月野うさぎ

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月野 うさぎ
つきの うさぎ
美少女戦士セーラームーンのキャラクター
登場(最初) 原作・アニメ共に第1話から
作者 武内直子
声優 三石琴乃
荒木香恵(テレビアニメ第44話〜50話)
俳優 沢井美優(実写版)
プロフィール
愛称 うさぎちゃん、お団子頭、うさこ、うさ
別名 セーラームーン
プリンセス・セレニティ
ネオ・クイーン・セレニティ
性別
種類 地球人
親戚 月野謙之(父)
月野育子(母)
クイーン・セレニティ(前世の母)
月野進悟(弟)
地場衛(夫)
ちびうさ(娘)
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月野 うさぎ(つきの うさぎ)は、武内直子作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』に登場する架空の人物で、同作品の主人公

テレビアニメ版と新作アニメ版『Crystal』での声優三石琴乃[注釈 1]実写版沢井美優が演じ、ミュージカル版は、バンダイ制作版では初代:大山アンザ、二代目:原史奈、三代目:神戸みゆき、四代目:黒木マリナ、ネルケプランニング制作版では大久保聡美がそれぞれ演じた。また、2015年10月20日から放映されるソフトバンクのCMでは、小泉今日子が大人になった月野うさぎを演じた[1]

名前の由来は月の兎から。英語名(北米版)はSerena Tsukino(セレナ・ツキノ)。

原作・アニメともに第1話(原作の表記はAct.1)から最終話まで登場。『コードネームはセーラーV』にもカメオ登場している。

人物

本作品の主人公で、セーラームーンに変身する。港区麻布十番に住む。家族構成は両親と弟(家族の詳細は「主人公の家族」を参照)。身長を超える金髪をお団子(シニヨン)付きツインテールにセットしていることから、地場衛からは当初「お団子頭」(最初は「たんこぶ頭」)とも呼ばれていた[注釈 2][注釈 3]。また原作と新作アニメCrystalではもみあげがあるが、テレビアニメ版では無いなど細かな差異も見られる。

原作第2期までは十番中学校2年生だった[注釈 4]が、その後第3期において3年生に進級。第4期と第5期では十番高校に進学し、高校1年生となった。テレビアニメ版では『R』までは十番中学校2年生で、『S』と『SuperS』において3年生、『セーラースターズ』で十番高校へ進学した。

明るく天真爛漫な性格の少女。ドジで泣き虫さんでお調子者でもあり、遅刻と朝寝坊は日常茶飯事で、学校の成績もかなり悪い。しかも、廊下に立たされながらも早弁しようとする図々しい一面もある。そのうえテストはいつも赤点ばかりで、そのたびに母に家から閉め出されている。テレビアニメ版はそれらの性格が強調されているため、原作に比べて幼い雰囲気に描写されている。また、戦士の中では一番のムードメーカーでほかの戦士からツッコミやボケを入れられることが多々ある。実写版では明るく天真爛漫な部分は共通しているが、泣き虫ではなく前向きで惚れっぽくないなど、原作やアニメと比べて若干落ち着いた性格になっている。衛に婚約者がいることを知りながらも好きな気持ちには嘘をつきたくない、という健気さも持つ。

衛と出会った当初は彼のことを快く思っていなかったが、第1期中盤で恋仲となる。実は前世でも恋人同士だったのだが、二人は前世の記憶が戻るまでそのことを知らなかった。原作と実写版のラストでは衛と結婚している。惚れっぽいところもあり、正体を知る前のタキシード仮面やゲームセンターで働く古幡元基などに見惚れていた。一方その人柄から彼女に惹かれる人物も多く、前世ではプリンス・エンディミオン(地場衛の前世の姿)、月野うさぎとしては星野光を始め、テレビアニメでは海野ぐりおや銀河星十郎ことエイル、未来ではプリンス・デマンドに想いを寄せられていた。

心根が優しく、周囲の外聞などで先入観を持たず、誰とでも心を許してしまう寛容な心を持っているため、友達も多い。テレビアニメ版では海野ぐりおから「友達づくりの天才」と評されている。前世由来の浮世離れした力を持っていることで、周囲から敬遠されがちだった内部戦士らもその優しさに支えられており、特に劇場版Rではその点がより詳しく描写されている。単に優しいだけではなく物怖じしないところもあり、テレビアニメ『S』ではミストレス9に体を乗っ取られた土萠ほたるをあくまで倒さず、最終的にファラオ90とともに滅びようとした彼女を最後の力を振り絞り決死の思いで救ったが、それが地球を滅ぼしかけたともウラヌスネプチューンに指摘され、プリンセスとして認めないと戦いを挑まれ戦ったこともあった。原作でも、第3期で捨て身の覚悟で巨大化したファラオ90に聖杯と「幻の銀水晶」の力で特攻を試みたほか、第5期ではカオスを包み込もうとするなどしている。

