料理
料理(りょうり)は、食物をこしらえることで、同時に、こしらえた結果である食品そのもの[1]。調理ともいう[1]。
すなわち、食材、調味料などを組み合わせて加工を行うこと、およびそれを行ったものの総称である。
概要
料理は、民族、地域、時代などにより、使用する食材や道具などが大きく異なり、調理にも差がある。同一民族内の階層によって異なる料理が存在する例もある。特に君主や貴族などがある場合、特殊な料理が発達する例が多く、それらは宮廷料理などと呼ばれる。 また料理は、同じ食品でも多種多様であり、地域や民族による調理や道具などとの関連、入手可能な調味料などの食材の差、気候との関連、あるいは宗教的等の制約によって異なる。 一方で、カキ (貝)の殻を取り除き柑橘類を合わせた酢牡蠣という料理[1]は、遺跡である貝塚が全世界に分布するように[1]、地域や時代において幅広く存在する料理もある。
料理と類似するものに菓子があり、多くの文化において料理とは別のものと考えられている。主に食事として食べるためのものか、間食として食べるためのものかの違いによる。 例えば、クリ属は自然に分布していて秋の季語でもあり[2]、旬の栗拾いや栗名月をへて備蓄し[1][2][3][4]、この栗の実の皮をむき煮た栗金団という食品は[1]、正月に用いれば御節料理となるし[5]、菓子となることもある。
食品や食材などの加工には加熱、発酵、冷却、撹拌など様々なものがある。この加工の過程は「調理」というが、区別されず「料理する」と呼ばれることもある。加工のうち、特に加熱されたものを「料理」とし、加熱されていないものを「生」(なま)と呼んで対照する場合もある。
料理の方法
洗浄
土やほこりなどの汚れを洗浄する。
選別と成型
魚の骨や内臓などを取り分け、また野菜の皮を剥いたり葉と根を分けるなど、可食部や用途の違いにより選別を行う。 また調理に適したり食べやすい大きさに切ったり形を整えるなど、成型も併せて行う。 日本料理の刺身はほぼこの過程のみで作られ、その技術によって歯触りや味も異なるとされる。
切る以外に、すりおろしたり叩くなどの方法もある。 粉末や挽き肉ではこねることでより大きい形状にする場合もある。
穀物を粉砕する場合もあるが、これは多くの場合料理以前にまとめて行われる。これは「擂る」と言うが、これによってできた粉末は練って固めて塊や麺の形で用いられる。この加工過程も料理に含まれる。
加熱
多くの料理は加熱が行われる。加熱には寄生虫や微生物を殺す殺菌の意味もある。加熱は火を使って行われるのが普通だが、直接に火にかけない例もある。以下のような方法がある。
- 焼く:食品を串に刺したり、網の上に置き、直接に火の熱を当てる直火焼きと、フライパン等の上で焼く間接焼きとがある[6]。
- 炒める:フライパン等に少量の油を使って食品を加熱する[1]。
- 揚げる:容器に多量の油を入れ、それに食品を浸して加熱する[1]。
- 煮る・茹でる・炊く:容器に多量の水と食品を入れ、その中で加熱する[1]。
- 蒸す:食品を容器に入れてその内部の高温の空気や水蒸気で加熱する[1]。
調味
味付けをすること。そのための素材を調味料という。食塩はほとんど必ず使われる。味付けは切る過程の後に行われ、それ以降順次追加される。調味料を加えるタイミングや順番は重要で、間違えると目指す味にならない場合がある。
盛り付け
皿や椀、鉢などの食器に盛り付ける。食器を冷却や加熱することもある。
料理の提供形態
料理は献立によって、一品料理のアラカルトと、定食と呼ばれるコース料理のメニュー (料理)とに分類される。お任せや食べ放題といった形態もある。また移動するものや仮設のものとして、中食や出前や弁当、屋台やケータリングや納涼床などがある。食堂車や機内食、クルーズ客船や屋形船でも料理が提供される。家庭における料理や、自ら作った料理は、手料理や家庭料理と呼ばれる。また食べる人や調理側の状態によっては、非常食、離乳食や流動食などが提供される[1]。
地域別料理一覧
アジア
ヨーロッパ
アフリカ
南北アメリカ
太平洋・オセアニア
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k 広辞苑第5版
- ^ a b 『俳句歳時記 第4版』角川学芸出版、2008年、ISBN 978-4-04-621167-5
- ^ 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
- ^ 『旬の食材 四季の果物』講談社 ISBN 4-06-270137-5
- ^ 『四季日本の料理 冬』講談社 ISBN 4-06-267454-8
- ^ 『旬の食材 夏の魚』講談社 ISBN 4-06-270132-4
参考文献
- 『広辞苑』第5版
- 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
- 『四季日本の料理 冬』講談社 ISBN 4-06-267454-8
- 『旬の食材 夏の魚』講談社 ISBN 4-06-270132-4
- 『旬の食材 四季の果物』講談社 ISBN 4-06-270137-5
- 『俳句歳時記 第4版』角川学芸出版、2008年、ISBN 978-4-04-621167-5
関連項目
外部リンク
- 料理の語源と敦煌医書 中国科学史の真柳研究室、茨城大学