山崎貴

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やまざき たかし
山崎 貴
山崎 貴
本名 山崎 貴
生年月日 (1964-06-12) 1964年6月12日(59歳)
出生地 日本の旗 日本長野県松本市
国籍 日本の旗 日本
職業 映画監督
脚本家
VFX制作者
ジャンル 実写映画
アニメーション映画
ミュージックビデオ
配偶者 佐藤嗣麻子(2012年 - )
公式サイト 山崎貴 (@nostoro) - X(旧Twitter)
主な作品
映画
ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ
SPACE BATTLESHIP ヤマト
永遠の0
寄生獣
アルキメデスの大戦
ゴジラ-1.0
アニメ映画
STAND BY ME ドラえもん』シリーズ
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
 
受賞
アカデミー賞
視覚効果賞
2023年ゴジラ-1.0
日本アカデミー賞
最優秀監督賞
2005年ALWAYS 三丁目の夕日
2014年永遠の0
最優秀脚本賞
2005年『ALWAYS 三丁目の夕日
2023年ゴジラ-1.0
最優秀アニメーション作品賞
2014年『STAND BY ME ドラえもん
その他の賞
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山崎 貴(やまざき たかし、1964年昭和39年〉6月12日[1] - )は、日本映画監督脚本家VFX制作者。長野県松本市出身[2]白組所属。

来歴[編集]

長野県松本市出身[2]松本市立清水中学校長野県松本県ヶ丘高等学校阿佐ヶ谷美術専門学校卒業。

13歳の時に『スター・ウォーズ』と『未知との遭遇』に出会い、特撮の仕事を志すようになる[3]

1986年(昭和61年)に株式会社白組に入社[4]。CMや映画でのミニチュア製作を担当。『大病人』『静かな生活』など、伊丹十三監督作品でSFXデジタル合成を担当する。

オリジナル作品『鵺/NUE』を企画するが、予算の面で思うように企画が進まなかったため、現実的に実現可能な規模の企画として提出した2000年平成12年)公開の『ジュブナイル』が映画監督としてのデビューとなる[5]

2005年(平成17年)、『ALWAYS 三丁目の夕日』で第30回報知映画賞で最優作品賞、日本アカデミー賞の監督賞を受賞、映画監督としての確固たる地位を築いた。また、同作品は日本アカデミー賞の全部門で受賞し、2006年(平成18年)に行われた日本アカデミー賞授賞式では主演女優賞を除く全ての部門[注釈 1]で最優秀賞を受賞している[注釈 2]。2006年(平成18年)ブルーリボン賞でも監督賞の候補として発表されている。

2013年(平成25年)より設立されたVFX-JAPANアワードでは、『ALWAYS 三丁目の夕日‘64』が劇場公開映画部門、『friends もののけ島のナキ』が劇場アニメーション映画部門で受賞し、山崎は映画2部門でのダブル受賞となった[6]

2017年(平成29年)12月、東京2020 開会式・閉会式 4式典総合プランニングチームの一員に選ばれた。しかし同オリンピックの延期に伴い、職務を全うすることなくチーム解散と共に退任した。

2022年(令和4年)11月3日、ゴジラシリーズ新作で監督、脚本、VFXを務めることが発表され[7]、2023年(令和5年)11月3日に『ゴジラ-1.0』(ゴジラ マイナスワン)が公開された。同作は日本だけでなく海外でも高く評価を受け、第96回アカデミー賞においてはアジア映画として初めて視覚効果賞を受賞した。作品の監督が視覚効果賞を受賞するのはスタンリー・キューブリック(『2001年宇宙の旅』)以来55年ぶり2人目となる[8]

人物[編集]

ゴジラシリーズのファンであると公言しており、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』にフルCGのゴジラを登場させているほか、西武園ゆうえんちのアトラクション『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』では映像監督を務めている[7]。いつか撮ってみたい映画として、原作版『風の谷のナウシカ』の実写映画化を挙げている[9]。日本映画では、『ハケンアニメ!』を鑑賞して号泣し、「映画を作ってる人が観たらやられちゃう」「良すぎて、これを観て10年また仕事ができると思った」と感想を述べるほど高く評価しており、「絶対観たほうがいい」と自分のスタッフに、ハケンアニメ!の半券をくれたら映画代を払うという啓蒙活動まで行う程だった[10]

白組として仕事をした映画監督の伊丹十三については、「伊丹さんはVFXをすごく楽しんでくれ、僕らとも対等に話をしてくれた。伊丹さんによる演出や、監督としての立ち居振る舞いなどをそばで見ることができたことは、今思えばとても貴重な経験でした」と語っている[11]BUMP OF CHICKENのファンであることを公言しており、映画の主題歌をオファーしたり、「涙のふるさと」などのミュージックビデオや、ツアーのオープニングムービーの製作を請け負ったりした。

私生活では、2012年(平成24年)4月に専門学校時代からの仲間である映画監督の佐藤嗣麻子と結婚している[12][13]

先のことは分からないとしつつ生成AIの映画制作への使用について否定的で「本能的に拒否する、どこかで見たことがあるものができあがる」と述べた[14]

監督作品[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

CM[編集]

PV[編集]

ショートムービー[編集]

  • BUMP OF CHICKEN「Good Luck」(2012年)- 監督・脚本

その他参加作品[編集]

小説[編集]

  • ジュブナイル(2000年、メディアファクトリー[MF文庫] 映画『ジュブナイル』の小説版)
  • リターナー(2002年、角川書店 映画『リターナー』の小説版)
  • 小説版 ゴジラ-1.0(2023年、集英社オレンジ文庫)ISBN:978-4-08-680525-4[17]

