宇宙の戦士

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宇宙の戦士
Starship Troopers
著者 ロバート・A・ハインライン
訳者 矢野徹
発行日 アメリカ合衆国の旗1959年12月
日本の旗1967年
発行元 アメリカ合衆国の旗New English Library
日本の旗早川書房
ジャンル サイエンス・フィクション
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
形態 文庫本
ページ数 504
コード ISBN 4-15-010230-9
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宇宙の戦士』(うちゅうのせんし、Starship Troopers)は、アメリカSF作家ロバート・A・ハインラインによる、宇宙戦争をテーマとしたSF小説。1960年のヒューゴー賞受賞作品。

1959年という、冷戦時代の真っ直中、ベトナムの情勢が戦争へ向けて大きく傾いていた時期に刊行された。

概要

背景

舞台は未来の地球(具体的に何世紀なのかは記述されていない)。裕福な家庭に生まれた主人公の少年ジュアン・リコ(ジョニー)が、高校卒業後に両親の反対を押し切って軍隊(地球連邦軍宇宙陸軍)に入り、徹底的にしごかれて、一人前の機動歩兵になっていく過程を描いた作品。特に、訓練キャンプ「アーサー・キューリー」での軍事訓練および宇宙生物との戦いを描いている。なお、主人公はフィリピン系(つまり非アングロサクソン系)であり、そのことは作品の終盤に彼の母語がタガログ語であり、ラモン・マグサイサイを英雄視している、という形でかなり遠回しに明らかにされる。この当時のアメリカSFにおいて、非白人・非アングロサクソン人が主人公を演ずることなどまずあり得ない、そんな作品は頭から認められなかったための苦肉の策と思われる。

21世紀初頭、増加する犯罪と政府の非効率に対して寛大すぎた西側社会は荒廃し、加えて覇権主義的な中国と米露連合の大戦争(おそらく、最初の宇宙での戦争)で地上は破壊され、終戦後西側の民主主義は崩壊した。混乱する地球社会において退役兵たちが事態を収拾し、その後誕生した地球連邦では軍事政権によりユートピア社会が築かれていた。社会は清廉で規律を重んじ、能力主義が徹底され人種・性別による差別はなく、作中でもユダヤ人、日本人、ドイツ人、イタリア人、アラブ人、ヒンドゥー教徒(インド人)、インドネシア人、ヴェトナム人などあらゆる人種が性別に関係なく全く平等に活躍しているが、ただ軍歴の有無のみにより区別されている。すなわち、18歳の誕生日を迎えた者ならだれでも就くことができる兵役を経験して参政権を与えられた「市民」と、就かなかったため参政権のない「一般人」である。なおこの区別は参政権といくつかの政府職への就職を制限するだけのもので、見た目には両者とも全く区別なく生活し、言論や表現の自由も保障されてはいる。形態はある国家における“市民”と“永住者”の違いに似る。

なお、兵役を経験した者だけに参政権を与える理由として、「兵役を経験した者は、自らの意志で、自分自身の利益より公共の福祉(社会全体・人類全体の利益)を優先させるからである」との見解が、作中で語られている。

ストーリー

人類が銀河全体に殖民を始めていた時代。高校を卒業したジョニーは親友に誘われ深い考えもなく軍に志願、ほとんどの兵科に適性が認められず、もっとも過酷な「機動歩兵」に配属される。ジョニーが後悔しつつキャンプ・キューリーにて鬼軍曹ズイムの下で猛訓練を受けているころ、惑星クレンダツウを本拠とするアレクニド(蜘蛛に似た宇宙生物)と紛争が勃発。アレクニドが地球を奇襲してブエノスアイレスがジョニーの母とともに壊滅、全面戦争が始まった。母の死に衝撃を受けつつも、高校時代の恩師デュボアの激励と、ズイム軍曹の訓練を経て一人前の歩兵、男として成長したジョニーは、地球軍の敵主星クレンダツウ総攻撃作戦に初陣として参加、しかし逆に敗戦寸前の大敗北を喫する。残された策は、電撃的な降下作戦によるピンポイント攻撃、すなわち、ジョニーたち機動歩兵だけだった。

