日本語の方言のアクセント

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日本語の方言のアクセント(にほんごのほうげんのアクセント)では、日本語アクセントの地域による違いや分布、またアクセントの歴史について記述する。

概要

日本語の方言は、多くが高低アクセントを持っており、英語のような強弱アクセントではない。ただし、一部の方言はアクセントがなく、無アクセントとされる。有アクセントの方言のうち多くの方言では、音の下がり目がどこにあるかが区別される。例えば東京方言で「雨が」は「めが」と発音され「あ」の後に下がり目がある(高く発音する部分を太字で表す。以下同じ)。「足が」は「あが」と発音され「し」の後に下がり目があり、「風が」は「かぜが」と発音され下がり目がない。下がり目の直前の拍を下げ核(アクセント核)と言い、で表す。東京方言の「雨」は○型を持ち、「足」は○型で、「風」は○○型(下げ核がない)である。上がり目は単語固有のアクセントではなく、たとえば「このかぜが」「このあしが」のように移動することがあり得る。

日本語のアクセントは地方によって異なっているが、無秩序に異なっているのではなく、規則的な対応関係がある。たとえば「風が」「鳥が」「牛が」を東京で「低高高」と発音し、京都で「高高高」と発音する。「足が」「犬が」「月が」を東京で「低高低」、京都で「高低低」と発音する。「雨が」「秋が」「声が」を東京で「高低低」、京都で「低高低」と発音する。このような規則的な対応関係は、東京と京都だけでなく全国の方言間にあり、このことは、全国の方言アクセントが一つの祖アクセント体系から分かれ出たことを意味する。そして、文献資料や現代方言の比較から、記録に残る平安時代の京都アクセントが祖アクセントに最も近い体系を有していたと考えられている。祖体系に見られるアクセントの型区別に従い単語を分類した各グループを(語類)と呼ぶ。2拍名詞には1類から5類までの5つの類があり、前述の「風・鳥・牛」は1類、「足・犬・月」は3類、「雨・秋・声」は5類である。現代諸方言のアクセントは、平安期京都アクセントに近いものが様々な変化をしてできたものと考えられ、各地とも変化の過程ではいくつかの類が統合して同じ型になっている。現代諸方言のアクセントは、各類がその地でどのような組み合わせで統合しているか、また各類がどういう型になっているかによって比較することができる。

日本語のアクセント分布

全国のアクセントの分布は右の図のようになっている。比較的広範囲で話されているものに、東京式アクセント(乙種アクセント)、京阪式アクセント(甲種アクセント)、二型式アクセント(西南九州式アクセント)があり、またそれぞれの変種アクセントや中間アクセントがある。

全国のアクセント概観

東京式アクセント

東京式アクセントが分布するのは、北海道東北北部、関東西部・甲信越東海三重県除く)、奈良県南部、近畿北西部・中国地方四国西南部、九州北東部である。東京式アクセントは、さらに内輪東京式、中輪東京式、外輪東京式に分けられ、またそれぞれの変種アクセントが存在する。東京式アクセントでは、下げ核()がどこにあるかが弁別される。中輪東京式の、各類のアクセント型は次のとおりである。一拍名詞の○型は助詞が付くと「こ」(子が)、型は「が」(木が)のように発音する。

中輪東京式アクセント
  語例 アクセント型
一拍名詞 1類 子・戸・血
2類 名・葉・日
3類 木・手・目
2拍名詞 1類 牛・風・鳥 ○○
2類 石・音・紙
3類 足・犬・月
4類 糸・笠・何
5類 雨・猿・春
2拍動詞 1類 行く・着る ○○
2類 有る・見る

これに対し内輪東京式や外輪東京式では多少の違いがある。内輪東京式では、一拍名詞2類が型(が)である。外輪東京式では、二拍名詞2類が○○型(いしが)である。

京阪式アクセント

京阪式アクセントは近畿大部分から福井県小浜市付近と、岐阜県揖斐川町、四国の大半に分布する。京阪式アクセントは、下がり目の位置だけでなく、語頭の高低も弁別するアクセントで、東京式とは体系を異にする。語頭の高いものを高起式、低いものを低起式と言い、高起式をH、低起式をLと表す。たとえば二拍の名詞にはH○○型、L○○型、H○型、L○型がある。H○○型の語彙には「風」などがあり、「風」「風が」は高く始まって平板に発音する。L○○型の語彙には「何」などがあり、「何」「何が」は低く始まって文節末へ向かって音の上昇が聞かれる。H○型の語彙には「足」などがあり、「し」「しが」のように発音される。L○の語彙には「雨」などがあり、助詞付きでは「あが」のように発音される。京阪式では拍内での音の下降(拍内下降)が聞かれることがあり、近畿中央部などでは「雨」は助詞を付けない単独の発音では「め」に拍内下降がある。

京阪式アクセント
  語例 アクセント型
一拍名詞 1類 子・戸・血 H○
2類 名・葉・日 H
3類 木・手・目 L○
二拍名詞 1類 牛・風・鳥 H○○
2類 石・音・紙 H
3類 足・犬・月 H
4類 糸・笠・何 L○○
5類 雨・猿・春 L○
二拍動詞 1類 行く・着る H○○
2類 有る・見る L○○

