景観生態学

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景観生態学(けいかんせいたいがく、英語:landscape ecology)は、景観を研究対象とした生態学ドイツ地理学者カール・トロールにより1938年に創出された[1]。景観の諸特性と潜在的な価値を評価し、土地利用に応用することをその目的とする実学として発展した。研究対象は、人間活動の影響が少ない自然域の景観とともに、人間活動の影響が多く反映している都市域の景観を含む。自然科学の枠を超える様々な方面からのアプローチを必要とする分野である。

概要

日本景観生態学会によると、景観生態学は、「景観」という空間の諸特性を、様々なスケール、様々な視点から階層的に解明していこうとする学際的な学問である[2]生態系機能を発揮させ続けていくために必要な地域計画土地利用施策、すなわちエコロジカル・プランニングに、科学的・論理的基盤を提供する。 主要テーマは以下のようなものである。

  • 自然域から都市域まで、様々な場における景観の構造、機能、及びそれらの変化過程
  • 景観の構造を創出する生態的・社会的プロセス、逆に景観構造が規定する生態的・社会的プロセス
  • 人間活動が景観構造、生態的機能、生態的過程にどのような影響を与え、それらを変化させるのか
  • 複数の空間スケールを用いての生態的過程の解明
  • 感性文化を含めた景観の総体の理解

主な専門用語

  • パッチ(patch) … 周辺とはその性質や見かけが異なる表面のこと。
  • 周縁(edge) … 景観上異なる土地被覆型または生態系が隣接するところ。
  • 緑の回廊
  • 生息地分断化

参考文献

  1. ^ M.G.Turner, R.H.Gardner, R.V.O'Neill(著者)中越信和・原慶太郎(監訳)『景観生態学:生態学からの新しい景観理論とその応用』文一総合出版、2004年9月14日。ISBN 4-8299-1062-3 
  2. ^ 日本景観生態学会 公式ウェブサイト > 学会概要 > 日本景観生態学会とは

関連項目

外部リンク