忍者部隊月光
忍者部隊月光 | |
---|---|
ジャンル | アクション |
漫画:少年忍者部隊月光 | |
作者 | 吉田竜夫 |
出版社 | 少年画報社 |
掲載誌 | 週刊少年キング |
レーベル | マンガショップシリーズ(現行の単行本) |
発売日 | 2006年12月6日 |
巻数 | 全4巻 |
その他 | 現在はマンガショップから発売 |
ドラマ:忍者部隊月光 | |
原作 | 吉田竜夫 |
監督 | 土屋啓之助 吉野安雄 仲木睦 福原博 高橋繁男 山田健 石川義寛 |
制作 | 国際放映 |
放送局 | フジテレビ |
放送期間 | 1964年1月3日 - 1966年10月2日 |
話数 | 全130話 |
その他 | 第118話より『新忍者部隊月光』に改題 |
映画:忍者部隊月光 | |
監督 | 土屋啓之助 |
制作 | 東映 |
封切日 | 1964年7月28日 |
上映時間 | 74分 |
テンプレート - ノート |
Template:漫画 は 廃止されました |
---|
『忍者部隊月光』(にんじゃぶたい げっこう)は、1964年(昭和39年)1月3日から1966年(昭和41年)10月2日まで[注 1]フジテレビ系で全130話が放送された、国際放映製作の特撮番組。モノクロ作品。吉田竜夫の漫画『少年忍者部隊月光』を原作として、時代を第二次世界大戦中から現代に、主人公たちの年齢を少年から青年に置きかえている[1][2]。 118話より『新忍者部隊月光』(しんにんじゃぶたいげっこう)と改題[1][2]。
放送時間は104話まで金曜19:00 - 19:30、105話から117話まで木曜19:00 - 19:30、118話以降は日曜18:00 - 18:30[1][2]。
内容
正義と世界平和を守ることを目的とする「あけぼの機関」に所属する、伊賀流・甲賀流忍者の末裔で編成される「忍者部隊」が忍術などの能力を駆使して悪事と戦う物語。「月光」は部隊長の呼び名。
企画当初は原作同様、時代設定は戦時中で、忍者部隊は陸軍参謀本部直属の秘密潜入部隊とされていたが、シリーズ構成上の問題から、現代に修正された[3]。
忍者部隊は、革ジャンパーにネットで覆ったヘルメット[注 2]を着用、背中に日本刀を背負った独特のコスチュームで任務を遂行する。初期は迷彩色のコスチュームが中心で、緑色のジャンパーをその上に羽織っていたこともあった。季節や、任務によってコスチュームを変更[注 3]するのは他の同様な番組にはない本作の特徴となっている[4]。拳銃を使わず戦うのが基本。初期のオープニング冒頭では、三日月(女性隊員)がダムの向こうにいる敵を拳銃で撃ち、月光が「拳銃は最後の武器だ」と一喝する場面がある。
主な敵対組織は、忍者部隊と同様に忍術を駆使する「ブラック団」、科学技術を悪用する秘密結社「マキューラ」、妖術を操る「まぼろし同盟」。
基本的には子供向けの痛快活劇として作られており、手裏剣投げのポーズが当時大流行した[5][6]。当初は、要人を誘拐するなどのハードなエピソードや忍者部隊の中に志半ばで戦死してしまう者が出るなど忍者部隊の任務の過酷さも強調され、シリアスな作風だった[1][2]がシリーズが進むにつれ、その傾向は薄れていった。メイン監督の土屋啓之助は海外ドラマ『コンバット!』の日本版を目指していたという[7]。
スタッフ
- 原作:吉田竜夫(週刊少年キング連載)
- プロデューサー:梅村幹比古、佐川滉、田村稔(国際放映)、新藤善之(フジテレビ)
- プロデューサー補:守田淳
- 脚本:西田一夫、田村多津夫、高久進、佐々木亮、織田清司、山田健、巻本公三、吉田喜昭、水木襄、山浦弘靖、藤川桂介
- 監督:土屋啓之助、吉野安雄、仲木睦、福原博、高橋繁男、山田健、石川義寛
- 音楽:渡辺宙明
- 撮影:山中晋、森田守、佐々木祐二、平野好美、小林茂、大森二郎
- 照明:綱島俊男、関川次郎、富樫広哉、中村俊夫
- 録音:成田茂、豊田博、山王スタジオ
- 美術:大橋豊一、筒井増男
- 編集:平木康雄、神谷信武
