指向性エネルギー兵器

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指向性エネルギー兵器DEW、directed-energy weaponの略称)は、砲弾ロケット弾ミサイルなどの飛翔体によらず、兵器操作者が意図した目標に対し指向性のエネルギーを直接に照射攻撃を行い、目標物を破壊したり機能を停止させる兵器である。目標物は対物用も対人用もある。DEWのうち、実戦に投入された兵器は非致死性の治安兵器で一部ある程度で大部分は未だ研究開発段階である。アクティブ防護システムの一環としても開発が進められる。

DEWで利用が考えられているものは以下のエネルギーが挙げられる。

現実の世界ではほとんどのDEWが未だ研究開発段階であるが、空想の世界(SF小説、SF映画、SFアニメ、子供の玩具)では、枚挙に遑が無いほど登場する。現実世界のDEWの研究が進歩する一方で、いかにも実際に在りそうな独特なネーミングのDEWが空想の世界ではよく登場する。

レーザー光

アメリカ空軍のボーイングYAL-1航空レーザー

DEWのメリット

実弾兵装と比べた、DEWの主要な利点を以下に列挙する。

  • レーザー光やマイクロ波は、そのエネルギーが光速で伝播する。このため、地球上での使用であれば、目標まで極短時間で到達する。したがって、遠距離射撃の移動目標を狙う際も、移動量を補正する必要が無い。また、被攻撃側が発射されたレーザーを回避する時間も無い。これらの特性は、目標物が、弾道ミサイル、ロケット弾、各種砲弾のように小さく高速で移動する場合、特に有効である。
  • 砲弾の場合、重力・空気抵抗等の影響を受けるため、考慮すべきパラメータが多くなる。一方、レーザー光の場合、大気による屈折以外の影響をほとんど受けないため、パラメータが少なくて済む(重力による影響は、地球上では微々たるものである)。
  • レーザー光は位相のそろった光なので、干渉性が極めて高く、焦点を小さな一点に集中させることができる。また焦点距離を広い範囲に短時間で変更することができる。
  • 十分なエネルギー源が確保されているならば、弾切れが無い。発振のエネルギー源として電力を使用するタイプのものは、十分な電力が供給され続けるならば、基本的に無制限の射撃回数を備えることができる。ただし、故障等のリスクはある。
  • 光はエネルギーに対する運動量の比率が極めて小さい(正確には)ことにより、レーザーの生じる反動は無視できる程度のものである。
  • レーザー兵器の運用可能距離は、非常に広範囲に設定できる。

DEWの実現の妨げとなる現象

ブルーミング現象

レーザー兵器級のレーザー光が大気を通過する時、約1立方cmあたり1メガジュールというエネルギー密度のレーザー光が、大気を温め膨張させる。その結果、大気の密度が小さくなりレーザー光自身を屈折させてしまう。この現象を「ブルーミング現象」と呼び、大気中でのレーザーの集束を乱し焦点の位置をずらしてしまう原因となる。大気中に粉塵がある場合、大気のエネルギー吸収が大きくなりよりハッキリと影響が現れることがある。

ブルーミング現象の発生を抑制する方法はいくつかの方法がある。

  • 一たん鏡を使ってレーザー光を広げ光線のエネルギー密度を低下させた上で大気を通過させ、目標物表面で焦点を合うようにする。これは、大気を通過中のレーザー光がブルーミング現象を起こさない程度にエネルギー密度を低下させるためである。この方法には大型で、非常に精密かつ壊れ難い反射鏡が必要である。また鏡はサーチライトのように据え付けられ、レーザー照準のために回転させるには大型の装置を必要とする。
  • フェーズドアレイレーザーを採用する。通常よく用いられるレーザー光の波長では、マイクロメートル級の発振器が数億個ほど必要とされる。製造方法がまだ開発されていないが、カーボンナノチューブの利用が提案されている。フェーズドアレイ方式は理論的には位相共役波(通常の反射と異なり、反射面の角度にかかわらず光線の入射の方向へ位相が揃った光線を反射する)を起こすことができる。フェーズドアレイ方式では鏡面やレンズを必要とせず、平面を構成でき、ビームを拡散する型式のように照準に際して砲塔形状の兵装システムを必要としない。ビームの射角はフェーズドアレイの平面上で形成され、射界は非常に大きな角度まで許容される[1]
  • 位相共役レーザーシステムを採用する。この兵装システムでは「捜索」もしくは「誘導」レーザーが目標を照射する。目標上にある鏡面に似た働きをする「反射」部分が光を返し、兵装システムの主増幅装置によって探知される。この次に、兵装システムはポジティブ・フィードバックループ(促進的にフィードバックを繰り返す回路)を用い、射入と逆のレーザー波を増幅する。標的は鏡面となっている範囲が蒸発し、その衝撃波によって破壊される。ここでは目標からの反射波がブルーミング現象を通り抜けるため、この現象が回避される。また結果として、光学経路上最良の伝導性が示される。位相共役波の特徴から、ブルーミング現象に起因する歪みは自動的に補正される。試験的な兵装システムがこの方法を用いるとき、通常、「位相共役鏡」を形成するために特別な化学薬品を用いる。大部分の兵装システムでは、兵器として通用する出力レベルにおいて鏡面が劇的に加熱される。
  • 非常に短いパルスを採用する。これはブルーミング現象によってレーザー光が歪められる前に出力を完了する。
  • 単一目標に対し、複数のレーザー群が継続的に低出力で照射する。