和歌山県那智勝浦町や、三重県度会郡南部では、高起式の語の第一拍が低く発音される。たとえば、主流の京阪式で「かぜが」「さくらが」「あたまが」と発音するものを、「かぜが」「さくらが」「あまが」のように発音する。ただ、その前に下げ核のない語がつくと、「このかぜが」「このさくらが」「このあたまが」のように語頭が高くなる。一方、低起式の語は語頭が低いままであり、この地域のアクセントも高起式と低起式を区別する体系を持っている。

三重県尾鷲市早田村から熊野市海岸部・御浜町紀宝町にかけてのアクセントは、山口幸洋によるとほぼ同質のアクセント(熊野式)で、二拍名詞では1類が○○型、2・3類は○型、4類は上昇性のない平板な発音、5類は○型である[1]。ただし2・3類は、単独では「し」だが助詞付きでは「あしが」となる傾向が強い。1類は「かぜが」「かぜが」「かぜ」の全てがありえ、しかし4類とは区別される。4類には珍しい現象があり、前に語が付くと「このいと」と発音される。

石川県能登のアクセントは地域による変異が激しいが、能登主流のアクセントでは、2拍名詞の1類は「か」「かぜが」のように発音され、2・3類は「い」「いが」となり、4類は「うみ」「うみが」で低く平板、5類は単独では「あ」だが、助詞が付くと「あめ」になる[2]。したがって能登では、「低高高」と「低低高」と「低低低」は区別される。ただし能登では、2拍目の母音の広狭によって発音の違いがある。金田一春彦は、この能登のアクセントは京阪式から東京式に変化する途中のアクセントであると考えた。

垂井式

京阪式から、高起式と低起式の区別をなくしたようなアクセントが、近畿周縁部や四国山間部、北陸の一部に分布している(上の分布図で「京阪式の変種Ⅰ」とされる地域)。このうち、兵庫県赤穂市相生市たつの市や和歌山県新宮市・旧本宮町などのアクセントをC型アクセントと呼び、二拍名詞5類を「あめが」または「あが」と言い、1類と4類が統合して「いとが」または「いとが」と言い、2・3類は「しが」となる。これらは、下げ核だけを弁別する東京式と同じ体系であり、1・4類が○○型、2・3類が○型、5類が○型である。一方、岐阜県垂井町や福井県大野市勝山市京都府福知山市、兵庫県丹波市などでは5類は○型になっている。これらの地域では1・4類が○○型で2・3・5類が○型であり、B型アクセントと呼ばれる[3][4]

富山県のアクセントでは、B型アクセントから、さらに母音の広狭に応じて変化が起きている。2・3・5類のうち、二拍目が広母音のものは○型で、二拍目が狭母音のものだけ○型でとどまっており、表面上はやや東京式に近いアクセントになっている。

讃岐式

香川県徳島県北西部、愛媛県東部には、讃岐式アクセントが分布する。讃岐式は京阪式に近いものの、二拍名詞で3類が1類と統合して「いぬが」または「いぬが」となっている。2類は「しが」、4類は「いとが」(低く平板)、5類は「あが」(高松などでは二拍目に拍内下降がある)。讃岐式は内部に様々な変異があり複雑な分布をしている。塩飽本島粟島、愛媛県四国中央市、徳島県旧山城町、徳島県旧一宇村では、二拍名詞は2類は○型、4類は○○型だが、1・3・5類が○型になる。

真鍋島式

岡山県の真鍋島のアクセントでは、二拍名詞は、1・5類が「か」、4類が「い」、2類が「」(二拍目に拍内下降あり)、3類が「いぬ」型となっている。香川県佐柳島のアクセントもこれに似るが、複雑な体系を持っており、型の種類が全国で最も多い[5]

伊吹島アクセント

香川県の伊吹島には、二拍名詞の5つの類を全て区別するアクセントがある。そのため、平安時代の京都アクセントに最も近いと言われるが、それぞれの類がどういうアクセントであるかには、研究者でも見方が分かれている。

準京阪式の諸アクセント

新潟県佐渡のうち、北端部と南西部では二拍名詞の1・5類が○型、2・3類が○型、4類が○○型である。佐渡中央部では、1・4・5類が統合して○○型、2・3類が○型である[3][5]

岐阜県関ケ原町今須[6]や、愛媛県八幡浜市のアクセントでも、1・4・5類が○○型、2・3類が○型である。三拍語を見ると、室町時代の京都アクセントでH○○○型(桜)、L○○○型(うさぎ)、L○○型(いちご)だったものが統合して○○○型になり、室町時代京都でH○○型(頭)だったものは○○型、H○○型(命)だったものは○○型になっている[5]

