提督の決断

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Tobey-jp (会話 | 投稿記録) による 2020年9月5日 (土) 05:27個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

提督の決断
ジャンル 戦略シミュレーションゲーム
対応機種 PC-9801 (PC98)
開発元 光栄
発売元 光栄
プロデューサー シブサワ・コウ
シナリオ シブサワ・コウ
音楽 宮川泰
シリーズ 提督の決断シリーズ
人数 1 - 2人(対戦プレイ)
メディア 5インチフロッピーディスク
発売日 日本 198909211989年9月21日
その他 型式:NFKN14028
NFKN14029
テンプレートを表示

提督の決断』(ていとくのけつだん)は、1989年9月21日に日本の光栄から発売されたPC-9801戦略シミュレーションゲーム

第二次世界大戦を題材にした「WWIIゲームシリーズ」の第1作であり、『提督の決断シリーズ』の第1作。プレイヤーは連合艦隊司令長官、または太平洋艦隊司令長官となり、戦略・戦術の司令を行う。シナリオにより勝利条件が異なるが、基本的に48ヶ所ある全ての基地を攻略、または敵艦船を全滅させることでゲームクリアとなる。

開発は光栄が行い、プロデューサーおよびシナリオはシブサワ・コウ、音楽は作曲家宮川泰が担当している。

1990年FM TOWNSX68000PC-8801などの日本国産パソコンに移植された他、1991年MSX21992年にはスーパーファミコンおよびメガドライブに移植され、同2機種版は北米において『P.T.O.』のタイトルで発売された。スーパーファミコン版では、将兵に休暇を与えて疲労度を軽減する「慰労」のコマンドが「休暇」に変更された他、機種によっては画像やBGMが一部簡略化されたり、削除されている。海戦はループが非常に長く16ビットPC、空戦は16ビットPCとSFCに存在。また、PC版付属のカタログには、FM-Rなど国内マイナーPCの多くに移植されていた事が紹介されている。

ゲーム内容

システム

コマンド

移動画面にて4時間に一度のコマンド入力、戦闘画面はHEX戦にてゲームを進めていく。プレイヤーが操作できるのは基本的に第一艦隊のみで、第二艦隊以降はコンピュータが操作する(ただし、基地停泊時はプレイヤーが操作)。第一艦隊が出航もしくは母港に帰港した際に戦果の判定がなされ、それに応じて国民士気が変動し、戦局に様々な影響を与える。第一艦隊が基地に寄港中は、コマンド入力が毎日昼12時の1回のみとなる。

補給・輸送

太平洋戦争のシミュレーションとして見た場合、特に南方最前線の激戦地への補給がコマンド一つで一瞬にして完了する(ただし、次の補給可能日までは補給できないようになっており、たとえば、日本からラバウルへの次回補給可能日が25日と、遠方へ行くにつれて間隔が長期になる。また、遠方への補給では数%-数十%の損失が発生し、敵基地が補給線のネットワークにつながっていると、更に損失率が高くなる)ことや、航空機や輸送船が1日で何百機・何百隻も生産が可能なことなど、補給・生産などの面で不自然な部分もある。ただし、輸送艦への攻撃は可能であり、石油材を産出する基地の輸送艦が不足すると本国に持ち込まれる石油・鋼材が減るなど、通商破壊も一応実装されている。

艦種

艦種は航空母艦正規空母軽空母)・戦艦弩級戦艦[* 1]、戦艦)・巡洋艦駆逐艦潜水艦燃料輸送船・兵員輸送船であり、このうち航空母艦・戦艦・巡洋艦・駆逐艦・潜水艦は、技術力を向上させることで新型艦船として建造することもできるようになる。

艦名

登場する艦船名は固定のため、後半新型艦船が開発される頃になると艦船名が足りなくなる事態が頻繁に発生し、戦艦「伊19」や正規空母「秋月」といった、実歴史の命名基準から外れた艦船が建造される事がある。アメリカが史実上で太平洋戦争前期に戦没した「レキシントン」「ヨークタウン」「ワスプ」「ホーネット」の艦名を、すぐに新造のエセックス級航空母艦に再利用したため、本ゲーム中に登場するこの4隻のエセックス級空母は名前が重複してしまうことを防ぐため、CV-10といったハルナンバー(艦籍番号)表記になっている。また、総数も固定されているため、日本でプレイする場合に艦船総数を増やすには、イギリスフランスオランダオーストラリアを同盟国にする以外にはない(同盟国にすると、自動的に各国の艦船が連合艦隊に組み込まれる)。この場合も、潜水艦「ロイヤル・ソブリン」などが建造されるケースもしばしば見られる。また、現役の艦艇も艦船改修コマンドの実行により、戦艦は正規空母に、巡洋艦は軽空母に、駆逐艦は潜水艦に(逆も可)改修可能で、これにより空母「長門」や、戦艦「赤城」といった改装も可能である。

また、各艦に固有の「運」値が設定されており(この「運」は艦船一覧画面で確認可能)、運の低い艦船は砲撃爆撃を受けた際に被弾率が高く、かつ、火災発生時の消火成功率が低下し、沈没の可能性が高まる。この運設定は、史実上で短命に終わった艦は悪く(低く)設定され、逆に激戦を戦い抜いたり、戦没せず生き残った艦は、運が良く(高く)設定されている(日本では、駆逐艦「雪風」、アメリカでは正規空母「エンタープライズ」が運のパラメータが99となっている)。