目標の素材のアブレーションによる減衰

レーザーを兵器転用する際の別の問題は、目標表面の素材が蒸発(アブレーション)し、影を生み始めることである。この問題について解決のためのいくつかのアプローチがある。

  • アブレーションを起こして生じた吸収性のある蒸気に、衝撃波を引き起こすよう誘導する。また衝撃波はまた目標物に損傷を繰り返し与える。
  • 衝撃波が広がるよりも早く目標を走査する。
  • 目標にプラズマと光の入り混じった状態を誘発する。目標から生じるアブレーション雲のレーザーに対する透過性を、もう一つ別のレーザー光で調節する。これはおそらくアブレーション雲がこの別のレーザーのスペクトルを吸収して調整されるもので、また雲の内部に反転分布を誘発する。さらにこのレーザーは、アブレーション雲の中に局部的なレーザー光の放出を引き起こす。光の波長のうなりの結果から、アブレーション雲を貫通する波長が誘発され得る。

エネルギー源と冷却の問題

レーザー光を発生させるのに必要なエネルギー源として電力を使用するタイプのものは、大きな電力を要求する。エネルギーを蓄え、伝導し、変換して指向するという現状の方法では、簡便で携行可能なレーザー兵器を開発するのは困難である。現状のレーザーは大量のエネルギーを熱として浪費していまい、加熱による装置の損傷を避けるには、未だに大きな冷却設備を必要とする。空冷式では受容できないほどの射撃間隔の拡大をもたらす。現用のレーザー兵器の実用化を制限するこれらのエネルギー源と冷却の問題は、以下の事項により相殺される可能性がある。 1 安価な高温超伝導物質によりエネルギーロスを減少させ兵器をより効率的なものとする。 2 より簡便な大容量の電力供給・充電装置。レーザー光を発振させて余ったエネルギーの一部は装置の冷却に有効に使用される。

電力をエネルギー源に用いないレーザーとして化学レーザーがある。化学レーザーは化学反応により発生するエネルギーを利用する。過酸化水素ヨウ素を組み合わせる化学酸素ヨウ素レーザー(COIL)と、重水素原子にフッ素を反応させるフッ化水素レーザーは、メガワット級の連続的なレーザー光を出力可能な化学レーザーである。 化学レーザーに用いる化学物質の管理にもいくつか問題がある。そのほか冷却及び全体の効率性の悪さの問題がある。

この問題はまた、発電所の近くに兵器を設置するか大きな電力を発生できる大きな艦船か可能ならば原子力水上艦に搭載することで、軽減されうる。艦船には冷却用の水が豊富という長所がある。

ビームの吸収

空中を通り抜けるレーザー光や粒子ビームは、雨、雪、粉塵、霧、煙、または類似の光学上の障害物に吸収されるか拡散させられる。弾道兵器はこれらを容易に貫通できる。こうした効果はブルーミング現象の問題を付加し、また悪天候の中ではエネルギーを浪費することとなる。 浪費されたエネルギーにより衝撃波が発生し、雨、雪、粉塵、霧、煙などを押しのけ「トンネル効果」を作り出し、雲の生成を途絶させることができる。マサチューセッツ工科大学アメリカ陸軍の技術者は、この効果を降雨の制御に用いることを模索している。

間接射撃能力の欠如

間接射撃は砲撃戦で使用され、丘陵の背後にいる目標に砲弾を到達させられるが、直射照準のDEWには実現できない。可能な代替案としては、レーザーもしくは反射鏡のみを航空機や軌道上のプラットフォームに搭載し、目標を見下ろす位置で直接照射するか反射させることである。

実例

レーザーはしばしば照準と測距、銃のターゲッティングに用いられる。しかし、レーザー光は兵器に火力を供給するものではない。

レーザー兵器は通常、短時間に高出力のパルスを生成する。メガジュール級の出力を持つレーザーの一発は、高性能爆薬200gと同様のエネルギーを移送し、同様の基本的な効果を目標にもたらす。主要な損傷のはたらきは、目標表面で生じる爆発的な蒸発と、この反応に起因する機械的な切断である。[要出典]

