接吻 (クリムト)

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『接吻』
ドイツ語: Der Kuss
作者グスタフ・クリムト
製作年1907 - 1908年
種類キャンバスに油彩
寸法180 cm × 180 cm (71 in × 71 in)
所蔵オーストリア・ギャラリーウィーン

接吻(せっぷん、ドイツ語: Der Kuss, 英語: The Kiss)は、帝政オーストリア画家グスタフ・クリムト1907年から1908年にかけて描いた油絵。180 × 180 cm、キャンバスに油彩。現在はベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館(オーストリア・ギャラリー)に収蔵されている。

クリムト自身と恋人エミーリエ・フレーゲドイツ語版がモデルとされる[1]。1908年の総合芸術展「クンストシャウ」(ウィーン)で大好評を博し、展覧会終了と同時にオーストリア政府に買い上げられた、クリムトの代表作のひとつである。

本作品にみられるように、クリムトは「金の時代」には金箔を多用したが、これはしばしば琳派の影響を受けたものと指摘される。 新関公子は≪接吻≫の男性側マントの装飾について、「オーストリア応用美術館が万博出品作から購入した≪漆塗見本衝立≫や≪漆塗見本額≫にインスパイアされたものであろう」と推測している[2]

脚注[編集]

  1. ^ 『ウィーン プラハ・ブダペスト 2016 まっぷるマガジン 海外』昭文社、2016年、46頁。ISBN 978-4-398-28119-7 
  2. ^ 新関公子「ウィーン万博に始まったデザインの国家指導―特異な万博スタイル」(東京美術学校物語 西洋と日本の出会いと葛藤―4)岩波書店『図書』2023年4月、42‐47頁、引用は46頁。

参考文献[編集]

  • 『生誕150年記念 クリムト黄金の騎士をめぐる物語』(中日新聞社、2012年)

関連項目[編集]

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