日本料理
日本料理(にほんりょうり・にっぽんりょうり)は、日本でなじみの深い食品を用い、日本の国土、風土の中で発達した伝統的な料理をいう[1]。日本食とも呼ばれ、日本風の食事を和食と呼ぶ[2]。食品そのものの味を利用し、旬を大切にする特徴がある[1]。
広義には日本に由来して日常作り食べている食事を含むが、狭義には精進料理や懐石などの一定の形式をふまえたものや、御節料理や彼岸のぼたもち、花見や月見における団子、冬至のカボチャなど伝統的な行事によるものである[3][4]。
2013年11月、「和食」の無形文化遺産への登録が、ユネスコの事前審査で勧告され、同年12月に登録された[5]。
概要
主に前近代(江戸時代以前)から日本に存在する料理の流れを引くものを日本料理・和食とするのが、一般的に普及している定義である。「日本料理」と「和食」と言う言葉は文明開化の時代に日本に入ってきた「西洋料理」や「洋食」に対応する形でできた言葉であり、「日本料理」は石井泰次郎[6]による1898年(明治31年)の『日本料理法大全』により一般化され、「和食」はそれ以降に現れたものであると見られている[7]。「日本料理」には料理屋で提供される高級料理のイメージがある一方、「和食」は家庭食も含む日本食文化全体を表す言葉としてよりふさわしいとされる[7]。
ユネスコの無形文化遺産に登録された和食は、「多様で新鮮な食品とその持ち味の尊重」「栄養バランスに優れた健康的な食生活」「自然の美しさや季節の移ろいの表現」「正月などの年中行事との密接な関わり」である[8]。日本は「和食」を料理や調理法だけでなく「いただきます」や「もったいない」といった食事という空間に付随することがらも含めた「自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」として提案[9][10][11]、年末年始における餅つきや御節料理、食育教育を中心にプレゼンテーションを行った[12]。
日本政府の外国向け「日本食レストラン推奨制度」では、具体的に懐石、寿司、天ぷら、うなぎ、焼き鳥、そば、うどん、丼物、その他伝統の料理を日本食としている[13]。
日本で独自に発生した料理で海外由来のものではなくても、近代以降に生まれたものについては、日本料理や和食とは区別される場合がある。例えば鉄板焼き料理については、日本料理店で鉄板焼きの食事ができる場合や[14]、同じホテル内に日本料理店と鉄板焼き店を併設している場合もある[15]。
特徴
日本の食文化の特徴として、多様で新鮮な食品、一汁三菜を基本にし栄養バランスに優れる、自然や季節の表現、正月等行事との関わりが挙げられている[11][16]。
日本料理は食品に手を余り加えず、そのものの風味、よさを引き立たせる傾向が強く、塩で甘みを引き出したり、だしの利用、アク抜きなど、しばしば「引き算の料理」と表現される[17][18]。
また、「食品の持ち味以上においしくしない」ことを原則とし「日本人はおいしいものを探しその持ち味を味わうことを第一としており、おいしくないものに手を加えてまで食べたいとは思わなかった」とその調理の「消極性」が表現されることもある[19]。
食品と調味料
米等の穀物、野菜、豆類、果物、魚介類や海藻といった海産物、鳥類等の肉が使わる。特に海産物と大豆加工食品が多様で、低脂肪、高塩分であるとされる。現代製塩によるほぼ純粋な塩化ナトリウムが食塩として普及する前は食塩の不純物や海草などに含まれるカリウムを大量に摂取して過剰なナトリウムを体外に排出していた(カリウムチャネルを参照)[20]。このような特徴は韓国料理や東南アジアの料理とも共通する。
調味はうま味を含んだだし、塩、醤油、味噌、日本酒や酢など。甘みには水飴・みりんが使われ、現在は砂糖も使う。ナタネ油、ゴマ油などの植物油も使う。食品を水にさらしたり茹でたり煮たりすることが多いため、水そのものの味も重視される。
食品
明治以降に普及した食品
- 食肉(日本の獣肉食の歴史を参照)。猪肉など狩猟よる動物もある。
- 白菜 、キャベツ、タマネギ、ブロッコリー、カリフラワーなど
- 乳製品(牛乳、コンデンスミルク、バター、チーズ) - かつて蘇、醍醐といった乳製品が存在した。
調味料
明治以降に普及した調味料
旬、季節感