兵器転用された既存のレーザーの大部分はガスダイナミックレーザーである。燃料または強力なタービンにより、レーザー媒質を流路または一連のオリフィスへと強制通過させる。高圧と熱によってレーザー媒質はプラズマ化し、レーザー光を放出する。このシステムの主な難点は、レーザーを共振させる光共振器の、高精度の鏡面と窓を保護し維持することである。大半のシステムではコヒーレントな波を作り出すために低出力のレーザー「発振器」を使用し、そしてこれを増幅している。いくつかの試験的なレーザー増幅装置は窓や反射鏡を用いず、開放されたオリフィスを採用しており、これらは高エネルギーにも破壊されない。[要出典]

幾種かのレーザーは非致死性兵器として使われている。ZM-87ダズラー英語版はそのような兵器の一つで、人間やセンサーを一時的に失明させるか幻惑させるよう設計されている。

攻撃用だけでなく、アクティブ防護システムとしてAN/ALQ-144が以前から搭載されていたが、汎用赤外線妨害計画英語版の一環として赤外線妨害技術英語版を用いた指向性赤外線妨害装置が開発され、民間航空機ミサイル防衛システム英語版としてフライトガード英語版Northrop Grumman Guardian英語版のような赤外線誘導ミサイル追尾装置を無力化する装置が開発されている。

レーザー誘電

レーザー誘電はまずブルーミング現象を起こらせ、この後に、良好に形成されたプラズマの、導電イオン化された軌道へと強力な電流を送りこむ。これはいくぶんに類似し、テイザースタンガンの長距離版として機能するが、そのエネルギーは巨大で高出力である。

パルス化されたエネルギー投射体

パルス化されたエネルギー投射体、もしくはPEPシステムは赤外線レーザーを発生する。これは急速に膨張するプラズマを目標に作り出す。この結果、音、衝撃、そして電磁波が目標を気絶させ、痛みと一時的な麻痺を引き起こす。この兵器は開発途上にあり、暴徒鎮圧時の非致死性兵器として企図されている。

電波

高エネルギー電波兵器(HERF)は電子レンジと同様の原理で作動し、類似の機能を示す。

2007年1月25日、アメリカ陸軍は小型装甲車(ハンヴィー)に搭載可能な装置を公開した。この装置は平面状に配列されるものと似ている。装置は、460m離れた人間の体感温度を約54度に感じさせることができた。こうした兵器の実物大での製造は2010年まで予期されていなかった。[要出典]この装置はアクティブ・ディナイアル・システムの一つとして、おそらく最も有用に配備されたものである。

マイクロ波

マイクロ波兵器は、人体に損傷を与えるには充分強力である。

Humvee with Active Denial System mounted
アクティブ・ディナイアル・システムを搭載したハンヴィー
  • アクティブ・ディナイアル・システムはミリ波を供給源として目標の皮膚の水分を加熱し、無力化するほどの痛みを引き起こす。この装置はアメリカ空軍研究所レイセオン社により暴徒鎮圧の用途で使用されている。激しい痛みをもたらすが永続的な損傷を与えないよう企図しているものの、このシステムが眼球に対して回復できない損傷を引き起こすという、若干の懸念が示された。マイクロ波に暴露することでの長期間の副作用に関していまだに試験中である。この装置はまた、保護されていない電子機器を破壊する。関連技術にはテンペストが挙げられる。これは予期しない電子情報の漏洩に関する研究である[2]。これらの装置には様々なサイズがあり、ハンヴィーに搭載されるほどのものも含まれる。
  • ヴィジラント・イーグルは空港防御システムである。これは航空機へと発射される投射体に、高周波数のマイクロ波を指向するものである[3]。この兵装システムは、ミサイル探知および追尾サブシステム(MDT)、指令および制御システム、そして走査アレイから構成される。MDTは多数のパッシブ式の赤外線カメラを固定装備している。指令および制御システムはミサイルの射点を特定する。走査アレイは地対空ミサイルの誘導装置を妨害するマイクロ波を照射し、これを航空機から逸らす[4]
  • ボフォースHPMブラックアウトは高出力マイクロ波兵器システムで、商用オフザシェルフ(COTS)電子機器を、距離を置いて破壊可能であるとされている。この装置は人体に影響はないと述べられている[5][6][7]

使用と効果

人体に対して電磁波兵器を使用するとき、劇的な効果を作り出せる。レイセオン社のアクティブ・ディナイアル・システムでは急激な灼熱感が引き起こされ、または距離にもよるが、個人や複数の人々に、不安、恐怖、強い倦怠感や混乱などのより巧妙な影響を生み出す。

こうした兵器の軍用としての3つの長所は以下の通りである。

  • 個人または集団が、彼らがこうした装置で照準されていても、必ずしもそれを理解するわけではない。
  • マイクロ波の波長は他の無線周波数のいくつかに似ており、容易に建築物などの素材を透過する。
  • この波長には特別なアンテナを用い、その効果により、個人または市や国といった広範囲の双方を照射できる。

