安西信行

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あんざい のぶゆき
安西 信行
安西 信行 - Japan Expo 2007
安西 信行 - Japan Expo 2007
生誕 (1972-08-19) 1972年8月19日(51歳)
日本の旗 日本千葉県館山市
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
活動期間 1993年 -
ジャンル 少年漫画
代表作烈火の炎
MÄR
受賞 1990年:第26回小学館新人コミック大賞佳作を受賞(『剣2 STRENGER!』)
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安西 信行(あんざい のぶゆき、1972年8月19日[1] - )は、日本漫画家[2]。男性。千葉県館山市出身[3]。既婚者。血液型O型[3]

経歴[編集]

小学生時代に漫画好きの近所の人に影響され、漫画家を志すようになる[4]。高校時代より本格的に漫画投稿を開始[5]。在学中に5作品を描き上げる[6]週刊少年ジャンプへの持ち込みや投稿を経て1990年6月、その中の一つである『剣2 STRENGER!』(石井勇名義)が、第26回小学館新人コミック大賞少年コミック賞佳作を受賞[7]。その後、『D-FUCKER』でデビュー[8]。大学中退後、藤田和日郎のアシスタントをしつつ[9]短期連載や読み切りを経て、『週刊少年サンデー』(小学館)にて『R・PRINCESS』を連載し、本格的な連載デビューを果たす。この作品は全3巻と短命に終わるが、続く『烈火の炎』で人気を獲得し、全33巻刊行及び1997年フジテレビ系でアニメ化もされる長期連載のヒット作となり、安西の知名度を上げることに成功した。

その後しばらくして、『MÄR』を連載。『MÄR』もまた、2005年テレビ東京系でアニメ化され、カードやゲームなどメディアミックス展開も行われるヒット作となるが、安西の意向で全15巻で終わることとなる[10](『MÄR』に関しては、連載終了後に「原案担当」として『MÄRΩ』を連載している。こちらは全4巻)。作画は安西の元アシスタントを務めていた星野倖一郎が担当している)。

『MÄR』連載終了後、安西は「無期限休筆」を宣言する。このことについて『MÄR』最終巻にて、「安西信行はこれより無期限休筆します。体がボロボロなんです。」と記述している。その後、自身のブログにて様々な葛藤があったことを記していたが、2007年には「一日でも早く復活できるよう最善を尽くします。」と発言している(現在、このブログは削除されている)。

その後、『週刊少年サンデー』2008年21・22合併号[11]より『MiXiM♀12』(後に『MIXIM☆11』に改名)の連載がスタート。当初はペンネームを「安西信行」ではなく、(元)アシスタント野坂尚史(現在は野坂恒)との連名ペンネーム「安西信行野坂尚史」「安西信行☆野坂恒」としていたが、ネット上で間違いの情報が記載されるなど誤解を招くことが多かったため、もとの「安西信行」とした。

『MIXIM☆11』連載終了後、約2年半の間は漫画家を休業しながら体のメンテナンスに専念。その後、2013年より『まんがくらぶオリジナル』(竹書房)にて自身の漫画家休業生活を描く『安西信行の鋼鉄日記(メタニッキ)』『おも×こた』(『鋼鉄日記』と同時連載であり作中内連載の形を取る)を連載した。

2018年には、『MIXIM☆11』以来7年ぶりにサンデー系列の雑誌『週刊少年サンデーS』にて『麗の世界で有栖川』の連載を始める[12]

人物[編集]

藤田和日郎の弟子[13](アシスタント)。『まほろまてぃっく』の原作者でもある中山文十郎(旧筆名・城池勝幸)とは同門で旧知の仲にあたる。ほか、和月伸宏とも交流がある[14]。尊敬する作家は吉田聡[15]

藤田の下から独立する際、かけられた師からの言葉は「怠慢こいたら、ブッ飛ばす!!!」というものだった。

『R・PRINCESS』内にて城池(中山)の名前を忍者下着泥棒の本名に使ったが、その後に中山が『まほろまてぃっく』内で同様の話を書き、そこに出てくる忍者下着泥棒の本名に安西の名を使われ、仕返しされてしまったというエピソードがある。高校時代、河合克敏の『帯をギュッとね!』1巻の読者イラストコーナーで優秀作に選ばれたことがある[16]

