姫路大博覧会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。210a (会話 | 投稿記録) による 2020年6月13日 (土) 19:35個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

姫路大博覧会(ひめじだいはくらんかい)は、姫路市手柄山ほか3つの会場において1966年4月3日から6月5日まで開催された博覧会である。姫路城昭和の大修理の完成を記念して挙行され、期間中に約150万人の入場者があった。

博覧会の跡地は手柄山中央公園および遊園地(ひめじ手柄山遊園)として今も市民の憩いの場になっており、かつてのパビリオンの一部も当時のまま存在している。[1]

期間中の交通機関として姫路モノレールが運営されていたが、博覧会終了から8年後の1974年に運休することとなってしまった。

主な施設・パビリオン

中央会場

旧・姫路博テーマ塔

現在の手柄山公園がメイン会場であった。現在も残る西洋の城を模した建築物や回転レストランは当時のパビリオンの名残である。また会場内にはロープウェイなども設置されていた。

姫路館
姫路の地場産業の紹介など。当時、姫路では主要産業であったマッチ製造に展示の力が注がれていた。また「未来の姫路」と題されたジオラマには姫路バイパス中国自動車道をつなぐ自動車環状線[2]と姫路北西部に延びるモノレール路線、姫路FM、TV局の電波塔が描かれていた。
近代工業館
IHIなどから大型タンカーの模型などが展示されていた。
電力館
関西電力が主になる未来の電力技術を描いたパビリオン
電波館
NHKなどが主になる放送技術の展示パビリオン
自動車館
国内主要自動車メーカが主となる新車展示パビリオン
交通科学館
国鉄日本航空が主となる未来の交通を展示するパビリオン。当時姫路にはまだ延伸していなかった新幹線と当時の最新鋭ジェット旅客機ボーイング727の模型が展示されていた
繊維館
繊維産業は当時、姫路の主要産業であり大きな展示がされていた
国際館
協賛各国の展示パビリオン。特にドイツ館がおおがかりであり、また当時国連加盟国であった中華民国のパビリオンもあった
古銭・たばこ館
専売公社および三和銀行の展示館
海底探検館
実物の潜水艇が展示されていた
宇宙館
ラムダロケットおよびジェミニ宇宙船が展示されていた
安全館
生活科学館
子供の国館
観光めぐり館
農林水産館
播磨館
姫路博テーマ塔
ロサンゼルス国際空港の管制塔を模して作られた展望塔。展望台部は博覧会後も回転レストランになっていたが、2018年3月25日をもって営業を終了、建物自体はモニュメントとして残るが、内部への立ち入りは出来ない[3]

城南会場

大手前公園にて開設された。陸上自衛隊姫路駐屯地の提供による防衛館として展示された。

主な展示物

開会式当日、航空自衛隊ブルーインパルスによるアクロバット飛行が姫路市上空で行われた。

博覧会期間中、陸上自衛隊による戦車およびヘリコプターの体験搭乗が頻繁におこなわれ、また姫路港にて海上自衛隊による護衛艦等の体験航海が3度行われた。

名古山会場

名古山霊苑にて開設された。

名古山霊苑仏舎利塔
仏舎利塔
インドネルー首相より贈与された仏舎利を収めた高さ37メートルの仏舎利塔が建設された。仏舎利塔は現在も内部公開されておりドーム内側の壮大な仏教画などが閲覧できる。
宗教美術館
姫路市立名古山霊苑において仏教各派の美術品を展示する美術館が開設された。この美術館は現在も仏舎利塔とともに見ることができる。
回天館
人間魚雷回天を展示した慰霊パビリオン

関連項目

参考文献

脚注

  1. ^ 安原伸の自主制作映画「明治天皇宇宙の旅」のロケに利用された。
  2. ^ 後に実際にこれらを連絡しているのは播但連絡道路である。
  3. ^ サヨナラ姫路の回転展望台 眺め見納めに長蛇の列”. 神戸新聞NEXT. 神戸新聞社 (2018年3月25日). 2018年6月9日閲覧。
  4. ^ この機体は現在知覧特攻平和会館に展示されている