こうした兵器の軍用や強制執行としての使用可能性には以下のものが含まれる。

  • 敵兵力または民衆に激しい不安感や急迫の危機感を与え、闘争よりも逃走するように影響を及ぼす可能性。[要出典]
  • 反抗や非協力的態度に伴う激しい不安感や恐怖よりも、わずかな協力的態度でも肉体的に大きな幸福感を伴う方が非常に望ましいということを、捕虜とした敵兵員に理解させる能力。
  • 耐え難い倦怠感を、すでに疲労した敵兵力に与える能力。
  • 長期間にわたり、敵兵力から正常で連続した睡眠を奪う能力。
  • 敵の親しい兵員達の間に、間接的に思い込みを与える可能性。これはある兵士の言動を(その兵士が聞きつける奇妙な声や音は、しかし他の誰にも聞こえない)精神的に不安定として真剣に取り上げないというものである。こうした感覚、声、奇妙な音や夢は、特別なマイクロ波型式の波長のアンテナにより、ある程度の精密さで敵に強要できる。

実例

  • ノースロップ・グラマン社製品
    • 2009年3月18日、ノースロップ・グラマン社は、レドンドビーチの技術者達がレーザー放電誘導装置の製造と試験に成功したことを公表した。この装置は100キロワットの光線を生み出し、巡航ミサイルや砲列、ロケットまたは迫撃砲弾を破壊するには充分な威力を持つ[8]。アメリカ陸軍が企画する、共同高出力固体レーザープログラムのマネージャーであるブライアン・スティックランドは、レーザー放電誘導の理論的可能性について、この装置は化学レーザーよりも補器類が小さなスペースしか必要としないことから航空機や艦艇、または車輌に搭載されると言及した[9]
    • 2011年4月6日、アメリカ海軍はノースロップ・グラマン社の製造したレーザー砲について試験を成功させた。この砲は、元はUSS パウル・フォスター、現在はアメリカ海軍の実験艦として運用されている艦に搭載された。カリフォルニア中部の海岸を離れ、太平洋のテスト領域内で試験に臨んだ際、海軍研究局長であるネヴィン・カル大将の言及では、このレーザー砲は「高速巡航する目標に破壊的効果」を与えたと記録された[10]。分類すればこのレーザー砲の射程はマイル単位に属するもので、ヤード単位ではない。
    • ノースロップ・グラマン社は高出力固体レーザー兵装システムの有用性を公表した。グラマン社はこの兵器をファイアストライクと呼んでおり、2008年11月13日に紹介が行われた。この兵装システムはモジュラー式であり、採用された15kwのモジュールは様々な出力レベルの供給に応じて組み合わせが可能である。
  • 2010年7月19日、ファーンボロー国際航空ショーにおいて公開された対空レーザーは、レーザーCIWSであると評された[11]
  • ゼウス-HLONSは戦場で最初に投入されたレーザー兵器であり、全てのタイプのエネルギー兵器としても最初のものである。これは地雷や不発だった兵器の処理に用いられた。
  • レーザー・エリア・ディフェンス・システム。
  • MIRACL(The Mid-Infrared Advanced Chemical Laser、中赤外線先進化学レーザー)はアメリカ海軍の試作したフッ化水素レーザーである。これは1997年にアメリカ空軍人工衛星で試験が繰り返された。
  • 2011年、アメリカ海軍はMLD(Maritime Laser Demonstrator、海上レーザーデモンストレーター)のテストを開始した。これは艦艇に搭載、使用するレーザーである[12][13]
  • PHaSR(Personnel Halting and Stimulation Response、直訳すれば兵員制止及び刺激反応)とはアメリカ空軍により開発された携帯式非致死性兵器である[14]。これは目標の幻惑や気絶を目的としている。
  • 戦術高エネルギーレーザー(THEL)はイスラエルとアメリカの共同研究開発によりフッ化水素レーザーを兵器転用したものである。この兵器は航空機とミサイルの撃墜のために設計された。関連項目として国家ミサイル防衛を参照。
  • アメリカ空軍の航空レーザー、また先進戦術レーザーは、ミサイル撃墜のために炭酸ガスレーザーや化学酸素ヨウ素レーザーをボーイング747に装備する計画である。[15][16]
  • PELT(Portable Efficient Laser Testbed、直訳すれば携帯型レーザー効率試験機)[17]
  • ACCM(Laser AirCraft CounterMeasures、レーザー航空対抗手段)

メーザー

水素メーザー。

メーザー誘導放出による増幅を介してコヒーレント電磁波を発生させる装置である。歴史的に、MASERとは元々、"Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation"「誘導放出によるマイクロ波増幅」の頭文字に由来する。技術開発から生じた小文字での使用はもともとの表示を不正確にするものであるが、現在のメーザーは、マイクロ波や無線周波数といった幅広い電磁波の帯域でEM波を発生させる。そこで物理学者であるチャールズ・タウンズは現在の言語的正確さのために「moleculer」(分子)と「microwave」(マイクロ波)とを置き換えるという使用法を提案した[18]。1957年、最初に光学的にコヒーレントな発振器が開発された際、これはオプティカルメーザーと命名されたが、しかし通常はゴードン・グールドが同年に頭文字をとって確立したレーザー(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation )という呼び方で呼ばれる。

