未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ
スーパー戦隊Vシネマ VSシリーズ | ||
第6作 | 救急戦隊 ゴーゴーファイブ VS ギンガマン |
2000年3月10日 |
第7作 | 未来戦隊 タイムレンジャー VS ゴーゴーファイブ |
2001年3月9日 |
第8作 | 百獣戦隊 ガオレンジャー VS スーパー戦隊 |
2001年8月10日 |
『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』は、2001年3月9日に発売されたオリジナルビデオ作品。『未来戦隊タイムレンジャー』のオリジナルビデオ作品であり、スーパー戦隊VSシリーズの一つ。
概要
『未来戦隊タイムレンジャー』と『救急戦隊ゴーゴーファイブ』のクロスオーバー作品であるスーパー戦隊Vシネマ第7弾。『タイムレンジャー』がスーパー戦隊Vシネマに登場したのは本作が唯一となっている[1]。
両戦隊が原始時代、江戸時代、西部開拓時代それぞれにタイムスリップする。また『ゴーゴーファイブ』での敵幹部・ピエールも登場する。『ゴーゴーファイブ』本編終盤でベイエリア55は水没し、ビクトリーロボも破壊されているが、本作ではロボが健在な1999年当時から召喚するという手段で再登場を果たし、タイムロボやブイレックスとの協力によるオリジナル技「プレッシャープロミネンス」を見せる。
ゴーゴーファイブはタイムレンジャーのことを知っており、現場に急行した際に言及している。タイムレンジャー側も現代人である竜也と直人の2人がゴーゴーファイブ及びビクトリーロボの事を知っていた旨の発言をしている。更にロンダーズファミリーも災魔一族を知っている。また、タイムレンジャーの特別編『スーパー戦隊大集合』で本作のことを取り上げている。
時系列が明確にされていない作品の多い本シリーズとしては珍しく、時系列が明確に設定されている[2]作品となっている。
EDにはOP『JIKU〜未来戦隊タイムレンジャー〜』の英詞版『Beyond time and space』が使用された(OP・EDのクレジットは無し)。
本作品よりディスクメディアがレーザーディスクからDVDへ移行し、本作品の発売に前後して『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』から『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』までのDVDも発売された[3][4]。
あらすじ
ロンダーズの囚人ボリバルに立ち向かうタイムレンジャー。しかし、災魔一族の生き残りであるピエールの力でボリバルはパワーアップしてしまう。
ボリバルらロンダーズファミリーに加え、彼らと手を組んだピエールに、タイムレンジャーとゴーゴーファイブが立ち向かうが、彼らはバラバラの時代に飛ばされてしまう。
オリジナルキャラクター
メイン囚人
- 殺人ボクサー・ボリバル
- 未来世界で500人もの人を殴り殺した罪で圧縮冷凍にされていた、宇宙最強を自称する囚人。自分のボクサーとしての実力に絶対の自信を持っている。都市で火災を引き起こし、タイムレンジャーを誘き寄せた。最初はタイムレンジャーに圧縮冷凍されかけたが、実験材料としてピエールの力で闇のパワーを身につける。剣が武器でピエールによって闇のパワーをつけたあとは、右腕に装備されたパンチ、そこから発射するビームを持つようになる。その後、レアルと共に竜也、マトイを原始時代で迎え撃つ。
- 合成災魔ボリピエール
- ピエールの魔術と呪文で、ボリバルとピエールが合体した合体災魔闘士。ボリバル同様、剣とパワーアップしたパンチ、そこから発射するビームが武器。タイムロボα、タイムシャドウを同時に相手にしても互角以上の実力を持ち、タイムロボシャドウαの合体も解除させてタイムシャドウを破壊した。最期はタイムロボα、ビクトリーロボ、ブイレックスの合体技・プレッシャープロミネンスを受けて倒され、合体は解除され、ボリバルは圧縮冷凍された。ピエールは空の露と消え、これにより災魔一族は完全に滅び去った。
- デザインは、体色が白から黒にすることで変化を明確にしている[5]。肩の形状などがピエールを意識している[5]。
囚人軍団
ボリバルと共に登場した囚人たちで、シリング以外は『タイムレンジャー』本編に登場したロンダーズ囚人の親族で構成されている。30世紀時代はどの様な犯罪をしていたかは語られない。ピエールによって闇のパワーを加えられ、ボリバルと共にタイムレンジャーとゴーゴーファイブを過去の時代で苦しめるが、最後は帰還したタイムレンジャーのボルテックバズーカを食らって、全員巨大化しないまま圧縮冷凍された。
なお名称は、ロンダーズファミリー幹部(ドルネロ、ギエン、リラ)と同じく、世界各国の通貨単位から取っている[6]。
- レアル
- 本編第33話登場の悪徳金融業者ドゴールの双子の弟。他の囚人と共にタイムレンジャーを誘き寄せるために町を襲撃した。ピエールの力で闇のパワーを身につける。その後、ボリバルと共に竜也、マトイを原始時代で迎え撃つ。
- 名前の由来は、 ブラジルの通貨単位「レアル」[6]。
- ルピア
- 本編第15話登場のスナイパー・レイホウの姉。レーザーガンが武器。他の囚人と共にタイムレンジャーを誘き寄せるために町を襲撃した。ピエールの力で闇のパワーを身につける。その後、ディナールと共にアヤセ、ユウリ、ナガレ、マツリを西部時代で迎え撃つ。
