家訓

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家訓(かくん、英語Family precepts)は、家の存続や反映のために子孫の遵守すべき事項を訓戒したもの[1]

日本では、中国の『顔氏家訓』を基にした吉備真備私教類聚』が最古の家訓である[1]。中世に入ると、家が社会集団の基本単位となったため、数多くの家訓が作られるようになった[1]。家訓の典型は中世の武家家訓である[1]。なお、中世には家訓に比べて非教訓的な置文も生まれており、広義の家訓とする考えもある[1]。江戸時代に入ると、儒教的思想が濃厚な家訓が作成されるようになる[1]

なお、家訓は後世の改変が為されたり、偽作や仮託が為されたりするため、史料批判が不可欠である[1]

社訓[編集]

今日では、創業者、もしくはそのグループ一代で会社の礎を立ち上げたような企業、あるいは家族経営でその社風を作ってきた会社などには、社訓というかたちでこれがある。家憲、社是という言い方もある。

家訓の具体例[編集]

商家の家訓[編集]

学者・文人の家訓[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典第1巻』岩波書店、1983年10月、604-605頁。 

参考文献[編集]

  • 桑田忠親『武士の家訓』講談社学術文庫、2003年12月。ISBN 978-4061596306 
  • 山本眞功『商家の家訓―商いの知恵と掟』青春新書、2005年12月。ISBN 978-4413041331 
  • 『江戸商家の家訓に学ぶ商いの原点』荒田弘司、すばる舎、2006

関連項目[編集]