石川県旧白峰村のアクセントでは、二拍名詞の1類が型、2・3類が○型、4・5類が○○型である。三拍語では室町時代の京都アクセントでH○○○型だったものが○型に、H○○型が○○型に、H○○が○○に、L○○○型とL○○型が統合して○○○型になっている。や○は正確には下降式と呼ばれる型で、二拍目が最も高く、三拍目以降は緩やかに下降していく。ただし助詞の付かない二拍語では一拍目がやや高く二拍目には小さな拍内下降が聞かれる[5][7]加賀地方の平野部では、これが母音の広狭に応じて変化している。例えば加賀市大聖寺では、二拍名詞の1・2・3類のうち、二拍目が狭母音(i、u)を持つものは○型で、二拍目が広母音(a、e、o)を持つものは○型である。一方で金沢市(昭和生まれ)では、1・2・3類のうち、二拍目が有声子音かつ狭母音のもの(犬など)が○型で、二拍目が無声子音または広母音のもの(池・山など)は○型である。ただし、金沢市の明治生まれを中心に大正中ごろまでに生まれた世代では、1類はすべて○型で、2・3類とは区別される[8]。また金沢市でも4・5類は○○型である。また福井県旧今庄町では二拍名詞の1・2・3類が○型、4・5類が○○型になっている。

三重県紀北町のアクセント(長島式)では、二拍名詞は、1類が○○(下がり目なし)、2・3類が○、4・5類が○という体系を持っている[1]。また同種のアクセントが奈良県下北山村池原にもある。尾鷲市中心部・九鬼のアクセント(尾鷲式)は紀北町のものに近いが、複雑な体系を持っており、研究者によって解釈も分かれる。1類は○○型、2・3類は○型である。1類は「う」、「うっしゃ」(牛が)のように発音される(この地域の方言として助詞は前の語と融合して発音される)。4・5類は、単独では「いと」と発音されるものの、○○型の「この」が前に来ると、「こいと」のように低く発音される。また、4・5類の後に付く語は「いときる」のように低く発音される。ただし、4・5類の後の助詞は低くならず、「あんみゃふる」(雨が降る)のように助詞の後が低く発音される。金田一春彦はこれを、4・5類には語頭の直前に下がり目があるため「こいと」のようになり、また二拍目の直後にも下がり目があるため「いときる」のようになると解釈した[9]

奈良県下北山村の大瀬・音枝(いずれもすでに水没して現存せず)と、三重県尾鷲市古江のアクセントでは、二拍名詞は1類が○○型、2・3・4・5類が○型である[1]

また、東京式と垂井式の接触地域の一部、兵庫県赤穂市福浦や佐用町末包、奈良県五條市大塔町阪本・天川村中谷、岐阜県海津市南濃町境・松山などでは、二拍名詞の1類のみ○○型で、2・3・4・5類が○型である[3][4]。これはA型アクセントと呼ばれ、垂井式に分類されることもあるが、4類が1類とは別になっている点から、垂井式とは系統的に異なる可能性がある。

岡山県備前市日生町寒河は、二拍名詞は1類が○○型、2・4・5類が○型、3類が○型である。東京式に近いが、1類と2類と3類の区別をもつ点が珍しい[10]

西南九州二型式

九州西南部には、二型式アクセントが分布する。二型式アクセントとは、拍数が増えても、アクセントの型が2種類しかないアクセントのことであり、後述の三国式アクセントもそうである。九州西南部の二型式では、単語はA型とB型のどちらかに属しており、例えば鹿児島県大部分では、A型は「ぜ」「かが」「さら」「さくが」のように句末から2拍前の音節が高く発音され、B型は「か」「かさ」「あた」「あたま」のように最終音節が高く発音される。また長崎県南部では、A型は「ぜ」「かぜが」、B型は「か」「かさ」である。一拍名詞では1・2類がA型、3類がB型に発音され、二拍名詞では1・2類がA型、3・4・5類がB型に発音される。

一型式アクセント

宮崎県都城市・鹿児島県旧志布志町には、一型式アクセントがある。この地域の一型式アクセントは、すべての単語・文節において、最後の音節を高く発音するというもので、全ての語のアクセントが同じである。したがってアクセントによって単語を弁別する機能はないが、文節のまとまりを与える機能をもつ。

曖昧アクセント

栃木県佐野市群馬県館林市板倉町付近は東京式と無アクセントの間の曖昧アクセントである。

無アクセント

東北南部・関東北東部や八丈島、静岡県大井川上流域、福井県嶺北地方平野部、九州中部などでは、単語に固有のアクセントを持たない。

隠岐のアクセント

隠岐のアクセントは、狭い範囲で激しい地域差がある。大きく分けても知夫、浦郷・海士・磯・西郷、都万・五箇・中村の3つに分けられ、それぞれも集落による違いがある。下表はそれぞれの代表地点として知夫・海士・都万のアクセントを示したもので、/で区切られた左側が助詞を付けない単独形、右側が助詞を付けた形である(例えば知夫での「池」は「け」「いけが」)。海士にある「降」は拍内下降を表す。知夫のアクセントは、拍数が増えてもアクセントの型の種類は2種類のみである[11][5]