メーザーの標準的な型式

  • 原子ビームメーザー
    • アンモニアメーザー
    • 自由電子メーザー
    • 水素メーザー
  • 気体メーザー
    • ルビジウムメーザー
  • 固体メーザー

二重希ガスのメーザー媒質は無極性である[19]

粒子ビーム兵器

粒子ビーム兵器では中性粒子を使うことができ、また大気内・大気外の両方で使用できる。兵器としての粒子ビームは理論的に可能であるが、実用となった兵器が公開実演されたことはない。特定の種類の粒子ビームには大気中で自己焦点化する利点がある。

粒子ビーム兵器でもブルーミング現象が問題となる。そのほか、目標に集中されるエネルギーは散乱し、粒子ビームはより効果を失うこととなる。

  • 熱によるブルーミング現象は、電荷を帯びたビーム、および中性粒子ビームの両方で起こる。また粒子が熱の振動で他の粒子に衝突するときや、空気分子に衝突するときにも生じる。
  • 電気的なブルーミング現象は、荷電粒子ビームにのみ生じ、同じ電荷を持つイオン同士がお互いを排斥する。

プラズマ兵器

プラズマ兵器はプラズマのビームや光、粒子線を発射する。これら発射されるものは、原子核と電子、またイオン化が起きたときには自由電子、そしてピンチ効果を加えられた際には他の粒子から構成される、励起状態の物質である。

MARAUDER(Magnetically Accelerated Ring to Achieve Ultra-high Directed Energy and Radiation、エネルギーおよび放射線の超高密誘導達成用の磁気的に加速されたリング)は、シバ・スター計画(兵器や他の装置が必要とする、短時間で莫大な量のエネルギーを供給し、試験する手段を提供するための、高エネルギーキャパシター貯蔵庫)で採用された。この装置はプラズマのトロイド(環状体)を光速にほぼ近い割合にまで加速するためのものだった[20]

真空中における電子ビーム

宇宙空間のような真空中では、放出された電子が、光速よりわずかに遅い速さで無限の距離を進むことができる。この理由は、真空中に電流の進行に対する重大な電気抵抗がないためである。そこで、こうした装置が人工衛星宇宙船の電気設備、また電子部品の破壊に利用できる。しかしながら真空中では電流がレーザー光に乗ることはできず、またほかのいくつかの手段によって電子ビームの散乱を防止し、その軌道を維持しなければならない。詳細は粒子線を参照。

兵器の射出速度

エネルギー兵器の射出速度はビームの密度で測定される。ビームが非常に稠密であれば非常に強力であるが、粒子ビームは光速より非常に遅く移動する。この速度は、質量、力、密度または粒子/エネルギー密度で測定される。

音響兵器

キャビテーション現象は人体組織中の気体の核に働きかけて気体を発生させる。このキャビテーション現象と加熱は超音波に対する暴露から生じることがあり、組織や器官に損傷を与える可能性がある。調査で判明したことは[要出典]、マウスが700kHzから3.6MHzの波長を持つ高強度超音波に露出されると肺と腸への傷害を引き起こす。振動音響による刺激後の心拍数のパターンは、動脈の危険な動悸と徐脈という結果になった。研究者はこれを、聴覚への永続的障害を起こす危険性のある高強度の音で、聴覚系に痛みが生じたことによると結論した。

大規模並行研究プログラム[21]には被験者が高強度の可聴域音を聞き取るという実験が含まれていた。耳を除外した(聴覚と無関係な)様々な臓器と中枢神経系の生体効果には以下が含まれた。聴覚への変換、振動触覚の感度変化、筋収縮、循環器系統の機能変化、中枢神経系への効果、前庭(内耳)への影響、胸壁・肺組織への効果である。研究者は、低周波ソナーへの露出は重大なキャビテーション現象、低体温症、組織切断という結果となることを発見した。追加実験は推奨されなかった。

マウスの試験では184デシベルが肺と肝臓、双方の損傷を生じる閾値となることが示された。損傷は強度が増強されるにつれて速やかに激しくなった。人体への、雑音を引き起こす神経学的な妨害は、15分以上持続して連続的に低周波音にさらさせるもので、これは脳組織に影響を及ぼし、即座にそして長期にわたる問題を生み出すこととなった。こうした症状は、軽い頭部外傷を負った人のそれらと共通していた。原因となるメカニズムへの一つの理論は、音への長時間の露出が、脳組織に対して脳症を誘発するに充分な、機械的な緊張となったというものである[22]