趣味はプロレス観戦や対戦格闘ゲーム、シルバーアクセサリー収集[17]。仕事中に流すBGMは、大半がヘヴィメタルハードコアが中心であり、日本国内のバンドではTHE MAD CAPSULE MARKETS筋肉少女帯のファン[18]。特に大槻ケンヂに関しては作家としての影響も公言している。また『R・PRINCESS』では、電気グルーヴピエール瀧をモチーフにしたキャラクターや、瀧の草野球チーム「ピエール学園」の名を作中の舞台となる学校名として拝借していた。

声優風間勇刀とも親交があり、烈火の炎の連載終盤頃には風間から譲り受けたハムスターを飼育していた。その後はおもち・コタローと言う2匹の猫を自身の家で飼っていた。『おも×こた』では、彼等を擬人化して主人公としている。また、漫画家のしんがぎんとも友人同士であり、彼が逝去した時には追悼コメントを出している[19]

自身による性格分析は「ひねくれ者」。それ故に『烈火の炎』の連載中に読者からは嫌われていた森光蘭と永井木蓮を、作品の中で好きなキャラクターに挙げている。なお、一番好きなキャラクターでなおかつ自分の作品の中で最強の存在は紅麗であるとのこと。

作品リスト[編集]

漫画[編集]

  連載作品   読切・短期集中連載作品
タイトル 形式 掲載号 収録 備考 
BOMB BOY 読切 - - 第47回ホップ☆ステップ賞最終候補[15]。現存せず。
剣2 STRENGER! 読切 - - 第26回小学館新人コミック大賞佳作。石井勇名義[20]
D-FUCKER 読切 WS 1993年31号[21] C デビュー作。
迷える子羊〜KARATE -JUNKIE 1994〜 短期集中連載 WS 1993年44号 - 47号[22] C 短期集中連載。全4話。
夢法師影法師 読切 - - 烈火の炎の原型。現存せず。
R・PRINCESS 連載 WS 1994年23号 - 1995年1号[23] R 初連載作。
烈火の炎 連載 WS 1995年16号 - 2002年9号[24] RH 代表作。
ヴァルキリー+♂ 読切 S 1996年5号増刊号[25] C  
FAIRY SNOW 読切 同人誌DRILL CAPSULE VOL2、3[26] C MÄRのプロトタイプ[27]。全2話。表記揺れ有[注釈 1]
CRAZY MANIAX 読切 YK 2002年11月号[28] C  
MÄR 連載 WS 2003年6号 - 2006年31号 M 代表作。
娯楽でポン 連載 ファンタジアバトルロイヤル 2003年5月号 - 2006年2月号[29] C  
MÄRΩ 連載 WS 2006年39号 - 2007年28号 Ω 漫画:星野倖一郎、安西は原案のみ。
MIXIM☆11 連載 WS 2008年21、22合併号 - 2011年10号 1巻のみ安西信行☆野坂恒名義。
安西信行の鋼鉄日記 連載 くらオリ 2014年1月号 - 12月号 K 掲載誌休刊により改題移籍。(下記)
おも×こた 連載 くらオリ 2014年1月号 - 12月号 K 『鋼鉄日記』内連載。
鋼鉄漫録 -メタ★ろっく- 連載 MO 2015年1月号 - 2017年4月号 MR 『鋼鉄日記』の続編。
麗の世界で有栖川 連載 S 2018年4月号 - 連載中 U  

原案[編集]

その他[編集]

他多数

声の出演[編集]

  • TVアニメ『烈火の炎』6話 警備員E役
  • 『「烈火の炎」スペシャルCDドラマ 火影大討論会 強いのは誰だ?!』 安西役

関連人物[編集]

師匠[編集]

アシスタント仲間[編集]

アシスタント[編集]

その他[編集]

  • 雷句誠[40](烈火の炎第1話の背景を、好意により描いてもらった)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 単行本ではFAIRY SNOW、紹介文ではフェアリー・スノウ

出典[編集]