隠岐のアクセント
二拍名詞 語例 知夫 海士 都万
1類 風・口 低高/中低-高 低降/低高-低 低高/低低-高
2類・3類 池・石 高低/高高-低 高低/高低-低 高低/低高-低
4類・5類 雨・息 低高/中低-高 低高/低高-高 低低/低低-低

三国式アクセント

福井県嶺北の平野部には、中央部の無アクセント地帯を囲むようにして、三国式と呼ばれる二型アクセントがある。ただし型の区別はあいまいである。二拍名詞では、1・4・5類を「ぜ」「かが」、2・3類を「い」「いしが」のように発音する[5]。これは下がり目の有無のみが区別されており、1・4・5類が下がり目あり、2・3類が下がり目なし、という体系である。福井弁#発音も参照。

奈良田・埼玉東部アクセント

日本語の多くの方言では、音の下がり目の位置を区別する(京阪式などでは語頭の高低も)が、上がり目の位置を区別する方言もある。山梨県早川町奈良田がその代表で、奈良田のアクセントでは上げ核を弁別する。上げ核は、その次の音を上げるはたらきを持つ。上げ核の位置は、周辺の中輪東京式アクセントの下げ核の位置とほぼ同じで(中輪東京式から変化した)、しかし核の種類が違うため高低はまったく違ってくる。「ぜが」(風が)は上げ核のない発音で、奈良田では原則として語頭が高いが、これは弁別されるものではない。また、上げ核の後の高い部分は、原則として一拍である。○型の「猿」は「さが」、○型の「山」は「」と発音される。三拍語になると、○○○型(くらが)、○○型(かとが)、○○型(が)、○○型(がみ)のようになる[12]

埼玉県東部も似たアクセントであり「埼玉特殊アクセント」と呼ばれる。埼玉特殊アクセントの中でも、地域による違いが大きく、例えば蓮田市では「あめが」(雨が)、「いしが」(石が)、「あが」(秋が)、加須市では「あめが」(雨が)、「しが」(石が)、あきが」(秋が)のようなアクセントであり[13]、型の区別があいまいである。

青森などのアクセント

同じく音の上がり目を区別するアクセントで、昇り核を弁別するものがある。昇り核は、その音節・拍が上がるというものである。昇り核によるアクセント体系は、青森県の青森市弘前市、岩手県雫石町から報告されている[12][14][15]。これらの方言では、単語の言い切りの形では東京式アクセントと同じ音調であるため東京式アクセントに分類されていたが、文中での接続の形から、下がり目を弁別しているのではないことが明らかになった。たとえば弘前市では、「猿」は言い切りの形では「る」であるが、文がつながっていく場合では「さるも…」となる。「山」の言いきりでは「や」(ただし二拍目に拍内下降がある)だが、接続の形では「やまも…」となる。弘前市のアクセントで弁別されるのは上がり目であり、下がるのは言い切るときの最後の一つ前と決まっている。「猿」は○型、「山」は○型であり、昇り核のあるところから高くなる。三拍語では、○○型では「きつねも…」、○○型は「うさぎも…」、○○型では「おとこも…」のようになる[12]この昇り核アクセントについては金田一春彦がアイヌ語との関連性を指摘している。[要出典]

琉球方言のアクセント

琉球方言のアクセントは多様性が大きいが、これまでの研究によれば、類の統合の仕方から見て、二拍名詞で1・2類/3類/4・5類となる外輪東京式の系統が徳之島沖縄本島北部などに、1・2類/3・4・5類となる西南九州二型式の系統が沖縄本島南部や八重山列島などに存在するとされている。他に、1・2・3類/4・5類のアクセントや、一型式、無アクセントの地域があるが、いずれにしろ九州に存在する諸アクセントと同じ各系統が入り乱れて分布しており、本土方言と大きく対立する特徴はないとされてきた[16][17][5]

一方で、琉球方言のアクセントでは本土方言には見られない語群の統合をしているとする見方がある。二拍名詞の3・4・5類は、琉球方言では各類が分裂して別々の型に属しており、本土方言の「類」ではなく、A・B・Cの「系列」によって整理できるとする見方である[18][19][17]

アクセントの類型

どの語類がどのアクセント型に属すか、という対応を離れて、各方言でどのようなアクセントの弁別体系を持っているのかを見る。

日本語のアクセントには、「位置のアクセント(狭義のアクセント)」によるものと、「語声調(トーン)」によるものがあり、両方を持つものもある。位置のアクセントとは、どの拍・音節にアクセント(アクセント核)があるか、が有意味なものであり、下げ核の位置を弁別する東京式アクセントがこれに該当する。語声調(トーン)とは、各語・文節はどのパターンを持つか、が有意味なものである[20]。語声調は、単語・文節全体にかかる音調パターンであり、その方言においてどのパターンがあるかが決まっている。例えば鹿児島方言では、最後から2音節目が高く最後に下降するA型と、最後の1音節が高いB型の2種類の語声調を持っている[注釈 1]。京阪式アクセントは、この語声調と位置アクセントの両方を持ち、高起式・低起式の2つの語声調(トーン)と、下げ核の位置が組み合わさったものである。