- 現像:東洋現像所
- 助監督:福原博、五十嵐貞昭、野崎貞夫、榎本富士夫、中野恵之、香月敏郎
- 舞台装置:美建興業株式会社
- 制作担当:平木稔、守田淳、岡部英二、宗像千賀比古、中嶋健二、関口直久、奥原徳太郎、篠原通男
- 制作主任:岡部英二
- 協力:日本MGC協会、豊和工業株式会社、トヨタ自動車、東京トヨペット株式会社、鈴木自動車ほか
- 殺陣:中村幹次郎(中村剣友会)、湯浅謙太郎(湯浅剣睦会)、渡辺高光(J・F・A)、NAC技斗会
- 制作:NAC → 国際放映、フジテレビ
主題歌
- 「忍者部隊月光」
- 作詞:山上路夫、作曲:渡辺宙明、歌:デューク・エイセス( - 第55話)、ヴォーカル・ショップ(第56話 - )
※テレビサイズは、フルサイズに準じたバージョンと、テンポを上げて再録音されたバージョン(第56話 - )の2種類が使用されている。
- 「忍者部隊のマーチ」
- 作詞:滝田順、作曲:渡辺宙明、歌:ヴォーカル・ショップ
キャスト
- 月光(月田光一):水木襄
- 月輪(月岡輪次):石川竜二
- 名月(山名月之助):山口暁
- 月影(月野影也):渚健二(第1 - 18話)
- 三日月(月上三日子):森槙子(第1 - 33話)
- 新月:浅沼創一(第19 - 51話)
- 半月:小島康則(第23 - 104話)
- 半月の声:朝井ゆかり[注 4](第23 - 101話)
- 銀月:加川淳子(第33 - 104、118、126 - 130話)
- 満月:山本磯六(第111 - 130話)
- 流月:手塚しげお(第109、110、114 - 117、119 - 122話)
- 夕月:吉田亜矢(第119 - 124話)
- 月明:広川太一郎(第1、2話)
- 初代夕月:園浦ナミ(第3、4話)
- 望月(マキューラのスパイ):広川太一郎(第80、81話)
- あけぼの機関長:中山昭二(第1話)
- あけぼの機関員・長尾:金沢重勝(第1話ほか)
- あけぼの機関員・矢野:国方伝(第1話ほか)
- ブラック団総統:A・ヤクベンコ(第33話)、エド・キーン(第35、36話)、ピーター・ウィリアムス(第48、51話)
- ブラック団総統の声:若山弦蔵(第25、26話)、今西正男(第33、35、36話)
- マキューラ首領・M〇号:友田輝(第98 - 104話)
- マキューラ幹部・M一号:仙波一之(第52 - 55話)
- マキューラ幹部・M二号:三鬼濁(第56 - 104話)
- マキューラ幹部・M三号:浜村美智子(第56 - 104話)
- マキューラ工作員・十八号:大塚孝(第68 - 104話)
- まぼろし同盟初代首領・幻仮面:松原光二(第106 - 117話)
- まぼろし同盟二代目首領・幻影仮面:友田輝(第118 - 130話)
- まぼろし同盟幹部・幻1号:大塚孝(第118 - 130話)
- まぼろし同盟幹部・幻2号:樋口功(第118 - 130話)
- まぼろし同盟員・幻22号(幻仮面の妹):菊容子(第125、126話)
放送リスト
忍者部隊月光
|
|
新忍者部隊月光
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|
118 | 1966年 7月3日 |
ロケット大作戦 | 吉田喜昭 | 土屋啓之助 |
119 | 7月10日 | 第二の仮面作戦(前) | ||
120 | 7月17日 | 第二の仮面作戦(後) | ||
121 | 7月24日 | 動物村作戦(前) | 山浦弘靖 | 山田健 |
122 | 8月7日 | 動物村作戦(後) | ||
123 | 8月14日 | 3ドラム作戦(前) | 吉田喜昭 | 福原博 |
124 | 8月21日 | 3ドラム作戦(後) | ||
125 | 8月28日 | ミルク博士作戦(前) | 山浦弘靖 | 土屋啓之助 |
126 | 9月4日 | ミルク博士作戦(後) | ||
127 | 9月11日 | サイボーグ作戦(前) | 吉田喜昭 | 山田健 |
