新・平家物語 (NHK大河ドラマ)
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新・平家物語 | |
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ジャンル | ドラマ |
原作 | 吉川英治『新・平家物語』 |
脚本 | 平岩弓枝 |
演出 | 清水満 他 |
出演者 |
仲代達矢 (以下五十音順) 芦田伸介 新珠三千代 和泉雅子 緒形拳 小沢栄太郎 加東大介 片岡孝夫 勝呂誉 北大路欣也 木村功 栗原小巻 郷ひろみ 小山明子 佐久間良子 志垣太郎 高橋幸治 滝沢修 田村正和 中尾彬 中村勘三郎 中村玉緒 野村万之丞 林与一 原田大二郎 藤田まこと 古谷一行 松山政路 水谷八重子 森雅之 山崎努 山本学 若尾文子 |
ナレーター | 福本義典 |
オープニング | 冨田勲 |
製作 | |
製作総指揮 | 古賀龍二 |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1972年1月2日-12月24日 |
放送時間 | 日曜20:00-20:45 |
放送枠 | 大河ドラマ |
放送分 | 45分 |
回数 | 全52 |
『新・平家物語』(しんへいけものがたり)は、1972年(昭和47年)1月2日から12月24日まで放送されたNHK大河ドラマの第10作目である。 吉川英治の大河小説『新・平家物語』を原作に、平家一門の栄華とその滅亡を描く一大叙事詩。大河ドラマ第10作目にふさわしい豪華なキャストとセットが話題になった。[1]
概要
大河ドラマ10作目を記念して、過去の大河に出演した主役クラスが顔を揃え、これまでにない豪華なキャスティングが話題になった。テレビ放送20周年の節目もあって、テレビ草創期の原点に帰るべく舞台演出を意識したスタジオ収録で収録され、唯一のロケはドラマ冒頭の厳島神社での平家納経奉呈のシーンのみとなった。この厳島ロケは1971年(昭和46年)11月15日から3日間行われ、午前9時の満潮時に合わせて、清盛と地元の消防団員扮する平家の公達が朱の回廊を歩くシーンや舞楽を観るシーンなどを撮影した。
「どこの寺で撮影した?」と問い合わせが来るほど豪華で大掛かりなセットが組まれ、特に義経と弁慶が対決した「五条大橋」は2重のアーチ型の大セットだった。清盛が使用する牛車はあまりの大きさにさすがに再現できず、屋形の中が二畳強、輪の大きさが直径1.5mの小型のものを特注したが、それでも他のセットを組むスペースがなくなったという。
主役・平清盛の仲代達矢は、清盛出家のシーンに合わせて自分の頭を実際に剃り、「毎日手入れしないとおできができて」と笑っていたという(これは、後白河院役の滝沢修の髪が薄く、滝沢が実際に剃髪をして僧形になることをスタッフに伝えていたことも影響している)。この断髪式は、収録前日、中村玉緒、藤田まこと、和泉雅子らの立会いのもと行われた。また義経役の志垣太郎はこの作品が出世作となり、緒形拳が「義経より目下の医者役で凄かった」と後に述懐している。
初回視聴率17.3%、最高視聴率27.2%、平均視聴率21.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[2]。
キャスト
太字は総集編出演者
平家一門
- 平太→平清盛:内田喜郎 → 仲代達矢
- 平時子→二位尼時子:中村玉緒
- 祇王:波乃久里子
- 祇女:栗田幸子
- 仏御前:長谷川澄子
- 平忠盛:十七代目中村勘三郎
- 清盛の養父。自らの出自について複雑な感情を持つ清盛を見守る。
