木村由利子

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木村 由利子(きむら ゆりこ、1947年[1] - )は、日本の児童文学翻訳家

来歴・人物[編集]

大阪府大阪市出身[1]。1970年、大阪外国語大学デンマーク語学科卒業[1][2]。公務員を三ヶ月務めたのちデンマーク文部省の奨学金をえて[3]1971年にかけてコペンハーゲン大学に留学[4]。帰国後、大阪外国語大学非常勤講師を務め[1]北欧三国及び英米の児童書、小説の翻訳家となる[3]宝塚ファミリーランド主催の「宝塚ファミリーランド・デンマークチボリガーデン提携記念童話コンクール」の選考委員を務めた[4][5]。近年はモンゴメリなどの新訳、北欧の推理小説の翻訳も手がける。

著書[編集]

共著[編集]

翻訳[編集]

  • 『ニコライのゆかいなたび』(イェアン・クレヴィン、講談社、世界の絵本、デンマーク) 1972
  • 『おじいちゃんにあいに』(ハンス・ピーターソン、スベン・オットー絵、奥田継夫共訳、アリス館牧新社) 1976
  • 『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』(レンナート・ヘルシング、スベン・オットー絵、奥田継夫共訳、アリス館牧新社) 1976
  • 『トムとサム』(パット・ハッチンス、ほるぷ出版) 1976
  • 『かあさんは魔女じゃない』(ライフ=エスパ=アナセン作、マッズ=ステージ絵、偕成社) 1979
  • 『どこかちがうマリア』(リセロッテ=セルピーターセン、偕成社) 1979
  • 『おひさまがかぜをひいたら』(アーネ・オンガーマン、文化出版局) 1980
  • 『ピーターの自転車』(ヴァージニア・アレン・イェンセン文、イブ・スパン・オルセン絵、文化出版局) 1980
  • 『三びきのかなしいトロル』(マリー・ブランド作絵、奥田継夫共訳、岩崎書店) 1981
  • 『ママたちとパパたちと』(グンネル・リンデ、奥田継夫共訳、冨山房) 1981
  • 『リトル・セックス』(ハンス・ハンセン、奥田継夫共訳、晶文社) 1981
  • あしながおじさん』(ジーン・ウェブスター平野真理子絵、集英社) 1982、のち集英社みらい文庫
  • 『おねぼうニコライ』(マリー・ブランド作絵、岩崎書店) 1982
  • 『結婚ごっこ』(ニルス・ベルイクヴィスト、奥田継夫共訳、晶文社) 1982
  • 『白くまマリヌス』(フランス・ベアリナー、フルール・ブロフォス・アスムセン絵、奥田継夫共訳、大日本図書) 1982
  • 「ハラハラトリオ」シリーズ(ビャーネ・ロイター、ホットドッグ画、ポプラ社
    『ハラハラトリオジェットコースター作戦』 1982
    『ハラハラトリオはちゃめちゃ作戦』 1982
    『ハラハラトリオゆうかい作戦』 1984
  • 『ひみつの白い石』(グンネル・リンデ、奥田継夫共訳、冨山房) 1982
  • 『荒野に生きる詩』(ニルス・イェンセン、奥田継夫共訳、鈴木康司画、篠崎書林) 1983
  • 『世界のむかし話 3 しもべのラース スウェーデン』(バージニア=ハビランド、松村太三郎画、学校図書) 1983
  • 『ドラゴンのおしゃべりラジオ』(テーリエ・ノールベルグ、緒方直絵、文研出版) 1983
  • 『ぼくの観察日記 写真物語』(スックスドルフ作・写真、偕成社) 1983
  • 『かわいいこぶた』(ウルフ・ニルソン作 、エヴァ・エリクソン絵、佑学社) 1984
  • 『誕生日の青い自転車』(アンニカ・ホルム、トーモズ・キッデ絵、奥田継夫共訳、大日本図書) 1984
  • 『おおかみ男』(サキ他、若菜等絵、ポプラ社文庫怪奇シリーズ) 1985
  • 『ひみつの通信きこえますか?』(ビルギッタ=ベリイマン、偕成社) 1985
  • 『いえねずみとのねずみ デンマーク民話』(松村雅子絵、世界文化社) 1986
  • 『しばり首の丘』(M・R・ジェイムズ、品川るみ絵、ポプラ社文庫) 1986
  • 『くりすますのおくりもの ロシア民話より』(松村雅子絵、至光社) 1987
  • 『エンドレスクエスト』(ローズ・エステス、富士見書房) 1987
  • 『ふしぎなにじと岩』(マックス・ルンドグレン、関屋敏隆絵、文研出版) 1988
  • 長くつしたのピッピ』(リンドグレーン上野紀子絵、ポプラ社) 1989、のち角川つばさ文庫
  • マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(レイダル・イェンソン、世界文化社) 1989、のちヴィレッジブックス
  • 『アコーデオンひきのオーラ』(ラールス・フォッセル作、フィッベン・ハルド絵、岩倉務文、平和のアトリエ 世界・平和の絵本シリーズ(スウェーデン)) 1990
