曖昧
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曖昧(あいまい、曖昧模糊)とは、1つの表現や文字列、項目などが、2つ以上の意味にとれること、もしくは、周辺が不明瞭なことである。
概要
- どちらか一方に決めることが出来ない状態を曖昧という。
対義語
- 明確=疑う点がない
- 明瞭=曖昧なところがない
いずれも名詞及び形容動詞。また、「はっきり」という語も曖昧なところがないという意味を持つ(ただし、この語は副詞である:英語のclearlyに相当)。
類義語
- 漠然=程度がはっきりしないこと。
- 優柔不断=態度をはっきりさせないこと。
また対義語の、「明確」や「明瞭」に接頭語の不をつけると「不明確」、「不明瞭」となる。これらもまた「曖昧」の類義語である。
修辞における曖昧
修辞において曖昧は2つ以上の意味にとれる表現のことをさす。ウィリアム・エンプソンは『曖昧の七つの型』において書名通り曖昧を以下の7つに分類し、その中に積極的な価値を見いだそうとしニュークリティシズムの先駆となった。なお、彼は同書で曖昧性が生まれる理由をそれによって意味がより直接的に伝えられると思うからではないかと推察している。
- 語あるいは文の構造が同時に多様に働く場合
- 2つ以上の意味が融け合い一つの意味になる場合
- 2つ以上の意味を持つ語の各意味が、ともに適切である場合(すなわち地口)
- 文章にある2つ以上の意味が、それぞれの意味が他と一致せず複雑な心理を明らかにする場合
- その観念が生成過程であるため比喩が正確にあてはまる対象がない場合
- 文章が類語の反復や矛盾を引き起こし、何も意味していない場合
- 語の2つの意味が、2つの対立する意味をなし、主体の分裂を示している場合
ファジィ
科学に曖昧さを取り入れた「ファジィ理論」がある。ファジィはファズの形容詞形で「2つ以上の意味にとれる」(ambiguity)の意はなく、「周辺が不明瞭」の意である。
ファジィ集合
ファジィ集合では、通常の集合における「ある集合に属している、または、属していない」という考え方を拡張し、「ある集合にどの程度属しているか」という曖昧さをもって、その集合(ファジィ集合)に属しているかいないかを定義する。たとえば「温帯」という集合があって、それに「日本」という要素が属するかということを例にあげる。日本の領域のうちのほとんどの地域は温帯といわれているが、一部の地域はそうではない。そのようなときに「どの程度温帯なのか」を(何パーセントというように)定量化し、それを温帯という集合に属する度合いとする。ある要素がある集合に属しているのかが曖昧ということは、ある集合自体の境界もまた曖昧になる。
曖昧屋
曖昧は「いかがわしい」という意味も持っている。例えば「曖昧屋」と言えば、密かに売春させる店を指す。
wikt:曖昧屋も参照のこと。
関連項目
参考資料