- 祇園女御→澪之禅尼:新珠三千代
- 有子→池禅尼:初代水谷八重子
- 時忠:中村まなぶ → 山崎努
- 師ノ局:真屋順子
- 時実:小池正史
- 夕顔:林靖子
- 経盛:郷ひろみ → 古谷一行
- 教盛:五藤義秀 → 柴田侊彦
- 頼盛:岡浩也 → 山本学
- 大納言ノ局:花園とよみ
- 忠度:中尾彬
- 重盛:原田大二郎
- 宗盛:勝呂誉
- 知盛:長谷川諭 → 亀田秀紀 → 松山省二
- 重衡:大島郁文 → 長澄修
- 佐ノ局:南風洋子
- 盛子:山添久美
- 典子:市毛良枝
- 維盛:藤間文彦
- 資盛:若尾哲平
- 敦盛:五代目中村勘九郎
- 平通盛:出見勝幸
- 平教経:鷹市太郎
- 平仲盛:鶴田耕男
- 平忠正:浜田寅彦
- 平長盛:花上晃
- 平六家貞→筑後家貞:松本幸一 → 高桐真
- 平六:松本章一
- 宗清:若林彰
- 平盛国:柳永二郎
- 藤原時信:下條正巳
- 原作では藤原氏を放氏されたため、平氏に改姓したという設定になっている。
- 妹尾太郎兼康:小瀬格
- 伊藤景綱:石森武雄
- 山木兼隆:辻萬長
- 堤権守:杉田俊也
源氏
- 源為義:佐々木孝丸
- 源義朝:木村功
- 常盤御前:若尾文子
- 源頼賢:伊藤初男
- 源頼仲:吉水慶
- 源為宗:山野史人
- 源為朝:伊吹吾郎
- 源義平:高田直久 → 石川徹郎
- 源頼朝:岡村清太郎 → 高橋幸治
- 少年時代の描写は比較的好意的だったが、元服後は定説どおりの策略に長けた男としての面が目立つようになる(本作は大河ドラマで少年時代の頼朝が描かれた初めての作品である)。
- 政子:栗原小巻
- 亀の前:高樹蓉子
- 牛若→源義経:志垣太郎
- 本作は従前とは違う歴史観によって描かれているが、義経は定説どおりのスーパーヒーローとして描かれている。
- 鎌田政清:成田次穂
- 鎌田正近:根岸一正
- 金子十郎:児玉謙次
- 横山相模介:西田敏行(二役)
- 長田忠致:穂高稔
- 北條時政:加東大介
- 北條宗時:鈴木智
- 北條義時:西田敏行(二役)
朝廷
- 白河院:滝沢修(二役)
- 鳥羽院:四世野村万之丞
- 待賢門院:久我美子
- 美福門院:小山明子
- 崇徳院:田村正和
- 後白河院:滝沢修
- 後白河院は権謀術数を弄して清盛や頼朝を手玉にとる一筋縄ではいかない人物として描かれることが多い。本作でもそうした描写が目立ったが、その一方ではそれまでは省略されることが多かった『平家物語』の終幕・大原御幸に相応の時間を割き、尼となった建礼門院徳子に再会した僧体の法皇が、自らの無分別のために悲惨な戦を招いたことを後悔するという、良心の呵責に悩まされる一老人として描かれている。
- 平滋子:村松英子
- 以仁王:北大路欣也
- 高倉帝→高倉院:片岡孝夫
- 平徳子→建礼門院徳子:山添三千代 → 佐久間良子
- 安徳帝:山崎有右
- 藤原忠実:森雅之
- 藤原忠通:原保美
- 藤原頼長:成田三樹夫
- 基房:嵐圭史
- 信西入道:小沢栄太郎
- 紀伊ノ局:大塚道子
- 藤原信頼:亀石征一郎
- 経宗:倉島襄
- 右大弁惟方→別当惟方:金内吉男
- 西光:内田稔
- 成親:岡村春彦
- 藤原成経:高田裕史
- 平康頼:石田太郎→中山昭二
- 俊寛:大塚国夫
- 実定:矢吹渡
- 実家:湯浅実
- 経房:宮崎和命
- 勧修寺光頼:鈴木瑞穂
- 図書允俊成:小沢忠臣
- 藤原経憲:纓片達雄
- 平資行:川辺久造
- 安部資成:立沢雅人
- 典薬頭定成:金内喜久男
- 建礼門院右京大夫:北川美佳
- 藤原俊成:宮口精二
その他
- 朱鼻の伴卜:藤田まこと