歴史

古代の発明家

伝説に言及すれば、「燃える鏡」または「死の光線」という概念がアルキメデスによって考えられた。彼は焦点距離を調整できる鏡を、もしくはより類似したものとしては、同一地点に焦点を合わせられる一群の鏡を作り出し、シラクサへ来襲したローマ艦隊の艦艇へ太陽光線を照射し、これらの船に火災を起こした。歴史家たちは、この戦闘の最初期の報告書では「燃える鏡」のことに言及せず、ただ彼の独創性と炎を投げつける方法が結びついて勝利に関連したとしているに過ぎないと指摘する。テレビ番組「MythBusters」が企画を三度試みた他には例がないものの、この偉業を再び実演しようとする幾度かの企画は若干の成功を収めた。特に、マサチューセッツ工科大学の学生による実験では、実用的でないのであれば鏡をベースとした兵器が少なくとも可能であることを示した[23]

ロバート・ワトソン=ワット

1935年、イギリス空軍大臣は無線研究局のロバート・ワトソン=ワットに「死の光線」が可能であるかどうかを尋ねた。彼と同僚のアーノルド・ウィルキンスは速やかに結論を下した。それは実行不可能であったが、なりゆきから航空機の探知のために無線を使うことを提案し、これはイギリスにおけるレーダー開発の始まりとなった。ロバート・ワトソン=ワットを参照。

エンジン停止光線、都市伝説の現実化

エンジン停止光線は、フィクションと伝説から生じた派生物である。こうした物語は1938年頃のイギリスで広まっていた。話はそれぞれ異なるが、一般的には自動車のエンジンが突然止まった観光客について語るもので、その後彼らに、ドイツ兵が待つように言いながら近づいてくるというものである。しばらくすると兵士はエンジンが動くことを伝えていなくなり、観光客は車で走り去る。こうした伝説が生じたもともとの話には、ドイツのフェルトベルクで行われたテレビの送信機試験のことの可能性がある。車のエンジンから発する電磁的なノイズは場の強さの測定に干渉するため、試験に必要な20分ほどの間、衛兵が周辺部の全ての交通を止める必要があった。この事件が歪められて作り替えられ、送信機がエンジンを壊すというアイデアを生ませたのかもしれない[24]。この概念は後にナイト2000等のフィクションに度々登場することになる。

現在の自動車エンジンは機械的にではなく電子的に制御されており、電子機器の無力化はエンジンを確実に止めることができる。兵器ではないものの、OnStar社はリモコン式の装備品としてこれを実際に作り出した。これは自動車の電子装置へのアドオン(拡張機能)である。自動車は閉じたシステムで運用されているため、エンジンを止めるのにレーザーやパルス兵器を用いて感電させ、ショートを起こすような電子的手段を使うのは不可能である。電磁パルスにはエンジンを停止させる効果があることが知られているが、しかしこれは指向性エネルギー兵器ではない。

ニコラ・テスラ

1856年から1943年まで生きたセルビア人であるニコラ・テスラは発明家、科学者、および電気技術者として注目されている。彼は初期の高周波技術を開発した。1900年代初頭から彼の死期に至るまで、テスラは指向性エネルギー兵器の計画のために働いた。1937年、テスラは「The Art of Projecting Concentrated Non-dispersive Energy through the Natural Media」(直訳すると「自然の媒体を通じ、集中された非拡散エネルギーを放射する技術」)と題された、荷電粒子ビームに関する論文を著述した[25]

第二次世界大戦時のドイツ試作兵器

1940年代初期、枢軸国の技術者は音波砲を開発した。メタンガス燃焼室は2基のパラボラ状反射装置に接続しており、約44ヘルツでパルス的に爆轟した。この皿状の反射装置で拡大された低周波は、200mから400mの範囲では中耳骨を振動させ、また内耳の部分では蝸牛流体を振り、空間識失調吐き気を引き起こした。50mから200mの距離では、音波が圧縮力に抵抗を持つ器官、例えば腎臓脾臓肝臓の圧縮と解放を繰り返し、器官の組織と流体に働きかけた。ただしこれは柔軟な器官、例えば心臓にはほとんど見るべき影響を及ぼさなかった。大気による相殺が非常に大きいことから、組織は最も近い範囲においてのみ影響を受けた。また血液を豊富に含む肺胞だけは圧縮に抵抗した。実用上では、この兵装システムは敵の砲火に非常に脆かった。小銃無反動砲、また迫撃砲の砲弾は簡単にパラボラ状の反射装置を変形させ、音波の拡大効果を失わせた[History Channel 1]

第二次世界大戦の末期、ナチス・ドイツは「ヴンダーヴァッフェ」と呼ばれる革新的な秘密兵器の技術開発に期待を強くしていった。

指向性エネルギー兵器の中でも、ナチス・ドイツが研究したのはX線ビーム兵器であり、ハインツ・シュメレンマイアー、リヒャルト・ガンス、そしてフリッツ・ホウターマンスの指揮下に開発が進められた。彼らはドイツ航空省(RLM)のために、レオトロンと呼ばれる電子加速装置(1930年代にジーメンス・シュッカート社のマックス・ステーンベックによって発明された。これらはアメリカでは後にベータトロンと呼ばれた。)を建造し、硬X線シンクロトロンビームを発射した。ここで意図されたものは、航空機のエンジン内部にある点火プラグをプレイオン化し、これにより航空機の高度を高射砲の射程まで下げさせることで、対空指向性エネルギー兵器として役に立たせようというものだった。1945年4月14日、レオトロンはブルククルブでアメリカ軍に接収された。

