を犯すのは誰? 金子文紀 8.0%
平均視聴率 7.6%[25](視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

出典

  1. ^ 文藝春秋|雑誌|オール讀物_150601”. 文藝春秋. 2015年6月23日閲覧。
  2. ^ 文藝春秋|雑誌|オール讀物_150801”. 文藝春秋. 2015年9月4日閲覧。
  3. ^ 小学館「STORY BOX」編集部 2014年11月19日の発言2015年3月8日閲覧。
  4. ^ STORY BOX 12月号”. 小学館. 2015年6月23日閲覧。
  5. ^ 宮部さん「これで完結」あのベストセラーに続編”. 本よみうり堂. 読売新聞(YOMIURI ONLINE) (2014年10月23日). 2015年3月8日閲覧。
  6. ^ 新潮文庫 2014年10月20日の発言2015年3月8日閲覧。
  7. ^ a b “小泉孝太郎、宮部みゆきのご指名「素直にうれしい」“杉村三郎シリーズ”連ドラ化”. ORICON STYLE. (2013年5月31日). http://www.oricon.co.jp/news/movie/2025103/full/ 2014年9月7日閲覧。 
  8. ^ 通常は月曜19時枠番組『私の何がイケないの?』の次回予告番組『来週の私の何がイケないの?』。
  9. ^ 第1部クランクアップ・前編”. 『名もなき毒』スタッフ日誌. TBSテレビ (2013年7月31日). 2014年9月7日閲覧。
  10. ^ yahooテレイガイド[リンク切れ] 役名出典。
  11. ^ 城戸恵斗プロフィール”. 芸能1部(ティーン). スターダストプロモーション. 2014年9月7日閲覧。
  12. ^ 【イベントレポート】近藤晃央、ドラマ『名もなき毒』主題歌「あい」を生披露”. NEWS. BARKS (2013年7月3日). 2014年9月7日閲覧。
  13. ^ 全放送回の出典。名もなき毒-Sponichi Annex 芸能、2013年12月17日参照。
  14. ^ 原作・宮部みゆき 主演・小泉孝太郎 7月7日(月)よる7時スタート(※通常回はよる8時〜)月曜ミステリーシアター『ペテロの葬列』長谷川京子がヒロインに決定!!”. TBSホット情報. TBSテレビ (2014年6月6日). 2014年6月6日閲覧。
  15. ^ a b “長谷川京子、宮部みゆき『ペテロの葬列』ヒロインに「期待以上のところへ」”. マイナビニュース. (2014年6月6日). http://news.mynavi.jp/news/2014/06/06/086/ 2014年6月6日閲覧。 
  16. ^ 間野京子役 長谷川京子さんインタビュー”. スペシャル. TBSテレビ (2014年6月27日). 2014年7月14日閲覧。
  17. ^ a b vol.13 2話の絵画「いかさま師」に関して”. プロデューサー日記. TBSテレビ (2014年7月15日). 2014年7月15日閲覧。
  18. ^ 峰竜太ドラマに峰ジュニア 父の付き人から12年ぶり連ドラ”. スポニチ アネックス (2014年8月19日). 2014年8月26日閲覧。
  19. ^ 小泉孝太郎主演 7月7日(月)よる7時スタート 月曜ミステリーシアター『ペテロの葬列』主題歌は前作『名もなき毒』に引き続き、近藤晃央が担当することに決定!! 主題歌「心情呼吸」を引っさげドラマの撮影現場を訪問!!”. TBSホット情報. TBSテレビ (2014年6月23日). 2014年7月5日閲覧。
  20. ^ Vol.1 聖ペテロと『聖ペテロの否認』”. 喫茶室「睡蓮」〜絵画コレクション〜. TBSテレビ. 2014年7月29日閲覧。
  21. ^ Vol.2 『いかさま師』”. 喫茶室「睡蓮」〜絵画コレクション〜. TBSテレビ. 2014年7月29日閲覧。
  22. ^ ペテロの葬列 2014年7月14日の発言2014年7月14日閲覧。
  23. ^ Vol.3 『思春期』”. 喫茶室「睡蓮」〜絵画コレクション〜. TBSテレビ. 2014年7月29日閲覧。
  24. ^ ペテロの葬列スポニチアネックス、2014年9月18日閲覧。
  25. ^ 「発表! 第82回ドラマアカデミー賞」『ザテレビジョン関西版』第20巻46号(2014年11月21日号)、KADOKAWA、10頁。 

注釈

  1. ^ 『宮部みゆき全小説ガイドブック』、62 - 67項より。
  2. ^ 『このミステリーがすごい!』2007年版、12項より。
  3. ^ スポーツニッポン』2013年6月10日、18項より。
  4. ^ 週刊TVガイド』2013年7.26号、22頁より。
  5. ^ ドラマ『名もなき毒』公式サイト セット紹介 喫茶室「睡蓮」 絵 より。
  6. ^ 初出の第2話から第3話まではクレジットで「トモノ玩具の女」と表記されていた。
  7. ^ 初回は19:00 - 20:49に放送(2時間SP)。最終回は『アジア大会2014韓国仁川』(女子サッカー)中継の関係で、22:10 - 23:04に繰り下げて放送予定。
  8. ^ 前作第9話では平沼紀久が演じていた。[要出典]
  9. ^ 前作では矢崎由紗が演じていた。

外部リンク

TBS 月曜ミステリーシアター
前番組 番組名 次番組
確証〜警視庁捜査3課
(2013.4.15 - 2013.6.24)
名もなき毒
(2013.7.8 - 2013.9.16)
※ここまでパナソニックグループ一社提供
刑事のまなざし
(2013.10.7 - 2013.12.16)
※ここから複数社提供
TBS 月曜ミステリーシアター
前番組 番組名 次番組
ペテロの葬列
(2014.7.7 - 2014.9.15)
SAKURA〜事件を聞く女〜
(2014.10.20 - 2014.12.22)