戦局が膠着する中、兵員輸送艦ロジャー・ヤング所属ラスチャック愚連隊に配属されたジョニーは様々な出会いと別れ、経験を積み重ねて成長。やがて士官学校を志願、職業軍人への道を選ぶ。そして士官学校への旅の途中、「ブエノスアイレスがやられた直後に」機動歩兵を志願した父エミリオと再会した。父、そしてデュボアからの再びの激励を受け、キャンプ・キューリーをも超える猛訓練と学科教育をどうにか乗り越えたジョニーは、最終試験として臨時の三等少尉となり、反攻の第一歩である「王族捕獲作戦」に参加することとなる。その試験とは実際に兵隊たちを指揮し、その命を預かる側に回る、というものだった。

小隊付軍曹の補助を受けつつ指揮官として「ブラッキーのならず者」隊を指揮していくジョニーは、突如として湧きだしたアラクニドの軍勢に奇襲を受ける。しかしそれは兵隊ではなく労働階級を用いた偽装であった。そのことに気付いたジョニーは、敵の巣穴へと突入した軍曹を救出すべく自身もまた地下へと潜る。幾度かの交戦を経て部下を失いつつも、王族を捕獲した軍曹と合流したジョニーだったが、突如として発生した落盤によって気絶し、戦闘不能となった。成功に終わった「王族捕獲作戦」の帰路、彼は自分がまだ士官候補生として落第していないこと、そして軍曹が野戦任官を受け昇進したことを知る。だが、彼が優秀であることをジョニーは兵士になった日からわかっていた。軍曹の名はズイムといった。

「故郷とは心のあるところだ」。母国語であるタガログ語の諺通り、ジョニーは故郷であるラスチャック愚連隊に少尉として帰ってきた。その後、年ごとに勝利を積み重ねた地球軍は、ついに敵主星クレンダツウへと再び侵攻することになる。「リコ愚連隊」を率いる指揮官となった彼は、部下を激励し、降下カプセルへと乗り込むのだった。

議論

軍事教練という「力による教育」の強調や、敵意を持った勢力に対してはこちらの側も相応の力を有していてはじめて対等に対峙できる、というスタンスが多くの議論を呼んだ問題作。

作中では、主人公の歴史哲学の教師であるジャン・V・デュボア機動歩兵退役中佐が、軍事に貢献することで市民としての権利をえられたかつての都市国家(ポリス)時代のギリシャ、あるいはローマ帝国のような軍国主義的、戦争肯定的な発言を繰り返している。同時に、権利と安全は無償ではなく、国家を防衛するという義務と引き替えに個人の権利とその行使が保障されるという「市民」の基本概念をデュボアが主人公に熱心に説明する場面がある。ただし、本作における兵役経験者すなわち「市民」とそれ以外の「一般人」がもつ権利には基本的には差がなく、単に参政権といくつかの政府職への就職を制限するだけの区別である。すなわち、軍隊という装置によって、個人の利益より共同体の利益を優先できるものを選抜し、その者たちだけが共同体の意思決定を行うべきである、という思想に基づいて運営される社会が描写されている。

また、「統制された暴力機構」としての軍隊と社会の規律と理想(暴力の行使が異常であることを軍人達が認識している)が語られ、さらには過去の軍隊、すなわち我々にとっての現実の軍隊は否定的に描かれているなどから、単純な保守派のマチズモとはいえないが、表面に現れている暴力肯定、軍隊万歳なイメージによって、拒否反応を示す読者や論者も多かった。

