弓削昭子

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ゆげ あきこ
弓削 昭子
開発経済学の研究者
生年月日 ????7月15日
学歴 ニューヨーク大学大学院経済学研究科開発経済学 博士前期修了
コロンビア大学バーナード・カレッジ教養部(文科系)卒業
現職 法政大学教授
三井住友海上社外取締役
前職 国連開発計画駐日代表・総裁特別顧問
フェリス女学院大学国際交流学部教授

弓削 昭子(ゆげ あきこ、19??年7月15日 - )は、日本の大学教授で、元国連職員。元国連開発計画駐日代表兼総裁特別顧問。

法政大学教授[1]三井住友海上社外取締役[2]、日本国際連合学会理事[3]特定非営利活動法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)特別顧問[4]

2006年6月、ニューズウィーク誌より、「世界が認めた日本人女性100人」の一人に選ばれている。

来歴

学歴

1975年5月、コロンビア大学バーナード・カレッジ教養部卒業。心理学を専攻。

1982年6月、ニューヨーク大学大学院経済学研究科博士前期(開発経済学)修了。開発経済学の第一人者en:Michael Todaro博士に師事した。[5]

国際公務員としてのキャリア

大学卒業後、日本に帰国。当時、修士号を要件としていなかったJPOに応募し、1976年国連開発計画(UNDP)から国際公務員としてのキャリアをスタートさせる。同機関のタイバンコク事務所で常駐副代表補佐を務めた。 まもなく、日本政府にフィールド・レベルでの仕事を希望し、JPO期間中の1997年国連人口基金(UNFPA)に異動。 同機関のタイバンコク事務所、代表補佐を務める。

JPOが終わった1978年、国連開発計画(UNDP)本部のアジア太平洋局からのオファーがあり、国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部、アジア太平洋局、プログラム支援部、プログラム・オフィサーを務める。同時に、ニューヨーク大学大学院に入学し、修士号を取得。 1980年から3年間、国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部、アジア太平洋局、東アジア部、中国・フィリピン担当エリア・オフィサーを務める。

1983年、夫とともに日本に帰国したことに伴い、国際公務員を休職。 同年から始めた社団法人海外コンサルティング企業協会(ECFA)でのプロジェクト研究員を経て、 1986年より財団法人工業開発研究所研究員、日本・インドネシア科学技術フォーラム事務局コーディネーターを務める。

フリージャーナリストとなった夫とともに、1988年からバンコクへ行き、国連開発計画(UNDP)タイ、バンコク事務所常駐代表補佐を務める。 1990年から国連開発計画(UNDP)インドネシアジャカルタ事務所常駐副代表、1994年から1999年には、国連開発計画(UNDP)ブータン王国ティンプー事務所常駐代表、国連常駐調整官を務める。キャリアの中では、ブータン王国で最も長いフィールド経験を持つ。

1999年より、夫の親の世話を機にして、日本に帰国。当時新設されたフェリス女学院大学国際交流学部で教授を務める。著名な教え子として、特定非営利活動法人かものはしプロジェクトの創立者の一人である村田早耶香がいる。 3年後、国連開発計画(UNDP)の駐日事務所の代表のポストが空いたのでアプライ。 2002年から2006年、国連開発計画(UNDP)駐日事務所、駐日代表を務める。

その後、当時のコフィ・アナン国際連合事務総長によって、女性としては初の国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部、管理局長に任命され、2012年まで務める。 最終的には、ヘレン・クラーク総裁の総裁特別顧問、駐日代表として、国連開発計画(UNDP)駐日事務所に戻り、TICADVを経験、2013年までそのポストを務めた。

現在の職務

国際連合退任後、特任教授となった長谷川祐弘の後任として、2014年4月から法政大学法学部国際政治学科教授、同大学大学院政治学研究科国際政治学専攻教授[6]として人材育成にあたっている。また、三井住友海上社外取締役[7]、日本国際連合学会理事[8]特定非営利活動法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)特別顧問[9]模擬国連四ツ谷研究会顧問のほか、日本政府の有識者会議や国際会議の委員として、政策提言やアドバイザーなども務めている。

人物

現在の専門分野

国連機構、ODA、国連の開発アジェンダ、ジェンダー、開発教育、平和構築人材育成に造詣が深い。学術的には、平和活動の主要な分野である平和維持活動平和構築活動国際機構論。特に国際連合における平和構築開発協力[10]

その他

出生については、生年は公開されていない。父親がスペイン語話者の外交官であったことから、スペインで7月15日に誕生している。その後、東京都小金井市に住んでいたが、幼稚園から小学校3年までメキシコの現地学校で過ごす。 その後、東京都北区の王子第一小学校で日本語を学びながら、桜蔭中学校に合格。1年ほど在学したが、アメリカニューヨークの中学校に転校し、海外での長い生活が始まる。大学は、コロンビア大学バーナード・カレッジ。同カレッジは、全米最難関の女子大と言われ、セブン・シスターズの一つとして、数えられる。