季節感が重視される。旬の食品は美味しく、また市場に豊富に出回り値段も安く栄養価も高くなるため、味を楽しむ好機と考えられている。七草がゆのように、野草特有の自然なあく強さや苦味も味わう。また初鰹のような季節を先取りする「走り」、落ち鮎のような翌年まで食べられなくなる直前の「名残」など、同じ食品でも走り、旬、名残と三度の季節感が楽しまれる。
季節の表現は切り方や色でも表現される。春は淡いウドなどをサクラの花びらに見立てて切る。夏は青みのシロウリやキュウリを雷や蛇腹に切る。秋は鮮やかなニンジンなどをモミジやイチョウの葉に切る。冬や新年はユズを松葉に切ったり、ニンジンを梅の花に切ったり、ダイコンとニンジンで紅白を表現したりする。 [3][21][4][22]
割主烹従
日本料理の調理場を「板場」[23]、料理人や料理長を「板前」「花板」[24]とまな板と関連付けて呼び、切ること自体を煮炊きから独立した調理のひとつとしている。 [25] 「切る」ことを重視する日本料理の姿勢は「割主烹従(かっしゅほうじゅう)」と呼ばれ、包丁を使って「割く(切る)」ことが主で、「烹る(火を使った調理。煮る、焼く)」ことが従うとされる[26]。関連して、日本料理を「割烹」と呼び[25]、この言葉は江戸後期に関西から広まり、料理店などで使うようになった[27]。
椀刺(椀差)
日本料理の椀物(吸物)と刺身は、合わせて「椀刺」や「椀差」と呼ばれ、酒肴で重視される[28][29][30][31][32]。その味によって腕前を確かめられるともされる[26]。
配膳
日常の食事は、ご飯(白米等の穀物を炊いたもの)、汁物、惣菜は一度にまとめて配膳される。 懐石料理などでは、一品(あるいは一膳)ずつ順番に配膳される。 日本料理の食事作法は、他文化と異なる場合がある。
食器
食器は、漆器、陶器、磁器など。家庭では、ご飯茶碗・箸は、各人専用のもの(属人器)を用いる習慣がある。
暖かい時期には、薄手で浅めの磁器を主に、暑くなるとガラスの器なども使われる。涼しい時期には、厚めで深手の陶器を主に、寒くなると蓋付きの器なども使われる。 [3][21][4][22]
歴史
料理の伝来
日本列島に住んでいた人々は、採集・漁撈で得た山菜や獣肉、クリやドングリを食してきた。縄文時代より穀物の栽培が行われ、末期には稲作が始まった。煮物、焼き物、蒸し物など直火と水、鍋等で調理されていた。仏教を通して揚げ物等の料理や茶が伝えられた。7世紀後半に、家畜や猿などの野獣を食べるなという禁令が飛鳥時代に出された。
奈良時代
『日本書紀』に料理の記述がある。
平安時代・鎌倉時代
平安時代には唐揚げや唐煮、唐菓子などや、納豆なども食べられていた。 現在知られた範囲での形式として確立された最も古い料理様式が大饗(だいきょう/おおあえ)料理になる。 調味技術は未発達で料理は下味がつけられておらず、食べるときに塩や酢、醤(ひしお)、酒で調味をしていた。
鎌倉時代には、禅宗と共に喫茶の風習、がんもどきなどの食品加工技術が伝わった。大豆加工の技術や野菜料理の技法が発達した。
室町時代
室町時代に料理書『四条流包丁書』書かれたとされる。 精進料理が発達し、出汁の概念が生まれた。安土桃山時代に来日したジョアン・ロドリゲスは著書『日本教会史』の中で「能」(実践的な教養)として、「弓術・蹴鞠・庖丁」を挙げている。
また大饗料理から派生した「本膳料理」が成立した。後の懐石料理や会席料理に続く和食の重要な料理様式であったとも言える。作法の複雑さなど儀式的な意味合いも含まれ、明治時代以降には冠婚葬祭などを除き廃れてしまっている。
室町末期から安土桃山時代には南蛮船により南蛮料理や南蛮菓子(カステラなど)が伝わった。
安土桃山時代
本膳料理から発達した「懐石料理」が登場する。茶の湯の発達に伴うものであり千利休の影響が大きい。
醤油に関する記述が見られ始めるのがこの頃で、後の江戸時代の食文化に影響を与えた。関西(上方)から関東へ下っていたため江戸では「下り醤油」と呼ばれた。 関東で濃口醤油が生まれ本格的に普及するのは江戸時代中期以降になる。
江戸時代
関東の料理
江戸料理と呼ばれる[33]地元の材料を使用した料理が発展した[34]。