航空機

航空機に関しては、戦闘機爆撃機偵察機・新型戦闘機・長距離爆撃機のみとなっている。零式艦上戦闘機雷電F4U コルセアなど、細かい機種分けは無い。このうち新型戦闘機と長距離爆撃機については、技術力が一定のレベルに達しないと生産できない。

新型兵器

対地兵器としてロケット弾も存在するが、こちらも技術レベルが一定に達しないと生産できない。電探なども技術力向上により開発・装備可能である。(詳細は「新兵器開発」の項目参照)

提督

  • 本作品には各陣営二十名の海軍提督が登場し、プレイヤーが操作することができる。後期のシナリオでは史実ですでに戦死している提督は登場しない。
  • 提督には、「艦船」「航空」「作戦」「勇猛」「経験」という5つのパラメータが設定されており、「経験」以外の4つのパラメータの合計値は各提督とも同じで、スロットにより配分される。「経験」は会議出席、戦闘などで1ずつ上昇し、各パラメータのすべてに加算される(艦船50・航空20、そして、経験10の場合、艦船50+10、航空20+10となる)。
  • 戦闘、自沈にかかわらず、艦隊旗艦沈没時に提督が死亡することがある。
  • 提督の艦隊指揮官任命・交代は、例え母港より遠方に位置していようが、ただちに完了する。

外交

以下の国々が設定されており、外交交渉が可能である。枢軸国連合国中立国はキャンペーンシナリオの初期状態を示す。

枢軸国
連合国
中立国
  • 中国 - すべての技術力が低い。
  • タイ - すべての技術力が低い。
  • スウェーデン - すべての技術力が低い。
  • スイス - すべての技術力がやや低い。
  • ソビエト - すべての技術力が高く、特に砲熕技術力、鋼材技術力が高い。
  • ブラジル - すべての技術力が低いが、鋼材技術力だけやや高い。

これらの国々に対して、第一艦隊が母港に帰港しているときのみ、外交交渉が行える(ただし、敵対陣営に属している国に対してはできない)。「技術供与要請」「兵器供与要請」「同盟」「外交団招待」の4つが実施できる。成功の可否は、プレイヤー国と外交相手との友好度に左右される。同盟を成功させるには、まず友好度を高める必要がある。友好度を高めるには、「外交団招待」を実施し、やって来た外交団の要請を受け入れる必要がある。「同盟」に成功すると、情報収集力が増える他、イギリス、フランス、オランダ、オーストラリアについてはその国の基地・艦船を自国側に組み入れることが可能となる(例えば、日本プレイでイギリスを同盟国にすると、戦艦プリンス・オブ・ウェールズなどが連合艦隊に組み込まれる。ただし、戦没している場合には艦名を使用して新造船を建造できる)。中立状態ではない敵勢力に属する国を中立化させるには、各国が領有している基地において破壊工作を成功させ、敵対勢力との友好度を低下させる必要がある。

艦船

本作には実在した艦船が登場する。艦船には下記能力値が振られる。

  • 対艦 - 艦対艦、艦対地の攻撃力。
  • 対空 - 艦対空の攻撃力。
  • 装甲 - 艦の耐久力。ゼロになると沈没する。
  • 速度 - 艦の最大速度。ゼロになった艦が艦対に存在すると艦隊が動かなくなり、艦を放置するか処分(自沈)するしかない。また速度を上げると燃料消費が増える。目安となる巡航速度は、艦隊の最大速度の半分に設定されている。
  • 搭載 - 航空母艦には戦闘機と雷爆機、戦艦・巡洋艦には偵察機を搭載可能。
  • 兵員 - 戦艦や巡洋艦には兵員を僅かに搭載できる。
  • 艦練 - 艦の練度。艦対艦、艦対地、艦対空すべてに影響する。訓練または実戦にて上昇する。
  • 空練 - 搭載する航空機の練度。 訓練または実戦にて上昇する。航空母艦の空練はおもに戦闘機・雷爆機であるが、戦艦や巡洋艦の場合は索敵を行うことで、偵察機の練度が上昇し敵を発見しやすくなる。
  • 運 - 被弾リスク、沈没リスクに影響。史実に基づいて設定されている。
練度

艦練と空練の2つの練度が存在する。練度が高いと戦闘による攻撃力・命中率とも上がるうえに、防御力も向上し被弾率も下がる。逆に練度が低い序盤はほとんど当たらず、航空機などは大損害を受けることもある。また航空母艦の艦載機を入れ替え・補充を行うと空練が著しく低下する。例えば航空母艦に満載している練度99の戦闘機を、すべて雷爆機に入れ替えると空練はゼロになる。

訓練

第1艦隊のみ「訓練」コマンドが有り艦練と空練を実施出来るが、1回の訓練による上昇値は非常に低いうえに、艦船によっては大量の燃料を消費するため非効率である。一方で実戦を経験すると練度がある程度上昇するため、第1艦隊以外の艦隊は実戦が訓練となる。

通商破壊

本作は通商破壊が可能なため、練度を上昇させたい艦隊を、敵輸送船団の航路に配置することで勝手に発見して攻撃を加え、練度が向上する。例えば序盤に内浦湾に航空艦隊を、津軽海峡に潜水艦隊を配備すると、ウラジオストックの輸送隊が月に何度も往来するため、効率的に練度を上昇させることができる。輸送船団には護衛駆逐艦や護衛巡洋艦を伴っているため、潜水艦などは若干損害を受けることもあるが、練度が低い状態で敵艦隊や敵基地を攻撃するより遥かに低リスクである。

