新潟競馬場

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新潟競馬場
新潟競馬場外観
新潟競馬場外観
施設情報
所在地 新潟県新潟市北区笹山3490番地
座標 北緯37度57分1.3秒 東経139度11分17.3秒 / 北緯37.950361度 東経139.188139度 / 37.950361; 139.188139座標: 北緯37度57分1.3秒 東経139度11分17.3秒 / 北緯37.950361度 東経139.188139度 / 37.950361; 139.188139
開場 1965年7月10日
所有者 日本中央競馬会
管理・運用者 日本中央競馬会
収容能力 NiLS 21スタンド、アイビススタンド
コース
周回 左回り(かつては右回り)
馬場 芝・ダート・障害
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新潟競馬場(にいがたけいばじょう)は、新潟県新潟市北区笹山にある競馬場である。日本中央競馬会(JRA)が運営している。

概要

スタンド
新潟競馬場入口(2004年8月28日撮影)
新潟競馬場ゴール前付近
内1600m/外2200m地点のハロン棒

2001年、日本の競馬場としては初となる直線1000mの芝コースを新設し、周回コースも右回りから左回りに変更して、同年7月14日、全面リニューアルオープンした。

最後の直線距離は芝・外回りで659mあり、中央競馬を開催する競馬場としては最も長い[注 1]

通常は3回26日開催(平成28年度)であるが、ここ数年は他場の改修等の影響で通常日程より多く組まれている(詳しくは歴史を参照)。

薄暮競走は現在行われていない(通常とほぼ同じ編成だが、メイン競走の発走は15時台後半となる)。但し、2012年以降は、7-9月の第2回開催の第12競走を16:30に繰り下げる形での開催を行う。

夏開催では東の主開催の中心となっており、全国で唯一、この時期に行われるサマーシリーズのスプリント、マイル、2000の全てに競走を有している。

コース概要

現在のコースは東京中京と同じく左回り。内回り・外回りのコースを有する。さらに日本で唯一となる直線1,000mの芝コースがあり、重賞競走「アイビスサマーダッシュ」も施行される。

芝外回りコースの1周距離2,223m(Aコース)、第4コーナーからゴールまでの直線659mはともに日本の競馬場で最長。内回りとダートはほぼ平坦であるが、外回りでは3コーナーに向けて2mほどの上り坂がある。また直線コースはスタートしてから200mまでが1mほどの上り坂となっている。

芝コース

芝コース1000mで行われる重賞アイビスサマーダッシュ(第8回、2008年7月20日)

BコースはAコースから4m外側に仮柵が設置される。

  • 一周距離:Aコース内回り1,623m、Aコース外回り2,223m、Bコース内回り1,648m、Bコース外回り2,248m
  • 直線距離:内回り359m、外回り659m
  • 幅員:Aコース25m、Bコース21m
  • 距離設定:1,000m(直線)、1,200m(内)、1,400m(内・外)、1,600m(外)、1,800m(外)、2,000m(内・外[注 2])、2,200m(内)、2,400m(内)、3,000m(外[注 3])、3,200m(外[注 4]
  • 出走可能頭数:Aコース18頭(外1,400mのみ16頭)、Bコース16頭(外1,400mのみ14頭)[1]

ダートコース

  • 一周距離:1,472m
  • 直線距離:354m
  • 幅員:20m
  • 距離設定:1,000m(2014年現在未施行)、1,200m、1,700m(2001年と2011年に使用)、1,800m、2,500m(2011年第5回開催で新設)
  • 出走可能頭数:1,000m12頭、1,700m13頭、1,200m・1,800m・2,500m15頭[1]

障害競走

中京競馬場と同じく障害競走用の襷コースは存在せず、芝コースに置き障害を仮設して行われる。

  • 距離設定:2,850m(Aコース使用)、2,890m(Bコース使用)、3,250m(Aコース使用)、3,290m(Bコース使用)
  • 出走可能頭数:14頭(距離・コース問わず)[1]

改修前のコース

  • 距離設定[2]
    • 芝:1,000m(内)、1,200m(内・外)、1,400m(内・外)、1,600m(外)、1,800m(内)、2,000m(内・外)、2,200m(外)
    • ダート:1,000m、1,200m、1,600m、1,700m、1,800m、2,280m
    • ダート2280mは、地方競馬開催時のみ使用していた。

