日産・ノート

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ノートNOTE )は、日産自動車が製造・販売するハッチバック型の乗用車である(欧州では小型ミニバンまたはミニMPVに分類される)。

概要

マーチなどにも採用されるBプラットフォームをベースに開発された[1]。初代型は、当初1.5Lエンジンのみが用意され、他の1.5Lクラスの車よりも価格が安く設定されている[1]。また、2008年10月には1.6Lエンジン搭載グレードも追加された。 ボディデザインはスカイラインをデザインしたチームと同じチームが担当[要出典]。 日産の世界戦略車に位置付けられている。

なお、日産の車両型式の基準では新型車は末尾の数字が0となることが多いが、E10はチェリーで使われていたため、初代型はE11となった。このことに関して、中村史郎常務は「Cピラーにそこはかとなく面影が…」と語っている[2]

歴史

初代 E11型(2004年 - 2012年)

日産・ノート(初代)
E11/NE11型
日本仕様車前期型
(2005年1月 - 2008年1月)
日本仕様車前期型 リア
日本仕様車後期型(2008年1月 - 2012年8月)
概要
販売期間 2004年 - 2012年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
駆動方式 FF/4WD
プラットフォーム Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン HR15DE型 1.5L 直4 DOHC
HR16DE型 1.6L 直4 DOHC
最高出力 808kW(109PS)/6,000rpm
最大トルク HR15DE型:148N·m(15.1kgf·m)/4,400rpm
HR16DE型:152N·m(15.5kgf·m)/4,400rpm
変速機 CVT/4速AT/5速MT
前:ストラット式
後:トーションビーム式
前:ストラット式
後:トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,600mm
全長 前期型
3,990mm
後期型
4,020mm
全幅 1,690mm
全高 1,535/1,545mm
車両重量 1,090 - 1,170kg
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2004年9月2日
ムラーノの発表会においてラフェスタなどとともに先行公開されるが、同車のみ量産試作車が間に合わず、モックアップでの発表であった。同月、パリサロンでノートをベースとするコンセプトカー「トーン」(Tone )を出展。
2005年1月20日
日本での販売を開始。月間販売目標は8,000台。販売開始当初は1.5L車のみで、「15S」・「15S Vパッケージ」・「15E」・「15RX」・「15S FOUR」・「15S FOUR Vパッケージ」・「15E FOUR」の7グレードを設定。また、オーテックジャパン扱いの特別仕様車ライダー」も同時発売。「15S」系の4グレードをベースに、メッキパーツや3Dニット地の専用シートなどを装備し、スポーティ感を演出した仕様とした。
2005年4月27日
「15E」・「15E FOUR」をベースに、特別グリーン内装、プラズマクラスターイオンフルオートエアコン(デジタル表示、除菌機能付)、メーター廻りシルバー加飾、シルバー調フィニッシャー(シフトノブ、パワーウィンドウスイッチ)を装備した特別仕様車「15E/15E FOUR Salsa Green(サルサグリーン)」を発売。
2005年9月
フランクフルトモーターショーにヨーロッパ仕様を出展。1.4Lおよび1.6Lのガソリンエンジンと、2仕様の1.5Lディーゼルエンジンを設定する。
エクステリアデザインについても日本仕様車との差別化が図られ、フロントグリル、前後バンパーの形状などが変更された。
2005年10月
第39回東京モーターショーに「ノート インスパイアード by アディダス」を出展。
2005年12月22日
一部改良。シート及びドアトリムクロスを一新し(「15RX」を除く)、インストルメントパネルに新素材を採用。「15S/15S FOUR」を除く全グレードに運転席アームレストを追加した。また、「15S Vパッケージ/15S FOUR Vパッケージ」・「15E/15E FOUR」にはメーター・パワーウインドウフィニッシャー、シフトノブにシルバー加飾、ハロゲンヘッドランプに光輝タイプをそれぞれを採用し、特別仕様車「Salsa Green」に採用されていたサルサグリーン内装をオプション設定に追加。「15RX」はエアコンリングメッキ加飾やスイッチのフィニッシャー類をブラックに変更。ボディカラーにシェリーシルバーとブライトカッパーの2色を追加した。さらに、ヘッドランプレベライザーを全車設定することで、翌年1月から実施される灯火器(改正)技術基準に適合させた。オーテックジャパン扱いの「ライダー」は専用ロードアルミホイールを光輝タイプに変更した。