艦隊

  • 1艦隊は最大で16隻までの戦闘艦、4隻までの兵員輸送船、4隻までの燃料輸送船で構成される。
  • 日本側、連合国側とも16艦隊まで編成可能である。
  • 艦隊は基地だけでなく、洋上でも分離・合流可能である。
  • 洋上で燃料が尽きると、洋上合流で他の艦隊から燃料を補給しない限り、移動もできず、かつ徐々に艦隊士気が下がりつつ艦隊疲労度が上がってゆき、疲労度が100になるとその艦隊は消滅する(洋上修理という概念は当ゲームにはない)。その艦隊が第一艦隊の場合、ゲームオーバーとなる。ただし、これはコンピュータが操作している陣営には適用されない。コンピュータが操作している陣営の艦隊の燃料が尽きた場合、あるいは艦隊速度が0ノットになった場合は自動的に母港に再配置される。したがって、コンピュータ側はネットワークが繋がるように基地攻略を仕掛けてくることはなく、その艦隊の航続距離の範囲内でランダムに攻略拠点を決めている。
  • 最高速度の半分が巡航速度(兵員あるいは燃料輸送船の巡航速度は10ノット)に設定されている。巡航速度を超えて航行した場合には燃料の消費が激しくなる。
  • 移動中の艦同士が衝突事故を起こし、装甲値が低下することがある。衝突によって装甲値が0となった艦は沈没となる。衝突事故を起こした場合は次のコマンド入力時刻までその地点で一旦停止する。
  • 南方海域を航行する場合には伝染病が発生する場合があり、基地へ寄港し慰労するか、伝染病が発生した艦船を洋上で自沈させないと回復しない。放置すると艦隊疲労度が急激に上昇していく。伝染病が発生している艦が基地に寄港すると、寄港した基地の耐久度・防御力が半減する。
  • 補給を行うことで、洋上で疲労を低下させる特別食が10食分積載される。

艦隊戦

  • 艦隊戦には、艦隊対艦隊、艦隊対輸送船部隊、艦隊対航空隊(敵機動部隊または敵基地の航空隊)、輸送船部隊対航空隊(敵機動部隊または敵基地航空隊)の4タイプがある。
  • 艦隊戦には、その艦隊に所属する全ての艦船(兵員輸送船、燃料輸送船も)が参加する。
  • 敵側の航空機(直掩含む)が参加している場合には、艦隊戦からの離脱ができない。
  • 艦船の配置は、洋上コマンドで隊形を組んでおけば、その隊形通りの配置となる。ただし、一度戦闘が発生すると隊形を組み直さない限り、次の戦闘からはランダム配置となる。
  • 潜水艦に対しては、巡洋艦および駆逐艦爆雷、潜水艦の魚雷しか攻撃方法はない。
  • 夜間戦闘においては、電波照準器が装備されていない艦船は、隣接ヘックスにしか攻撃できない。

基地

基地コマンド

艦隊基地に寄港中は毎日12時に基地コマンドを実行できる。母港と一般基地で実行できるコマンドが異なる。PC版とコンシューマ版ではレイアウトやコマンド内容が若干異なる。