アクセント核を持つ東京式アクセントや京阪式アクセントでは、拍数が増えるとそれだけアクセントの型の種類も増える。たとえば東京では、2拍語には「かぜ」「る」「い」の3種類、3拍語には「さくら」「より」「たご」「かが」の4種類のアクセントがある。つまりn拍語にはn+1種類のアクセントの型がある。このような、拍数が増えるに従ってアクセントの型が増えるものを、多型アクセントと呼ぶ[21]

一方、西南九州二型式アクセントでは、型の区別は拍数が増えても2種類である。また、島根県隠岐諸島(知夫を除く)では、拍数が増えても型の種類は3種類までである[22]。このような、拍数が増えても型の区別が一定数以上に増えないものを、N型アクセントと呼ぶ[21]。N型アクセントは、語声調に近い概念である。

  • トーン、位置アクセント(多型)--京阪式
  • 位置アクセント(多型)--東京式
  • トーン(N型)
    • 三型--隠岐
    • 二型--九州西南部
    • 一型--都城

歴史

京都アクセントの変遷[23]
  語例 名義抄式 補忘記式 現代
一音節名詞 一類 子・戸 高(高)〜高高(高)
二類 名・日 降(低)〜高低(低)※
三類 手・目 低(高)〜低低(高)
二音節名詞 一類 風・鳥 高高(高)
二類 石・音 高低(低)※
三類 犬・月 低低(高) 高低(低)
四類 糸・笠 低高(高) 低低(高)
五類 猿・雨 低降(低)※
三音節名詞 一類 形・桜 高高高(高)
二類 小豆・女 高高低(低)※ 高低低(低)
三類 力・二十歳 高低低(低)※
四類 頭・男 低低低(高) 高高低(低) 高低低(低)
五類 朝日・命 低低高(高) 高低低(低)
六類 雀・兎 低高高(高) 低低低(高)
七類 薬・便り 低高低(低)※
二音節動詞 一類 行く・着る 高高
二類 有る・見る 低高

日本語のアクセントの歴史については、京都のアクセントの記録が平安時代から残っており、今の京阪式アクセントになるまでにどのような変化をしてきたのかが明らかになっている。代表的な資料に、平安時代後期の『類聚名義抄』や、室町時代のアクセントを記した『補忘記』がある。京都のアクセントは、南北朝時代に大きな変化をしており、それより前の時代のアクセントを名義抄式アクセント、それより後の室町時代のアクセントを補忘記式アクセントと呼ぶことがある。また、補忘記式では低起式の語は1拍目のみ低く2拍目から高かったが、現代では上がり目が後退している。各類の、名義抄式アクセント(平安後期)から補忘記式アクセント(室町)、現代京都アクセントまでの変遷は右のようになっている(「降」は拍内下降。カッコ内は助詞。ただし※を打った類については、平安時代にはむしろ、助詞は高く発音されることが多かったと考えられる)。

名義抄式アクセントに見られるアクセントの区別を類という。京都では南北朝期の変化によって類が統合し、二音節名詞では1類/2・3類/4類/5類という区別をするようになり、三音節名詞では1類/2・4類/3・5類/6類/7類という区別体系になった。例えば二拍名詞では「低低」だった3類が「高低」になって2類と統合した。アクセントの変化においては、一度統合してしまった類は、その区別を再び獲得することはできない。「音・月・犬・石・足・紙 」などの語彙が同じアクセントになってしまったら、このうち「石・音・紙」が「高低(低)」で「月・犬・足」が「低低(高)」だったという区別を復元するのは不可能である。ところが、外輪東京式アクセントでは、二音節名詞は1・2類/3類/4・5類という類の区別をしており、三音節名詞では1・2・3類/4類/5類/6・7類となっている(それぞれ○○○/○○/○○/○○)。外輪東京式では、京阪式では失われた二音節名詞2・3類や三音節名詞2・4類の区別があり、しかも外輪東京式は東北地方や大分県など日本の離れた地域に散在している。また、讃岐式アクセントでは、二音節名詞は1・3類/2類/4類/5類という区別体系である。こうした事実から、比較言語学の手法を用いることにより、全ての類を区別する名義抄式アクセントを祖アクセントとして想定し、これが各地で別々の変化・類の統合を起こして現代方言のアクセントができたと考えることができる。金田一春彦は、東京式アクセントは京阪式アクセントが変化して生まれたと推定し、これがほぼ定説に近いものとなった。

金田一春彦の説

京阪式[注釈 2]から中輪東京式への変化(金田一説)
  語例 京阪式 >中間形 >東京式
一音節
名詞
一類 子・戸 こが
二類 名・日
三類 手・目 てが
二音節
名詞
一類 風・鳥 かぜが ぜが
二・三類 石・犬 しが
四類 糸・笠 いと いとが とが
五類 猿・雨 さる るが
三音節
名詞
一類 形・桜 かたちが たちが
二・四類 小豆・頭 あずきが ずき
三・五類 力・心 からが らが
七類 薬・便り りが くす すりが
二音節
動詞
一類 行く・着る いく
二類 有る・見る ある
三音節
動詞
一類 上がる・明ける あがる がる
二類 動く・起きる ごく
三音節
形容詞
一類 赤い・暗い あか かい
二類 白い・高い ろい
三音節一段動詞二類+て 起きて・掛けて おき きて
三音節形容詞二類連用形 白く・高く しろ ろく