人類と昆虫型生物の軋轢・昆虫型生物による奇襲攻撃・昆虫型生物の本拠に向けて星から星へ上陸作戦を進める展開は、日本では太平洋戦争におけるアメリカ合衆国大日本帝国との関係に酷似していると、一部から指摘された。確かに肥え太った女王・頭脳グモと、考える力の無い兵隊・労働グモで構成されるアレクニドたちの社会は戦時中の日本の恣意的な戯画像、地球連邦は同じく恣意的なアメリカの理想像と通じるものが在る[要出典]。が、これはむしろ本書で共産主義に喩えられているように発表当時における社会主義国への皮肉であった[1]。ハインラインの小説には『月は無慈悲な夜の女王』をはじめとして、肯定的な役割を演ずる日本人キャラクターも登場しており、簡単に判断するのは難しい。本作にも日本人と思わしき優秀な訓練兵が登場している。

戦争否定派からは「二等兵物語に宇宙服を着せただけ」という批判もあった(日本語版あとがきより)。元々ハインラインには「◎◎をSF風にしただけ」という置き換え型の作品が多い。同じSF作家であるハリイ・ハリスンは反戦小説『宇宙兵ブルース』を書くことで、『宇宙の戦士』の軍国主義的な思想に皮肉と笑いをもって真っ向から対立した。ハインラインは数々の問題作を書いたが、『宇宙の戦士』はその最初のものである。

なお、作者のハインラインは基本的にリバタリアンであるが、大学中退後すぐに軍隊に入隊(後に病気の為除隊)したりした愛国者であったり、一時期は鉱山での労働体験を通して社会主義者になるなど多彩な顔を持つ。アイザック・アシモフ曰く、元々のハインラインはリベラルであったが、ハインラインは保守的なバージニア・ガーステンフェルド (Virginia Heinleinと2度目の結婚をしてから変わったという(I. Asimov: A Memoir)。ハインラインの後の作品、例えば『月は無慈悲な夜の女王』は社会主義者あるいはリベラリストの名残も見られ、他にも『異星の客』のような共産主義的な風刺小説を書いたり、『愛に時間を』で国のために戦うのは馬鹿げているかのような発言をするなどした。本人の思想をそのまま語っているのではなく、その都度、世界観にあわせたキャラクターの発言ともとりうる。ただし、個人の自由と独立、それを守るために戦うことについての強い愛着と信頼(そして戦わずしてそれを求める者への蔑視)はおおむね一貫している。

書誌情報

関連作品・他の作品への影響

パワードスーツ

作品中に登場する様々な小道具類やアイディアは、以降の作品に影響を与えた。特に、兵士が「着る」という、着衣のように装着して体全体で操縦する、「装甲を施した宇宙服型ロボット兵器」という概念のパワードスーツ(強化防護服)のアイデアは、その後、多くのSF作品で類型の兵器を生む源流となり、特に1980年代から1990年代にかけて大流行した。具体例はパワードスーツの登場するサイエンス・フィクション一覧を参照されたし。

日本のSF界においては、とりわけハヤカワ文庫版(1977年)[2]の挿絵に登場するスタジオぬえ宮武一貴デザイン、加藤直之画によるパワードスーツの与えた衝撃が大きい。アメリカのペーパーバック(日本の「文庫本」相当)版に見られる伝統的な宇宙服に近いデザインから、殺気を宿す「戦闘用機械」へ刷新したビジュアルは、多くの人がイメージする「パワードスーツ型兵器」の原型となった。この「ぬえ版パワードスーツ」は現在でも人気が高く、アクションフィギュアプラモデルが発売されている。

その影響は映像分野へも波及し、SFアニメメカニックデザインにおいても重要な転換点となった。従来のヒーロー的なロボットとは異なる「軍用の人型量産兵器」という発想は、『機動戦士ガンダム』に始まるリアルロボット路線の基調となり、様々な人気メカニックを生みだした。なお、『機動戦士ガンダム』に登場するメカニック、ガンキャノンのデザインには先の「ぬえ版パワードスーツ」のデザインが活かされている。

