新宿警察

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。106.133.181.153 (会話) による 2016年3月5日 (土) 08:54個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎サブタイトル)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

新宿警察(しんじゅくけいさつ)は、藤原審爾による日本の警察小説のシリーズ、また、それを原作とするテレビドラマ。

概説

東京新宿にある警察署を舞台に、根来刑事を初めとする刑事たちの活躍を描いた警察小説『新宿警察』を第1作とする一連のシリーズ作品。昭和30年代から30年にわたって書き続けられ、長編『夜だけの恋』『あたしにも殺させて』2作の他、100編を越える[1]作品がある。エド・マクベイン87分署シリーズのように複数の刑事達の行動が並行して描かれるスタイルで、「日本の87分署」とも、「日本の警察小説の先駆的作品」[2]とも言われる。執筆当初は実際には新宿の警察署は淀橋警察署という名前で、新宿警察署というのは実在しない架空の警察署だった。自身では「ある時会った所轄の刑事たちが〜燃えるような情熱をもっていることを知って、わたしはそれにうたれた」のを契機に書き始めたと述べている[1]

刊行リスト

  • 『新宿警察』 報知新聞社 1968年(短編集)
  • 『新宿警察 新宿広場』 報知新聞社 1969年(短編集)
  • 『マリファナ』 双葉社 1972(短編集)
  • 『新宿真夜中ソング』 桃園書房 1974年 (短編集)
  • 『新宿警察』双葉社 1975年(短編集)
  • 『夜だけの恋』双葉社 1975年 のち角川文庫(『漫画サンデー』1970/1/7・15合併号-8/8号に連載、連載時題は「新宿その暗黒の恋」)
  • 『続新宿警察』双葉社 1975年(短編集)
  • 『愛しながら殺せ』グリーンアロー出版社 1975年(短編集)
  • 『マリファナ殺人事件』 実業之日本社 1977年(短編集)
  • 『新宿心中』 実業之日本社 1978年
  • 『真夜中の狩人』 実業之日本社 1978年 のち角川文庫(短編集)
  • 『あたしにも殺させて』 双葉社 1984年
  • 「新宿西口ビル街殺人事件」(『ろくでなしはろくでなし』に併録)
  • 『新宿警察』『慈悲の報酬』『所轄刑事』『新宿生餌』双葉社 2009年(短編集、1975年『新宿警察』『続新宿警察』を分冊化したもの)
(各出版社の短編集には重複して収録されている作品がある。)

また『わが国おんな三割安』の舞台も「新宿署」の管轄で、シリーズ中の刑事が登場する。

テレビドラマ

新宿警察
ジャンル 刑事ドラマ
原作 藤原審爾
脚本 サブタイトル参照
監督 サブタイトル参照
出演者 北大路欣也
藤竜也
財津一郎
多岐川裕美
小池朝雄 ほか
オープニング あんぜんバンド「『新宿警察』メインテーマ」
製作
プロデューサー スタッフ参照
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
第1話 - 4話
放送期間1975年9月6日 - 9月27日
放送時間土曜 22:00 - 22:55
放送枠ゴールデンドラマシリーズ
放送分55分
第5話以降
放送期間1975年10月4日 - 1976年2月28日
放送時間土曜 22:00 - 22:54
放送枠ゴールデンドラマシリーズ
放送分54分
回数全26

特記事項:
製作:フジテレビ東映
テンプレートを表示

フジテレビ東映の制作により、テレビドラマ化。フジテレビ系で放送された。

新宿の裏社会の人間模様と、それに挑む警視庁角筈(つのはず)警察署(架空の署)の刑事たちの活躍を描く。

毎週土曜日22:00枠の『ゴールデンドラマシリーズ』の第1弾作品である[3]。なお、当初は1975年の春頃から放映を開始する予定で製作が進められていたが、諸事情により約半年遅れたという[4]