2005年
グッドデザイン賞を受賞。
2006年1月
イギリスサンダーランド工場においてヨーロッパ仕様の生産が開始され、ロシアを含むヨーロッパ各国での販売を開始[3]
2006年5月10日
「15S Vパッケージ」・「15S FOUR Vパッケージ」をベースに、専用シートクロス&ドアトリムクロス、6:4分割リア可倒式シート、2DIN MD・CD一体AM/FM電子チューナーラジオ、リア2スピーカーを装備した特別仕様車「15S V-Limited」・「15S FOUR V-Limited」を発売。
2006年5月29日
オーテックジャパン扱いの「ライダー Vパッケージ」をベースに、イルミネーション付専用キッキングプレート、バイキセノンヘッドランプ、専用アルミペダル、専用スポーティフロアカーペットを装備した特別仕様車「ライダーアルファII」を発売(2007年3月末までの期間限定販売)。
2006年10月4日
「15S Vパッケージ」・「15S FOUR Vパッケージ」をベースに、DVD方式のシンプルナビゲーションシステムと本革巻き3本スポークステアリングを装備した特別仕様車「15S Vパッケージ + navi」・「15S FOUR Vパッケージ + navi」を発売。
2006年12月25日
一部改良。2WD車で燃費を向上し「平成22年度燃費基準+20%」を達成。インテリジェントエアコンシステム(ワンタッチクリーンスイッチ付)を一部グレードに標準装備又はオプション設定し、シート形状・ドアトリム/シートクロスを変更。ボディカラーに新色3色を追加し、全車オーディオレス化などを行った。なお、「15S Vパッケージ」・「15S FOUR Vパッケージ」は「15M」・「15M FOUR」に改名した。併せて、「15M」・「15M FOUR」をベースに、DVD方式のシンプルナビゲーションシステムとディンプル付本革巻3本スポークステアリングを装備した特別仕様車「15M + navi next」・「15M FOUR + navi next」を発売した。
2007年6月5日
「15M」・「15M FOUR」をベースに、人気の高いバイキセノンヘッドランプ、バンパー組込みハロゲンフォグランプ、オートライトシステム、CD一体AM/FM電子チューナーラジオを装備するとともに、スーパーファインブラッククロスを採用した特別仕様車「15M/15M FOUR KAGAYAKI Edition(カガヤキエディション)」及び同仕様車をベースにCD一体AM/FM電子チューナーラジオを専用HDDナビゲーションに変更し、ディンプル付本革巻3本スポークステアリングとリヤ2スピーカーを追加装備した「15M/15M FOUR KAGAYAKI Edition + navi HDD」を発売。
2008年1月9日
マイナーチェンジ。フロントデザインを変更し、フロントグリルについては、標準車にはエクステリアカラーによってカラード(ボディ同色)とガンメタリックの2種類が、スポーティグレードにはスモークメッキが採用される。液晶オド・ツイントリップメーター(燃費表示機能付)を備えた2連リングメーターを全車に標準装備し、4WD車は寒冷地仕様を標準装備。スポーティグレードにはホワイトメーターやルーフスポイラーなどが装備され、ブラックアウトヘッドライトが採用された。グレード体系は「15RX」を除き再編され、「15X Fパッケージ」・「15X」・「15G」・「15X FOUR Fパッケージ」・「15X FOUR」・「15G FOUR」になるとともに、スポーティグレードに「15RS」を追加した。併せて、専用HDDナビゲーションシステム、トップシェード付UVカットグリーンガラス(フロント)、リヤ2スピーカー(「15X」・「15X FOUR」のみ)を装備した特別仕様車「Plus navi HDD」4グレードも発売した。
オーテックジャパン扱いの「ライダー」はフロントデザインを一新するとともに、専用チューンドエンジンの搭載やボディ剛性の向上、サスペンションチューニングにより卓越した走行性能を実現した高性能仕様「ライダー ハイパフォーマンススペック」を追加した。なお、ベース車両は「15X」・「15X FOUR」となった。
また、メーカーオプションとして設定されていたカーウイングスナビゲーションシステムは選択できなくなった。
2008年5月27日
特別仕様車「Plus navi HDD SP」を発売(同年9月末までの期間限定販売)。同年1月に発売した特別仕様車のバージョンアップ仕様で、専用HDDナビゲーションシステムの仕様が一部変更され、TVチューナーをワンセグチューナーに変更し、新たにDVDビデオ再生機能とフロントAUX端子を搭載した。