128 | 9月18日 | サイボーグ作戦(後) | ||
129 | 9月25日 | 新兵器作戦(前) | 藤川桂介 | 福原博 |
130 | 10月2日 | 新兵器作戦(後) |
映画版
テレビ版の大ヒットを受けて、これに着目した東映によって劇場版が製作された[注 5]。1964年7月28日に東映系の「まんが大行進」内の一本として、それまで上映された『少年忍者風のフジ丸』に代わって公開された。モノクロ作品。テレビ版と同じレギュラーキャスト、脚本、監督、音楽を起用している[注 6]。映画版での新メンバーとして月風、流月、月蝕の三人が登場する[5]。コスチュームは本作用に新調された[3]。同時上映は『狼少年ケン』・『エイトマン』・『鉄人28号』(第1作)の計3本。
スタッフ
- 製作:東映
- 企画:俊藤浩滋、原伸光
- 原作:吉田竜夫
- 脚本:高久進
- 撮影:栗原孝次郎
- 録音:岸勇
- 照明:銀屋謙蔵
- 美術:中村修一郎
- 編集:祖田冨美夫
- 助監督:田口勝彦
- 進行主任:伊藤源郎
- 現像:東映化学工業株式会社
- 音楽:渡辺宙明
- 監督:土屋啓之助
キャスト
- 月光:水木襄
- 新月:浅沼創一
- 月輪:石川竜二
- 名月:山口暁
- 三日月:森槙子
- 半月:小島康則
- 月蝕:小川守
- 月風:若宮五郎
- 流月:波木井健二
- ベルドリック:ハロルド・S・コンウェイ
- ローゼンハイマー:ポール・シューマン
- 藤波博士:明石潮
- あけぼの機関長・南郷:中山昭二
- ブラック総督:エド・キーン
- 竜虎:関山耕司
- バラモン:八名信夫
- ジャッカル:片山滉
- シュナイダー:小林稔侍
- ブラック総督の声:寺島幹夫
ほか
備考
- 忍者部隊のヘルメットには、クノー工業の製品が使用されている[9]。
- プロップガンにはタイアップによりモデルガンメーカーMGCの製品が使用されている[6][10]。
- スポンサーは田辺製薬(現・田辺三菱製薬)1社提供だった。
- 水木襄の証言によれば、開業前の東名高速道路で撮影を行っている[11]。
- 香港の各作戦では、月光と銀月が、今は香港にはないフォーチュナ・ホテルに滞在している。空港も昔の国際空港の啓徳空港が出てくる。
- 主演の水木襄は、第98、99話「M0号作戦」の脚本を執筆している。
- 月影の殉職について水木襄は、男女問題による降板であったことをほのめかす証言をしている[11]。
- 1970年代にキャストを一新したリメイクが企画されていたが実現していない[12]。
- 本作は、『Phantom Agents』のタイトルでアメリカ、オーストラリアなどに輸出され人気を博した[13]。オーストラリアでは、1966年から1967年にかけて放映されていた[14]。また、水木襄は海外から取材団が来日した際、「目の前で消えてほしいと注文を受けて驚いた」と後年のインタビューで語っている[11]。
- 「忍者部隊のマーチ」は、のちに広島東洋カープの正田耕三の応援歌として使用された。
他の作品への影響
- 吉田の弟でタツノコプロ3代目社長の九里一平は、「タツノコプロが『科学忍者隊ガッチャマン』を企画した際、この作品をベースにした」と証言している。だが、『ガッチャマン』を企画した1人である脚本家の鳥海尽三は、「少年たちのヒーローが悪と戦うという設定以外はこの作品を特に意識したわけではない」と、ややニュアンスの異なる証言をしている。[要出典]
- 円谷プロの特撮テレビドラマ『戦え! マイティジャック』には、本作と同じ局プロデューサーの新藤善之が参加しており、新藤の人脈で山口暁、渚健二の出演が決まった[15]。また、監督に土屋啓之助、福原博が参加しているなどの共通点も雑誌の特集で指摘されている[16]。
映像ソフト化
- 1980年代にビデオソフトが1巻発売。第1・2・7・8話を収録。
- 1985年に東映ビデオより劇場版のビデオソフトが発売。
- 1993年に日本ソフトシステムからLDが発売。