また、エルンスト・シャイボルトは他の方法を模索しており、アシャッフェンブルクに近いグロスオストハイムにて1943年から「レントゲンカノーネ」が研究された。ハンブルクにあるライヒャート・ザイフェルト& Co社では部品を供給した。[26]

ドイツ第三帝国では音響兵器の更なる開発を行い、破壊力を持つ音波の発射のためにパラボラ形式の反射装置を用いた。マイクロ波兵器は日本で研究された。

戦略防衛構想

1980年代、アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガン戦略防衛構想(SDI)計画を提案した。これはスター・ウォーズと俗称を名づけられた。レーザー、おそらくは宇宙空間に据砲されたX線レーザーは弾道飛翔中のICBMを破壊できる可能性を示唆した。戦略ミサイル防衛構想の概念はアメリカミサイル防衛局の主導の下に現在まで継続され、大部分の指向性エネルギー兵器の概念は棚上げとされた。しかし、ボーイング社はボーイングYAL-1ボーイングNC-135で若干の成功を収め、前者は2010年2月にミサイルを2基撃墜した。予算の供給は両方の計画とも減らされている。

イラク戦争

イラク戦争中、アメリカ陸軍によって高出力マイクロ波を含む電磁兵器が投入された。目的としてはイラクの電子設備の混乱および破壊と、暴徒鎮圧にも投入されたと推測される。型式及び暴露された電磁界の大きさは判明していない[27]

スペースシャトル チャレンジャー号の追尾の主張

1984年、スペースシャトル「チャレンジャー号」を目標とし、ロシアがTerra-3基地のレーザーを使用したと主張された。当時、ソビエトはシャトルが偵察用のプラットフォームとして用いられることを懸念していた。1984年10月10日(STS-41-G)、Terra-3の追尾レーザーはシャトルが施設上空を通過する際に「チャレンジャー号」を狙った疑いがある。これにより「スペースシャトルの故障とクルーへの不快感」を引き起こす結果になったと主張されている。アメリカ合衆国は外交上、事件について抗議を提出した[28][29]。しかしこの物語は、STS-41-Gにおいて搭乗した乗員と、アメリカ諜報機関の知識あるメンバーによって広く否定されている[30]

強制執行

眩惑レーザー、またはダズラー(目潰し)といった装置が求められるが、これらは攻撃者を一時的に盲目にするか気絶させ、もしくは移動車輌の運転手を停止させる。また、標的には航空機や装置のセンサーが含まれる。ダズラーは様々な電子センサーに対して赤外線や不可視光を放つ。また人間に対し、もし長期にわたる傷害を眼に負わせないよう意図する時には可視光を放射する。通常、放射装置にはレーザーが用いられ、これは「レーザー・ダズラー」と呼ばれるものとなる。現用のそうしたシステムの大部分は個人携行が可能であり、赤(半導体レーザーを使用)もしくは緑(ダイオード励起固体レーザーを使用。DPSS)の両方の範囲で電磁波を運用できる。

非致死性兵器

1997年に開かれたTECOM技術シンポジウムでは非致死性兵器につき、「傷害と致死の可能性は人体実験を強く限定する」ことを主な理由とし、「人体への目標と影響を決定することは、テストを行う組織に対する大きな挑戦である」と総括した[31]

また、「指向性エネルギー兵器は中枢神経系を目標として神経生理学的な障害を引き起こすが、これは1980年の特定通常兵器使用禁止制限条約を犯す可能性がある。非軍事的意図を越えて「過剰な傷害、または不要な苦痛」を引き起こす兵器は、1977年のジュネーブ協定のプロトコルIも犯す可能性がある」とした[32]

非致死性電磁兵器が及ぼす、生体に対する一般的効果のいくつかには以下が含まれる。

  • 呼吸困難
  • 方向感覚の喪失
  • 吐き気
  • 疼痛
  • 空間識失調
  • 他、全身の不快感

呼吸の妨害は最も重大で致死的な結果を起こす。

光や反復的な視覚信号はてんかんの発作を誘発する。擬似運動感覚、乗り物酔いが起こることもある。

クルーズ客船海賊の撃退のためにLRADのような音響兵器を使うことが知られている[33]