金田一春彦は、京阪式アクセントが変化して東京式アクセントを生じ、外輪東京式が変化して九州の二型式アクセントを生じたとするなど、全国ほとんどの方言アクセントの成立過程を推論している。金田一が推定した、京阪式(江戸時代京都・現代和歌山アクセント)から東京式への変化は次のようなものである[24][25]

  1. まず、高い部分が一拍後ろにずれた(山の後退)。(例)高高>低高、高低>低高、低高>低低、高高高>低高高、高高低>低高高、高低低>低高低、低低高>低低低、低高低>低低高
  2. 次に、語頭に低い拍が続く語は、語頭が高くなった(語頭隆起)。(例)低低>高低、低低低>高低低、低低高>高低高>高低低

1の変化は、高い部分を後ろに送ることにより、発音を楽にしよう、発話の負担を減らそうとする変化である。2の変化は、低い拍が続くことを嫌い、明晰な発音をしようとして起きた変化である。金田一は、これらの変化は起きやすい変化であり、日本の複数の地域で同じような変化をして、東京式を生じたと考えた。内輪・中輪東京式はこの変化で説明でき、ほとんどの類・品詞で同様に考えると京阪式から東京式への変化が導ける(ただし、三音節名詞6類だけは例外で、上記の法則で導けない)[5]

外輪東京式アクセントは、補忘記式以降の京阪式とは類の統合の仕方が違うため、補忘記式からの変化ではなく、名義抄式からの変化である。外輪東京式の地域では、まず名義抄式で高起式の語が全て無核型になった(しが>いしが)後、京都で南北朝期に起こった変化(いぬぬが)が起き、その後内輪・中輪東京式と同じように山の後退、語頭隆起の変化を起こして東京式になった。また、中輪東京式と内輪東京式の違いをみると、内輪東京式の地域では、一音節名詞二類は型(が)である。これは、「あが>なが」の変化をした後、第一音節が短くなって「が」になったと考えた。逆に中輪東京式の地域では、先に第一音節が短くなって「あが>が」となった後、アクセント変化が起きて「な」になったとした。また五段動詞に「て」のついた形は、京阪式の「んで」に対し中輪東京式で「とんで」になっている。これは、中輪東京式の地域では「飛んで」が二拍だったため[注釈 3]、「んで」から高い部分が後退すると「で」に高音部が移ることになったためと考えた。以上が金田一の、京阪式から東京式が生まれたとする推論である[5]。なお、石川県の能登半島のアクセントは、二拍名詞1類「かぜが」、2・3類「いが」、4類「いとが」、5類「さる」というアクセントだが、金田一はこれを、京阪式から山の後退だけが起き東京式アクセントになりかけているアクセントだとした。

金田一は他方言のアクセントについてもその成立過程を推論している。讃岐式アクセントは、名義抄式が直接変化したもので、補忘記式アクセントを経ていないと考えられる。名義抄式から、語頭に低い音節が続く語で変化が起こり、二音節名詞3類で「やまやまが」、三音節名詞の4類で「あたまあたまが」、5類で「あさひがあさひが」の変化が起こって讃岐式ができたと考えた。垂井式アクセントについては、京阪式が高起式と低起式の区別を失ってできたと考えた。また、九州の二型式については、現代の大分県にある外輪東京式からさらに山の後退と語頭隆起を起こし、「か>かぜ>ぜ」「と>い」のような変化でできたものと考えた。金田一の推論するアクセント変化は、山の後退と語頭隆起を繰り返すという点が中心である。たとえば、鹿児島県の枕崎市種子島のアクセントは、二型式アクセントからさらに「ぜ>か」「い>いと(>と)」の変化を起こしてできたと推論している[5]

分岐の時期

内輪・中輪東京式が補忘記式以降の京阪式から変化したと言っても、それは京阪式からの分岐時期が室町時代以降であったことを意味するわけではない。東京式アクセントが京阪式から分岐したのはもっと古い可能性があり、分岐後、補忘記式に近いアクセントを経て東京式になっただろうということである。「良く(良う)・まず・もし」などのアクセントは、京阪式・東京式ともに「高低」で一致する。これらのアクセントは、平安時代の京都では「昇低」(第一拍に拍内上昇があり、第二拍が低い)だったが、鎌倉時代には京都で「高低」になった。もしこの変化が起きた後に京阪式から東京式が分岐したなら東京式ではこれらは「低高」になるはずであり、東京式は鎌倉時代より前の京阪式から分岐したと考えられる[26]