原作と新作アニメCrystalでは1度も死亡していないが、テレビアニメ版では第46話でクイン・ベリルを倒す際、銀水晶の真の力を解放したことで死亡している。その後「普通の生活に戻りたい」という願いを銀水晶が叶えたことで、ダーク・キングダムとの最終決戦の1年前に遡る形で転生・復活している。

前世

前世は月の王国シルバー・ミレニアムの王女プリンセス・セレニティ。地球国の王子・エンディミオン(衛の前世)と恋仲だったが、実は月の人間と地球の人間の恋は掟によって禁じられたものであり、後にベリルと地球の人々がメタリアに操られて月を襲撃した際にエンディミオンと共に命を落とし、悲恋に終わった(原作とWebアニメではエンディミオンが自分をかばって命を落としたのを目の当たりにして自ら命を断つ。テレビアニメ版では2人の愛に激昂したベリルがメタリアに攻撃させて殺してしまう。実写版ではエンディミオンの死を目の当たりにした際に自身の「負の心」であるクイン・メタリアが生まれ、世界を滅ぼしてしまう)。

死後、前世の母クイーン・セレニティの「幻の銀水晶」の力によってエンディミオンや他のセーラー戦士たちと共に地球に転生し、「月野うさぎ」として生まれ変わった。

未来

原作・新作アニメCrystal

原作では彼女が即位するに至ったいきさつは描かれていないが、衛との結婚式で懐妊を認知(第5期ラスト)している。21世紀初頭の22歳でクリスタル・トーキョーの女王ネオ・クイーン・セレニティに即位[注釈 5]し、「幻の銀水晶」の力で不老不死になり、同じく不老不死となったキング・エンディミオン(未来の衛)との間に第一王女・スモールレディ(ちびうさ)を産んだ。

ブラック・ムーン一族がクリスタル・トーキョーを襲撃した際は、「幻の銀水晶」の異変に気づいてスモールレディ(ちびうさ)を探しに表に出たところ、プリンス・デマンドの邪視攻撃を受け、防御のためにクリスタルが体を包み込み、眠りについた。ちびうさがセーラー戦士として目覚めたことがきっかけで蘇り、本体に戻ったキングと共にパレスから登場し、離れ離れになっていた娘との再会を果たした。戦士としては力を失った自身の代わりにと、娘にネメシスを倒すため自らのロッドを託す。戦いの後はセーラームーンにコズミック・パワーを含む新しい変身コンパクト、内部戦士にプラネット・パワーを与え、うさぎにお礼を言った。

原作ではさらに先の未来での姿も描かれており、ギャラクシー・コルドロンを護るセーラー戦士セーラーコスモスがうさぎのさらに未来の姿であるとされている。コスモスは争いが絶えない遥か未来の巨大な敵・セーラーカオスとの戦いを避け、過去を振り返る為にちびちび(セーラーちびちびムーン)となってうさぎたちの前に現れた。カオスとの戦いの後は過去に自分のしたことは間違っていなかったと再確認し、未来に帰って行った。なお、コスモスが30世紀よりも後の未来から来たうさぎの転生後の存在なのか、別の未来(平行世界)の存在であるのかなどは明らかにされていない。

テレビアニメ

「幻の銀水晶」の力で不老不死になり、大変動[注釈 6]で壊滅的な被害を受けた30世紀の地球を「幻の銀水晶」の力で再生させると同時にクリスタル・トーキョーという都市を創り、その都市の女王となったとされている。その後同じく不老不死となった衛(キング・エンディミオン)と結婚し、彼との間に娘・スモールレディ(ちびうさ)が生まれた。

ブラック・ムーン一族がクリスタル・トーキョーを襲撃した際は、ちびうさを過去の時代へ逃がし、自身は攻撃を受ける寸前に4人の守護戦士(未来のマーズ、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス)の力でクリスタルに封じられ、守護戦士に護られながらクリスタルの中で眠りについた。その後、未来へやってきたセーラームーンたちがワイズマンを倒したことで眠りから醒め、離れ離れになっていたちびうさと再会を果たす。

母となってからは娘のちびうさに、悲しいことやつらいことがあってもそれに耐えて生きていかなければならないことを説き、娘に対して母らしい威厳を見せている。しかし、過去の自分宛に送った手紙が誤字だらけである[注釈 7]など、過去と変わらない面もあり、手紙の追伸で現在のうさぎに「若いうちの勉強はやはり必要だったからがんばってください」と付け加えていた。