歴史

新潟競馬場付近の空中写真。1975年撮影。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
  • 1901年9月7日 - 同月9日まで新潟市内の関屋地区(現在の信濃町・浜浦町・文京町付近)に(直線のみの)競馬場が開かれる。
  • 1937年 - 日本競馬会(中央競馬の前身)の競馬場となる。同年9月4日から9日まで日本競馬会による第1回の新潟競馬が開催される。
  • 1943年 - 戦争の激化に伴い開催を廃止。
  • 1949年7月 - 新潟県(後に新潟県競馬組合)が、当時の所有者である国から競馬場の施設を借り新潟県競馬(以下、県競馬)の開催が始まる。当時の馬場は四角形であった[3]
  • 1964年 - 信濃川関屋分水路を開削する工事を始めるに当たり、その代替地捻出のため関屋競馬場を廃止(12月)。跡地はその後、工事に伴う代替住宅地として再開発された。現在の新潟競馬場で行われる中央競馬の重賞競走「関屋記念」はこの旧・新潟競馬場が在った関屋地区にちなむものである。また、JR越後線関屋駅周辺には「競馬町踏切」「競馬町マーケット」など往時を匂わせる名称が僅かながら残っており(競馬町マーケットは2007年6月をもって閉鎖、建物自体は2008年2月に撤去された)、文京町の一部には旧競馬場外周の名残となる路地が現在も見られるという[4]。また旧関屋競馬場跡地に作られた関分公園内に塚田十一郎(関屋競馬場廃止当時の新潟県知事揮毫による「新潟競馬場跡の碑」が建てられている[5]
  • 1965年5月14日 - 郊外の北蒲原郡豊栄町笹山(現在地、現住所:新潟市北区笹山)に移転した。競馬場及び厩舎等の敷地全体は新潟市にもまたがっていたため移転に伴い新たに豊栄町(のちの豊栄市)が競馬場所在市区町村として開催権を得たが、新潟市の競馬場所在市町村としての開催権も存続した。同時に中央競馬主催による開催が復活。県競馬の開催もスケジュールを調整し、引き続き行われることとなった。7月10日には移転後初の競馬が開催された。
  • 1999年秋 - 馬場、スタンドの改修工事に着手(2001年完成)。
  • 2002年
  • 2004年新潟県中越地震2007年新潟県中越沖地震と2度の大地震に見舞われた際には競馬場の設備等に被害はなかったが、その後は震災復興祈念競走として共に開催した。
  • 2007年8月18日19日 - 馬インフルエンザの影響により2日間開催を中止[6]
  • 2009年
    • 函館競馬場の改築による札幌競馬場の開催分が一部振り替えられ4回30日間開催(通常は札幌で行われるエルムステークスも施行)された。
    • 9月13日 - 本来第4競走に予定されていた3歳未勝利戦(芝2400m)が、出走申し込み馬が3頭しかなく規定の5頭に満たなかったため競走取り止めとなった。当日のメイン競走(魚沼特別)も第10競走に変更された[注 6]
  • 2011年
    • 東日本大震災による影響
      • 施設等に被害はなかったが、3月12日以降開催予定だった第2回・第3回中山競馬および第1回・第2回福島競馬が中止になったことから、当初4月30日から5月22日までを第1回新潟競馬として開催するところ、4月23日24日も第1回新潟競馬として開催した(4月23日には福島牝馬ステークスを施行した)[7]。また夏の2開催を当初予定された回数からそれぞれ一つずつ繰り下げて、5月28日から6月12日を第2回新潟競馬として開催した[8]。この第2回は芝の養生を行う必要があるため、全72競走中芝コースでの競走は9競走だけ、6月の開催はすべてダートコースで行われた[9]。中央競馬にて全競走をダートコースで行うのは改修で野芝から洋芝に張り替えられ芝の養生を行う必要があった1994年の函館競馬場以来となる[10][注 7]。これにより夏開催はそれぞれ第3回と第4回に変更された。
      • 毎年秋に開催される第3回福島競馬も中止されたため、10月15日から11月20日までの12日間を第5回新潟競馬として開催(11月20日には福島記念を施行)。この第5回にはダート2500mの距離設定が新設された。
  • 2012年 - 大型映像装置(着順掲示板を含む)更新工事竣工。

重賞競走

(太字は芝直線1000mで行われる競走)

