太田じろう

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太田 じろう(おおた じろう、1923年1月2日 - 1982年3月29日)は、日本漫画家、絵本作家。本名、太田二郎。東京市京橋区八丁堀出身。

経歴[編集]

東京市京橋区八丁堀にて製本職人の家庭に生まれる。早稲田実業学校卒業後、新潮社東宝美術部に勤務。日本画を学び、野口昂明たちの勧めで『日の出』誌にカットを寄稿、1941年、『イソップまんが』で漫画家としてデビューした。

1943年に徴兵され、大刀洗飛行場で従軍にあたった。1945年に復員した後、帷子進芳谷勝に師事する。1950年、『少年クラブ』に『お山のクロちゃん』を連載。1952年島田啓三の長女と結婚した。1960年、『こりすのぽっこちゃん』で第5回小学館漫画賞を受賞する。

1965年、心臓発作を機に漫画の仕事を減らし、絵本作家として活動した。晩年は学習研究社の「図解まんが日本史」シリーズの伝記漫画『徳川吉宗』『西郷隆盛』『福沢諭吉』を描いたが第4作目を執筆中、1982年心筋梗塞のため59歳で急死した。

遺族が保存していた原画により初の原画展が2020年2月に開かれた.

作品リスト[編集]

  • 魔法太郎の冒険(ひばり書房、1948年)[1]
  • げんこつ漫遊記(桜書房、1948年)[2]
  • 曽呂利新左エ門(ひばり書房、1949年)[3]
  • 豆ちゃん探偵手帖(鶴書房、1949年)[4]
  • 漫画の玉手箱(ひばり書房、1950年)[5]
  • 少年打撃王(ひばり書房、1950年)[6]
  • お山のくろちゃん(少年クラブ 1950年)
  • 火の用心(少年少女譚海 1950年)[7]
  • フラフラ(少年少女譚海 1950年)[8]
  • ぼくのこいのぼり(少年少女譚海 1950年)[9]
  • 時の記念日(少年少女譚海 1950年)[10]
  • 甘栗太郎(少年少女譚海 1951年)[11]
  • どうぶつ(ひばり書房、1951年)[12]
  • たあちやんとすいか(大日本雄弁会講談社こどもクラブ、1954年8月号)[13]
  • イダテン記者(小学館小学四年生、1954年-1955年[14][15]、小学五年生1955年-1956年[16][17]
  • 少年谷風(学習研究社4年の学習、1954年7月号[18]-1955年3月号[19]5年の学習、1955年4月号[20]-1956年3月号[21]
  • スーパーゴンちゃん(学習研究社4年の学習1958年10月号[22]-1959年3月号[23]
  • おてがら道中(まんが王
  • がんばれ!ガン太(少年 1955年)
  • げんこつ漫遊記(まんが王)
  • みいこちゃんたっちゃん(大日本雄弁会講談社こどもクラブ、1955年1月号[24]-1955年12月号[25]
  • ちびどんとしろ(大日本雄弁会講談社講談社の1年生文庫、1957年)[26]
  • こりすのぽっこちゃん
  • ロボッタンTBS、1961年) - 人形デザイン[27]
  • テレビ人形劇「こりすのぽっこちゃん」(放送期間:1959/03/30 ~ 1961/07/15の月曜から土曜、キー局KR)※「テレビ幼稚園」の1コーナーで放送された人形劇。
  • クッピーラムネのマスコットキャラクター(ウサギとリス)(1963年)[28]
  • 快獣ブースカ(めばえ、よいこ、幼稚園、小学一年生 1966年)
  • おらぁグズラだど(よいこ、幼稚園 1968年)
  • ハクション大魔王たのしい幼稚園 1970年)
  • チビラくん(幼稚園、小学一年生 1970年)
  • みなしごハッチ(小学二年生 1971年)
  • 西郷隆盛 : 官軍の総大将(監修: 樋口清之、図解まんが日本史 1979年)[29]
  • 徳川吉宗 : 世直し将軍(監修: 樋口清之、図解まんが日本史 1979年)[30]
  • 福沢諭吉 : 新しい文化と学問(監修: 樋口清之、図解まんが日本史 1980年)[31]
  • 太田じろう全集(曙出版 1969年 - 1970年?)[32]
    • 1 曽呂利新左ヱ門
    • 2 げんこつ和尚
    • 3 猿飛佐助
    • 4 塚原卜伝
    • 5 弁慶
    • 6 太閤記