配偶者は、元日本経済新聞記者フリーライター、日本ブータン友好協会理事の弓削康史

趣味は、ジャズヴォーカル、映画鑑賞。[11]

ブローチや指輪がトレードマーク。

大学院時代に師事したen:Michael Todaroの他、アマルティア・センにも影響を受けている。

現在では、法政大学のグローバル化を積極的に進める要となっている。[12]また、授業は「Global Governance」「演習(ゼミ)」 「国連・平和構築研究(大学院) 」「外交総合講座」「国際機構論」などを担当し、学生のプレゼン、テストを含め、すべて英語で行うことを特徴としている。 演習では、ゼミ生の自主性を重んじながらも、最も法政大学の派遣留学制度に合格する学生が多いなど、後進の育成に力を入れている。[13]

主な功績

研究発表

口頭発表(一般)ポスト2015年開発アジェンダと国連の役割 シンポジウム:混沌とする世界における国際機関の強化 -ヒロシマの果たす役割は- 2014/11/26

公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等 国連機関におけるキャリア・パス:現場と本部 日本国際連合学会研究大会 2014/06/28

口頭発表(一般) ミレニアム開発目標(MDGs)と国連の取り組み 日本国際連合学会研究大会 2005/05

口頭発表(一般) ODA改革を考える 国際開発学会シンポジウム 2002/11

口頭発表(一般) これからのODA改革と地球公共財 国際開発学会全国大会 2001/12

論文

(MISC)速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 単著 紛争・平和構築とポスト2015年開発アジェンダ 国際開発研究 23/ 2, 55-66 2015/06/16 1342-3045

(MISC)総説・解説(大学・研究所紀要) 単著 平和構築に向けた国連開発計画(UNDP)の取り組みー制度改革と事業領域の再構築の視点から モンテレー会議後の世界のODAの変動 2003/03

研究論文(学術雑誌) 単著 国連日本人職員の可能性と課題 グローバル・アクターとしての国連事務局 2002/05

研究論文(大学,研究機関紀要) 単著 貧困問題への対応策 貧困問題の解決に向けた課題とグローバル・ガバナンスの役割 2001/06

研究論文(大学,研究機関紀要) 単著 Strategic Alliance between the United Nations and the Private Sector in the Development Cooperation Field 国際交流研究 2001/03

政策提言

外務大臣の私的懇談会「第2次ODA改革懇談会」

内閣官房長官開催の「国際平和協力懇談会」

外務大臣の諮問会議「国連改革に関する有識者懇談会」

内閣総理大臣主催の経済財政諮問会議における「日本21世紀ビジョンに関する専門調査会・グローバル化ワーキンググループ」

文部科学省「政策評価に関する有識者会議」

文部科学省「国際教育協力懇談会」[14]

国際連合主催の「第3回国連防災世界会議に係る国内準備会合」[15]

外務省「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(World Assembly for Women in Tokyo: WAW! 2015)」[16]

脚注

  1. ^ 法政大学 法学部 国際政治学科”. 2016年3月19日閲覧。
  2. ^ 三井住友海上 役員紹介”. 2016年3月19日閲覧。
  3. ^ 役員一覧 (任期: 2013年10月~2016年9月)”. 日本国際連合学会. 2015年4月9日閲覧。
  4. ^ 役員一覧”. IVUSA. 2016年3月19日閲覧。
  5. ^ “[http://www.unforum.org/unstaff/150.html 「国連職員NOW! 第150回 弓削昭子さん 」]”. UN FORUM (2005年6月8日). 2015年4月9日閲覧。
  6. ^ 法政大学 法学部 国際政治学科”. 2016年3月19日閲覧。
  7. ^ 三井住友海上 役員紹介”. 2016年3月19日閲覧。
  8. ^ 役員一覧 (任期: 2013年10月~2016年9月)”. 日本国際連合学会. 2015年4月9日閲覧。
  9. ^ 役員一覧”. IVUSA. 2016年3月19日閲覧。
  10. ^ 法政大学 法学部 国際政治学科”. 2016年3月19日閲覧。
  11. ^ 法政大学大学院 教員紹介”. 2016年3月19日閲覧。
  12. ^ 読売オンライン”. 2016年3月19日閲覧。
  13. ^ 弓削ゼミナール入ゼミ用ツイッターアカウント”. 2016年3月19日閲覧。
  14. ^ ニュースリリース”. UNDP. 2016年4月19日閲覧。
  15. ^ 第3回国連防災世界会議に係る国内準備会合 委員”. 内閣府. 2016年4月19日閲覧。
  16. ^ WAW! 参加者一覧”. 外務省. 2016年4月19日閲覧。

関連項目

外部リンク