受賞歴[編集]

映画

その他[編集]

  • 藤子・F・不二雄大全集『SF・異色短編』2巻(2011年、小学館) - 解説を執筆。
  • 展覧会「映画監督 山崎貴の世界」(2023年7月15日〜10月29日、松本市美術館 企画展示室)
  • ドキュメンタリー番組『映画監督 山崎貴の世界 「誰も見たことがない映像の世界を――」VFXの第一人者とゴジラ-1.0』(2023年10月7日、テレビ信州
  • 小企画展「山崎貴監督の世界」 ―世界を席巻した『ゴジラ-1.0』の偉業を祝して―(2024年3月12〜31日、松本市美術館 多目的ホール)
  • アカデミー賞視覚効果賞受賞記念 テレビ信州特別番組『映画監督 山崎貴の世界 “世界のタカシ”へ――「誰も見たことがない映像の世界を」夢を叶えた山崎少年の物語』(2024年3月23日、テレビ信州、TVer) ※2023年に放送された番組の再編集版

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 12部門。
  2. ^ これは1997年(平成9年)の『Shall we ダンス?』の全13部門制覇に次ぎ、2003年(平成15年)の『たそがれ清兵衛』と並ぶ。

出典[編集]

  1. ^ 【山崎貴】「永遠の0」こだわったリアリティー 映像効果の第一人者が大事にする“重なり””. 産経デジタル (2013年12月20日). 2022年11月3日閲覧。
  2. ^ a b 松本出身の山崎監督映画「永遠の0」 霧ヶ峰高原でロケ」『長野日報』、2012年9月6日。2015年1月3日閲覧。オリジナルの2016年3月7日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 【山崎貴】「永遠の0」こだわったリアリティー 映像効果の第一人者が大事にする“重なり”」『ZAKZAK』産経デジタル、2013年12月20日。2022年11月3日閲覧。
  4. ^ 狙った個性にろくなものはない 「永遠の0」山崎貴監督の現場拝見2」『日本経済新聞』、2013年12月14日。2023年12月9日閲覧。
  5. ^ 「「ジュブナイル」山崎貴監督インタビュー」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、2001年4月30日、69頁。雑誌コード:01844-04。 
  6. ^ 「三丁目の夕日’64」、もののけ島、巨神兵など VFX-JAPANアワード受賞」『アニメ!アニメ!』イード、2013年2月23日。2022年11月3日閲覧。
  7. ^ a b 山崎貴監督で新作『ゴジラ』2023年11月3日公開決定 『シン・ゴジラ』以来、国内30作目」『ORICON NEWS』oricon ME、2022年11月3日。2022年11月3日閲覧。
  8. ^ a b 【第96回アカデミー賞】「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞!山崎貴はキューブリック以来55年ぶり史上2人目の受賞監督に」『映画.com』エイガ・ドット・コム、2024年3月11日。2024年3月11日閲覧。
  9. ^ 『別冊カドカワ 総力特集「崖の上のポニョ」』2008年、角川書店、61頁。
  10. ^ 馬場康夫 (2022年8月26日). 【ハケンアニメ!】吉岡里帆×中村倫也主演の映画がスゴすぎる/山崎監督の映画のルーツとは?【山崎貴×馬場康夫】 (インターネット番組). YouTubeより2023年12月9日閲覧
  11. ^ vol.110 映画監督 山崎 貴 情熱は、人の心に必ず響く」『マイナビ転職』マイナビ、2013年12月13日。2022年11月3日閲覧。
  12. ^ 佐藤嗣麻子 [@satoshimako] (2012年5月12日). "4月に山崎貴(@nostoro)と入籍しました。ご報告。". X(旧Twitter)より2023年12月7日閲覧
  13. ^ 福田麗「『三丁目の夕日』山崎貴監督と『アンフェア』佐藤嗣麻子監督が結婚!」『シネマトゥデイ』シネマトゥデイ、2012年6月1日。2022年11月3日閲覧。
  14. ^ https://news.yahoo.co.jp/articles/8a42b07c07a47662fd0a5e458b0f5eaa3c95daa8
  15. ^ 実写映画「アルキメデスの大戦」主演は菅田将暉、監督は山崎貴」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2018年7月16日。2018年7月16日閲覧。
  16. ^ フードロスラ”. 味の素. 2024年3月14日閲覧。
  17. ^ 小説版 ゴジラ-1.0」『』集英社、2023年9月22日。2023年9月22日閲覧。
  18. ^ a b 山崎貴監督エンタメ貫き2冠/映画大賞」『日刊スポーツ』日刊スポーツNEWS、2014年12月4日。2022年11月3日閲覧。
  19. ^ 第38回日本アカデミー賞最優秀賞発表!”. 日本アカデミー賞公式サイト. 日本アカデミー賞協会. 2022年11月3日閲覧。
  20. ^ 「月」が報知映画賞の作品賞に、横浜流星・綾瀬はるか・磯村勇斗・二階堂ふみも受賞”. 映画ナタリー. ナターシャ (2023年11月28日). 2023年11月28日閲覧。
  21. ^ 『第47回 日本アカデミー賞』受賞者・作品発表 授賞式司会は羽鳥慎一、岸井ゆきの【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年1月25日). 2024年1月25日閲覧。
  22. ^ 『ゴジラ-1.0』作品賞など最多8冠で圧倒!山崎貴監督ガッツポーズ”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ (2024年3月8日). 2024年3月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]