放送データ

メインキャスト

スタッフ

サブタイトル

話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1 1975年9月6日 新宿・24時 江里明 真船禎 夏夕介神山繁高品格佐藤京一鷲尾真知子小林千枝愛田純
2 9月13日 地下水道 尾中洋一 竹本弘一 山本昌平深江章喜荒砂ゆき水沢有美鈴木正幸
3 9月20日 新宿ろくでなし 永原秀一 真船禎 伊佐山ひろ子富田仲次郎高木門笹一平・八平池田鴻小泉郁之助大堀早苗片山由美子奈良富士子
4 9月27日 銀行ギャング・わが夢 池田一朗 江崎実生 三ツ木清隆小林稔侍関根世津子太刀川寛宮井えりな野呂圭介橘真紀和久井節生長谷川弘谷口香
5 10月4日 華麗なる用心棒 真船禎 真船禎 金田龍之介上野山功一梅津栄伊達三郎林靖子田中久子神ひろし
6 10月11日 純情無頼 永原秀一 江崎実生 大門正明内田勝正大森不二香佐山俊二曽我廼家一二三北城寿太郎轟謙二
7 10月18日 帰らざる街 尾中洋一
塩田千種
真船禎 新克利佐々木孝丸田口計森秋子姫るり子市地洋子大泉滉潮健児江幡高志
8 10月25日 汗まみれの逆転 永原秀一
峯尾基三
斎藤武市 郷鍈治睦五郎藤里まゆみ
9 11月1日 新宿はやり唄 尾中洋一
真田喜助
林ゆたか吉野あい江角英明丘奈保美秋津令子小園蓉子奥野匡堺左千夫古川登志夫
10 11月8日 一発の銃弾 尾中洋一 原田雄一 香野百合子吉行和子広瀬昌助浅茅陽子武智豊子幸田宗丸、江幡高志 ※ノンクレジット
11 11月15日 殺しの録音テープ 江里明 村山新治 芹明香白石奈緒美所雅樹
12 11月22日 娼婦の罠 広澤栄 斎藤武市 夏純子東龍明勝部演之※ノンクレジット
13 11月29日 新宿マリーの怨み節 永原秀一 長谷部安春 緑魔子テレサ野田根岸一正テレサ野田平凡太郎弘松三郎風間杜夫佐藤蛾次郎
14 12月6日 再会 佐伯孚治 藤田みどり堀内正美岩城滉一風間千代子奥村公延笠井うらら
15 12月13日 脅迫電話 池田一朗 原田雄一 山谷初男白石浩司瀬戸山功加藤和夫田島義文
16 12月20日 理由なき殺人 永原秀一 長谷部安春 山本麟一加藤小夜子藤山律子
17 12月27日 新宿哀歌 永原秀一
佐治乾
吉川一義 赤座美代子蟹江敬三浜田晃人見きよし浅見小四郎
18 1976年1月3日 お茶汲み刑事 江里明 原田雄一 荒木道子藤江リカ千波丈太郎川原洋一郎遠藤孝子椎谷建治井上博一
19 1月10日 新宿・エロチカ 尾中洋一 真船禎 中原ひとみ河村弘二絵沢萠子中井美樹寺泉哲章
20 1月17日 ひとりぼっちの追跡 池田一朗 原田隆司 小原秀明小松方正河原崎次郎近藤宏、吉野あい、柴田英子
21 1月24日 新宿心中 尾中洋一 真船禎 木内みどり下條アトム蜷川幸雄、江幡高志 、高宮啓二水上竜子
22 1月31日 新宿・初恋 原田雄一 佐藤佑介早田みゆき中原早苗北原義郎
23 2月7日 その暗黒の恋 田上雄
藤森隆明
原田隆司 小松方正横山リエ中村方隆田中浩
24 2月14日 青い眼の傷痕 池田一朗 原田雄一 八名信夫堀井永子根岸明美
25 2月21日 さよならも言わないで 野上龍雄 原田隆司 佐藤友美古今亭圓菊由利徹今井健二柴俊夫片桐夕子藤山浩二
26 2月28日 長くて暑い日曜日 池田一朗 佐藤純彌 室田日出男春川ますみ南城竜也松原光二生田くみ子

脚注

  1. ^ a b 『真夜中の狩人』作者のことば(双葉社 1980年)
  2. ^ 細谷正充「私と藤原審爾」(『新宿警察』双葉文庫、2009年)
  3. ^ 厳密には、本作を含む初期3作には『ゴールデンドラマシリーズ』の名称が付けられて無かった。
  4. ^ 朝日新聞 1975年9月6日付テレビ欄の番組紹介より。
フジテレビ系 土曜22時台
【当番組より国産ドラマ枠】
前番組 番組名 次番組
新宿警察
フジテレビ 土曜 22:54 - 22:55枠
女刑事ペパー・アンダーソン
※22:00 - 22:55
新宿警察
(第4話まで。1分縮小して継続)
ある日のヨーロッパ
※22:54 - 23:00
(1分拡大)