  1. ^ Book Live プロフィールページ”. Book Live. 2023年1月3日閲覧。
  2. ^ 安西 信行”. マンガペディア. 2023年8月20日閲覧。
  3. ^ a b 『漫画家人名事典』日外アソシエーツ、2月25日 2003、28頁。 
  4. ^ 『鋼鉄漫録 1巻』竹書房、6月9日、61頁。 
  5. ^ 『鋼鉄日記』竹書房、3月27日、78頁。 
  6. ^ 安西信行 X”. X. 2024年3月17日閲覧。
  7. ^ 『漫画・アニメの賞事典』日外アソシエーツ、11月25日 2012、49頁。 
  8. ^ Inc, Shogakukan. “安西信行 作品一覧 | 少年サンデー”. websunday.net. 2021年10月14日閲覧。
  9. ^ 『からくりサーカス公式ガイドブック サーカスのすべて』小学館、7月16日、寄稿頁。 
  10. ^ 安西信行 X”. X. 2024年3月16日閲覧。
  11. ^ “安西信行「MIXIM☆11」完結、最終巻は4月発売”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年2月2日). https://natalie.mu/comic/news/44414 2023年8月20日閲覧。 
  12. ^ “安西信行の新連載「麗の世界で有栖川」サンデーSで、「烈火の炎」付録&全サも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年2月23日). https://natalie.mu/comic/news/270738 2023年8月20日閲覧。 
  13. ^ 『鋼鉄日記』竹書房、3月27日、66頁。 
  14. ^ 『鋼鉄漫録 2巻』竹書房、4月17日、31頁。 
  15. ^ a b 『週刊少年ジャンプ』集英社、15号 1989、第49回3月期ポップ☆ステップ賞募集頁。 
  16. ^ 『漫画家本vol.5 河合克敏本』小学館、7月18日 2018、93頁。 
  17. ^ 『MÄR公式ファンブック AKT.SILVER』小学館、7月15日、205頁。 
  18. ^ 『週刊少年サンデー 2004年6月18日号』小学館、2004、目次欄頁。 
  19. ^ 『Drill Capsule Ⅲ』個人誌、7月 2002、あとがき頁。 
  20. ^ 『漫画・アニメ受賞作品総覧』日外アソシエーツ、1月25日 2022、30頁。 
  21. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX、P231
  22. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX、P189
  23. ^ Inc, Shogakukan. “R・PRINCESS -ロケットプリンセス- | 少年サンデー”. websunday.net. 2021年11月1日閲覧。
  24. ^ Inc, Shogakukan. “烈火の炎 | 少年サンデー”. websunday.net. 2021年11月1日閲覧。
  25. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX、P72
  26. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX、P95
  27. ^ 安西信行短編集 安西信行 - 小学館eコミックストア 公式配信”. 小学館eコミックストア. 2021年10月14日閲覧。
  28. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX 、P35
  29. ^ 安西信行短編集 CRAZY MANIAX、P245
  30. ^ 個人誌「MÄRBOMB」P26 - 27
  31. ^ Diary : GARNET CROW official website : ガーネットクロウ オフィシャルサイト”. www.garnetcrow.com. 2021年10月31日閲覧。
  32. ^ 『ライブcode from here feat. 岡野浩介 (仮)』”. よろしくです\♡/. 2022年2月3日閲覧。
  33. ^ 月刊コミックジーン公式アカウント 2012年6月26日付ツイート”. Twitter. 2021年11月18日閲覧。
  34. ^ “安西信行が推薦、新米忍者のコメディ「くノ一はじめました!」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年11月28日). https://natalie.mu/comic/news/132357 2022年2月3日閲覧。 
  35. ^ 熊本地震から1年…漫画家・原作者117名の復興応援イラストを乗せた特別列車が南阿蘇を走る!!”. 小学館 (2017年3月2日). 2021年10月31日閲覧。
  36. ^ TVアニメ「からくりサーカス」公式Twitterアカウント”. Twitter. 2021年10月31日閲覧。
  37. ^ 大和ヒロシTwitter”. Twitter. 2021年10月31日閲覧。
  38. ^ 応援イラスト”. TVアニメ『死神坊ちゃんと黒メイド』公式サイト. 2021年11月4日閲覧。
  39. ^ 安西信行Twitter”. 2023年4月19日閲覧。
  40. ^ a b c d e 『個人誌「FINAL FLAME STRIKES」』DRILL CAPSULE、7月 2002、烈火組の炎 嗚呼、感動の完全版頁。 
  41. ^ 『MÄR 2巻』小学館、7月18日 2003、おまけ頁。 
  42. ^ 『鋼鉄日記』竹書房、3月27日、79頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]