また、奥村三雄は、古くからある日常的に使う漢語が、現代方言で和語と同じ対応関係を結ぶことを指摘している。つまり、二拍名詞1類に相当する「客・急・敵・得…」が京阪式でH○○型、東京式で○○型、九州の二型式でA型であり、3類に相当する「熱・肉・菊・毒…」が京阪式でH○型、東京式で○型、九州の二型式でB型に属す。このことは、これらの諸アクセントが分岐した時期が、漢語が話し言葉の中に浸透して以降、つまり平安時代以降であることを意味する[26]

このほか、室町時代の能楽師金春禅鳳の「毛端私珍抄」に、「犬」のアクセントが坂東・筑紫で「い」、四国で「いぬ」だとあり、現代方言と一致している(四国の「いぬ」は讃岐式と一致する)。

他の説

名義抄式、補忘記式、外輪東京式、九州二型式のアクセント体系(木部説)
  語例 名義抄式 補忘記式 外輪東京式 九州二型式
二音節名詞 一類 風・鳥 H○○ H○○ ○○ A型
二類 石・音 H H ○○ A型
三類 犬・月 L○ H B型
四類 糸・笠 L L B型
五類 猿・雨 L L B型
三音節名詞 一類 形・桜 H○○○ H○○○ ○○○ A型
二類 小豆・女 H○ H○ ○○○ A型
四類 頭・男 L○○ H○ ○○ B型
五類 朝日・命 L○ H○○ B型
六類 雀・兎 L○○ L○○ ○○ B型
七類 薬・便り L L ○○ B型

木部暢子は、個々のアクセント型の変化だけでなく、アクセント体系の変化をとらえている。例えば、名義抄式アクセントは右のように高起式と低起式、上げ核(次の拍を上げる。)と下げ核()の組み合わせだったが、現代の京阪式アクセントでは上げ核を失っている。また、九州の二型式アクセントにおけるA型・B型の区別が名義抄式の高起・低起に対応していることから、二型式アクセントは名義抄式から直接、高起>A型、低起>B型の変化を起こして成立したと推定している。A型は下がり目の有る型であり、下記のように高起下降式音調から自然に導き出すことができる[27]

九州の二型式や石川県加賀地方などのアクセントでは、名義抄式で高起式無核(下がり目がない)のもの(二拍名詞1類、三拍名詞1類など)が、有核(下がり目あり)になっている。このことから上野善道は、祖体系(名義抄式)アクセントの高起式は語頭から核まで平らな音調(平進式)ではなく、徐々に下降する音調(下降式)を持っていたと推定している。祖体系の高起式に下降式を想定することで、九州西南部や加賀地方などで、下降式が下がり目に変化したという自然な推定が可能だとしている。なお、下降式音調は現代方言でも石川県の白峰や香川県の観音寺市などに存在する[28]

名義抄式から補忘記式への変化は、語頭から低い拍が2拍以上続くものに起こったが、この変化の過程では、上昇の一拍前に下降が生じ、上昇の前で低くくぼむ型を経ている。たとえば、低低高→高低高→高低低(犬が・朝日)、低低低高→高高低高→高高低低(頭が)、低低高高→高低高高→高低低低(朝日が)のような変化である。これは、上昇を確実にするためにその直前に下降が生じたことが原因と考えられ、これによって、上げ核の一拍前に下げ核が生じ、それより後の拍の上げ核は消失した。木部暢子は、外輪東京式の成立についても似たような変化が起きたと推定している。名義式から、上昇の直前の拍の後半が沈むような形を経ることで、上げ核だった位置に下げ核が生じて外輪東京式が成立したとしている。この説によると、外輪東京式は、内輪・中輪東京式とは全く違う過程を経てできたアクセントということになる[29]

一方、山口幸洋は金田一説に対立する説を提出している。山口は、中央に京阪式、地方に無アクセントがあり、無アクセントの人が中央アクセントを習得しようとしたものの完全にはできず、変換作用によって諸アクセントが生まれたと考えた[30]