GIII
J・GIII

アクセス

公共交通機関
  • 新潟駅前・万代シテイより「E23 空港・松浜線 新潟競馬場」行、「E45 大形線 新潟競馬場」行で「新潟競馬場前」下車すぐ
  • 開催時・場外発売日は新潟駅南口(バイパス経由片道570円、開催時は往復1000円、所要時間約30分)、新発田駅(所要時間約30分)、豊栄駅南口(所要時間約15分)から臨時バスが運行されている。

その他

  • 新潟競馬場では2000年の走路改修工事の際、障害専用の襷コースを廃止したため障害レースは芝コースの8箇所に置き障害が置かれた状態で行われる。襷コースは埒はなく全て大きな植え込みで区切られており生垣障害、水壕障害、土塁生垣障害が設置されていた。
  • 当競馬場でデビューした馬で東京優駿を制したのは1983年7月23日に初出走し、翌1984年に史上初の無敗三冠馬となったシンボリルドルフと、2010年8月14日に初出走し、史上7頭目の三冠馬となったオルフェーヴルの2頭である。
  • 幻の三冠馬といわれたフジキセキも新潟デビュー(1994年8月20日)だった。
  • 豊栄市が2005年3月21日に新潟市へ編入合併する前、新潟競馬場の敷地は豊栄市と新潟市との市境に跨っていた。ただ事務室などが豊栄市に設けられていたため、登記上の所在地は「豊栄市」とされていた(複数の市町村に跨っている場合は事務室の位置で所在市町村を決定する)。
  • かつて行われていた地方競馬では、ダート1200mの競走において2コーナーを抜けたところから手前内側に分岐する引込み線を使った中央競馬の同距離とは異なるスタート地点を使用していた(右回り時代も同様)。これは本来のダート1200mのスタート地点が芝コース上にあり、地方競馬では芝コースの使用が出来なかったためである。地方競馬開催の無くなった現在でもこの引込み線は残され地方競馬が存在した実質唯一の名残となっているが、最大出走可能頭数やスタート直後のカーブというコース形状の問題などもあり中央競馬の競走では引き続き使用していない。なおテレビ中継で映される際には障害競走で使用されているものと同じ置き障害が引込み線上に置かれていることなどから、現在は障害練習などで使用されている。
  • 害虫駆除、土壌改良、新芽の育成などを目的に枯れた野芝をバーナーなどで焼く「芝焼き」が毎年3月上旬に実施される。冬季でも枯れない洋芝やオーバーシードが使用される競馬場では行わない事などから現状では日本の競馬場でも新潟のみで行われており、芝コースが一面真っ黒になる光景は当地に春を告げる風物詩となっている。なおコースの規模もあり、芝コース全面を焼くには2日を要する。芝の新芽は3月下旬には発芽し、そこから春の開催に向けて養生してゆく。
  • 2012年8月4日、同競馬場の第5競走において、日本の競馬および単一の競走を対象とした配当記録となる2983万2950円(三連勝単式)が飛び出した。またこの競走の結果は2着が同着であったため、もう一方の3連単の的中組み合わせも1491万6520円と中央競馬の3連単史上5位の配当となった。

レコードタイム

出典:JRA公式サイト 中央競馬レコードタイム 新潟競馬場

  • †は基準タイム。
  • 2015年5月10日終了現在

芝コース(2歳)

距離 タイム 競走馬 性別 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:55.4 コスモサウザンズ 54kg 江田照男 2003年08月03日
1200m 1:08.7 タガノラフレシア 54kg 和田竜二 2002年07月20日
1400m 1:20.9 ツルマルジャパン 54kg 武豊 2008年07月26日
1600m 1:33.4 ミュゼスルタン 54kg 柴田善臣 2014年08月31日
1800m 1:46.6 ヒットメーカー 51kg 国分恭介 2009年09月19日
2000m 2:03.0 リアルマイスター 55kg 大野拓弥 2012年10月20日

芝コース(3歳以上)

距離 タイム 競走馬 性齢 斤量 騎手 記録年月日
1000m 0:53.7 カルストンライトオ 牡4 56kg 大西直宏 2002年08月18日
1200m 1:07.5 ガンアンドローズ 牝4 54kg 田中勝春 2002年08月03日
1400m 1:19.0 マグナーテン 騸6 57kg 岡部幸雄 2002年07月14日
外1600m 1:31.5 ドナウブルー 牝4 54kg 内田博幸 2012年08月12日
外1800m 1:44.6† サイレントセイバー 牡6 56kg 田中勝春 2001年07月29日
2000m 2:00.2 ファンキーテーラー 牡3 56kg 蛯名正義 2008年08月02日
外2000m 1:56.4† ツジノワンダー 牡5 57kg 柴田善臣 2001年07月14日
2200m 2:11.0 ニューダイナスティ 牡3 54kg 岩田康誠 2012年07月28日
2400m 2:24.6 ショウナンバーズ 牡4 57kg 吉田隼人 2012年10月14日