港湾
  • 補給 - 寄港中の任意の艦隊に任意の燃料上陸兵を補給する。母港の場合は陣営の備蓄から、その他の基地では基地の備蓄から補給が行われる。補給量に比例して日数がかかる。航空機の補給は母港のみ可能。
  • 出港 - 基地に寄港中の任意の艦隊を出航させる。
  • 慰労(休暇) - 任意の艦隊に3-20日間慰労させる。1日あたり艦隊の疲労度が10改善する。
  • 非常召集 - 非常時に艦隊を召集する。
  • 機雷敷設 - 1日に1個ずつ、計3個までの機雷を基地のHEXマップに敷設できる。基地の備蓄資材を消費する。
  • 機雷撤去 - 1日に1個ずつ、敷設済みの機雷を撤去できる。
  • 機雷位置 - 敷設済みの機雷位置を確認できる。位置の変更はできず、変更するには撤去・敷設を行うしかない。
待機
  • 「1日」「補給終了」「修理終了」「指定日数」から選択できる。「待機解除」にて待機中の基地を待機解除できる。すべての基地で長期待機中は、いずれかの基地の待機が解除されなければ解除できない。
修理(工廠)
母港であれば応急修理か完全修理かを選択できる。母港以外の修理能力のある基地(シンガポールやトラックなど)では応急修理のみ可能。修理能力のない基地では項目自体が出てこない(または選択できない)。
  • 応急修理 - 応急修理は1週間程度の短期間で修理が完了するがパラメータがやや回復するのみで消費資材も多くなり、上限値までの回復が行えない。材は基地の備蓄資材を使用する。母港の場合のみ陣営に備蓄されている資材が利用される。
  • 完全修理 - 母港のみ可能。完全修理は数ヶ月を要するが、その時点の陣営の技術力に応じた各艦種ごと最高値までパラメータを引き上げることが可能である。消費資材も少ない。艦船数や修理内容により、1ヶ月単位で工期が加算されるが、例えば月末でも月初でも1ヶ月となるため、例えば1月31日に1ヶ月の完全修理を行えば、翌日の2月1日には完了する。
  • 艦船改修 - 艦船の艦種を変更できる。母港のみ可能。
    • 正規空母⇔戦艦 - 正規空母と戦艦・弩級戦艦を相互に変更可能。
    • 軽空母⇔巡洋艦 - 軽空母と巡洋艦を相互に変更可能。
    • 駆逐艦⇔潜水艦 - 駆逐艦と潜水艦を相互に変更可能。SFC版ではできない。
  • 艦船建造 - 新たに艦船を建造できるが、艦船数の枠が決まっているため、撃沈または自沈した艦船が無いとできない。燃料・資材・工業力を消費する。最低でも6-24ヶ月の間で工期を指定し、期間が短いほど資材等の消費が増える。
  • 新型機 - 航空母艦に新型機搭載のための改修を行う。搭載機数の分だけ資材を消費し、1ヶ月の工期が必要。
  • ロケット弾 - 航空母艦にロケット弾搭載のための改修を行う。
命令
  • 艦隊 - 出航中の艦隊に命令を下す。寄航中の艦隊には指定できない。
  • 基地 - 支配下の基地に対して、補給を行う。また基地の索敵情報も確認出来る。
  • 艦隊編成
    • 寄航中艦隊 - 寄航中の艦隊を「合流」「分離」できる。母港のみ「新規」艦隊編成、予備艦船に「除艦」、「輸送」船の増減が可能。
    • 洋上艦隊 - 出航中の艦隊を「合流」「分離」できる。第1艦隊、および第1艦隊寄航中の基地のみ可能。
  • 艦船処分 - 寄航中・洋上の艦船を自沈処分する。第1艦隊、および第1艦隊寄航中の基地のみ可能。本作には洋上修理や曳航の概念が無いため、洋上で速度がゼロになった艦は動かすことが出来ないため、自沈処分するか放置するしかない。自沈処分を行っても「沈没艦船」扱いとなるため評価点に影響する。
情報
  • 無線封止 - 無線報告の有無を選択する。
  • 敵作戦 - 敵国の作戦目標を表示させる。国力の「情報」が高いと把握できるが、低いと把握できず1ターンが終了する。
  • 工作員 - 工作員を潜入させている敵基地の情報が閲覧可能。
  • 戦果 - 敵・味方の「現存艦船」と「沈没艦船」を確認できる。第1艦隊が母港に寄航し評価が終了すると沈没艦船の情報がリセットされるため、過去に撃沈した艦船を確認できなくなる。
  • 報告義務 - 敵潜水艦の発見報告義務を艦隊に指示する。
  • 艦隊表示 - 大地図に位置を表示する艦隊を選択する。
資料
  • 国力 - 自国の国力を確認できる。
  • 人材 - 自国の提督の能力と顔グラフィックを確認できる。
  • 他国 - 日本・米国以外の国の友好度や技術力を確認できる。
  • 艦船 - 「修理中艦船」「建造中艦船」「予備艦船」の名前とグラフィックを確認できる。艦船能力は確認できない。
  • 基地 - 敵・味方すべての基地の基礎情報を確認できる。基地配備の兵器や兵員情報は確認できない。
  • 作戦目標 - 自国の作戦目標を確認できる。
  • 勝利条件 - 勝利(ゲームクリア)条件を確認できる。
会議
母港に第1艦隊が寄航中のみ「会議」が行える。それ以外の基地は「軍政」のみ可能。全ての会議・軍政において、海軍の戦果(前回評価点)・参加提督の「作戦」能力が低いと、陸軍に反対されなかなか成功しない。
  • 目標決定 - 作戦目標を3つまで指定・変更できる。敵国の基地攻略、および自国の基地防衛を選択する。第1艦隊が母港に寄航すると、この作戦目標の成功可否が評価され、達成すると翌日12時の基地コマンドで陸軍が自動的に作戦会議を要求してくる。
  • 兵器生産 - 航空機・ロケット弾・輸送船の生産を提案できる。予算1につき兵器1を生産可能。陸軍が賛成すると例え数千であろうとも1日で生産が完了する。
  • 国内政策 - 「産業育成」で工業力を増加できる。「宣伝活動」で国民士気を向上できる。工業力・士気が上昇すると、毎月の予算が増える。
  • 外交政策 - 「技術供与要請」「兵器供与要請」「同盟」「外交団招待」が可能。詳細は「外交」の項目参照。
  • 基地政策 - 遠方の基地に対して、後述する「軍政」が行える。
  • 技術開発 - 国力の技術力を向上可能。目安として予算500で技術力が10向上する。技術力の詳細は「国力パラメータ」の項目参照。
  • 工作員 - 敵国の基地に対して工作員による活動を指示する。予算は必要なく無料で行える。成功すると基地の防御力などが下がり、他国の敵国に対する有効度が低下する場合もある。また「情報」コマンドで潜入中の基地情報が閲覧できる。
軍政
  • 兵員供出要求 - 人口を持つ基地の場合に実行できる。人口を上限とする範囲で兵員が徴兵されて基地の守備兵員に加わる。住民の友好度がおよそ1-13の間で低下する。
  • 資材供出要求 - 人口を持つ基地の場合に実行できる。基地の備蓄資材が増加し、住民友好度が低下する。
  • 強制労働 - 人口を持つ基地の場合に実行できる。人口に応じて基地の耐久度と防御力が回復する。住民の友好度がおよそ1-13の間で低下する。基地の耐久度と防御力が既に上限に達しているとそれ以上は上昇せず、住民友好度のみ低下する。
  • 食糧配布 - 人口を持つ基地の場合に実行できる。基地の備蓄燃料が人口×300消費され、住民の友好度がおよそ1-13の間で上昇する。なお、基地に兵員・燃料・資材が存在する場合、毎日1ずつ基地の耐久度と防御力は自動回復する。その際に資材が消費される。
  • 待遇改善 - 人口を持つ基地の場合に実行できる。基地の防御力が低下するが、住民友好度が上昇する。