なお、ガンダムの制作関係者にハヤカワ文庫版を紹介したのはスタジオぬえの高千穂遥だったが、本来の意図は「主人公の国籍が明かされるラスト部分の面白さ」を伝えることだったという。結果的にパワードスーツをヒントにモビルスーツのアイデアが生まれ、日本において『宇宙の戦士』は内容の論議とは別に、「ガンダム誕生に寄与したSF小説」という評価を得ることになった。

小説

日本では、前述のハヤカワ文庫およびハヤカワSFシリーズ版の刊行前に、「S-Fマガジン」1961年2月号から4月号に田中融二による抄訳が掲載された。

その後、1963年から1964年に小学館の少年雑誌「ボーイズライフ」に『宇宙の特攻兵』のタイトルで連載されたが、主人公が日系人であるなど翻案といえる内容だった。著者は後にハヤカワ版の翻訳も手がける矢野徹、挿絵は中西立太。当時高校生だった劇画家小林源文はその挿絵に感銘を受けて中西を訪ね、絵を学んだというエピソードがある。

ハリイ・ハリスンの『宇宙兵ブルース』は『宇宙の戦士』などの軍事SF小説に対するシニカルな批判的パロディとして発表され、作中にベトナム戦争を思わせる惑星と機動歩兵も登場する。また、パワードスーツ型兵器を用いた兵士による、異星人との戦いを描いた著名なSF作品として、ジョー・ホールドマンの『終りなき戦い』(The Forever War)がある。ここでは「コンバット・シェル」と呼ばれるパワードスーツ型兵器が登場する。

ジョン・スコルジーの『老人と宇宙』やロバート・ブートナーの『孤児たちの軍隊』といった、21世紀になって刊行された歩兵を主役とする軍事SFは、「21世紀版『宇宙の戦士』」と紹介されることがある[3][4]

映像化作品

実写映画

ポール・バーホーベン[5]監督。邦題は小説の原題の表音をそのままカナ表記となった。
作中にはパワードスーツは登場せず[6]、むしろ生身の兵士と、異星の型生物「バグズ(Bug。sは複数形)」との(グロテスクな)暴力描写が強調される。
マイケル・アイアンサイド演じる教師ラズチャック(原作におけるデュボア)が、親からの教えとして非暴力を唱える生徒に暴力の有効性や実績を説き、また市民の担う義務と権利の関係、安全の有償性等についてリコに毅然と語り、戦場で最期を遂げる時も若い部下達に教えたとおりの潔い死に方を見せるなど、原作の基本的思想性はほぼストレートに映像化されている。
監督の主眼が巨大昆虫vs未来兵士の壮絶な死闘というコンセプトであり、原作小説自体には本質的に興味が無く、内容の類似点からくる訴訟を避けるために映画化権を取得したという経緯からストーリーは多少の省略や変更点(父の生死等)はあるものの、比較的忠実(最後にヒーローになるのは意外な人物である点)であるが、その忠実さはむしろ皮肉に満ちている。
パワードスーツが登場しないこと(ほぼこの一点)から、日本のマニアからは(誤解を含め)過度に嫌悪されることがある。
一方で政府によるプロパガンダの描写などで軍国主義的側面は過度に強調されて皮肉られている。バーホーベンは映画内の皮肉や誇張について、「作中でファシズムの思想や想像力をもてあそぶことを通じて、アメリカ社会のある側面を描き出そうとした」と述べている[7]
1作目の10分の1以下という低予算で製作され、アメリカでは劇場公開されずテレビ映画として放送された。1作目と同様の世界観を踏まえたもので、人間に寄生する「パラサイト・バグ」など、原作小説にはなかった存在が登場する。
監督はバーホーベンの盟友であり、モデルアニメーションの第一人者でもあるフィル・ティペットが担当。彼の監督デビュー作である。一応原作小説を読んだバーホーベンと違い、ティペットは原作を一行も読んでいないし、今後も読む気はないと豪語しており、シリーズの異色作である。
前2作で脚本を務めたエド・ニューマイヤーが監督。ストーリーはオリジナルで、1作目の11年後の話になっており、主演は1作目と同じキャスパー・ヴァン・ディーン。実写映画では初めてパワードスーツが登場するが、操縦が必要な点は原作と異なる。軍国主義に対する皮肉のこもった作品なのも1作目と同様である。ニューマイヤーは一貫してシリーズの脚本を担当しており、前任者たちよりも原作を読み込んでいるが、作中、最も印象深かった箇所は主人公が懲罰として鞭打ちを受けるシーンであるといい、このシリーズの監督は一貫して原作小説に興味を持っていないことも特筆に値する。