  • 『てぶくろの木』(クヌー・ホルスト、松村雅子絵、ブックローン出版) 1990
  • 『もどっておいでシロツグミ』(クロード・ラジェ文、クローディア・ド・ウェック絵、ブックローン出版) 1990
  • 『おたよりください』(シャスティン・スンド作、アンジェリカ・セラーノ=プネル絵、大日本図書) 1991
  • 『危険な金曜日』(T・ビアケラン、小野克子画、金の星社、新・文学の扉) 1991
  • 『追想のワルツ』(マータ・クリステンセン、評論社) 1991
  • 『鳥たちの戦争 オリバーとオリビア』(ベント・ハラー作、ビギータ・ファーバー, オーレ・ビストロプ絵、ブックローン出版) 1991
  • 『リスの目』(ベロニカ・レオ、ほるぷ出版) 1992
  • 『おねえちゃんはドキドキ1年生』(シャスティン・スンド、渡辺リオ絵、講談社) 1993
  • グレタ・ガルボに似た女』(マイ・シューヴァル,トーマス・ロス、角川文庫) 1993
  • 『白い霧の予言』(クリスティン・キャスリン・ラッシュ、ハヤカワ文庫) 1993
  • 『お母さんが家出した』(ハンネ・ビベーケ・ホルスト、逢坂みえこ絵、文研出版) 1994
  • 「シャーウッドの森の物語」(ジェニファー・ロバースン、ハヤカワ文庫)
    1)『森の姫君』 1994
    2)『緑蔭の騎士』 1994
    3)『樹下の調べ』 1994
  • 『みなしごカーサスック グリーンランド』(トゥパーナク・ロジン・オルセン作、ミキ・ヤコブセン絵、河出書房新社、世界の民族絵本集) 1994
  • 『名犬ボーディル』(ピヤ・リンデンバウム、文化出版局) 1994
  • 「騒乱の国ヴォナール」(ポーラ・ヴォルスキー、ハヤカワ文庫)
    1)『ベヴィアール宮の薔薇』 1995
    2)『魔都シャリーンの嵐』 1995
    3)『再生の幻術』 1995
  • 『オリンピック男子陸上800メートル決勝 あるオリンピックアスリートの悲劇』(クヌーズ・ルンベア、ビネバル出版) 1996
  • 『黄金の魔獣』(タニス・リー、ハヤカワ文庫) 1996
  • 『ゴルゴン 幻獣夜話』(タニス・リー、佐田千織共訳、ハヤカワ文庫) 1996
  • 『血のごとく赤く 幻想童話集』(タニス・リー、室住信子共訳、ハヤカワ文庫) 1997
  • 『だんまりレナーテと愛犬ルーファス』(リブ・フローデ、本庄ひさ子絵、文研出版) 1998
  • 『うるわしのセモリナ・セモリナス 小麦粉うまれの王子さま ギリシャ民話』(アンソニー・L・マンナ,クリストドウラ・ミタキドウ再話、ジゼル・ポター絵、BL出版) 2000
  • 『わたしはわたし』(バルブロ・リンドグレン、文化出版局) 2001
  • 『すてねこタイガーと家出犬スポット』(リブ・フローデ、かみやしん絵、文研出版) 2003
  • 『ディナの秘密の首かざり』(リーネ・コーバベル、早川書房、ハリネズミの本箱 )2003
  • 『秘密が見える目の少女』(リーネ・コーバベル、早川書房、ハリネズミの本箱) 2003
  • 『ムッドレのくびかざり』(イルメリン・サンドマン=リリウス作、ベロニカ・レオ画、フェリシモ) 2003
  • 『キングゆうかい大作戦』(リブ・フローデ、向井長政絵、文研出版) 2004
  • 『ファイサル王子の指輪』(ビャーネ・ロイター、WAVE出版) 2005
  • モーキー・ジョー」(ピーター・J・マーレイ、新井洋行絵、フレーベル館)
    1)『モーキー・ジョー1 宇宙からの魔の手』 2005
    2)『モーキー・ジョー2よ みがえる魔の手』 2005
    3)『モーキー・ジョー3 最後の審判』 2006
  • 『はらぺこねこ 「北欧民話」より』(スズキコージ絵、小学館) 2007
  • 『こはく色の目』(リッケ・ランゲベック、かみやしん絵、文研出版) 2008
  • 『ハンスぼうやの国』(バルブロ・リンドグレーン文、エヴァ・エリクソン絵、あすなろ書房) 2009
  • 『ホワイトダークネス』(ジェラルディン・マコックラン、あかね書房) 2009
  • 『新訳クリスマス・キャロル』(ディケンズ、ミギー絵、集英社みらい文庫) 2011
  • 少女ポリアンナ』(エレナ・ポーター、結川カズノ絵、角川つばさ文庫) 2012、のち角川文庫
  • 『お菓子の家』(カーリン・イェルハルドセン、創元推理文庫) 2013
  • 『パパ、ママ、あたし』(カーリン・イェルハルドセン、創元推理文庫) 2014
  • 『赤ん坊は川を流れる』(エルスベツ・イーホルム、創元推理文庫) 2015
  • 『子守唄』(カーリン・イェルハルドセン、創元推理文庫) 2015
  • 『過去を殺した女』(エルスベツ・イーホルム、創元推理文庫) 2016

