日置俊次

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日置俊次(ひおき しゅんじ、1961年)は、日本の歌人、小説家、日本近代文学研究者、青山学院大学文学部教授。専門は横光利一夏目漱石芥川龍之介宮沢賢治窪田空穂井伏鱒二太宰治中島敦正岡子規村上春樹泉鏡花などの作家論のほか、宮崎駿細田守などを始めとする現代アニメーション論。また、馬場あき子岩田正などを始めとする現代短歌論。

日置 俊次
(ひおき しゅんじ)
人物情報
生誕 日本の旗 日本岐阜県中津川市
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京大学文学部
東京大学大学院人文科学研究科
パリ第3大学比較文学科
学問
研究分野 日本近代文学
日本現代文学論
現代短歌
表象文化論
比較文学
比較文学論
現代アニメーション
研究機関 青山学院大学
学位 DEA (パリ第3大学)
学会 日本近代文学会
日本文学協会
昭和文学会
横光利一文学会
現代歌人協会
主な受賞歴 朝日歌壇賞
第22回かりん賞
第50回角川短歌賞次席
第50回現代歌人協会賞
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来歴[編集]

岐阜県中津川市生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。在学中、サンケイ・スカラシップ奨学生としてフランスへ留学、エクス・マルセーユ第1大学にて言語学を専攻、その後東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、博士課程中退。フランス政府給費留学生としてソルボンヌのパリ第3大学大学院博士課程で比較文学専攻、DEA取得。

帰国後、東京医科歯科大学教養部に専任講師として着任、のちに助教授日本学術振興会海外特別研究員として、再び渡仏し、パリ第3大学にて研究に従事。その後、青山学院大学文学部日本文学科助教授、のちに教授。在外研究員として、台湾大学で研究に従事。青山学院大学ジェロントロジー研究所設立準備委員(2017年~)、ジェロントロジー研究所研究員(2018年~教授と併任)[1]

馬場あき子に師事し、短歌作品を発表。馬場あき子創刊の歌誌『かりん』編集委員、選歌委員。2000年朝日歌壇賞、2002年第22回かりん賞、2004年「ノートル・ダムの椅子」50首で第50回角川短歌賞次席、2006年歌集『ノートル・ダムの椅子』で第50回現代歌人協会賞受賞[2]。(※そのほか歌集等に掲載の略歴を参照)

著書[編集]

単著[編集]

  • 『歌集 ノートル・ダムの椅子』 角川書店 21世紀歌人シリーズ かりん叢書 2005
  • 『歌集 記憶の固執』 角川書店 かりん叢書 2007
  • 『歌集 愛の挨拶』 角川書店 かりん叢書 2009
  • 『歌集 ダルメシアンの家』 短歌研究社 かりん叢書 2012
  • 『歌集 ダルメシアンの壺』 短歌研究社 かりん叢書 2014
  • 『歌集 落ち葉の墓』 短歌研究社 かりん叢書 2015
  • 『歌集 地獄谷』書肆侃侃房 かりん叢書 2018
  • 『歌集 ラヴェンダーの翳り』書肆侃侃房 かりん叢書 2019
  • 『歌集 おまへに悪かつた』日置研究室 かりん叢書 2021
  • 『歌集 ウーシャントンクー』日置研究室 かりん叢書 2022
  • 小説『エメラルドの夜』はるかぜ書房 2021
  • 小説『サファイアの夜明け』日置研究室 2021
  • 小説『昼下がりのルビー』日置研究室 2023

共著[編集]