- 「あけはなのばんぼく」と読み、文字通り鼻が赤かった。清盛の政商として活躍。
- 阿部麻鳥:緒形拳
- 元宮廷音楽家。崇徳上皇の失脚後その側に仕え、上皇の死後は医師となり、貧しい人々の救済にあたる。その一方で清盛の最後をも看取る。物語中での「良心」を、具現化したような人物。
- 藤原秀衡:加藤嘉
- 金売吉次:日下武史
- 蓬子:和泉雅子
- 瑠璃子:五十嵐じゅん
- 花沢孫六:飯沼慧
- 実相坊:山本麟一
- 如空坊:寺島幹夫
- 乗円坊:石光豊
- 夜須良:照井湧子
- 侍臣:矢野茂
- 僧:青沼寂諶
- 遠藤盛遠→文覚:近藤洋介
- 袈裟御前:三浦真弓
- 鳥羽僧正:中村伸郎
- 佐藤義清→西行:蜷川幸雄
- 明雲:六代目瀬川菊之丞
- 弐子:佐々木すみ江
- 埋れ木:千之赫子
- 並河権六:中田浩二
- 嶋子:初井言榮
- 梅野:岩本多代
- 商人:岸野一彦
- 黒市:近石真介
- 胴元:依田英助
- 待賢門院の女房:浅利和子
- その他:久富惟晴、喜多道枝、池田勝、劇団いろは、劇団現代、尾型剣優会、鳳プロ、小野雅楽会ほか
スタッフ
- 原作:吉川英治『新・平家物語』
- 脚本:平岩弓枝
- 音楽:冨田勲
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
- 同指揮:森正
- 演奏:インターバック グループ
- 琴:桜井英顕
- 語り:渡辺美佐子(『平家物語』冒頭文朗読のみ)、福本義典
- 時代考証:相馬皓
- 振付:藤間高子
- 殺陣:尾型伸之介
- タイトル題字:望月美佐
- 演出:清水満、岡本憙侑、樋口昌弘、馬場清
- 技術:山口克朗、吉村政明
- 美術:佐藤武俊、小林喬
- 効果:寺田尚弘、川崎清
- 制作:古賀龍二
音楽
冨田勲が担当。曲はテーマ音楽、劇中曲ともに森正指揮によるNHK交響楽団の伴奏と琵琶・琴をはじめとする和楽器の音を融合させたものとなっている。テーマ曲は「源氏物語幻想交響絵巻」(1998年初演)の終曲としても使われた。
放送
特記が無い限りNHKクロニクルのNHK番組表ヒストリーで確認。
本編はサブタイトルがない。
通常放送時間
- NHK総合テレビジョン:毎週日曜 20時00分 - 20時45分
ただし、2月6日放送分は1972年札幌オリンピック競技放送のため45分繰り下げ、13日放送分は1972年札幌オリンピック閉会式放送のため10分繰り下げ、9月3日、10日放送分は1972年ミュンヘンオリンピック特別番組放送のため45分繰り下げ、12月3日放送分は第33回衆議院議員総選挙にかかる党首討論番組放送のため45分繰り下げてそれぞれ放送。
- (再放送)NHK総合テレビジョン:毎週土曜 13時25分 - 14時10分[3]
放送日程
この節の加筆が望まれています。 |
総集編
- 上ノ巻:1972年12月30日 19時20分から20時59分
- 下ノ巻:1972年12月31日 19時20分から20時50分
映像の現存・公開状況
モノクロの第46回と第52回(最終回)及び総集編が現存し、総集編がVHS・DVD販売、第46回が時代劇専門チャンネルで放送されている。また、『テレビ探偵団』に志垣太郎が出た時、総集編にはない五条大橋のシーンが放送された。当時の新聞記事などから第35話の可能性が高いと考えられる。
NHKではマスターテープが失われた過去の放送番組の収集(制作関係者や一般視聴者らへのビデオテープ提供の呼びかけなど)を進めている[4]。
脚注
関連項目
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