インゲル・サンドベルイ[編集]

  • 『さばくごっこしようよ!』(インガー・サンドベリ文、ラッセ・サンドベリ絵、アリス館牧新社) 1976
  • 『そらからおかしがおちてきた』(インゲル・サンドベルイ、かじめぐみ絵、ポプラ社) 1983
  • 『ふっくらケーキにやけるかな』(インゲル・サンドベルイ、かじめぐみ絵、ポプラ社) 1983
  • 「わんぱくちびくん」(インゲル=サンドベルイ文、ラッセ=サンドベルイ絵、講談社) 1985
    『わんぱくちびくんおてつだい』 1985
    『わんぱくちびくんみてみて』 1985
  • 「ラーバンとアンナちゃんのえほん」(インゲル・サンドベリ作、ラッセ・サンドベリ絵、ポプラ社)
    1)『ラーバンとラボリーナのクリスマス』 2006
    2)『ラーバンとラボリーナの「はぁい、いますぐ」』 2006
    3)『アンナちゃん、なにがみえた?』 2006

「くまくんえほん」[編集]

  • 『くまくん』(グレーテ=ヤーヌス=ヘアツ,モーンス=ヘアツ作、イーベン=クランテ絵、偕成社) 1978
    『くまくんのおもちゃばこ』(グレーテ=ヤーヌス=ヘアツ,モーンス=ヘアツ作、イーベン=クランテ絵、偕成社) 1978
    『たべたのだあれ?』(グニラ=ボルデ作、イーベン=クランテ絵、偕成社) 1978
    『よるのおはなし』(インゲリーゼ=ハウアスレウ作、イーベン=クランテ絵、偕成社) 1978

アンデルセン[編集]

  • みにくいあひるの子』(アンデルセン、スベン・オットー絵、ほるぷ出版) 1979
  • マッチうりの少女』(アンデルセン、アリマ・ジュンコ絵、集英社) 1980
  • はだかのおうさま』(アンデルセン、ウルフ・ロフグレン絵、フレーベル館) 1983
  • 『ハンスのみそっかす』(アンデルセン原作、ウルフ・ロフグレン絵、フレーベル館) 1983
  • 『ぶたかいのおうじ』(アンデルセン原作、ウルフ・ロフグレン絵、フレーベル館) 1983
  • まほうのひうちばこ』(アンデルセン原作、ウルフ・ロフグレン絵、フレーベル館) 1983
  • 『小人のすむところ』(アンデルセン、イブ・スパング・オルセン絵、ほるぷ出版) 1984
  • もみの木』(アンデルセン、スベン・オットー絵、ほるぷ出版) 1984
  • 「大人向けアンデルセン童話」(チェリーハウス)
    『イブと小さなクリスティーネ』 2000
    『お姫様と11人の王子』 2000
  • 雪の女王 新訳 アンデルセン名作選』(アンデルセン、角川つばさ文庫) 2014

イブ・スパン・オルセン[編集]