  • 岩田正大井学森川多佳子田村広志米川千嘉子藤室苑子、日置俊次共編著 『窪田空穂の歌』 角川学芸ブックス 2008
  • 野山嘉正編『詩う作家たち――詩と小説のあいだ――』至文堂 1997
  • 田口律男編『横光利一』若草書房 1999
  • 栗坪良樹・柘植光彦編『村上春樹スタディーズ04』若草書房 1999
  • 松本武夫編『井伏鱒二『山椒魚』作品論集』クレス出版 2001
  • 石田仁志・渋谷香織・中村三春編『横光利一の文学世界』翰林書房 2006
  • 飛高隆夫・野山嘉正編『展望日本の詩歌 第7巻 短歌Ⅱ』明治書院 2007
  • 飛高隆夫・野山嘉正編『展望日本の詩歌 第8巻 短歌Ⅲ』明治書院 2008
  • 井上謙・掛野剛史・井上明芳編『横光利一 歐洲との出会い』おうふう 2009  

論文[編集]

 (すべて単著)

  • 「横光利一試論――「蝿」と「日輪」について――」「国語と国文学」1990/03
  • 「井伏鱒二「山椒魚」試論」「日本近代文学」1991/10
  • 「横光利一試論――『春は馬車に乗つて』における死の象徴化――」「日本近代文学」1996/10
  • 「中島敦「山月記」論」「東京医科歯科大学教養部研究紀要」1997/03
  • 「村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」試論」「日本文学」(日本文学協会) 1998/06
  • 「芥川龍之介「羅生門」論」「青山語文」2005/03
  • 「太宰治論 ――「走れメロス」から「津軽」へ――」「青山語文」2010/03
  • 「馬場あき子論 ――『南島』を中心に――」「昭和文学研究」2011/09
  • 「孤独な分身――窪田空穂の作歌法――」「青山語文」2012/03
  • 「宮澤賢治「やまなし」再論」「青山語文」2013/03
  • 「細田守「おおかみこどもの雨と雪」論」「青山スタンダード論集」2014/01
  • 「井伏鱒二「山椒魚」新論 ――「トムとジェリー理論」をめぐって――」「青山学院大学文学部紀要」2015/03
  • 「正岡子規論――「瓶にさす藤の花ぶさみじかければ」の歌について――」「青山語文」 2016/03
  • 「苦悶と喜びと――子規における時間と距離」「現代短歌」2017/05
  • 「芥川龍之介「羅生門」論――下人の太刀について――」「青山語文」2018/03
  • 「泉鏡花「外科室」論――分身という方法――」「青山学院大学文学部紀要」2018/03
  • 「宮崎駿「となりのトトロ」論――少女と老女という思想――」「青山スタンダード論集」 2019/01
  • 「夏目漱石と能――素人としての自己劇化――」「青山学院大学文学部紀要」2019/03
  • 「井伏鱒二「山椒魚」論――もっともらしい嘘について――」「青山語文」2019/03
  • 「横光利一「蠅」新論ーーモーパッサンの影響を中心に――」「青山スタンダード論集」2020/01
  • 「芥川龍之介「藪の中」論――竹に隠された秘密――」「青山学院大学文学部紀要」2020/03
  • 「太宰治「走れメロス」論――赤い色について――」「青山語文」2020/03
  • 「宮澤賢治「おきなぐさ」論――太陽のもとでの転生――」「青山学院大学文学部紀要」2021/03
  • 「横光利一におけるシェイクスピア翻訳劇の影響――「日輪」を中心に――」「横光利一研究」2021/03
  • 「芥川龍之介「奉教人の死」論――「女の力」をめぐって――」「青山語文」2021/03
  • 「横光利一「赤い着物」論――赤色の源泉にあるもの――」「青山スタンダード論集」2021/01
  • 「芥川龍之介「羅生門」の起源――「羅生門の鬼」伝説をめぐって」「青山学院大学文学部紀要」2022/03
  • 「芥川龍之介「地獄変」論――ジャンヌ・ダルクとの関わり――」「青山語文」2022/03

 ※そのほか多数。リンクを参照[3]

所属学会[編集]

  • 日本近代文学会
  • 昭和文学会
  • 横光利一文学会
  • 東京大学国語国文学会
  • 青山学院大学日本文学会

脚注[編集]

  1. ^ ジェロントロジー研究所
  2. ^ 青山学院大学
  3. ^ 青山学院大学教員情報

外部リンク[編集]