娚の一生
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『娚の一生』(おとこのいっしょう)は、西炯子による日本の漫画作品。
『月刊フラワーズ』(小学館)にて2008年9月号から2010年2月号まで連載された。「このマンガを読め!2010」で第5位となる。月刊フラワーズ増刊号の『凛花』(同)にて10号(2010年)から16号(2012年)までスピンオフ作品が全7話掲載された。単行本は全4巻。コミックス累計発行部数150万部を記録する。
あらすじ
東京の大手電機メーカーに勤める堂薗つぐみは、田舎の祖母の家で長期休暇を過ごす。入院していた祖母は間もなく亡くなり、つぐみは仕事を在宅勤務に切り替え、そのまま祖母の家で暮らすことにする。翌朝家にいたのは、見知らぬ壮年男性の海江田醇。祖母の教え子で、祖母から離れの鍵をもらっていたと言う。醇と祖母との関係がよく分からないまま、つぐみとの奇妙な同居生活が始まる。
登場人物
物語の舞台は、角島(かどしま)県鶴水市。
- 堂薗 つぐみ(どうぞの つぐみ)
- 東京の大手電機メーカー「四つ葉電気」の原子力事業部プロジェクト管理課長。発電所建設などの仕事に携わる。30代半ば、独身。
- 仕事一筋に生きてきたが、大きなプロジェクトに関わる気力も体力もなくなり、初めて取った長期休暇を気兼ねなく過ごすために祖母の家へ身を寄せた後、在宅勤務に切り替える。
- 海江田と出会った当初は、あまり快く思っていなかったが一緒に生活をするうちに次第に心を開き、穏やかな日々を送りながら、海江田に想いを寄せる西園寺や家の近所に住む住民たちとの交流を重ねつつ、徐々に距離を縮めていった。異性として強く意識し始めたのは海江田が「月間コラム賞」を受賞した時で、開催された授賞式で初めて妻として同行したときに海江田本人の口から妻としてマスコミに紹介された。また、3巻で園田と家にいたところを震災に見舞われ、復旧作業に協力しながら海江田の身を案じていた。このことが入籍を決意する大きな理由になった。
- かつて妻子のある人と付き合っていた時期があったが、その当時の恋人から「君と結婚はできない」と言われた過去があり、恋愛には後ろ向きな傾向が強く海江田からもそのことを指摘された。
- 海江田 醇(かいえだ じゅん)
- 東京の女子大学で哲学の講師をしていた。51歳→52歳。
- 病気療養する友人の代理で角島大学で教鞭を取ることになり、十和の家が大学から新幹線で30分程度の距離なので離れに住むことにする。
- 大学生の頃に十和と知り合い、十和の染色作品を見て想いを寄せるが、片思いに終わった。十和の葬式で十和の孫だとは知らずにつぐみに一目ぼれする。出会った当初から、つぐみには積極的にアプローチをかけたり、かつての恋人が現れた時には本気で喧嘩をしたりと情熱的な面も持っている。同性・異性を問わずにモテる人である
- 世間からは、著名人として知られているらしく「日本コラム賞」を受賞した際に出席した授賞式には数多くのマスコミ関係者がいたほど。
- 2歳で公園に置き去りにされているところを、養父母に育てられたためにそういった家庭関係には敏感なところがある。大阪の養父母の家族とも訳隔たりなく育てられたため、海江田曰く「反抗期らしい時期を迎えたことがない」とのこと。
- 下屋敷 十和(しもやしき とわ)
- つぐみの祖母。染色家として数々の仕事をこなしていた。染色家として東京の大学に教えに行っていた時に、学生だった海江田と知り合う。死ぬ1か月ほど前に海江田に離れの鍵を送っていた。
- 秋本 岬(あきもと みさき)
- つぐみの会社の同僚で友人。同じ部署の係長だった。恋人(つぐみと同期入社)との結婚が決まり、退職する。
- 退職後もつぐみとは関係が続いているが、夫との関係は冷めているらしく4巻では既婚男性と浮気をし、共に那覇へと旅立った。
- 西園寺 真保(さいおんじ まほ)
- 海江田の秘書。以前海江田が勤めていた大学の学長の娘。派手な容姿だが仕事は出来る。海江田のことが好きだったが拒否され、さらには解雇されかかる。
- 園田哲志と交際を始めてからはつぐみを海江田の「妻」として認め、親しくなる。その後、園田と結婚してからは、海江田に辞職届を提出し専業主婦になった。結婚してからもつぐみとの友人関係は続いていて、自分が作ったバッグをプレゼントしたりしている。