プロフィール

セーラームーン

を守護星に持つ、愛と正義のセーラー服美少女戦士。ネオ・クイーン・セレニティからは「神秘の戦士」と評される。他の太陽系惑星の戦士とは異なり、現代で初めて誕生した戦士である。

「幻の銀水晶」の守護者。特別装備は、頭のお団子についた超音波増幅パレッタと、必殺浄化技を繰り出すスティックあるいはロッド(変身アイテムと共にシリーズごとに更新)。また、セーラー戦士なら誰でもできそうなティアラを投げる技も他の戦士は用いないので、ムーン・ティアラ・ブーメラン(テレビアニメではムーン・ティアラ・アクション)も物理攻撃技ではなく、ティアラを媒介に浄化力を投射する技と解される。格闘戦においては基本逃げ専門[注釈 8]

第3期では聖杯の力を受けてスーパーセーラームーンにパワーアップし、さらに原作第4期終盤(テレビアニメでは第5期「セーラースターズ」)ではエターナルセーラームーンにパワーアップする。変身を強制解除される、もしくは戦闘不能の状態になると、ピンク色の光のリボンを纏った状態になる。決めゼリフは「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラームーン!」「月に代わって、お仕置きよ!」。原作第3期の登場セリフは「愛と正義の星! 月を守護にもつ神秘の戦士! セーラームーン参上! 」。セーラー戦闘服は濃い青がメインで、ブーツと胸前と後腰のリボンは濃いピンク。原作初期から変身ブローチ、マスク、羽根ピン、ティアラやバレッタなどアイテムを装備する(テレビアニメではマスクは装着せず、ピアスやブローチのデザインも異なる。羽ピンはスーパーセーラームーンになってから装着する。実写版・新作アニメCrystalではマスクのみ装着しない)。セーラー服の袖のラインは3本(テレビアニメのみ2本)。第3期に一部が変更されており、ティアラの宝玉が三日月形の金色の印へ、チョーカーの三日月形の飾りがハート形ヘ変化している。イメージカラーは銀色や白、ピンク。

テレビアニメ無印初期のセーラー戦士が(ムーンを含めて)3人までの頃は他の戦士の技と連携して妖魔を滅していたが、中盤より人間が妖魔として操られるようになると、むやみに攻撃できなくなり、他の戦士が牽制している間に浄化技を出すという戦闘シーンが主となった。

実写版でもセーラー戦士達のリーダー格として戦うが、個人としての戦闘力はあまり高くはない。そのため他の戦士達とチームプレーで戦い、特殊攻撃でとどめをさすことが多かった。プリンセス・セーラームーンに覚醒するなど、セーラー戦士の力を操る体得的な才能は見せているが、成熟度では全くヴィーナスに敵わず、最後までその才能を開花させることはできなかった。格闘戦では非力で妖魔に倒されたこともある他、敵の罠にはまってピンチになることも多い。実際ジェダイトと一対一で戦ったときはパワー、スピード共に圧倒されて敗れたほか、亜美が覚醒したダークマーキュリーと戦った際も敗れている。