2008年10月7日
特別仕様車「15 Brownie Interior(ブラウニーインテリア)」と「15RS/16RZ エアロスタイル」を発売。前者は「15X」・「15X FOUR」をベースに、専用ブラウニー内装が採用され、助手席アームレスト、運転席シートバック格納式テーブルなどが装備された。後者はオーテックジャパンによるカスタマイズで、「15RS」・「16RZ」をベースに、専用クロームメッキフロントグリルやフロントプロテクター、サイドシルプロテクター、リヤアンダープロテクターなどのエクステリアパーツが装備された。同時に、追加グレードとしてHR16DEエンジンに5速マニュアルを組み合わせた「16X」と「16RZ」(スポーティグレード)が発売された。
2008年12月17日
期間限定車「プラスナビHDD Safety」を発売(2009年3月末までの期間限定販売)。同年1月・5月に発売した特別仕様車「プラスナビ」シリーズの第3弾として、新たにSRSカーテンエアバッグシステムを追加した仕様である。なお、ベース車両は「15X」・「15X FOUR」・「15RS」の3グレードとなった。
2009年モデルイヤー
欧州仕様車がマイナーチェンジ。フロントグリルは日本仕様車と同一のデザインとなり、フロントバンパーやテールライトのデザインも変更された。
2009年4月23日
1.5L・2WD車の燃費性能を向上し、「平成22年度燃費基準+25%」達成。また、「15RX」にはSRSカーテンエアバッグシステムが標準装備となった。ボディカラーには新色のクリスタルライラックチタンパールメタリックを設定し、「15RS」、「15RX」、「16RZ」専用色だったフランボワーズレッドツートンパールを他のグレードに拡大設定するなどの仕様変更を行った。
2009年7月
オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「ライダー ハイパフォーマンススペック」で価格改定を行った。
2009年10月20日
オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「ライダー ハイパフォーマンススペック」をベースに、HDDナビゲーションシステムを装備した特別仕様車「ライダー プラスナビHDD」・「ライダー ハイパフォーマンススペック プラスナビHDD」を発売。
2009年12月17日
「15X」・「15RS」をベースに、エアロパーツや専用クロームメッキグリルなどを装備し、スタイリッシュで魅力のある仕様としながらも価格を低く抑えた特別仕様車「15X/15RS aero style」を発売。本仕様車はオーテックジャパン扱いとなる。
2010年4月22日
オーテックジャパン扱いの特別仕様車「15X/15RS aero style」にHDDナビゲーションシステムを追加装備した「15X/15RS aero style +navi HDD」を発売。
2010年12月1日
一部改良。新たに、エンジンとトランスミッションを協調制御し、エコドライブをアシストする「ECOモード」機能を「16X」を除く2WD車に搭載。さらに、シート・ドアトリムクロスを変更し、ウレタン3本スポークステアリング(シルバーフィニッシャー)、2連リングホワイトメーター、低フリクションシートベルトを全車標準装備。また、フロントグリルは全グレードカラード(ボディ同色)に統一された。グレード体系の見直しが行われ、「15X SV/15X FOUR SV」、「15X Vセレクション/15X FOUR Vセレクション」、「15G/15G FOUR」、「16X」の4グレードとなった。また、最低価格も従来の135.45万円(「15X Fパッケージ」)から129.885万円(「15X SV」)に引き下げられた。
併せて、オーテックジャパン扱いの「エアロスタイル」シリーズ、「ライダー」シリーズはベースグレードの変更や装備の追加を行った。
2011年6月30日
「15X SV」・「15X FOUR SV」をベースに、プラズマクラスターイオンを搭載したインテリジェントエアコンシステム(ワンタッチクリーンスイッチ付)を装備しながらも、ベース車からの価格上昇分を40,950円に抑えた特別仕様車「15X SV +プラズマ」・「15X FOUR SV +プラズマ」を発売。
2011年10月19日
オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダー ブラックライン」を発売。「15X SV」・「15X FOUR SV」をベースに「ライダー」の特別装備に加え、専用ダーククロムグリル(フロント・バンパー)、専用ダークエンブレム(Rider/AUTECH)、インテリジェントエアコンシステム、FUJITSUBO製専用スポーツマフラー&専用バンパーフィニッシャーを特別装備した。