ダートコース(2歳)

距離 タイム 競走馬 性別 斤量 騎手 記録年月日
1200m 1:11.1 ナムラビーム 52kg 国分優作 2011年11月13日
1800m 1:53.8 スピリッツセカンド 54kg 戸崎圭太 2014年09月28日

ダートコース(3歳以上)

距離 タイム 競走馬 性齢 斤量 騎手 記録年月日
1200m 1:09.2 コウエイフラッシュ 騙5 55kg 太宰啓介 2011年11月12日
1700m 1:46.6 マカリオス 牡4 57kg 松田大作 2011年06月11日
1800m 1:49.5 トランセンド 牡3 54kg 内田博幸 2009年07月26日
2500m 2:39.4† ファイヤー 牡3 55kg 太宰啓介 2011年11月20日

障害

距離 タイム 競走馬 性齢 斤量 騎手 記録年月日
芝2850m 3:01.4 ダイワウインダム 牡5 60kg 田中剛 2002年07月27日
芝2890m 3:06.0 ジャストバンディト 牡6 59kg 横山義行 2002年08月31日
芝3250m 3:28.7 ヒカルボシ 騸5 60kg 田中剛 2001年08月18日
芝3290m 3:34.7 エーシンホワイティ 牡8 61kg 北沢伸也 2014年05月09日

脚注

注釈

  1. ^ 次に長いのが東京競馬場の525.9m、その次が阪神競馬場の473.6m。
  2. ^ 3歳未勝利戦のみ内回りコース、その他の条件の競走では外回りコースで行われる。ただし、まれに500万条件戦も内回りで行われることもある。
  3. ^ 2014年現在未施行。
  4. ^ 2014年現在未施行。
  5. ^ 本来の最終日は1月3日だったが大雪のため、4日に順延となった。しかし4日も降雪のため、第2レースを行ったところで打ち切りとなった。第3レース以降は5日に開催する予定だったが、馬場の回復が見込めないとしてそのまま中止、廃止撤退となった。
  6. ^ 通常は競走の取り止めがあった場合16頭以上出走している競走を分割して12競走を維持するが、当日は16頭以上出走申し込みをしている競走が皆無であった。そのために通常1日に12競走行われるところ、11競走しか行われない異例の状況となった。競走取り止めは2007年第1回札幌競馬3日目(2歳500万下)以来で競走取り止めによる競走数減少は1986年8月31日の第3回新潟競馬8日目以来23年ぶりである。詳しくは出馬投票#中央競馬における競走の分割の項参照
  7. ^ また過去に、予め組まれた日程では札幌競馬場がダートコースしかなかった時代は全部ダートのみだった。

出典

  1. ^ a b c 平成26年競馬番組一般事項(III:出走可能頭数 - 新潟競馬場) (PDF) - 日本中央競馬会、2014年7月21日閲覧
  2. ^ 『初めての人の競馬入門』、西東社、233頁。 
  3. ^ 国土地理院ホームページ「地図・空中写真閲覧サービス」のUSA-R286-No1-77
  4. ^ 新潟日報 2015年7月5日朝刊別刷り 「新潟競馬場50年」参照
  5. ^ 新潟競馬場跡の碑 新潟市公式サイト『ニイガタカラ.net』
  6. ^ JRA、馬インフルエンザで週末の全レースを中止 Nikkei BP-Net 2007年8月17日閲覧
  7. ^ 4月23日(土)・24日(日)に新潟競馬を開催 JRAホームページ 2011年4月5日
  8. ^ 5月28日(土)〜6月12日(日)に新潟競馬を開催 JRAホームページ 2011年4月26日
  9. ^ 平成23年 第2回新潟競馬番組表” (PDF). 日本中央競馬会 (2011年4月27日). 2011年4月28日閲覧。
  10. ^ 6月の新潟開催、17年ぶり終日ダートも”. スポーツニッポン新聞社 (2011年4月28日). 2011年4月28日閲覧。

外部リンク