基地イベント

  • ゲリラによる攻撃 - 人口を持つ基地で住民の友好度が10を下回ると発生することがあり、基地の兵員・耐久度・防御力が半減する。
  • 工作員による破壊工作 - 敵国の工作員による工作が成功すると、基地の兵員・耐久度・防御力・燃料・友好度が下がる。また同盟国の基地で破壊工作が行われると、その国の自国に対する有効度が低下する場合がある。
  • 基地住民からの要求 - 人口を持つ基地で、食糧配布・待遇改善の要求が行われる場合がある。要求を呑めば友好度が上がり、断れば低下する。友好度が10を低下すると即時にゲリラ攻撃が行われる場合もある。

基地戦

  • 基地戦には、艦隊による空爆砲撃上陸ロケット弾攻撃の4タイプがある。ロケット弾攻撃では基地マップに移行することなく攻撃ができ、基地耐久度と防御力を低下させることができる。
  • 空爆による攻撃の場合、基地戦闘マップに基地兵員は参加しない。ただし、既に上陸兵が居る場合に限り、基地兵員が参加する。
  • 砲撃、上陸を選択した場合には、その艦隊に所属する燃料輸送船以外の艦船が参加し、敵側に基地兵員が参加する。
  • 敵側の航空機が参加している場合には、マップからの離脱ができない。
  • 基地に艦隊が停泊している場合には、最大16隻までが戦闘に参加する。ただし、艦隊毎の参加ではなく、全艦船から戦艦巡洋艦駆逐艦潜水艦空母の順に参加する。また、プレイヤー側第一艦隊が停泊している基地に攻撃が発生した場合、プレイヤーは第一艦隊を操作できない。
  • 艦船の配置は、ランダム配置となる。
  • 基地側の兵員は、基地兵力の半数(端数切り上げ)が戦闘に参加する。兵員は潜水艦以外の全ての艦船、航空機に攻撃可能である。
  • 上陸側の兵員については、上陸直後の戦闘はプレイヤーが操作できるが、次の戦闘からは独自に行動する(複数ユニットが上陸した場合は、次の戦闘で合流しているときもある)。
  • 基地戦闘の勝利条件は、「基地兵力および基地耐久力を0にし、上陸兵が都市に進入すること」である。また、基地戦で燃料を0にしておいた状態でその基地への攻撃電文が入ることでも占領となる。
  • 夜間戦闘においては、電波照準器が装備されていない艦船は、隣接ヘックスにしか攻撃できない。
  • コンピュータ側の機雷は、戦闘の度に自動的に補充され、戦闘開始時には必ず機雷が3個設置されていることとなる。
  • 防御側が基地戦を行う条件にない(基地耐久度・防御力が既に0になっており、上陸兵も居ない基地に空爆か砲撃を行うなど)場合は、基地戦の開始と同時に無条件に攻撃側の勝利・占領となる。

新兵器開発

技術力を向上させることで、新兵器が開発・生産可能となる。難易度を0に設定するとゲーム開始直後から生産・配備可能である(PC-9801版では選択不能)。

基地にしか配備できない。ネットワーク図で繋がっている敵基地およびネットワーク図で繋がっていないさらに遠方の敵基地に自動的に爆撃する。敵基地の防御力に多少のダメージを与える程度である。HEX戦においては新型戦闘機以外からは攻撃されない。
  • 新型戦闘機≪航空機技術力95以上≫
ジェット戦闘機である。各基地および空母に配備可能だが、空母については新型戦闘機用に改造しないと搭載できない。従来の戦闘機に対して多大なアドバンテージがあり、爆撃機にも優勢で、新型戦闘機を直掩にあげれば、敵基地・敵空母からの空襲もほとんど脅威ではなくなる。唯一長距離爆撃機を攻撃できる手段である。また、洋上艦からの砲撃上陸兵の攻撃ではなかなか減らせない敵基地守備兵に対しても、新型戦闘機は高い攻撃力によって簡単に駆逐可能。
偵察機による索敵をせずとも昼夜問わず敵艦隊を発見できる可能性が高まる。ただし、発見できる半径は偵察機による索敵の2/3程度と狭い。
艦船に搭載すれば、夜間でも通常射程での砲撃ができる(電波照準器がないと夜間は隣接ヘックスにしか攻撃できない)。
  • 新型艦船≪砲熕・材・機関・電気の4技術力80以上≫
従来艦よりも優れた速力・攻撃力・防御力をもつ戦艦、空母、巡洋艦駆逐艦潜水艦を少ない鋼材と短い建造期間で建造できるようになる。特に潜水艦を新型にした場合、戦艦並みの装甲と駆逐艦並みの速度を持つことになるため、非常に守りの堅い水雷戦隊となる。ただし、新型艦船を建造するためには、自軍に撃沈された(または自沈した)艦船がないと実行できない。また、最短でも建造に6ヶ月必要。
海上から敵基地に対して(HEX戦マップに移行することなく)ロケット弾攻撃ができるようになり、敵基地の防御力を削ぐことができる。ロケット弾を搭載すると、空母は雷爆撃機、戦艦・巡洋艦・新型潜水艦は偵察機が搭載できなくなる。
  • 新型爆弾原子爆弾)≪工業力3万を2度達成(98版は2万を一度達成でよい)+長距離爆撃機を開発し保有+その他≫
工業力5,000を消費して新型爆弾を製造できる(製造には3ヶ月を要す)。連合国側は1944年(昭和19年)以降という制限がある。2発目を建造する際に、再度工業力を3万まで上げる必要はない。使用された基地のパラメータがすべて0となり、母港の場合は陥落する(PC-88版・PC-98版・X68000版・FM-TOWNS版・MSX2版のみ)。

