宮崎静夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

宮崎 静夫(みやざき しずお、1927年 - 2015年4月12日)は、日本の洋画家、作家。シベリアに抑留された体験を元にした作品などを描く[1]

来歴[編集]

1927年昭和2年)、熊本県阿蘇郡小国町に生まれる。1942年(昭和17年)下城尋常高等小学校を卒業した15歳の時、満蒙開拓青少年義勇軍に志願し満州に渡る。1945年(昭和20年)、シベリアに抑留され 4年間俘虜として過ごす。1949年(昭和24年)、帰国[1]

1957年(昭和32年)、熊本市の海老原美術研究所に入所し、海老原喜之助に師事する。1961年(昭和36年)、「ドラム缶のシリーズ」で、シェル美術賞佳作、熊日賞などを受賞する。1968年(昭和43年)より約1年間渡欧し遊学。1970年(昭和45年)より、戦争体験をもとにした「死者のために」シリーズを描き始める[1]

1998年平成10年)、熊本県立美術館分館と島田美術館で回顧展を開催。2008年(平成20年)、熊本県芸術功労者として顕彰。2010年(平成22年)、第69回「西日本文化賞」を受賞する。作品は、熊本県立美術館、熊本市現代美術館、島田美術館、つなぎ美術館などに収蔵されている。

2015年平成27年)4月12日胃癌のため死去[2]。87歳没。

主な著書[編集]

  • 『宮崎静夫作品集』1998年、石風社
  • 『絵を描く俘虜』1999年、石風社
  • 『十五歳の義勇軍―満州・シベリアの七年』2010年、石風社
  • 『軌跡―生きて描く八十年』2013年、熊本日日新聞社

出典[編集]

  1. ^ a b c 宮崎静夫著 『絵を描く俘虜』 石風社、1999年、265頁
  2. ^ “訃報:宮崎静夫さん87歳=画家、反戦画「死者のために」”. 毎日新聞. (2015年4月12日). http://mainichi.jp/select/news/20150414k0000m040080000c.html 2015年4月12日閲覧。 

参考文献[編集]

  • 宮崎静夫著 『絵を描く俘虜』 石風社、1999年
  • 『シベリア、死者の叫び描く―画家宮崎静夫氏』日本経済新聞、2013年7月3日朝刊40面

外部リンク[編集]