スーパーセーラームーン
聖杯の力を受けてパワーアップしたセーラームーン。虹色のをモチーフにしたセーラー戦闘服が特徴。攻撃力、防御力が飛躍的にアップする[2]。ただし急激にエナジーを消耗してしまうため、長時間スーパー化していることはできず、スーパー変身が解けた後は戦闘不能になってしまう[3]。テレビアニメ版ではこの変身から頭に羽ピンが付く。第3期では通常のセーラームーンからの二段変身という形で変身していたが、第4期からはエターナルセーラームーンにパワーアップするまで常時この姿に変身するようになる。
エターナルセーラームーン
セーラームーンの真の姿。原作では第4期終盤、全ての戦士の力を新たに誕生した聖杯へ集め、それを受け取ったスーパーセーラームーンから変化した。ダイアナは「クイーンのお力に一番近い力を持つ」と語っている。テレビアニメでは最終シリーズ「セーラースターズ」で変身し、全ての愛から生まれた戦士。コスチュームが純白色メインとなって、背中に4枚の翼の装飾がある天使をモチーフにしたセーラー戦闘服を纏う。究極の浄化技と武器を使用できる。テレビアニメ初登場ではセーラー戦士全員の額にはそれぞれのシンボルマークが浮き上がり、エナジーをスーパーセーラームーンへ注ぎ、エターナル化したものである。
プリンセス・セレニティ
うさぎの前世の姿。月の王国シルバー・ミレニアムの王女。髪色は原作では主に銀色、アニメでは金髪、実写版では黒髪で髪型が大幅に異なる。胸元に丸い飾りを連ねた特徴的な純白のエンパイアドレスをまとい、両方の二の腕には同じモチーフの飾りをはめている。テレビアニメでは希望の光の力を受けて2つの翼を伸ばしている(最終的には原作・アニメ共に全裸になって挑んだ)。月の王国シルバー・ミレニアムの城として「ムーン・キャッスル」という宮殿を持っている。
ネオ・クイーン・セレニティ
うさぎの未来の姿。30世紀クリスタル・トーキョーの女王。ドレスはプリンセス時代とほぼ同じデザインだが、マーメイド型のドレスになり、腰のリボンが蝶状の羽根のように大きくなり、ティアラが追加されている。ティアラは原作とテレビアニメ版でデザインが異なる。ティアラの宝石が「幻の銀水晶」の力を繰り出す。原作第2期Act20より「無敵の城(パレス)に住む、けっして姿を見せなかった全能の女神」だとデマンドに述べられている。
セーラーコスモス
原作のみ登場。原作におけるちびちびの正体で、セーラームーンの気の遠くなるほど未来の究極の姿。ギャラクシー・コルドロンの守護者。
セーラーカオスとの戦いから逃げ出し、孤独な過去の自分=セーラームーンを支え、正しい選択をさせるため、20世紀にやってきた。銀色の長い髪をハート型のシニヨンがついたツインテールに結い、マントのある白いセーラー服を纏った姿をしている。名前の由来はギリシア語で世界、宇宙、秩序を意味する語のコスモスから(「混沌」を意味するカオスと対になった名前でもある)。
プリンセス・セーラームーン
実写ドラマ版のみ登場。戦闘中などで感情が爆発すると時折覚醒し、うさぎとは別人格として自分の意志なく現れる。聖剣にも変形するハープを武器に戦い、星を滅ぼすと言われるほどの凄まじい破壊力と高い癒しの力を発揮できる。
備考
  • 他のセーラー戦士が惑星由来の中に、なぜ一つだけ衛星が混じっているか、との疑問がしばしば呈されるが、惑星の原義は天動説宇宙観において「恒星天に固定されていない動き回る星」の意であり、これには太陽が含まれる。七曜(一週間)の呼称は、多くの言語でこの定義の惑星名にちなんでいる(惑星名がさらに神話などに取材している)。
  • 「月に代わって、お仕置きよ!」と言いながら両手を交差させる決めポーズはがきデカの「死刑!」のポーズを佐藤順一監督が女の子らしく改良したものである[4]