新型爆弾

PC-88版・PC-98版・X68000版・FM-TOWNS版・MSX2版では、上記の開発条件を満たすと、「新型爆弾」が生産できるようになる。この兵器は使用すると敵拠点を一撃で壊滅させることのできるほど強力なものだが、爆撃できる基地は、新型爆弾所有段階で、長距離爆撃機による攻撃ができる基地である。したがって、唯一、他の基地とネットワークの繋がっていないアッツ基地ロサンゼルスサンフランシスコは、どちらかの基地を占領しているとそこから攻撃できるため、投下できるようになる)には投下できない。投下された基地は全てのパラメータが0となり、回復もしないが占領はできる。敵側の最後の基地に投下した場合、そのままエンディングとなる。

スーパーファミコンメガドライブに移植された際は、開発要件を満たしても、出現しない兵器となった。

設定

シナリオ

  1. 日米交渉決裂
  2. 真珠湾攻撃
  3. 珊瑚海海戦
  4. ミッドウェー海戦
  5. ソロモン海戦
  6. 南太平洋海戦
  7. マリアナ沖海戦
  8. 比島沖海戦
  9. 大和特攻

キャンペーンシナリオ・ショートシナリオの別は明記されていないが、実質的に「日米交渉決裂」がキャンペーン、他がショートシナリオである。ショートシナリオの目標達成後は引き続きキャンペーンゲームとしてプレイできる。 「日米交渉決裂」の勝利条件は、「1.母港となる全ての港の占領」「2.敵国全艦船の撃沈」である。1.については内陸の拠点(重慶など)は占領しなくても良いが、プレイ時に設定されている母港が陥落した場合、他の港に自動的に母港が移るようになっている(例えば、ハワイ陥落後は、サンフランシスコロサンゼルスポートモレスビーと、移って行く)。2.については、建造中の艦船は含まれない。基本的に母港を攻撃すると敵艦隊の大部分を撃沈していくことになるので、敵国全艦船の撃沈のほうが先に達成されやすい。

国力

主要国の特徴

(キャンペーンゲームの初期値)
燃料備蓄:450,000、資材:180、工業力:4,000、情報収集力:20、砲煩技術力:65、材技術力:60、機関技術力:45、航空機技術力:45、電気技術力:28
大和」など各戦艦の性能は比較的高いが資源に乏しい、かつ、工業力の初期値がアメリカの半分以下であり大量建造ができないため、なるべく艦船を沈められないような立ち回りが必要となる。原油を大量に産出する基地がない。
(キャンペーンゲームの初期値)
燃料備蓄:1,500,000、資材:300、工業力:10,000、情報収集力:30、砲煩技術力:60、鋼材技術力:60、機関技術力:40、航空機技術力:20、電気技術力:42
スタート当初から大艦隊を組めるが、一芸に優れる艦は無く、似たような性能になっている。航空機技術力が日本の約半分である。しかし、燃料備蓄量が日本の三倍以上であり、ゲームを進めるにつれ就役艦船、資材、兵員が増加し、数で圧倒する戦法が可能となる。提督や艦船の一部は同盟国(イギリスオーストラリアオランダ)の戦力であることから同盟を破棄されないようにするのが上策。