脚注[編集]

  1. ^ じろう, 太田 (1948). 魔法太郎の冒険 : たんていぼうけんまんが. 東京: ひばり書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001795777-00 
  2. ^ じろう, 太田 (1948). げんこつ漫遊記. 東京: 桜書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001432773-00 
  3. ^ じろう, 太田 (1949). 曽呂利新左エ門. 東京: ひばり書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001868479-00 
  4. ^ じろう, 太田 (1949). 豆ちゃん探偵手帖. 東京: 鶴書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001505522-00 
  5. ^ じろう, 太田 (1950). 漫画の玉手箱. 東京: ひばり書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001650638-00 
  6. ^ じろう, 太田 (1950). 少年打撃王. 東京: ひばり書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001723230-00 
  7. ^ 文京出版 (1950-03). 少年少女譚海. 東京: 文京出版. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000222644-00 
  8. ^ 文京出版 (1950-04). 少年少女譚海. 東京: 文京出版. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000359507-00 
  9. ^ 文京出版 (1950-05). 少年少女譚海. 東京: 文京出版. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000322207-00 
  10. ^ 文京出版 (1950-06). 少年少女譚海. 東京: 文京出版. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000070812-00 
  11. ^ 文京出版 (1951-06). 少年少女譚海. 東京: 文京出版. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002761645-00 
  12. ^ じろう, 太田 (1951). どうぶつ. 東京: ひばり書房. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002228347-00 
  13. ^ 大日本雄弁会講談社 (1954-08). こどもクラブ. 東京: 大日本雄弁会講談社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000517513-00 
  14. ^ 小学館 (1954-09). 小学四年生. 東京: 小学館. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000190030-00 
  15. ^ 小学館 (1955-03). 小学四年生. 東京: 小学館. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000670300-00 
  16. ^ 小学館 (1955-04). 小学五年生. 東京: 小学館. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000012806-00 
  17. ^ 小学館 (1956-03). 小学五年生. 東京: 小学館. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000271335-00 
  18. ^ 学習研究社 (1954-07). 4年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000662246-00 
  19. ^ 学習研究社 (1955-03). 4年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000518316-00 
  20. ^ 学習研究社 (1955-04). 5年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000460264-00 
  21. ^ 学習研究社 (1956-03). 5年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000371961-00 
  22. ^ 学習研究社 (1958-10). 4年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000411507-00 
  23. ^ 学習研究社 (1959-03). 4年の学習. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000411502-00 
  24. ^ 大日本雄弁会講談社 (1955-01). こどもクラブ. 東京: 大日本雄弁会講談社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000523942-00 
  25. ^ 大日本雄弁会講談社 (1955-12). こどもクラブ. 東京: 大日本雄弁会講談社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000123737-00 
  26. ^ 太田じろう (1957). ちびどんとしろ. 東京: 大日本雄弁会講談社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I117319457-00 
  27. ^ 「まんが&デザイン――デザイン部門に進出した児童まんが家太田じろう」『若人芸術』3月号、芸術学院出版部、1961年、9頁。 
  28. ^ 小松万希子. “「クッピーラムネ」のキャラ「魚」だった過去 伝説の駄菓子の半生”. withnews.jp. 2023年7月21日閲覧。
  29. ^ じろう, 太田 (1979). 西郷隆盛 : 官軍の総大将. 東京: 学習研究社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001460561-00 
  30. ^ 樋口‖清之; 太田‖じろう (1979). 徳川吉宗 : 世直し将軍. 東京: 学研. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I023133035-00 
  31. ^ 樋口‖清之; 太田‖じろう (1980). 福沢諭吉 : 新しい文化と学問. 東京: 学研. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011114321-00 
  32. ^ 簡易検索結果|「太田じろう全集」に一致する資料: 16件中1から5件目|国立国会図書館サーチ”. iss.ndl.go.jp. 2023年7月28日閲覧。

外部リンク[編集]