『絵本江戸風俗往来』に「江戸市中町家のある土地にして、冬分に至れば焼芋店のあらぬ所はなし」と焼き芋屋が大人気[35]であった。 初ガツオ・初ナスなど縁起を担ぐ事もあった[33]。 だしは鰹節を使い、醤油は濃口醤油[36]が使われた。 こしょうなど香辛料も利用され[37]、芳飯も鶏飯なども取り入れられ[37]、おじや、ねぎぞうすい[38]も食べられるようになった。
関西の料理
京都、大阪の料理は「上方料理」と呼ばれた。北前船で北海道産の昆布が輸送された。 瀬戸内の魚介類や近郊の野菜に加えて、全国の産物も集められた。そのため「諸国之台所」と評された。
その他
それまで貴族や武士などの特権階級が独占してきた料理技法が「出版」という形で広く庶民に知れ渡ったのも特徴である。「料理切形秘伝抄」、「料理物語」などさまざまな料理本が出版された。初期は寺院が金銭の代わりに料理を提供していたが江戸中期には料理茶屋・料理屋が市中に数多く出現した。
江戸後期には「会席料理」が登場する。本膳料理を簡素化し、酒の席で楽しむ料理として成り立った。
明治時代以降
明治には、肉食が解禁され、江戸期には細々と食べられていた牛鍋などが流行した。
柳田國男は『明治大正史 世相篇』の中で「明治以降の日本の食物は、ほぼ三つの著しい傾向を示していることは争えない。その一つは温かいものの多くなったこと、二つは柔らかいものの好まるるようになったこと、その三にはすなわち何人も心付くように、概して食うものの甘くなってきたことである」という[39]。
明治には海外と交渉のある階層を中心に西洋料理が食べられるようになった。各地の西洋料理店(洋食店)では、西洋料理の他に、日本人の手で日本風に作り変えた料理が生み出された。家庭では銘々膳の風習にかわり、ちゃぶ台が使われるようになった。
戦後物資不足の中、アメリカからの食糧援助として小麦粉が大量に輸入され、学校給食でもパンが提供された。安価に大量供給された小麦粉により、お好み焼きなど小麦の粉食による鉄板焼き料理も発達した。 また国内外の中国人、朝鮮人との交流でそれらの影響のある料理も登場した。
分類
伝統形式と料理
伝統的な形式が現在に伝わる料理を挙げる。
- 御節料理 - 節会や節句のための料理で、特に正月の料理[22]
- 有職料理 - 節会などの宴会における儀式料理[4]
- 本膳料理 - 脚つきの膳に一人分の料理をのせて、本膳、二の膳、三の膳などと組み合わせた料理[3]
- 精進料理 - 中国の寺院から伝わった、植物性の食品や調味料で作る料理[3]
- 懐石料理 - 茶の湯の食事で、お茶をおいしく飲むための料理[3]
- 会席料理 - 宴会や会食のためのコース料理[3]
- 普茶料理 - 隠元が中国から伝えとされる精進料理。[4]
- 卓袱料理 - 長崎の出島により発展した料理。[4]
行事と料理
年中行事や冠婚葬祭など行事と結びついた日本料理も多い。餅や赤飯、団子や寿司など、季節や地域によらず広く共通するものもある。また色や姿形からタイやエビなどもよく用いられる[4]。
日常生活の汁物や惣菜においては、豆腐や麩、コンニャクやワカメなど広く共通して用いられる[22][21]。春のフキ味噌やニシン、夏の麦飯やはったい粉、秋の芋茎や干柿、冬の煮こごりや凍豆腐、新年の鏡餅や初竈、餅花など、料理の季語もある[1][40]。
かて飯やかてものなどの救荒食物がある[1]。 東北地方太平洋沖地震では、国際連合世界食糧計画や国際連合食糧農業機関、多くの国や地域などから食の支援を受けた[41]。 日本の植村直己は独自のペミカンを持って北極点に向かった[42]。 現在の日本では流動食がある[43]。
- 1月 - 御節料理、雑煮、七草粥、小豆粥[1]
- 2月 - 炒り大豆、イワシ[4]
- 3月 - 草餅、ぼたもち[1][4]
- 4月 - 団子、甘茶[1]
- 5月 - ちまき、柏餅[1]
- 6月 - 豆ごはん、味噌田楽、カツオ、アユ[3][21]
- 7月 - 素麺[4]
- 8月 - すいとん[44]
- 9月 - 団子、サトイモ、菊酒[1]
- 10月 - 団子、クリ、豆[1]
- 11月 - 千歳飴、サツマイモ[1]
- 12月 - カボチャ、年越しそば[4]
郷土料理
郷土料理のうち日本の地方で古くから食べられてきた料理である。 アイヌ料理や沖縄料理、くさやや島寿司、皿鉢料理などもある。
