有頭動物

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有頭動物(ゆうとうどうぶつ、Craniata)とは、提案されている脊索動物内部の分類であり、現生種としては(狭義の)脊椎動物と、ヌタウナギを含む。頭蓋骨を持つことを特徴とする。

有頭動物は、伝統的な意味での(広義の)脊椎動物を置き換えるための、無階級の分類群である。広義の脊椎動物と狭義の脊椎動物の主な違いは、伝統的な意味での広義の脊椎動物は、ヌタウナギ類と頭甲綱を含むが、狭義ではこれらは脊椎動物には含まれない。これらは真の脊椎を欠いており、脊椎を有するという脊椎動物の特性を有さない(Hickman他, 2007による)。

(注:上記記述には問題があり、頭甲綱は狭義の脊椎動物に含まれる説の方が一般的)

頭蓋骨を持つこと以外の、有頭動物の特徴は以下である[要出典]

  • 心房と心室に分かれる心臓を持つ。
  • 3分節された脳を持つ。
  • (少なくとも1つの)半規管を持つ。

分類[編集]

有頭動物

(注:上記分類にも問題があり、ヤツメウナギ(頭甲綱に含まれるとされる)の位置に関して混乱がある)

有頭動物説の妥当性[編集]

有頭動物の分類群としての妥当性は確認されてはいない。mtDNAによる研究(Delarbre他 2002)によると、メクラウナギ類は不穿口蓋類(ヤツメウナギ類)に近く、これは伝統的な分類と同様になる。すなわち、無顎類は分類群として妥当である。頭甲類は伝統的に不穿口蓋類(ヤツメウナギ類)と同一視されてきたが、それが事実であるかどうかは疑問の余地がある。分岐年代が古い場合、mtDNAによる分類が絶対的でないことは留意する必要がある。また化石記録殻の判断も解釈が難しい。

もし無顎類が単系統と認められれば、脊椎動物は従来認められてきたとおり顎口類+無顎類の内容となり、有頭動物は、脊椎動物の不必要な異名となる。