  • 『キオスクおばさんのひみつ』(イブ・スパン・オルセン文化出版局) 1979
  • 『かぜ』(イブ・スパン・オルセン、文化出版局) 1980
  • 『ネコ横丁』(イブ・スパン・オルセン、文化出版局) 1980
  • 『ぬまばばさまのさけづくり』(イブ・スパング・オルセン作絵、福音館書店) 1981
  • 『あかいボールのぼうけん』(イブ・スパン・オルセン、文化出版局) 1986
  • 『おとなをつかまえよう』(イブ・スパン・オルセン、文化出版局) 1992

スベン・オットー[編集]

  • 『タクシーのすきな犬』(スベン・オットー、奥田継夫共訳、評論社) 1979
  • 『ティムとトリーネ』(スベン・オットー、奥田継夫共訳、評論社) 1979
  • 『マスとミラリク グリーンランドの絵本』(スベン・オットー、奥田継夫共訳、評論社) 1979
  • 『クリスマスの絵本』(スベン・オットー、奥田継夫共訳、評論社) 1980

モンゴメリ[編集]

  • 『ストーリー・ガール part 1』(L.M.モンゴメリ、八田明代画、篠崎書林) 1980、のち角川文庫
  • 『黄金の道 ストーリー・ガール part 2』(L.M.モンゴメリ、八田明代画、篠崎書林) 1980、のち角川文庫
  • 『丘の家のジェーン』(モンゴメリ、角川文庫) 2011
  • 『新訳赤毛のアン』(モンゴメリ、羽海野チカ,おのともえ絵、集英社みらい文庫) 2011
  • 『新訳アンの青春』(モンゴメリ、おのともえ絵、集英社みらい文庫) 2013
  • 『新訳アンの愛情』(モンゴメリ、羽海野チカ, おのともえ絵、集英社みらい文庫) 2013

「アルビン」シリーズ[編集]

  • 『アルビンとそらとぶかさ』(ウルフ・ロフグレン作絵、フレーベル館) 1982
  • 『アルビンとブンブンじてんしゃ』(ウルフ・ロフグレン作絵、フレーベル館) 1982
  • 『アルビンのわくわくおてつだい』(ウルフ・ロフグレン作絵、フレーベル館) 1982
  • 『アルビンはスーパーマン?』(ウルフ・ロフグレン作絵、フレーベル館) 1982

トールモー・ハウゲン[編集]

  • 『魔法のことばツェッペリン』(トールモー・ハウゲン浜田洋子絵、文研出版) 1985
  • 『消えた一日』(T・ハウゲン、浜田洋子絵、文研出版) 1986
  • 『夏にはーきっと』(トールモー・ハウゲン、浜田洋子画、文研出版) 1989
  • 『トロルとばらの城の寓話』(トールモー・ハウゲン、ポプラ社) 2002

「みみりん」シリーズ[編集]

  • 『みみりんとはらぺこぎつね』(ウルフ・ニルソン作、エバ・エリクソン絵、ブックローン出版) 1989
  • 『みみりんのあそびましょ』(ウルフ・ニルソン作、エバ・エリクソン絵、ブックローン出版) 1989
  • 『みみりんのおうちはどこ』(ウルフ・ニルソン作、エバ・エリクソン絵、ブックローン出版) 1989
  • 『みみりんのかいすいよく』(ウルフ・ニルソン作、エバ・エリクソン絵、ブックローン出版) 1989

「ウィンター・ワールド」シリーズ[編集]

  • 「ウィンター・ワールド」全4冊(マイケル・スコット・ローハン、角川文庫)
    『ウィンター・ワールド1 - 氷の魔道師』 1990
    『ウィンター・ワールド2 - 氷竜の復活』 1990
    『ウィンター・ワールド3 - 氷結都市』 1991
    『ウィンター・ワールド4 - 氷原の彼方へ』 1991

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 『児童文化人名事典』日外アソシエーツ、1996年、158頁。 
  2. ^ 雪の女王|童話っていいね!|童話のひろば|童話の花束
  3. ^ a b 『長くつ下のピッピの贈り物』(、著者紹介
  4. ^ a b 『児童文学者人名事典 日本人編 上巻(あ-さ行)』出版文化研究会、1998年、449頁。 
  5. ^ 『児童文学者人名事典』(、によれば1986年(、第4回)から1991年(、第9回)までだが、阪急文化アーカイブズで閲覧可能な童話コンクール関連の印刷物には第5回から第16回まで審査員として記載が確認できる。