アイテム

  • 変身ブローチ(実写版ではハート・ムーン・ブローチ)
    • うさぎが変身する際に使うブローチ。第1話でルナからもらった。
    • デザインは基本的に異なるが、原作・新作アニメCrystalではブローチの四周に4つの宝珠(水色・赤色・緑色・金色)を付したもの。テレビアニメでは丸い形状という特徴がある。実写版では後述の「コズミック・ハート・コンパクト」とほぼ同様のハート形をしており、変身前はペンダント形態で常に身に着けている。
  • 変身リップ・スティック(実写)
    • 実写版でうさぎがセーラームーンに変身する際、ブローチと共に使うリップスティック型のアイテム。
  • 変装ペン(原作、アニメ)
    • ルナからもらった、先端にピンク色の宝石を付けたペン。様々な人物に変装することが出来る。
  • 変身携帯テレティアS(実写)
    • 実写版でルナから授かったアイテムで、うさぎが変装する際に使用する。携帯電話としての機能の他に、雑誌に載っている服装などを写真に撮って登録するとそれに着替えることが出来る。前記の変装ペンに該当するアイテム。
  • ムーン・スティック(原作第1期、テレビアニメ第1期、新作アニメCrystal)
    • セーラームーンの第1期の武器。原作新装版・完全版・アニメなどでそれぞれデザインが異なっている。
    • 4人の戦士が集まった際にルナから与えられたもので、エネルギーを放って妖魔にされた人間を浄化したり(テレビアニメ)、生命力を与えたりすることができる。原作における最終決戦、およびテレビアニメ版で「幻の銀水晶」が出現してからはスティックの先端に「幻の銀水晶」がはめ込まれ、威力が更に増した(原作第一期末では柄を伸長する場面が見られる)。
    • 月の王国の血を引く者にしか使えないもので、クイーン・セレニティがムーン・スティックを使って「幻の銀水晶」の力を解放しメタリアを封印する場面がある。奇しくもその後、うさぎもクイーンと同じようにムーン・スティックでメタリアを封印することとなった。最終決戦後に消失した。
  • ムーンライト・スティック(実写)
    • セーラームーンの武器で第1話から持っている。形状はムーン・スティックと同じ。ハート・ムーン・ブローチに収納されており、使用時に取り出す。エネルギーを放って妖魔にされた人間を浄化したり生命力を与えたりすることが出来るほか、後期には「幻の銀水晶」の力を繰り出すことも出来るようになった。先端の三日月はクリスタル製で、強い攻撃を受けると砕けることも。
  • 「幻の銀水晶」
    • 月の王国の秘宝である聖石で、本作品の重要な鍵となるアイテム。プラスパワーを発し、あらゆる物を浄化する力を備えており、使い方によっては星を消滅させることもできるが、その本来の力はシルバーミレニアムの一族のみが発揮できる。「水晶」の名の通り透明な鉱物であり、原作及び劇場版S、実写版では丸みの強い雫型の多面体、テレビアニメ第1期と第2期では球状の多面体として描かれている。
    • 原作やアニメ版では、蕾が開くように蓮の花を思わせる形状に変化する場面がある。
  • クリスタル・スター
    • 第2期で新たに登場した変身アイテム。コンパクト状になっていて、中に「幻の銀水晶」がはめ込まれている。このコンパクトの中に「幻の銀水晶」がはめ込まれたデザインは、原作・テレビアニメ第2期以降の変身ブローチにも踏襲されている。テレビアニメ版ではカーディアンに破壊された変身ブローチとクイーンセレニティから与えられた新たな「幻の銀水晶」が融合してこのブローチに変化している。
  • 通信器(テレビアニメ第1、2期)
  • 腕時計型通信器(原作第1期、テレビアニメ第2期、新作アニメCrystal)
    • 原作では、亜美がセーラーVのゲームをプレイした時に景品として2つ出てきた腕時計を、ルナが改造した。
  • ムーン・ロッド(テレビアニメではキューティー・ムーン・ロッド)
    • 第2期から登場するセーラームーンの武器。原作ではうさぎと衛の二人の力で生み出された女王(クイーン)のしるしの杖(ロッド)であり、ネメシスとファントムを消滅する時にクリスタル・スター・ブローチと共に粉々に砕け散る。ネオ・クイーン・セレニティの持つムーン・ロッドはセーラームーンと同じデザインで、ロッドの全身に銀色を呈す長い柄の杖が特徴(柄の伸縮が可能)。また、「幻の銀水晶」の力を操り、奇跡を起こす。
    • テレビアニメ版では第51話で新しい変身ブローチを得て変身した後、クイーン・セレニティから授かった新しい専用武器として描かれている。
  • コズミック・ハート・コンパクト
    • 第3期で使用する変身ブローチ。これ以前の変身ブローチが丸い形だったのに対し、中の「幻の銀水晶」も含めてハート型となっている。原作ではネオ・クイーン・セレニティから授かったコズミック・パワーを含む新しい変身コンパクト。テレビアニメ版ではうさぎと衛の愛の力でクリスタル・スターから変化したものとして描写されている。
  • スパイラル・ハート・ムーン・ロッド
    • 第3期でセーラームーンが使用する武器。原作ではネオ・クイーン・セレニティから授かった(ちびうさが預かってきた)ハート型の飾りが付いたロッド。テレビアニメ版ではコンパクトと同様、うさぎと衛の愛の力で生まれたものとして描写されている。
  • 伝説の聖杯(レインボー・ムーン・カリス[5]
    • 第3期で3つのタリスマンが揃ったことで現れた聖杯。うさぎにスーパーセーラームーンに変身する力を与えた。原作ではちびうさの図工の宿題で、うさぎと衛が手伝って完成したもの。テレビアニメ第3期では、ちびうさが聖杯を未来の世界の博物館で見たことがあると言及した場面がある。実はちびうさが陶芸教室で作成したもの。
  • クライシス・ムーン・コンパクト
    • 第4期での変身ブローチ。ペガサスの力でセーラームーンがパワーアップした時に、ちびうさの変身ブローチと共にコズミック・ハート・コンパクトが変化したもの。
  • カレイド・ムーン・スコープ
    • 第4期でのセーラームーンの武器。原作では衛に買ってもらった、意思を持つ万華鏡が変化した物。テレビアニメ版ではセーラームーンが再びスーパー化した時に、スパイラル・ハート・ムーン・ロッドから変化した。
  • ホーリー・ムーン・カリス(原作第4期、テレビアニメ第5期より)
    • ネヘレニアとの決戦時、新たに誕生した聖杯。全て太陽系のセーラー戦士の集結のしるしである。ここに各戦士の力が注ぎ込まれたことでエターナル化がした。原作第5期の序盤では変身ブローチと連動して使われている。テレビアニメ第5期では、セーラーちびちびの希望の光の力を受けて生まれた新しいアイテムであり、エターナル・ティアルのパワーアップアイテムとしての役割も備えている。
  • エターナル・ムーン・アーティクル(テレビアニメ第5期)
    • 全ての太陽系のセーラー戦士の力が集結して生まれた、エターナルセーラームーンの新たな変身コンパクト。中の「幻の銀水晶」は星型になっている)。全戦士の守護星カラーの宝石を鏤める。物語終盤ではギャラクシアの一撃で砕け散っており、後述の「シルバームーン・クリスタル」の状態で最後まで戦い抜いている。
  • エターナル・ティアル(原作第4期終盤〜)
    • ネヘレニアとの決戦時、エターナル化した際に生まれたステッキ。ムーンのクリスタルの力だけでなく、全て太陽系のセーラー戦士のセーラー・クリスタル・パワーや、衛のゴールデン・クリスタルの力を注ぎ込むことで浄化技が発動する。原作第5期終盤では、エターナルセーラームーンがセーラーギャラクシアに操られていた太陽系セーラー戦士たちの合体攻撃を受け、一度は砕けたが後に再生している。ステッキの先端にシルバームーン・クリスタルを付けて、最強の浄化技「シルバームーン・クリスタルパワー・セラピー・キッス」を最大発揮している。テレビアニメ第5期前半では、エターナル化した際に「カレイド・ムーン・スコープ」が変化して誕生した。柄の部分は自由に伸縮させることができる。
  • ムーン・パワー・ティアル(テレビアニメ第5期終盤〜)
    • エターナル・ティアルとホーリー・ムーン・カリスの融合によって生まれた新しい武器。必殺技「シルバームーン・クリスタル・パワー・キッス」を使える。テレビアニメ第5期終盤での決戦の際にギャラクシアの攻撃を受けて折られている。
  • シルバームーン・クリスタル
    • 「幻の銀水晶」が生まれ変わった姿で、セーラームーンのセーラークリスタル。うさぎのスターシードである。銀河最強の無限の再生力と浄化力を持つ聖石。
  • コスモス・ラムダ・クリ久タル
    • 「聖なる希望の光」と呼ばれる姿で、セーラーコスモスのセーラークリスタル。遥か未来のうさぎのスターシードである。永遠の愛と秩序の希望を究極カを持つ聖石。
  • プリンセス・ハープ(実写)
    • プリンセスセーラームーンのみが扱えるアイテム。ハープ形態と聖剣形態の2つに変形する。ハープ形態では、ハープを奏でることで癒しの力を発動させ、聖剣形態では、敵の攻撃を防いだり敵に切りつけることができる。