関連項目

脚注

  1. ^ Atomic Rocket: Space War: Weapons
  2. ^ “The Pentagon's Ray Gun”. CBS News. (2008年6月1日). http://www.cbsnews.com/stories/2008/02/29/60minutes/main3891865.shtml 2009年3月30日閲覧。 
  3. ^ Raytheon focuses on non-lethal weapons,Andrew Johnson, (The Arizona Republic, 09-17-2009)
  4. ^ http://www.raytheon.com/capabilities/rtnwcm/groups/rms/documents/content/rtn_rms_ps_vigilanteagle_datas.pdf
  5. ^ http://www.baesystems.com/ProductsServices/BAE_GCSW_hpm_blackout.html
  6. ^ Magnus Karlsson (2009). ”Bofors HPM Blackout”. Artilleri-Tidskrift (2-2009): s. s 12-15. Retrieved 2010-01-04.
  7. ^ Google search
  8. ^ Joint High Power Solid-State Laser fact sheet, Northrop Grumman Corporation, April 22, 2008 [1]
  9. ^ Pae, Peter, "Northrop Advance Brings Era Of The Laser Gun Closer", Los Angeles Times, March 19, 2009., p. B2.
  10. ^ Northrop Grumman (2010年4月7日). “Navy Shows Off Powerful New Laser Weapon.”. Foxnews.com. 2011年9月25日閲覧。
  11. ^ Emery, Daniel (2010年7月19日). “BBC News - Anti-aircraft laser unveiled at Farnborough Airshow”. Bbc.co.uk. 2011年9月25日閲覧。
  12. ^ MLD Test Moves Navy a Step Closer to Lasers for Ship Self-Defense, official press release, 4/8/11.
  13. ^ Navy tests laser gun by zapping motorboat off California coast, LA Times, 4/11/11.
  14. ^ Air Force Link News story on the PHaSR handheld rifle-style weapon. 2 November 2005.
  15. ^ Wired News article "Weapons Freeze, Microwave Enemies" (and copied in at least 661 other web pages including this link(2006年6月14日時点のアーカイブ))
  16. ^ Boeing YAL-1 Airborne Laser (ABL) | Photos and Pictures
  17. ^ [2]
  18. ^ Charles H. Townes -- Nobel Lecture
  19. ^ The Dual Noble Gas Maser, Harvard University, Department of Physics
  20. ^ http://www.osti.gov/energycitations/product.biblio.jsp?osti_id=7369133
  21. ^ Naval Submarine Medical Research Laboratory (Groton, Connecticut), Navy Experimental Diving Unit (Panama City, Florida), SCC San Diego, Navy Medical Research and Development Command (Bethesda, Maryland), Underwater Sound Reference Detachment of Naval Undersea Warfare Center (Orlando, Florida), Applied Research Laboratories: University of Texas at Austin, Applied Physics Laboratory: University of Washington, Institute for Sensory Research: Syracuse University, Georgia Institute of Technology, Emory University, Boston University, The University of Vermont, Applied Physics Laboratory, Johns Hopkins University, Jet Propulsion Laboratory, University of Rochester, University of Minnesota, University of Illinois system, Loyola University[要曖昧さ回避], State University of New York at Buffalo, New York
  22. ^ “Non-Lethal Swimmer Neutralization Study”; Applied Research Laboratories; The University of Texas at Austin; G2 Software Systems, Inc., San Diego; TECHNICAL DOCUMENT 3138; May 2002 Non-Lethal Swimmer Neutralization Study
  23. ^ Archimedes Death Ray: Idea Feasibility Testing
  24. ^ Jones, R.V.. Most Secret War: British Scientific Intelligence 1939--1945. Coronet. pp. 84,124. ISBN 0-340-24169-1 
  25. ^ Seifer, Marc J., Wizard, the Life and Times of Nikola Tesla. ISBN (HC) pg. 454.
  26. ^ http://www.main-netz.de/nachrichten/region/aschaffenburg/aschaffenburg-land/land/art3986,883119
  27. ^ U.S. Senate - Committee on Veterans Affairs: Hearings - Gulf War Illnesses; Testimony to the Senate Veterans Affairs Committee; Meryl Nass, MD, Director of Pulmonary Rehabilitation, Mount Desert Island Hospital Bar Harbor, Maine; September 25, 2007 [3]
  28. ^ Kononenko, Boris. “Silent Space Is Being Monitored”. 2011年7月21日閲覧。
  29. ^ Zaloga, Steven. “RED STAR WARS”. 2011年7月21日閲覧。
  30. ^ http://www.astronautix.com/flights/sts41g.htm
  31. ^ Human Effects Advisory Panel Program; presented to: NDIANon-Lethal Defense IV [4]
  32. ^ Non-Lethal Weaponry: From Tactical to Strategic Applications; Colonel Dennis B. Herbert, USMC (Ret.), program developer, Institute for Non-Lethal Defense Technologies at Pennsylvania State University; pg. 4 [5]
  33. ^ Smith, David (2006年11月22日). “Pirates shoot at Britons' cruise liner”. The Guardian (London). http://www.guardian.co.uk/travel/2005/nov/06/travelnews.uknews.theobserver 

参考文献

外部リンク