島田金谷バイパス

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一般国道
国道1号標識
島田金谷バイパス
路線延長 10.4 km
開通年 1971年 - 1980年
起点 静岡県島田市野田
終点 静岡県掛川市佐夜鹿
接続する
主な道路
記法
藤枝バイパス
日坂バイパス
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

島田金谷バイパス(しまだかなやバイパス)は、静岡県島田市から同県掛川市までを結ぶ国道1号の通称。1982年にバイパスから本線に昇格している。新大井川橋より東側(41工区)を島田バイパス、西側(42工区)を金谷バイパスとも呼ぶ[1]

概要

道路諸元

  • 起点:静岡県島田市野田(野田IC)
  • 終点:静岡県掛川市佐夜鹿(小夜の中山トンネル西側)
  • 延長:10.4 km
  • 規格:第3種1級
  • 標準道路幅員:18.25 m
  • 車線数:暫定2車線(一部上り1車線、下り2車線の3車線区間有り)
  • 車線幅員:3.5 m
  • 設計速度:80 km/h

概説

通行料金は無料。自動車専用道路ではないので、50 cc以下の原付も通行可能。 信号が全くないが、朝夕は新大井川橋の前後の区間で混雑する。

大代IC - 日坂バイパス日坂ICの区間は、連続降雨量が250 mmを超えると通行止めになる(日坂IC手前(上り線)と新大井川橋手前(下り線)に予告看板あり)。

拡幅事業について

島田金谷バイパスは開通当初から全線が無料で、東名高速道路が島田・藤枝両市街地からかなり離れたところを通過する事もあり、特に新大井川橋周辺は、時間帯を問わず慢性的な渋滞が長年の課題となっている。2004年3月に大代ICから新大井川橋手前の区間が4車線化されたものの、上り線・新大井川橋手前の車線減少・合流地点で無理な割り込みによる事故や渋滞の多発が問題となり、2006年7月よりその区間を敢えて1車線減少させた経緯がある[1]。同じ国道1号の掛川バイパス藤枝バイパス2005年に無料化されて以降はその影響で交通量が更に増加しており、渋滞の最後尾が掛川バイパス(日坂バイパス)の八坂IC付近にまで達する事も少なからずある。また、金谷地区から島田市街へ向かう救急車の通行が多いが、渋滞発生時には緊急車両の通行も困難となっている[2]

牧の原第一トンネルから大代ICの区間は、1975年から下り線の登坂車線設置のために4車線の設定になっているが、開通から40年余りもの間、上り線は1車線通行で、空いた1車線分のスペースには矢印の標識が数メートル間隔で並べられている。そのスペースは路面の傷みが激しく、アスファルトの隙間から雑草が顔を覗かせる箇所も存在する[2]

また、上り線の掛川バイパスから藤枝バイパスの約30 kmにわたる区間は、追越車線登坂車線が設置されておらず、追い越しのための右側部分はみ出し通行も禁止されているため、60 km/h出せない特殊車両(クレーン車など)が乗り入れる事により長い車列を作ってしまい、渋滞の原因になる事がある[注釈 1]

以上のような問題解消のため、静岡県知事や島田市長、島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟は、拡幅事業および菊川ICのフルインター化の要望を再三にわたり国土交通省へ陳情してきた[3]。それに対し国土交通省の審議会は、損失時間が110万人時間/年という現況を踏まえ[3]、2012年1月には4車線化工事の着工を了承した[4]。ルートについては、全線を現道の暫定2車線区間に沿って拡幅するルート(事業費240億円)と、上り線だけ菊川ICから北側に迂回させ、大代IC付近で再び現道に合流するルート(事業費265億円)の2案が検討され、事業効果の見込みは両案ともほぼ同じだったため、前者の現道拡幅案が採用された[5]

2012年度より調査・設計業務に[6]2014年度より用地取得および工事に着手しており[7]2015年度末時点での進捗率は6 %(うち用地取得率は35 %)となっている[7]。完成予定時期は明示されていないが、全線4車線での供用時には損失時間が40万人時間/年まで改善するものと期待される[3]

歴史

  • 1966年昭和41年)度 : 事業化
  • 1967年(昭和42年)度 : 用地取得および工事に着手
  • 1971年(昭和46年)1月20日:新大井川橋西詰 - 夜泣き石交差点間(6.1 km)(金谷バイパス)が暫定2車線で開通。
  • 1971年(昭和46年)12月 : 新大井川橋(0.9 km)が暫定2車線で開通。
  • 1975年(昭和50年)3月 : 大代IC - 牧の原第一トンネル間が2車線から4車線へ拡幅(ただし上り線は1車線通行)。
  • 1980年(昭和55年)11月 : 野田IC - 新大井川橋東詰間(3.6 km)(島田バイパス)の開通により、全線が暫定2車線で開通。
  • 1982年(昭和57年)3月 : 本線に昇格。
    島田市の大津通り交差点以西の旧道は国道指定を解除(静岡県道381号島田金谷線に指定変更)されたが、同交差点以東の現道は引き続き国道1号として運用されていたため、新たに大津通り交差点から野田ICを結ぶ区間(約1.5 km)を国道1号に指定(2015年3月まで)。
  • 2001年平成13年)3月30日 : 大代IC付近(0.9 km)が4車線化。
  • 2004年平成16年)3月30日 : 新大井川橋西詰 - 大代IC間(1.1 km)が4車線化。
  • 2006年(平成18年)7月24日 : 上り線の大代IC - 新大井川橋西詰の区間が1車線減少。
  • 2012年(平成24年)1月 : ほぼ全線(野田IC - 菊川IC西側の10.4 km)の4車線化工事着工を国土交通省が了承[4]