変身呪文

  • ムーン・パワー!(原作・アニメ第1期、変装用)
  • ムーン・プリズムパワー!メイクアップ!(原作・アニメ第1期、実写)
  • ムーン・クリスタルパワー!メイクアップ!(原作・アニメ第2期)
  • ムーン・コズミックパワー!メイクアップ!(原作・テレビアニメ第3期)
  • クライシス!メイクアップ!(原作・テレビアニメ第3期、聖杯の力で二段変身する際の呪文)
  • ムーン・クライシス!メイクアップ!(原作・テレビアニメ第4期)
  • シルバームーン・クリスタルパワー・メイクアップ!(原作第5期)
  • ムーン・エターナル!メイクアップ!(テレビアニメ版・新装版原作第5期)

セーラームーンの必殺技

  • ムーン・ティアラ・ブーメラン(原作、アニメ、実写全てに登場)(テレビアニメ第5期を除く)
    • 原作初期では「ムーン・フリスビー」(新装版では「ムーン・ティアラ・ブーメラン」に修正されている)。テレビアニメでは「ムーン・ティアラ・アクション」。テレビアニメ版で原作の「ムーン・フリスビー」から技名が変更になったのは、「フリスビー」が別会社に商標登録されていたため使用できなかったことに因る。
    • 原作ではティアラを外すとリング状に変化し、それを敵に投げることによって敵を切り裂くといった物理的攻撃として描写されている。また敵にティアラを素手で止められた際には、ティアラが輪になって敵を締め付けて動きを封じることも可能で、原作ではルナとの連携で使用されたほか、テレビアニメ版でもセーラーマーズ初登場のエピソードで使用されている。投げつけた後でもパワーの調整が可能なようで「ちょっとだけヨ!」と言ってパワーダウンさせたことがある[注釈 9]
    • テレビアニメでは額のティアラを外し、エナジーを纏わせることによって円盤状に変化させて敵に向かって投げつける技[注釈 10]。投げたティアラはある程度の軌道修正をすることが可能である。
  • 超音波攻撃(原作、アニメ)
    • セーラームーンの感情が不安定になる(主に「泣く」という状態)と、お団子にある超音波増幅バレッタが反応して高周波の超音波を発し、相手を痺れさせる。敵味方問わず影響が出るため、攻撃技としてはあまり役に立たない。テレビアニメ版でも初期に2回ほど使用された。
  • セーラームーン・キック(原作、テレビアニメ)
    • 何の変哲もない飛び蹴りである。テレビアニメ版では無印17話などで使用された。
  • ムーン・トワイライト・フラッシュ(原作第1期、実写、新作アニメCrystal)
    • 原作とテレビアニメのアーケードゲーム版では月光をティアラの宝石の部分に反射させて増幅させ、ビーム状にして放つことで敵を浄化させる技。
    • 新作アニメCrystalでは技名は無いが、「月に変わって、おしおきよ!」との掛け声で原作と同様の効果の技を発揮する。テレビアニメではアーケードゲームのみ登場。
    • 実写版ではティアラでは無くムーンライト・スティックを使用し、月の光をぶつけて無数の閃光弾を放つ攻撃となっている。
  • ムーン・ヒーリング・エスカレーション(原作、アニメ、実写全てに登場)
    • 原作ではムーンスティックから浄化の光を広範囲に放つことで、エナジーを奪われた人々の体力を回復させたり、壊された街を元に戻すなどといった効果を発動する。
    • テレビアニメ版ではムーンスティックで光輪を描き、それを相手に放つことで妖魔化された人間を元に戻す技で、原作に比べるとその効果や威力はやや抑え目となっている。「幻の銀水晶」を手に入れてからはムーンスティックに装着された「幻の銀水晶」から浄化光線と浄化光弾を放つことで、妖魔化された人間を元に戻す技に変わった。
    • 実写版ではムーンライト・スティックを使った大量の星屑をぶつけ、敵を浄化して消し去る。テレビアニメ版と同じく妖魔化された人間を元に戻す技でもあるが、あまり使用されなかった。
    • 新作アニメCrystalではムーンスティックを使って、金色の光のリボンを創り出し、洗脳された人々を回復させたり、敵にダメージを与える効果もある。
  • ムーン・プリンセス・ハレーション(第2期)
    • 原作ではムーンロッドを使った、敵を浄化して消し去る技。
    • テレビアニメ版ではキューティームーンロッドにエナジーを集中させ、ロッドの先端から聖なる三日月状の衝撃光弾を放つことで、敵を浄化して消し去る技。基本的には攻撃技を使うことで、ムーン・クリスタルパワーを加える為に浄化能力がさらに強化された。
    • 新作アニメCrystalではムーンロッドの先端にエナジーを集中させ、それから金色の光波を敵に浴びせて消し去る。