国力パラメータ

  • 情報 - 情報収集力。工作員による工作成功率に影響。同盟状況の変動によっても上下する。
  • 砲煩 - 砲煩技術力。砲撃の命中率に影響。上昇させると艦船の「対艦」最大値が上がる。
  • 鋼材 - 鋼材技術力。上昇させると艦船の「装甲」最大値が上がる。
  • 機関 - 機関技術力。上昇させると艦船の「速度」最大値が上がる。また機関故障の発生確率に影響。
  • 航空 - 航空機技術力。航空戦の命中率に影響。上昇させると長距離爆撃機、新型戦闘機が生産可能となる。
  • 電気 - 電気技術力。上昇させると電波探信儀、電波照準器が生産可能になる。
  • 士気 - 国民士気。上昇すると予算が増え、新規艦隊を編成する際の艦隊士気が国民士気と同じ値になる。第1艦隊寄航時の評価点が高いと上昇し、低いと低下する。また本土の基地に敵艦隊の空襲・上陸が行われると著しく低下する。
  • 工業 - 工業力。増加すると予算が増える。艦船建造で消費する。毎月の増加は無く「産業育成」コマンドで増加する。
  • 予算 - 資金。毎月1日に補填され、国民士気、工業力によって増減する。また大都市を支配することでも増加する。航空機の製造や技術力、工業力を増やす際に消費する。
アイコン表示パラメータ
  • 資材 - 毎月1日に補填され、資源のある基地を支配することで増加する。艦船の建造、修理に用いる。また基地に資材・兵員を常備することで、基地の耐久・防御が自然に上昇する。各基地の資材を減らし、国力資材に集約も可能。
  • 燃料 - 燃料備蓄。毎月1日に補填され、原油のある基地を支配することで増加する。艦隊の燃料、艦船建造、基地の備蓄燃料補填などに用いる。各基地の燃料を減らし、国力燃料に集約も可能。
  • 兵器 - 航空母艦や基地に配備する予備の戦闘機・雷爆機・偵察機・新型戦闘機・ロケット弾・長距離爆撃機。「兵器生産」コマンドで予算を使い生産可能。会議で陸軍の賛成を得られれば一瞬にして数百・数千を生産可能。
  • 兵員 - 毎月1日に補填され、人口のある基地を支配し、かつ兵員輸送船を配置することで増加する。単位は兵員1で1個大隊。「基地政策」コマンドの「兵員供出要求」を人口のある基地で行うことも出来るが、微増でありかつ基地の有効度が下がる。
  • 兵員輸送船 - 兵輸と略される。「兵器生産」コマンドで予算を使い生産可能。艦隊に配備する際は、1隻の兵員輸送船に10個大隊まで積載可能。基地に配備することで毎月の兵員補填が増加する。
  • 燃料輸送船 - 燃輸と略される。「兵器生産」コマンドで予算を使い生産可能。艦隊に配備する際は、1隻の燃料輸送船に5,000まで積載可能。基地に配備することで毎月の燃料補填が増加する。

各国の基地

本作には48の実在した基地(都市)が登場する。下記に作中のとおりカタカナ表記で記載する。

宗主国の基地
(キャンペーンゲームの初期配置)
各国の基地
下記の基地は、所属国と同盟を締結することで自国領土となる。

これらの基地で住民扇動(住民がいない基地では実行不能)が成功すると、それぞれの国が属している同盟への友好度が低下する。敵側の母港や本国港で住民扇動を成功させた場合には、敵側に属する同盟国のうちランダムで1国の友好度が低下する。同盟を結ばなくても、武力占領することはすべての基地に対して可能である。内陸地の基地についても、基地燃料空爆または破壊工作によって0にした状態で、補給線で繋がっている基地からの攻撃情報が入れば、陥落となる(内陸基地であっても、空母艦載機からの空爆は可能である)。その際、攻撃を行った基地の兵員や資材の半分が陥落した基地へと移される。ただし、石油を産出する基地については、毎ターン燃料が自動的に備蓄されてしまうため、根気よく燃料を0にし続ける必要がある。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考 Ref.
1 提督の決断 日本 199004011990年4月1日
FM TOWNS
FM-R
光栄 光栄 フロッピーディスク FWKN14004
2 提督の決断 日本 199007201990年7月20日
X68000 光栄 光栄 5インチフロッピーディスク KN10051010
KN10061010
3 提督の決断 日本 1990111990年11月
PC-8801
PC-88VA
光栄 光栄 フロッピーディスク KN10051030
4 提督の決断 日本 199103281991年3月28日
MSX2 光栄 光栄 8メガビットロムカセット KN10051050
KN10061030
5 提督の決断 日本 199209241992年9月24日
アメリカ合衆国 1993081993年8月
スーパーファミコン
メガドライブ
光栄 光栄 SFC:10メガビット+256キロRAMロムカセット[1][2]
MD:8メガビットロムカセット[3][4]
SFC:日本 SHVC-TK
アメリカ合衆国 SNS-TK-USA
MD:日本 T-76073
アメリカ合衆国 T-76056
MSX2版
  • MSX-MUSIC対応。他機種より解像度が若干低いため、同社による他の移植作品同様に一部の表記が簡略化されている(例:正規空母→正空)。BGMはこの頃の特徴としてループ部分が1回のみなど一部簡略化されている他にテンポを速くしてある。ゲームの保存はバッテリーバックアップだが他作品と違い2ヵ所用意されている。当時の光栄作品はROMカートリッジとフロッピーディスク版が別に発売されていた(ROM版が先に発売されるが、やや高価だった)が、この作品に限りROMカートリッジ版しか存在していない。MSXturboRの高速モードに対応。同じ艦隊ゲームの大航海時代とは決定/キャンセルの配置が逆。
FM-TOWNS版
  • CD-ROMによる提供。トラック2以降にはサウンドウェアがそのまま入っており、ゲーム中のBGMのうち、オープニングではオーケストラアレンジ版が使われる。このCD-DAトラックはFM-TOWNSもしくはCDプレイヤーで再生することが可能。
  • PC-88001版
  • 慰労コマンドの中に「慰撫」コマンドが存在する。このコマンドには芸者遊びのグラフィックが別途用意されていた。
海賊版
  • FC版(決戰太平洋・大航海VII) 外星科技から1996年(提督の決断IIIが中国にて抗議が起こった年)に発売された。移植度はかなり頑張っているが、他の光栄移植作品同様にファミコンのスベック上の問題や中国の政治情勢の影響で一部の機能が簡略化されている。提督の決断IIIが中国での抗議が起こった年(1996年)の時に発売されたので、説明書とゲーム中では一部違う所がある。ストーリーは近未来の架空戦記になり、ゲーム中は1941年が2041年になっていたり(説明書ではXXXX年)、ゲーム中は架空の軍隊(拉盟軍隊・那沙軍隊)に変更している。(説明書では倭国(日本の別の言い方)、美国(アメリカ)と書かれている。また、人物・艦種の名前も変更されている。(艦種の名前は実在の物もある) 興味深いことに、中国製であるにも関わらず文章が簡体字混ざりの繁体字になっている[5]
  • MD版の非公式簡体字中国語版(太平洋争霸战) FC移植版と違い、こちらは文章の改変がない[6]