2代目 E12型(2012年 - )

2012年7月16日に横浜市大さん橋で新型グローバルコンパクトカーとして世界初公開[4][5]され、同車は日本において2代目ノートとして9月に発売することがアナウンスされた[6]。その後、2012年8月28日に公式発表、9月3日に販売開始された[7]

開発責任者は商品企画本部の水口美絵(みなくち みえ)が務めた[8]。女性の開発責任者は日本の自動車メーカーでは初となる[9]

エンジンは先代の1.5L/1.6L・直列4気筒から1.2L・直列3気筒にダウンサイジングされ、直噴ミラーサイクルエンジンと高効率スーパーチャージャーを組み合わせている。

生産は追浜工場から日産自動車九州へ移管し、年産12万台を予定。 2013年に発売予定である欧州では、英国日産自動車製造サンダーランド工場で生産予定となる。他に北米でも生産し、世界生産・販売台数の予定は年間35万台と発表。日産自動車の西沢正昭常務執行役員は「国内ではモデルライフ平均で年間12万台を計画しているが、今年度は9月3日の発売から7か月で10万台突破を狙っている。もちろん日産の車種の中で最量販車種となるので、我々日本の販売ビジネスを預かる立場としても、それから日本の100万台生産を確保するためにも大変重要な車種。当然、販売ランキングトップテンの上位にくる車として育てていく」と日産自動車九州での記者会見で述べた。販売開始直後から好調な売り上げを見せ、販売開始から約2週間を経過した時点で月間販売目標の2倍以上にあたる21,880台を受注したことを発表[10]。その結果、同年9月の売り上げは18,355台となり、ハイブリッド車を除くガソリン登録車でナンバーワンの売り上げを記録、その後も2013年4月までの8か月連続でハイブリッド車を除くガソリン登録車ナンバーワンを維持した。これにより、2012年度下半期(2012年10月 - 2013年3月)並びに2013年上半期(2013年1月 - 6月)の販売台数においてもハイブリッド車を除くガソリン登録車でナンバーワンの売り上げを記録した。また、2013年次のRJCカー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。

車名の由来

車名の「ノート」(note)は、音符の意味と雑記帳の意味を掛けている。これには、日常の何気ない音に混じり、また生活を記録することで使用者の生活の一部になって欲しい、という開発陣の願いがこめられている。

同時に、N・O・T・Eは、トランク部分の活用モードの名称の頭文字であり[11]、初代型のみ載せる荷物により、

  • N:二段トランクモード
  • O:オープン・モード
  • T:たっぷりモード
  • E:イージー・フラット・モード

の4種に活用できる。

また、パリサロンで発表されたコンセプトカーは、車名が「トーン」 (tone) であり、こちらも音色などを表す語である。トランクは、

  • T:トゥイン・トランク・モード
  • O:オープン・モード
  • N:ノン・リッド・モード
  • E:イージー・フラット・モード

とノートの機能の順番を並び替えずに頭文字を車名にあわせることができる。

脚注

  1. ^ a b ノート 新車試乗レポート BIGLOBEクルマ
  2. ^ Twitter / NissanJP 2010年8月18日 - 12:07のツイート - 日産自動車公式Twitter
  3. ^ 日産のクロスオーバー『キャシュカイ』、英工場で生産へ Response.(2005年2月2日)
  4. ^ この模様はUstreamでも配信された。
  5. ^ 次期新型日産ノート、世界初公開!CORISM 2012年7月16日
  6. ^ 新型グローバルコンパクトカーを世界初公開 日産自動車 ニュースリリース 2012年7月16日
  7. ^ 新型「ノート」を発表 日産自動車 ニュースリリース 2012年8月28日
  8. ^ 日産ノート【開発者インタビュー】 (2012.12.21)Web CG 2012年12月21日(2014年8月11日 閲覧)
  9. ^ 日産「ノート」に女性開発責任者を起用 国内自動車メーカーで初めてSankeiBiz 2012年7月31日(2012年8月1日 閲覧)
  10. ^ 新型「ノート」が発売2週間で約2万2千台を受注 - 日産自動車 ニュースリリース 2012年9月19日(2013年5月18日閲覧)
  11. ^ 日産 ノート 新車試乗レポート Car@nifty

関連項目

外部リンク