普通選挙
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普通選挙(ふつうせんきょ)とは、ある組織において選挙の際に年齢・性別以外で信条・財産等の制限を設けずに選挙権を行使できる選挙形式を指す。とりわけ、国政選挙において財産(納税額)等の制限を設けずに選挙権を行使できる選挙形式を指す場合が多い。
狭義には性別制限なく選挙権を持つ完全普通選挙のみをさし、広義には男性だけが選挙権を持つ男子普通選挙を含む。
歴史
- 1792年 フランス革命期の立法議会が解散するときの法令により、新しい国民公会を召集するための選挙で世界初の男子普通選挙が実施された。被選挙権は25歳以上、投票権は21歳以上とされた。1793年憲法にも21歳以上の男子普通選挙制度が盛り込まれたが、国民公会が開かれている間は憲法は施行されず、以後一回も普通選挙は行われていない。1795年の総裁政府成立で普通選挙制度は失われ、再び制限選挙となった[1]。
- 1848年 フランス第二共和制において男子普通選挙が再導入された。
- 1867年 ドイツ(北ドイツ連邦)において男子普通選挙が実施された。
- 1870年 アメリカで全人種の成人男子への選挙権付与が連邦憲法修正第15条により義務付けられる[2]。
- 1879年 ブルガリアにおいて男子普通選挙が実施された。1881年~1882年に中断されるが、その後は定着。
- 1918年 イギリスで男子普通選挙が実施された。ただし居住地以外に財産を保有する者は複数選挙権を得る。
- 1919年 ドイツ共和政において、世界初の完全普通選挙が実施された。
- 1920年 アメリカで女性参政権を認めることが連邦憲法修正第19条により義務付けられる[3]。
- 1928年 日本で衆議院選挙(第16回総選挙)の際に男子25歳以上(最初の男子普通選挙)の者で実施された。(普選運動)
- 1928年 イギリスで女子(21歳以上)に選挙権が認められた。ただし居住地以外に財産を保有する者は複数選挙権を得る。
- 1945年 日本において男女20歳以上の者に選挙権を与える規定に基づき婦人参政権が成立した。(衆議院議員選挙法改正で翌1946年の第22回総選挙で女性議員39名が当選)
- 1945年 フランスで女子(21歳以上)の選挙権が認められた。
- 1948年 イギリスで居住地以外に財産を保有する者が複数の選挙権を得る制度が廃され、完全な普通選挙権制度が成立[4]。
脚注
出典
- 神戸史雄『イギリス憲法読本』丸善出版サービスセンター、2005年(平成17年)。ISBN 978-4896301793。
関連項目