様々な日本料理
- 穀物料理
- 汁物: - 味噌汁、豚汁、粕汁、けんちん汁、潮汁、擂り流し、呉汁
- 吸物、雑煮、すいとん
- 刺身: - たたき、づけ、てっさ、馬刺し、鶏刺し
- 漬物: - 沢庵漬け、梅干し、柴漬、味噌漬け、粕漬け、糠漬け、山葵漬け
- 鍋料理 - おでん、水炊き、しゃぶしゃぶ、すき焼き、鍋焼きうどん、もつ鍋
- 揚げ物: - 天ぷら、掻き揚げ、唐揚げ、薩摩揚げ、油揚げ、がんもどき
- 焼き物 - 焼き魚、照り焼き、生姜焼き、焼き鳥、蒲焼、塩焼き、幽庵焼き、八幡焼き、味噌田楽、奉書焼き・ホイル焼き、塩釜、卵焼き(だし巻き卵、薄焼き卵)
- 煮物 - 煮魚、肉じゃが、かぼちゃの煮物、煮しめ、ひじきの煮物、甘露煮、佃煮、大和煮、風呂吹き、炊き合せ、若竹煮、昆布巻き
- 炒め物 - 金平
- 蒸し物 - 茶碗蒸し、玉子豆腐、飯蒸し、ちり蒸し、淡雪蒸し、酒蒸し、銀あん
- 練り物 - 魚肉練り製品、蒲鉾、竹輪、はんぺん、つくね、真薯
- 和え物・おひたし - 膾(なます)、酢蛸、酢みそ和え(ぬた)、芥子和え、ごま和え、梅和え、白和え
新しい日本料理
- その他:タコライス
場所と日本料理
日本料理は各家庭の他に、蕎麦屋や寿司屋などの専門店、居酒屋や料亭や割烹、また待合やお茶屋、行楽地や宇宙食など、様々な場所で食事ができる。[21]
日本の飲物と菓子
-
水菓子の柿
日本の飲物
日本の菓子
日本の菓子は和菓子や駄菓子などがある。果物のことを水菓子とも言う。[1]
その他
日本食レストラン推奨制度
2007年に、正統的な日本料理店に認証を与える「日本食レストラン推奨制度」を日本貿易振興機構(JETRO)がフランスで始めた。制度の目的として、道標の提供と日本食文化の認知度向上・普及・浸透、正統的日本料理レストランにチャレンジする機会の提供、日本の食品などジャパン・ブランド輸出促進を挙げている。制度の対象は、日本で一般に「和食」のカテゴリーに入る食事がメニューのほぼ全てを占めるレストランで、その料理は懐石、寿司、天ぷら、うなぎ、焼き鳥、そば、うどん、丼物、その他伝統の日本食(フランスで創作されたそれに準拠するものも含む)としている。[13]
海外において、日本食が広く知れ渡るにつれ、日本食レストランと称していても、食品や調理方法など本来の正統な日本食とは異なる食事を提供しているレストランが多く見うけられるようになり(海外の日本食レストランはイギリス人経営のチェーン店ヨー!スーシ、フランスのプラネット・スシなど、現地人が経営・調理していることが多い)、調理法から衛生面まで基準を設け、本物の正統日本食を提供するレストランを認定する制度を日本貿易振興機構や農林水産省が設けた。イタリアやタイ等、国が認定するレストラン制度は他国にも存在する。
トラブル
- 魚肉偽装問題
- 日本と同様にティラピア(イズミダイ)が鯛として提供されることも含め[45]、国際的非営利活動組織海洋保護団体Oceanaの調査によって、アメリカ合衆国では74%の寿司屋でメニューとは異なる魚(偽物)を提供していたことが判明している[46]。
- これに関連して、アメリカ合衆国カルフォルニア州で韓国人が経営する日本食レストラン約50カ所以上へ、弁護士事務室から「メニューに載っている魚「White Tuna=白マグロ(ビンナガが一般的)」が提供された魚「Escolar=アブラソコムツ」と異なる」との手紙が送られ、集団訴訟へ発展する可能性がある[47]。ちなみにアブラソコムツはスズキ目ではあるがサバ科のマグロとは異なり、サバ亜目クロタチカマス科の魚である。多量に摂食すると人体へ害があると報告されているため、日本では販売が禁止されている。しかし韓国ではアブラソコムツを白マグロと称し食用されていることから、本問題が発生した。
- 2015年2月段階では訴訟対象の店舗はカリフォルニア州南部のみだったが、3月にはロサンゼルスの日本料理店(いずれも韓国人が経営)100店舗以上にも訴訟の手紙が届き[48]、4月にはカリフォルニア州北部にも訴訟対象店舗が広がった。またサンフランシスコの店舗にも同様の手紙が届いている[49]。
評価
米(穀類)・野菜・魚が多くの場合料理の基本素材とされており、寿司および刺身、天ぷら、蕎麦などは日本国内外でもよく知られると共に料理店はミシュランにおける評価も高い。