アニメ

日本においてOVAとしてアニメ化された。製作はサンライズで、後にテレビでも放送された。「軍隊における青春物語」としての性質が強く、また原作における思想は全く語られず、翻案作品といえる。パワードスーツのデザインはハヤカワSF文庫版同様に宮武一貴であるが、リファインされている。
映画版の世界観を受け継いで製作されたフルコンピュータグラフィックスアニメーション作品。テレビシリーズとして放送された。原作小説にない独自のキャラクターたちからなる小隊を主役に、その小隊が転戦していく連続ドラマとなっている。ここでは、メックと呼ばれる歩行兵器や、惑星軌道上から落下降下(着地前に逆噴射を行った後に、爆散除装する)を行うアーマードスーツが登場する。原作に登場したような標準的な歩兵装備としてのパワードスーツは登場しない。一方、敵である「バグズ」には、原作小説になかった様々な亜種が登場する。
映画版の世界観を受け継いで日米合作により製作されたフルコンピュータグラフィックスアニメーション映画。監督は荒牧伸志

ボードゲーム

アバロンヒルから、本作をモチーフとしたウォー・シミュレーションゲーム『ROBERT HEINLEIN'S Starship Troopers』がリリースされた。日本ではホビージャパンが翻訳マニュアルを添付して発売した。パッケージにはパワードスーツを装着した機動歩兵(上述の伝統的な宇宙服に近いデザイン)の降下シーンと思しきイラストがあしらわれている。なお1983年エニックスからPC-8801用ソフトとして『宇宙の戦士』というタイトルのゲームが発売されているが、その内容は小説ともボードゲームとも無関係のアクションシューティングゲームである。

脚注

  1. ^ Robert A. Heinlein, Starship Troopers, p. 121 of Berkley Medallion paperback edition.
  2. ^ 日本語訳としては1979年のハヤカワ文庫版以外に、1967年に新書版ハヤカワSFシリーズで出版されていた。
  3. ^ ジョン・スコルジー『老人と宇宙』早川書房、2007年、裏表紙頁。ISBN 978-4-15-011600-2 
  4. ^ ロバート・ブートナー『孤児たちの軍隊 ガニメデへの飛翔』早川書房、2013年、裏表紙頁。ISBN 978-4-15-011923-2 
  5. ^ なお、バーホーベンはオランダ海軍に従軍した経歴がある。また監督作『ロボコップ2』では危険な任務での死を恐れてストライキを起こす警官をやや批判的に描いている。
  6. ^ 米国版の実写作品や、アニメ作品に、原作同様のパワードスーツが表現されない(されにくい)理由は、一般的に米国の映像作品では、主人公の顔や表情、動作(演技)の見えないメカニックの活躍表現は伝統的に禁忌とされているためである(特に実写作品の場合、俳優組合の影響が強いハリウッド映画界では、出演者の「顔出し」の有無やその長さはギャランティ設定や、出演交渉などを大きく左右する場合がある)。なお、パワードスーツの類が登場する場合は、搭乗者の顔や頭が外部から見える設計構造が基本である。
  7. ^ "Interview: Paul Verhoeven", by Scott Tobias”. The A.V. Club (2007年4月3日). 2011年3月24日閲覧。