- 園田 哲志(そのだ てつし)
- 鶴水市の市議会議員。父親も現役の議員の、ボンクラ二世議員。小さい頃、手下を引き連れてつぐみに意地悪をしていた。つぐみのことが好きだったようだが、その後西園寺とつきあう。
- 川原 信司(かわはら しんじ)
- 市役所の土木課に勤める男性。
- 友生 貴広(ともの たかひろ)
- 郵便配達員。20歳。
書誌情報
- 西炯子 『娚の一生』 小学館〈フラワーコミックスα〉 全4巻
- 2009年ISBN 978-4-09-132269-2 3月10日発売、
- 2009年10月ISBN 978-4-09-132638-6 9日発売、
- 2010年ISBN 978-4-09-133027-7 3月10日発売、
- 2012年ISBN 978-4-09-134583-7 9月24日発売、
映画
娚の一生 | |
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監督 | 廣木隆一 |
脚本 | 斉藤ひろし |
原作 | 西炯子 |
製作 |
辻本珠子 宇田川寧 |
製作総指揮 |
小西真人 平野隆 |
出演者 |
榮倉奈々 豊川悦司 |
音楽 | 遠藤浩二 |
主題歌 | JUJU「Hold me, Hold you」 |
撮影 | 鍋島淳裕 |
編集 | 菊池純一 |
製作会社 | 「娚の一生」製作委員会 |
配給 | ショウゲート |
公開 | 2015年2月14日 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
2015年2月14日に公開。配給はショウゲート。榮倉奈々、豊川悦司がダブル主演し、初共演することに決定した[1][2]。
監督は廣木隆一。榮倉奈々は『余命1ヶ月の花嫁』以来5年ぶり、豊川悦司は『やわらかい生活』以来8年ぶりの廣木隆一監督作品への出演となる。
キャスト
- 堂薗つぐみ:榮倉奈々
- 海江田醇:豊川悦司
- 秋本岬:安藤サクラ
- 園田哲志:前野朋哉
- 友生貴広:落合モトキ
- 堂薗今日子:根岸季衣
- 海江田小夜子:濱田マリ
- 海江田民夫:徳井優
- 坂田佳代:木野花
- 教授秘書:美波
- 富岡まこと:若林瑠海
- 富岡春美:岩佐真悠子
- 下屋敷十和:紺野千春
- 鯰田みゆき:朝倉えりか
- 信夫:坂口健太郎
- 中川俊夫:向井理
スタッフ
- 監督:廣木隆一
- 原作:西炯子
- 脚本:斉藤ひろし
- 音楽:遠藤浩二
- 主題歌:JUJU 「Hold me, Hold you」
- エグゼグティブプロデューサー:小西真人、平野隆
- 企画プロデュース:武田吉孝
- プロデューサー:辻本珠子、宇田川寧
- 撮影:鍋島淳裕(J.S.C.)
- 配給:ショウゲート
- 制作プロダクション:ダブ
- 製作幹事:WOWOW、TBSテレビ
- 製作:「娚の一生」製作委員会(WOWOW、TBSテレビ、小学館、ショウゲート、ポニーキャニオン、CBCテレビ、毎日放送、RKB毎日放送、ダブ)
関連書籍
ロケ地
2014年(平成26年)5月3日から約20日間、三重県伊賀市を中心に、同県度会郡南伊勢町や京都府相楽郡南山城村でロケーション撮影が行われた[4]。
- 伊賀市役所(本庁、伊賀支所)[5]
- 伊賀市立上野総合市民病院
- ジョイシティ伊賀上野店
- 島ケ原駅
- 月ケ瀬口駅
- 伊賀の里モクモク手づくりファーム
脚注
- ^ 〈榮倉奈々〉豊川悦司とダブル主演&初共演(MovieWalker、2014年4月22日)
- ^ “「娚の一生」ポスターで豊川悦司が榮倉奈々に足キス!主題歌はJUJUに決定”. 映画.com. (2014年10月22日)
- ^ 映画『娚の一生』追加キャストに向井理ら、榮倉奈々&豊川悦司のビジュアルも公開(MovieWalker、2014年6月6日)
- ^ “映画「娚の一生」―南伊勢町で榮倉奈々さん、豊川悦司さんらロケ”. 伊勢志摩経済新聞 (2015年2月23日). 2015年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月1日閲覧。
- ^ 伊賀のロケ地案内(ロケ地マップ) - ロケーションナヴィゲーター伊賀