- 2000年7月25日に発売げんごろう・販売セブンエイトよりVHSが発売された[17]。第1、2、129、130話を収録[17]。
- 2001年6月21日から9月21日にかけて日本コロムビアよりDVD-BOXが発売された[18]。全2巻[18]。
- 2004年(平成16年)9月29日に放送40周年を記念し全130話の中から厳選された33話が収録。
- 2010年(平成22年)7月5日に初の完全版DVD - BOXがリリース開始。全3BOX。BOX1は、第1 - 51話を収録。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d 『全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日、68頁。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。
- ^ a b c d 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、54頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。
- ^ a b 『宇宙船』 Vol.12、朝日ソノラマ、1982年、58頁。
- ^ 『宇宙船』 VOI.12、53頁。
- ^ a b 『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年、156頁。ISBN 4766927060。
- ^ a b 『宇宙船』 VOI.12、52頁。
- ^ 石橋春海 2013, p. 81.
- ^ 『劇場版 忍者部隊月光オリジナルサウンドトラック』(サウンドトラックラボラトリー・2014年7月)解説書より
- ^ [1]
- ^ 石橋春海 2013, p. 82.
- ^ a b c 石橋春海 2013, pp. 84–85, 水木襄 再録インタビューとその後(ミリオン出版「ズームイン」1985年4月号より再録)
- ^ 石橋春海 2013, p. 83.
- ^ CD『忍者部隊月光 音楽作戦Vol.1』(サウンドトラックラボラトリー・2014年5月)解説書より。
- ^ PHANTOM AGENTS 1960年代の日本のアニメ、特撮番組を紹介するオーストラリアのウェブサイト内のページ。当時の視聴者から感想や思い出などのコメントが寄せられている。
- ^ 『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』(洋泉社・2012年)168頁
- ^ 『宇宙船』 VOI.12、59頁。
- ^ a b 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、66頁。雑誌コード:01844-04。
- ^ a b 「綴込特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2002」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、169頁、雑誌コード:01843-05。
参考文献
- 石橋春海『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日。ISBN 978-4-7747-5853-4。
フジテレビ系 金曜19:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
忍者部隊月光
|
遊星少年パピイ
(→枠交換) |
|
フジテレビ系 木曜19:00枠 | ||
遊星少年パピイ
(→枠交換) |
忍者部隊月光
|
|
フジテレビ系 日曜18時台前半枠 | ||
新忍者部隊月光
|
歌であてまショー
(17:00 - 18:30) |
|
フジテレビ系 田辺製薬一社提供枠 | ||
宇宙船XL-5
↓ 谷啓の宇宙冒険 |
忍者部隊月光
↓ 新忍者部隊月光 |
終了
|