- 名前の由来は、 インドの通貨単位「ルピア」[6]。
- バーツ
- 本編第10話登場の傭兵オーグの叔父。他の囚人と共にタイムレンジャーを誘き寄せるために町を襲撃した。ピエールの力で闇のパワーを身につける。その後、シリングと共にドモン、シオン、ショウ、ダイモンを江戸時代で迎え撃つ。
- 名前の由来は、 タイの通貨単位「バーツ」[6]。
- ディナール
- 本編第12話登場の恐喝犯ゲーマルクの又従兄弟。マシンガンが武器。他の囚人と共にタイムレンジャーを誘き寄せるために町を襲撃した。ピエールの力で闇のパワーを身につける。その後、ルピアと共にアヤセ、ユウリ、ナガレ、マツリを西部時代で迎え撃つ。
- 名前の由来は、アラビア諸国の通貨単位「ディナール」[6]。
- シリング
- 本編第20話登場のヘルズゲート囚ブラスター・マドウの隣人。他の囚人と共にタイムレンジャーを誘き寄せるために町を襲撃した。ピエールの力で闇のパワーを身につける。その後、バーツと共にドモン、シオン、ショウ、ダイモンを江戸時代で迎え撃つ。
- 名前の由来は、 ケニアの通貨単位「シリング」[6]。
装備・戦力
- クロノスユニット
- ブイレックスに搭載されている装置。ブイレックスロボ時に両肩の緑色の部分からのビームで空中に時空の扉を開ける。このときタックがブイレックスの内部に入り込み、中の空間にあったパネルのコネクタと接続して操作している。
- ベクターエンド・ビートクロス
- タイムレッドの技。エネルギーを全開にした2本のダブルベクターで内側から横斬りを行ない、続けて上から下へ斬る。
- フレンドシップアタック
- ブラザーシップスマッシュの応用技。ゴーグリーン、ゴーイエロー、タイムイエローの3人がファイブレイザーを持ったタイムグリーンを投げて攻撃を仕掛ける。
- プレッシャープロミネンス
- タイムロボαの技。ビクトリーロボのビクトリープロミネンスのエネルギーを時空剣に移し、ブイレックスに乗って突進しながら敵を斬りつける。
スタッフ
- 原作:八手三郎
- 連載:テレビマガジン、てれびくん
- プロデューサー:日笠淳(東映)、加藤和夫(東映ビデオ)、矢田晃一(東映エージェンジー)
- 監督・特撮監督:佛田洋
- 脚本:山口亮太
- 撮影:松村文雄
- 照明:竹田勝三
- 録音:渡辺典夫
- 編集:長田直樹
- 美術:山下宏
- 助監督:竹本昇
- 音楽:亀山耕一郎、渡辺俊幸
- 制作協力:東映テレビ・プロダクション
- 製作:東映、東映エージエンシー、東映ビデオ
キャスト
- 浅見竜也 / タイムレッド(声):永井マサル
- ユウリ / タイムピンク(声):勝村美香
- アヤセ / タイムブルー(声):城戸裕次
- ドモン / タイムイエロー(声):小泉朋英
- シオン / タイムグリーン(声):倉貫匡弘
- 滝沢直人 / タイムファイヤー(声):笠原紳司
- 巽纏 / ゴーレッド(声):西岡竜一朗
- 巽流水 / ゴーブルー(声):谷口賢志
- 巽鐘 / ゴーグリーン(声):原田篤
- 巽大門 / ゴーイエロー(声):柴田賢志
- 巽祭 / ゴーピンク(声):坂口望二香
- 巽世界:マイク眞木
- リラ:久瑠あさ美
声の出演
- タック:沼田祐介
- ドン・ドルネロ:大友龍三郎
- ギエン:戸部公爾
- 呪士ピエール、合成災魔ボリピエール:松野太紀
- 殺人ボクサー・ボリバル、合成災魔ボリピエール:矢尾一樹
- ドゴールの双子の弟レアル:服巻浩司
- レイホウの姉ルピア:小松由佳
- オーグの叔父バーツ:前原実
- ゲーマルクの又従兄弟ディナール:塩野勝美
- ブラスター・マドウの隣に住んでいたシリング:田中大文
音楽
- オープニングテーマ「JIKŪ 〜未来戦隊タイムレンジャー〜」
- 作詞:磯谷佳江 / 作曲・編曲:亀山耕一郎 / 歌:佐々木久美
- エンディングテーマ「BEYOND ALL SPACE AND TIME」
- 英作詞:Brian Peck / 作曲・編曲:亀山耕一郎 / 歌:佐々木久美
メディア
- 2001年3月9日:VHS・DVDレンタル開始
- 2001年7月21日:VHS・DVD発売。
脚注
- ^ 変身後のタイムレッドのみ次作『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』にも登場している。
- ^ 「2000年10月25日」に起きた出来事として設定されている。『タイムレンジャー』本編のCase File 35「明日が来ない」のカレンダーの日付、Case File 36「素顔のままで」でホナミの拡げた新聞の日付は、それぞれ10月22、29日となっている。
- ^ 「DVD、ビデオ&CD情報」『宇宙船』Vol.95(2001年冬号)、朝日ソノラマ、2001年3月1日、97頁、雑誌コード:01843-03。
- ^ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、64頁。雑誌コード:01844-04。
- ^ a b 百化繚乱 下之巻 2012, p. 122
- ^ a b c d e f 「スーパー戦隊の常識 レジェンド戦隊編」(双葉社)125頁 2012年
参考文献
- 『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 [下之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』グライドメディア、2012年10月16日。ISBN 978-4-8130-2180-3。