接続するバイパスの位置関係

(東京方面)藤枝バイパス - 島田金谷バイパス - 日坂バイパス(大阪方面)

インターチェンジなど

施設名 接続路線名 備考 所在地
国道1号藤枝バイパス静岡沼津方面
野田IC 静岡県道217号伊久美元島田線 浜松・静岡方面出入口 島田市
旗指IC
向谷IC 静岡県道64号島田川根線
新大井川橋
(3車線区間) 上り1車線、下り2車線
大代IC 国道473号E1A 新東名高速道路 浜松・静岡方面出入口
(3車線区間) 上り1車線、下り2車線
菊川IC[注釈 2] 静岡県道381号島田岡部線
国道473号金谷御前崎連絡道路[8](事業中)
静岡方面のみ接続
(夜泣石交差点) 国道1号現道、静岡県道381号島田岡部線 静岡方面入口のみ 掛川市
国道1号日坂バイパス浜松豊橋方面

主なトンネルと橋

トンネル一覧
トンネル名称 名称の読み方 延長 区間 備考
牧の原第一トンネル まきのはらだいいち 196 m 大代IC - 菊川IC
牧の原第二トンネル まきのはらだいに 311 m 大代IC - 菊川IC
牧の原第三トンネル まきのはらだいさん 511 m 大代IC - 菊川IC
小夜の中山トンネル さよのなかやま 170 m 菊川IC - 日坂IC
橋一覧
  • 伊太谷川橋(旗指IC - 向谷IC)【伊太谷川】
  • 溝橋(旗指IC - 向谷IC)
  • 島田第二高架橋(旗指IC - 向谷IC)
  • 向谷高架橋(向谷IC)
  • 島田第一高架橋(向谷IC - 大代IC)
新大井川橋
  • 新大井川橋(向谷IC - 大代IC)【大井川
  • 島跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 1号跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 2号跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 県道跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 五和跨線橋(向谷IC - 大代IC)【大井川鉄道
  • 大代川橋(大代IC - 菊川IC)【大代川
  • 番生寺跨道橋(大代IC - 菊川IC)
  • 番生寺橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第1志戸呂橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第2志戸呂橋(大代IC - 菊川IC)
  • 牧の原高架橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第2菊川橋(菊川IC - 日坂IC)【菊川
  • 第1菊川橋(菊川IC - 日坂IC)

脚注

注釈

  1. ^ なお、掛川バイパス - 島田金谷バイパスへの上り線は、流入は「八坂」「日坂」「小夜の中山トンネル西口・東口」「菊川」の各インターで可能であるが、流出は「八坂」「日坂」と「小夜の中山西口」でしか出来ない。新大井川橋を起点とする渋滞最後尾がしばしば小夜の中山西口を少し越えた所まで到達するが、その時点で並行して走る旧国道1号に迂回しようにも、すでに流出可能インターはないため、新大井川橋まで40分強のノロノロ運転を強いられる。 またラジオの交通情報では新大井川橋の渋滞は毎回取り上げられるが、その距離は1kmで、実際の渋滞距離の1/6の距離しか放送されない。そのためかそのままバイパスを走行し、迂回ポイントを過ぎてから渋滞に遭遇し、なす術無しになる車が多数である。[独自研究?]
  2. ^ 東名高速道路菊川ICとは10km以上離れている。当ICの名称は榛原郡金谷町(現・島田市)菊川、東名高速道路の菊川ICの名称は小笠郡菊川町(現・菊川市)に由来している。地名の由来はどちらも河川の菊川である。

出典

  1. ^ a b 事業のあらまし” (PDF). 国土交通省浜松河川国道事務所. 2014年2月16日閲覧。
  2. ^ a b 「渋滞するのに使われない車線」 Archived 2009年9月5日, at the Wayback Machine.(2008年7月7日OA 静岡放送テレビ夕刊」)
  3. ^ a b c “平成24年度新規事業候補箇所”. 国道交通省中部地方整備局公式サイト (国土交通省中部地方整備局). http://www.cbr.mlit.go.jp/road/syouiinkai/pdf/h23_dai2_haifu03.pdf 
  4. ^ a b “一般国道8区間の着工を了承 国交省審議会部会”. 共同通信. (2012年1月24日). http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012401002377.html 2012年1月28日閲覧。 
  5. ^ “島田金谷BPが新規事業箇所に―240億円を想定”. 建通新聞 (建通新聞社). (2012年1月27日) 
  6. ^ “新規事業化が決定 島田金谷バイパス4車線化など”. 静岡新聞 (静岡新聞社). (2012年4月7日) 
  7. ^ a b 事業評価監視委員会 道路事業説明資料 -一般国道1号島田金谷バイパス-(国土交通省中部地方整備局)2016年8月1日 (PDF, 2.50 MiB)
  8. ^ 国道473号 金谷相良道路II 道路改良事業(島田市菊川〜菊川市倉沢) (PDF, 2233KB) - 静岡県島田土木事務所、2019年3月13日閲覧。

関連項目

外部リンク