拍節

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音楽にあって、等しい間隔で打たれる基本的なリズムを、拍節(はくせつ)と言い、そのひとつひとつの時間単位を(はく)という。拍は、一般に、人間の歩行の一歩一歩に擬せられる。拍節は、音楽に内在する固定的な周期であるから、ひとつひとつの拍が必ずしも常に実際の音によって示されなければならないわけでない。

拍の長さは曲によって様々であり、ひとつの曲の中でも変化することがある。拍の周期の速さのことをテンポという。

拍に重軽が生じる時、重である拍を「強拍(独 Niederschlag、英 downbeat)」、軽である拍を「弱拍(独 Auftakt、英 upbeat)」と呼ぶ。強拍は歩行の時の利き足、または踊りの重いステップに擬せられることが多い。ひとつの強拍とひとつまたはいくつかの弱拍との組み合わせが、規則的に繰り返す時、拍子(ひょうし)が生ずる。

拍節は基本的なリズムであると考えられがちであるが、拍節を持たない音楽は世界中に見られる。雅楽などには、拍の伸縮率が奏者に委ねられているクロノメトリカルな拍子が存在する[1]

脚注[編集]

  1. ^ 清水チャートリー 『現代音楽の中の笙(1):笙と西洋五線譜』 雅楽だより、2020年、7頁。

関連項目[編集]