指定校推薦

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指定校推薦(していこうすいせん)とは、推薦入学の方法の一つである。日本ではそのほとんどが私立大学公立大学で実施されている。大学短大専門学校など(以降、大学等と略す)が、指定した教育機関(以降、指定校と略す)に対し推薦枠を与え、指定校では進学を希望する生徒に対して選抜を行い、大学等はその選抜された生徒に対して面接などの試験を行って合否を判定する入学試験の制度の一つ。かつては、指定校は高等学校のみだったが現在ではECC予備校やECC個別指導学院や早稲田塾等の予備校や塾に対して推薦枠を設けている大学等も存在する[1]高等専修学校に通う生徒は、通学している高等専修学校と、連携している通信制高校の双方の指定校推薦枠が利用できる[1][2][3]。短期大学を指定校として3年次編入学指定校推薦を実施している大学が存在する。

高等学校でも指定校推薦入試を実施しているところが存在しており、首都圏の有名私立では早稲田実業学校高等部[4]明治大学付属明治高等学校[5]での実施が見られる。島根県公立高校の中には中学校を指定校とした指定校推薦入試(高校入試)を実施しているところが存在する。

概要

公募推薦に比べて、学校間(指定校と大学等の間)同士の信頼関係という土台の上で成り立っているのが特徴である。しかし現状では、下位の大学等の推薦基準に達する上位の指定校の生徒は上位の大学等を受験すると考えられ、下位の大学等では上位の指定校からの推薦合格者は少なく、結果として下位の指定校からの推薦合格者の数が多くなるという状況が発生している。

一部の大学は受験者の学力向上を目的として入学前の春休みに課題を出す例がある[2]

推薦条件

大学等は、それぞれ指定校に対し推薦基準を示す。一般的な推薦基準として評定平均条件を課すものがあり、推薦する生徒が一定の基準以上の成績を修めているかを条件として受験者を絞り込む。なお、一般には入学時から3学年1学期までの評定の総合平均を出し、それが「5段階評価換算で3.5」といった一定基準以上の評定だった場合に条件が満たされる。また、特定の科目の評定平均の条件を課す例、また選択科目や出席日数などの基準を設ける例がある。

推薦基準を提示された指定校側は、進学を希望する生徒の中からこれらの条件を満たした者を確認し、学内会議を経て最終的に推薦する生徒を絞り込む。推薦された生徒は、大学等での独自試験(書類審査や面接など)によって合否が判定される。そのため、事実上独自試験の段階で不合格となることはまずないと言って良い。しかしながら、公立大学に関しては卒業後の進路で合否を決める例もある[3]

脚注

  1. ^ ECC予備校・ECC個別指導学院が立命館アジア太平洋大学の指定校に認定!(インターナショナルビジネスタイムズ、2007.03.05 18:00)
  2. ^ 例えば就実大学薬学部では,自己推薦及び指定校推薦入試の合格者を対象に、課題図書の講読や、化学、生物、英語についての演習指導等の入学前セミナーを実施している(出典)。
  3. ^ 特に地元出身者。公立大学は地元自治体で運営していることもあり、卒業後は地元企業に就職してもらうため、地元人材育成の方針に共感する者を入れる傾向がある。

関連項目