  • ムーン・クリスタル・パワー(第3期浄化技)
    • 「幻の銀水晶」の力で闇の力を浄化する。テレビアニメ版では第2期であやかしの四姉妹を浄化し普通の人間に変える際に使用した。
  • ムーン・スパイラル・ハート・アタック(第3期)
    • 通常セーラームーンのスパイラル・ハート・ムーン・ロッドを使った技で、ロッド先端の飾りから巨大なハート形の光の塊を放ち、敵にぶつけることで浄化・消滅させる。
  • 虹色月心激(レインボー・ムーン・ハート・エイク)(第3期後半)
    • 伝説の聖杯を手に入れ、パワーアップしたムーン・スパイラル・ハート・アタックの強化技である。スパイラル・ハート・ムーン・ロッド先端の飾りから螺旋形のハートの光のリボンを放ち、七色の虹と巨大なハート形の光の塊を敵にぶつける事で浄化・消滅させる。
  • 虹色双月心激(レインボー・ダブルムーン・ハート・エイク)(原作第3期)
    • スーパーセーラームーンとスーパーセーラーちびムーンによる合体技。効果自体は上2つのそれと同様。
  • ムーン・ゴージャス・メディテイション(第4期)
    • スーパーセーラームーンのカレイド・ムーン・スコープを使った技で、大量の万華鏡の破片に敵を映すことで浄化・消滅させる。テレビアニメ第4期冒頭では、カレイド・ムーン・スコープから万華鏡の破片のエネルギー光球を敵に放つ浄化技として描かれており、この技を使用する際には原作とは異なり、スーパーセーラーちびムーンがクリスタル・カリヨンでペガサス(エリオス)を召喚する必要がある。また、劇場版SuperSではスーパーセーラーちびムーンと一緒に敵に突撃して行う強化バージョンも登場した。
  • スターライト・ハネムーン・セラピー・キッス(第5期)
    • 原作では初登場時の際、全ての太陽系セーラー戦士たちのセーラークリスタルとゴールデン・クリスタルのパワーをエターナル・ティアルヘ集めて放った。後に太陽系セーラー戦士たちがセーラーギャラクシアに操られていた際には、迷いから全力が出せずパワー不足に陥った。
    • テレビアニメ版ではエターナル・ティアル先端の水晶から、ピンク色の光線と羽根の嵐を放って敵を浄化・消滅させる技として描かれている。
  • シルバームーン・クリスタル・パワー・キッス(テレビアニメ第5期)
    • スターライト・ハネムーン・セラピー・キッスの強化バージョンで、セーラーちびちびの希望の光の力を受けたことで使用が可能となった。エターナルセーラームーンのムーン・パワー・ティアル先端の水晶から、金色の光線と羽根の嵐を放ち敵を浄化・消滅させる。セーラーギャラクシアを倒すほどの威力はない。
  • シルバームーン・クリスタルパワー・セラピー・キッス(原作第5期)
    • 「スターライト・ハネムーン・セラピー・キッス」よりさらに強力な威力を持つ浄化技。再生したエターナル・ティアルを使って、セーラーギャラクシアに操られていた太陽系セーラー戦士たちの肉体を一撃で消滅させ、セーラーギャラクシアとも相撃ちに持ち込んだ。
  • シルバームーン・クリスタル・エターナル・パワー(原作第5期終盤)
  • ダブル・セーラー・キック(ヴィーナスとの合体技。原作第5期番外編「ちびうさ日記」)
  • スターライト・ダブル・ハネムーン・セラピー・キッス(ちびムーンとの合体技。原作第五期番外編「ちびうさ日記」)
  • ムーン・ティアラ・スターダスト(テレビアニメ第1期)
    • ムーン・ティアラ・アクションと同じモーションでティアラを投げ、ティアラからエナジーを星屑のように降らせ、洗脳された人間を元に戻す浄化技。第5話にて使用された。
  • セーラー・ボディ・アタック(テレビアニメ第2期)
    • 胸の前で腕をクロスさせて敵に突っ込んでいく。コーアンが初登場した第60話でのみ使用。
  • シルバームーン・クリスタル・パワー(テレビアニメ第5期)
    • 長い柄のムーン・パワー・ティアルの先端より、金色の月光を広範囲にわたって拡散させ、敵へ浴びせることで浄化する技。第33話にて使用された。
  • ムーン・フェザー・アタック(アーケードゲームのみ)
    • アーケードゲームのオリジナル必殺技。頭に挿している羽根飾りの付いた2本のピンを使った攻撃。原作でも技名はないが、それらしい攻撃が存在する。
  • ムーン・スパークリング・テンプテーション(アーケードゲームのみ)
    • アーケードゲームのオリジナル必殺技。交差させた両手を胸に置いて目を閉じ、精神を集中して大量のエナジーの光を両手に集めた後で5つの金色の光球を作り出し、そこからヴィーナスのクレッセントビームのような光線を発射する。ムーンとしては珍しく、道具を介さずエナジーのみで放つ必殺技となっている。