参考文献

  • 生田早苗(1951)「近畿アクセント圏辺境地区の諸アクセントについて」井上史雄ほか編『日本列島方言叢書13 近畿方言考1(近畿一般)』ゆまに書房、1996
  • 上野善道(1989)「日本語のアクセント」杉藤美代子編『講座日本語と日本語教育2 日本語の音声・音韻』明治書院
  • 上野善道(1977)「日本語のアクセント」大野晋・柴田武編『岩波講座日本語5 音韻』岩波書店
  • 上野善道(2006)「日本語アクセントの再建」『言語研究』160
  • 奥村三雄(1972)「第二章 古代の音韻」中田祝夫編『講座国語史2 音韻史・文字史』大修館書店
  • 亀井孝大藤時彦山田俊雄編(2007)『日本語の歴史5 近代語の流れ』平凡社、143-163頁
  • 北原保雄監、上野善道編(2003)『朝倉日本語講座③音声・音韻』朝倉書店
    • 上野善道「第4章 アクセントの体系と仕組み」
    • 中井幸比古「第5章 アクセントの変遷」
    • 上野和昭「第14章 アクセント研究の動向と展望(文献中心)」
    • 松森昌子「第15章 アクセント研究の動向と展望(現代語中心)」
  • 木部暢子(2008)「内的変化による方言の誕生」小林隆ほか『シリーズ方言学1 方言の形成』岩波書店
  • 木部暢子(2010)「方言アクセントの誕生」国立国語研究所『国語研プロジェクトレビュー』2
  • 金田一春彦(1977)「アクセントの分布と変遷」大野晋柴田武編『岩波講座日本語11 方言』岩波書店
  • 金田一春彦(2005)『金田一春彦著作集第七巻』玉川大学出版部
    • 「東西両アクセントの違いができるまで」
    • 「熊野灘沿岸諸方言のアクセント」
    • 「佐渡アクセントの系統」
    • 「讃岐アクセント変異成立考」
    • 「隠岐アクセントの系譜: 比較方言学の実演の一例として」
  • 新田哲夫 (1985) 「石川県白峰方言のアクセント体系」『金沢大学文学部論集 文学科篇 5』 NAID 110000976288
  • 松森昌子(2000)「琉球の多型アクセントについての一考察:琉球祖語における類別語彙3拍語の合流の仕方」『国語学』51-1 NAID 110002533578
  • 松森昌子(2009)「沖縄本島金武方言の体言のアクセント型とその系列:「琉球調査用系列別語彙」の開発に向けて」『日本女子大学紀要 文学部』58 NAID 110007097760
  • 山口幸洋(1997)「日本語諸方言のアクセント」杉藤美代子監修、佐藤亮一ほか編『日本語音声1 諸方言のアクセントとイントネーション』三省堂
  • 山口幸洋(2003)『日本語東京アクセントの成立』港の人
    • 「日本語東京アクセントの成立」
    • 「垂井式諸アクセントの性格」
    • 「能登のアクセント」
    • 「三重県南牟婁郡のアクセント」
    • 「南近畿アクセント局所方言の成立」

脚注

注釈

  1. ^ ただし鹿児島アクセントを位置のアクセントで解釈する説もある。
  2. ^ 江戸時代の京都、または現代の和歌山県や徳島県南部のアクセント。近畿中央部では幕末以降に用言のアクセントが変化しているためこの通りではない。
  3. ^ 「とん・で」と分けられる。古い日本語では拍と音節は一致しており、「ん」「っ」「ー」を一拍に発音しなかった。

出典

  1. ^ a b c 山口(2003)「南近畿アクセント局所方言の成立」
  2. ^ 山口(2003)「能登のアクセント」
  3. ^ a b c 山口(2003)「垂井式諸アクセントの性格」
  4. ^ a b 生田(1951)
  5. ^ a b c d e f g h i j 金田一(1977)
  6. ^ 生田(1951)
  7. ^ 新田 (1985)
  8. ^ 上野善道・新田哲夫(1982)「金沢方言の名詞のアクセント アクセント体系と所属語彙」および新田哲夫(1985)「加賀地方における2モーラ名詞アクセントの変遷」(井上史雄ほか編(1996)『日本列島方言叢書12 北陸方言考2 (富山県・石川県・福井県)』(ゆまに書房)に収録)
  9. ^ 金田一(2005)「熊野灘沿岸諸方言のアクセント」
  10. ^ 鏡味明克「岡山・兵庫県境南半部のアクセント」(井上 史雄ほか編(1997)『日本列島方言叢書18 中国方言考1 中国一般・岡山県』ゆまに書房)
  11. ^ 金田一(2005)「隠岐アクセントの系譜 -比較方言学の実演の一例として」
  12. ^ a b c 上野(1977)
  13. ^ 飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編(1984)『講座方言学 5 関東地方の方言』国書刊行会、176頁。
  14. ^ 北原保雄監修、江端義夫編集『朝倉日本語講座10 方言』朝倉書店、2002年、64頁。
  15. ^ 杉藤編『講座日本語と日本語教育2 日本語の音声・音韻』202頁、注1。
  16. ^ 飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編『講座方言学 10 沖縄・奄美の方言』国書刊行会、1984年、44頁。
  17. ^ a b 松森(2003)
  18. ^ 松森(2000)
  19. ^ 松森(2009)
  20. ^ 木部(2010)
  21. ^ a b 上野(1989)
  22. ^ 大原孝道(1959)「隠岐島のアクセント」、井上史雄ほか編(1997)『日本列島方言叢書 19 中国方言考2(鳥取県・島根県)』ゆまに書房
  23. ^ 秋永一枝『日本語音韻史・アクセント史論』笠間書院、2009年、91頁、表3・表4および亀井孝・大藤時彦・山田俊雄編『日本語の歴史 5 近代語の流れ』152-153頁、金田一春彦「国語のアクセントの時代的変遷」。
  24. ^ 金田一(2005)「東西両アクセントの違いができるまで」
  25. ^ 亀井・大藤・山田編(2007)
  26. ^ a b 奥村(1972)
  27. ^ 木部(2008)、木部(2010)
  28. ^ 上野(2006)
  29. ^ 木部(2008)
  30. ^ 山口(2003)「日本語東京アクセントの成立」