音楽

本作の音楽は、作曲家の宮川泰が担当した。戦闘時には、同じく宮川による『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』を彷彿とさせる曲、日本の母港であるに第一艦隊が帰港しているときのBGMはまさに母港を意識させる郷愁ある曲など、現在ほどゲームミュージック作曲者の専業化が進んでいなかった当時においては特徴的な作曲がされており、「ログイン」(アスキー)などのゲーム雑誌などの記事で好評を博した[7]

サウンドトラック

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー25/40点 (MD)[8]
ファミ通20/40点 (SFC)[9]
21/40点 (MD)[10]
ファミリーコンピュータMagazine20.28/30点 (SFC)[1]
メガドライブFAN20.78/30点 (MD)[3]
Game Players77% (MD)[8]
スーパーファミコン版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・4・5・5の合計20点(満40点)となっており[9]、レビュアーは時々刻々と推移する戦況を見ているだけでダイナミックな演出に思わず興奮できるがコマンド面はリアルでマニアックでそれぞれの意味を覚えるだけで疲れる、戦闘を自動にもできるが途中でマニュアルに戻せない、プレイヤーの意志によって動くが基本的には暇で疎外感がある、スケールが巨大でメモをしていないと覚えられない、戦争の知識がある程度ないと辛く信長の野望大戦略ほど門戸は広くないとした[11]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、20.28点(満30点)となっている[1]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で177位(323本中、1993年時点)となっている[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.35 3.44 3.35 3.70 3.04 3.39 20.28
メガドライブ版
  • 1993年にアメリカ合衆国のゲーム誌『Computer Gaming World』は「普段はビデオゲームをプレイしない戦略ウォーゲーマーのコアグループ」に適した本作のメガドライブ版に好意的だった。「不十分な」ドキュメンテーションを批判しつつ、ランダム化されたキャンペーンは「200 - 300時間のプレイ時間は他の比較的高価なカートリッジよりも長い」とし、同誌は「本作はビデオゲームの新しいトレンドを確立する」と肯定的に結論付けた[12]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・5・5・5の合計21点(満40点)となっており[10]、レビュアーはSFC版と同内容で画面はのっぺりで雰囲気はショぼいがスピードが速い、魅力的な部分は多いが大層複雑でゲームにのめり込めるまでは結構根気が必要でそれがあるなら満足できるゲーム、SFC版と同じく同盟国の戦闘シーンをずっと見せられてしまうのはどうかと思うとした[11]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、20.78点(満30点)となっている[3]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.70 3.41 3.19 3.70 2.89 3.89 20.78

脚注

注釈

  1. ^ 軍事的に正確な意味での弩級戦艦は1906年に就役した戦艦ドレッドノートと同等の性能の戦艦を指すが、本ゲーム中においてはそれとは異なり、大和型戦艦を指す

出典

  1. ^ a b c d 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、85頁。 
  2. ^ 前田尋之「Chapter 2 スーパーファミコンソフトオールカタログ 1992年」『G-MOOK176 スーパーファミコンパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2019年9月28日、51 - 73頁。ISBN 9784862979131 
  3. ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、90頁。 
  4. ^ 前田尋之「Chapter 2 メガドライブソフトオールカタログ 1992年」『G-MOOK145 メガドライブパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年6月29日、94 - 113頁。ISBN 9784862977779 
  5. ^ 決戰太平洋(英語)”. BootlegGames WIKI (2018年7月23日). 2018年7月23日閲覧。
  6. ^ 太平洋争霸战(中国語版)”. 太平洋争霸战 (2018年7月23日). 2018年7月23日閲覧。
  7. ^ 舟野治樹、松川純一郎、ソフト・コミュニケーションズ(編)、1993、『ゲーム・ミュージック大事典』 〈宝島コレクション〉 ISBN 978-4796605595 - 同書によれば、本作の楽曲を収録・発売したCDは東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による本格的な演奏が収録されている。
  8. ^ a b P.T.O.: Pacific Theater of Operations for Genesis (1992)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年7月11日閲覧。
  9. ^ a b 提督の決断 まとめ [スーパーファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年7月11日閲覧。
  10. ^ a b 提督の決断 まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年7月5日閲覧。
  11. ^ a b ファミコン通信 No.198 1992年10月2日号 38ページ
  12. ^ Dille, H. E. (1993年12月). “Pacific Theatre Of Operations”. Computer Gaming World: pp. 234,236. http://www.cgwmuseum.org/galleries/index.php?year=1988&pub=2&id=47 2016年3月31日閲覧。 

関連項目

外部リンク