脚注

注釈

  1. ^ テレビアニメ第44話〜50話では三石が卵巣嚢腫で入院したため、代役として荒木香恵が声を担当した。後に荒木はちびうさ / セーラーちびムーン役を担当した。
  2. ^ 恋人となってからは「うさこ」、「うさ」(テレビアニメ版第1期〜第2期魔界樹編、実写版では「うさぎ」)と呼ばれる。
  3. ^ 天王はるか、星野光からも「お団子頭」と呼ばれている。
  4. ^ 第1期と第2期で1年経過しているはずだが、進級していない。第13話で母・育子の「うさぎももうすぐ中三だもんね」という言葉があり、また、第18話ではうさぎの言葉に「去年の春に衛に会い、夏に衛の部屋に初めて訪ねた」とある。新作アニメCrystalではその発言は割愛されている。
  5. ^ これは、第二期連載当時から数えて21世紀の始まる年に当たる。
  6. ^ 具体的な経緯は作中では語られなかった。
  7. ^ 原作と新作アニメCrystalでは平仮名ばかりの手紙だった。
  8. ^ とは言え、自分より体格の上回る男性3人を殴り合いで圧倒する(テレビアニメ第1期第4話)など、常人と比べるとはるかに強い描写も存在している。
  9. ^ テレビアニメ第1期第32話での妖魔アカンとの戦いにおいて使用される。
  10. ^ テレビアニメ版ではティアラが光を帯びて先が少しとがった板状に変形、実写版ではV字型のブーメラン状に変形する。

出典

  1. ^ 小泉今日子、大人セーラームーンに朝日新聞&Woman 2015年10月8日)
  2. ^ 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム44 美少女戦士セーラームーンS II』第95頁 - セーラームーンS設定集より。
  3. ^ 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム44 美少女戦士セーラームーンS II』第113頁より。
  4. ^ アニマックス創ったヒト』2010年2月6日佐藤順一より。
  5. ^ 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム44 美少女戦士セーラームーンS II』第95頁 - セーラームーンS設定集より。