2007年に発刊された高級レストランガイド「ミシュラン」の東京版では、150軒の掲載店舗のうち、約6割が日本料理店であり、日本料理店も含めて、掲載された全ての店舗に1つ以上の星が付いた(ミシュランの掲載店舗の中には、星が付かない店もあり、全ての店舗に星が付いたのは、ミシュランでは初めてのことである。)。また、150軒の掲載店舗に合計190以上の星が付き、それ自体も過去最高であった。
テレビなどメディアの影響もあり、国際的に活躍する日本人の有名料理人(スターシェフ、Star Chef)も多数出現している。
食のタブーを持つユダヤ人から「タブーに抵触しないか?」という声が上がったため、ユダヤ教のラビ(祭司)が視察・検査のため、日本にある八丁味噌の製造工場や、日本茶の農園や加工場などを訪れるようになった。ユダヤ教のラビのお墨付きが付いた食品(カシュルート)は製造過程に甲殻類が一切関わっていないため、甲殻類アレルギーの人にもありがたがられている。
正食という日本料理
食事を通じて健康などに働きかける正食(マクロビオティック)を通じて紹介された日本の料理や調味料が多く、ヨーロッパやアメリカの一部で正食が評価された地域では、日本では一般に使われていない特殊な調理法や食品が使われている場合がある(味噌はパンにぬって食べる場合がある)。企業による大量生産品も一般的であるが、醤油、味噌、豆腐などは古来の製法で作られることも多く、日本の一般的なものよりも風味や栄養価で優れている場合もある。アメリカではたまりも一般的である。
外国で変化した料理(日本風料理)
日本発祥の料理を各外国風にアレンジしたなどの、現地における日本風料理。
- 寿司 - カリフォルニアロール、スパイダーロール、スパイシーツナロールなど、果物や日本では使わない食品、調理法で構成された新しい寿司。酢飯が使われない例も多い。
- 照り焼き-多くの場合、焼き方の一種のことではなく、醤油味を基本とした「テリヤキソースを使った付け焼きグリル料理」のことをテリヤキと称する。
- 魚肉練り製品 - Surimiの名称で、いわゆるカニカマを中心にして欧米の消費量が急上昇している。
- 鉄板焼き - 焼きごて捌きや玉ねぎ火山といった調理人の演出要素がふんだんに盛り込まれた鉄板焼き。欧米では「Hibachi」と言う名称で呼ばれ、典型的な日本風料理である。
コンテスト
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l 広辞苑第5版
- ^ 用語解説 対する言葉は洋食。
- ^ a b c d e f g h 『四季日本の料理 春』講談社 ISBN 4-06-267451-3
- ^ a b c d e f g h i j k 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
- ^ 「世界の「和食」決定 ユネスコ無形遺産登録」『読売新聞』2013年11月5日東京朝刊1頁参照。
- ^ 著者は1923年(大正12年)に石井泰次郎『日本料理法大成』大倉書店、1923年。OCLC 673989417 。を著した四条流九代目家元石井泰次郎ではなく、八代目家元石井治兵衛(石井治兵衛『日本料理法大全』博文館、1898年。OCLC 40587513 。)とみられる。
- ^ a b 日本食文化テキスト作成共同研究会・熊倉功夫編 編「1.日本の伝統的食文化としての和食」『和食;日本人の伝統的な食文化』農林水産省、2012年3月、3-12頁 。
- ^ “日本食文化を、ユネスコ無形文化遺産に。”. 農林水産省. 2013年12月26日閲覧。
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参考文献
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- 『四季日本の料理 夏』講談社 ISBN 4-06-267452-1
- 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
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